にゅうらんど物語

にゅうらんどはニーセン城の眼下に豊かな田園花畑が広がる、美しい國。中央にある城とそれをとりまく街は、まるでお菓子造りですが、なぜかある方向から見ると、廃墟のような表情を持っています。またときどき街には悪い病気がはやり、田畑を不作が襲います。
 ふだん街はとても賑やかで幸せに溢れています。西の砂漠には昔の都の遺跡があり、この國に歴史の重みを与えています。しかし海には海賊が、北には険しい山や、おそろしいかいじゅうのいる林、一日中太陽のささないまっくら森があります。
 王さまは、平和と幸せを願うひとです。なにか大切なことがあると、ときどき街はずれにある星辰城(天文観測所)へいって、そこに住む魔法使いに考えを聞いています。彼は街で魔法使いとか錬金術師とか恐れられるような不思議な力と知恵を持っています。
 あるときお姫さまが家出をしてしまいました。国が、"完全には幸せでない" ということに気がついたからです。彼女は海賊がまっくら森のなかにかくしてしまったという、"完全な幸せ"をもたらす宝を探しにいく決意を密かにしていました。いままで旅立ったものは、だれもみんなそこから帰ってきませんでした。みんなで引き止めたのですが・・・・・・。王さまは魔法使いに相談しました。やむなく魔法使いは弟子にその跡を追わせることにしたのでした。
 弟子の助けで海賊を退け、砂漠で遺跡の呪文から古代の宇宙を見ることができます。険しい山でたくさんの困難がやってきて、それを乗り越えました。洞窟では壊れた宇宙船を見つけます。旅立っていったいにしえの勇者たちは、ここからさらに未知の国へと行ってしまったのでしょうか? いちばんおそれていた"かいじゅうたち"は、実際会ってみると、とても"いいやつら" で、すぐに友達になってしまいました。
 ついにまっくら森にたどりついたものの、二人は"完全なしあわせ"なんて本当にあるのだろうかと思い始めていました。その不安や恐れが、お化けや邪悪な霊になって二人を襲いました。そのとき救ってくれたのは"かいじゅうたちの勇気やユーモア"でした。そうして「ありてあること」を知るのです。二人は魔法使いに会いたくなって、星辰城に向かいます。何日かの休養のあいだに、旅で出会ったさまざまなことを振り返ります。宝は手にはいらなかったけれど、未来は"しあわせな国"ではなく"しあわせに向かう国"になるという意志をもって、お姫さまは気球にのってお城へと帰りました。
 それを見送っていた魔法使いとその弟子は・・・・・・・・・・・・・。
まだまだにゅうらんどには明らかになっていない秘密が残されているようです。