5.剛性パーツの制作と取り付け |
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レシーバー部分の完全分解写真です。 基本的にはPSG-1の構成に準じていますが大きく変更している部分があります。 それが今回のG3系のチューンアップの最大のポイントである「背骨」です。 写真中央に一本横たわっているのがその「背骨」です。材質はアルミ。何処から調達したかと言えば、あの往年の名銃「UX-9」の純正ブルバレルから流用しました。 直径は16mm。それにメカボックスや重要なリブなどを逃げるように切り込み&穴を開け、リアサイト後部(レシーバー最後端)からガスチューブ前部まで、文字どおり「背骨」としてMSG-90の剛性を高めてくれています。 まずはこの背骨とそれに関するレシーバー内側部分の加工の説明をして行きます。 これが今回の主役である「背骨」です。 大まかな制作手順はUX-9のブルバレルを元に、 1.メカボックスとの干渉部分を切り欠き 2.レシーバー上部中央と後部上方のダボ穴を開け 3.ガスチューブが被さる中央から前の部分は直径を0.2〜0.3mm削り落とし 4.コッキングハンドルと、その前のピンが入る穴を開け 5.アウターバレル固定用のネジ穴を開け 6.ガスチューブ前部にまで十分長さが届くように少々延長して 7.パイプ経が合わない部分に紙と瞬間接着剤にて肉厚を増してやる となります。 もう少し詳しく見て行きましょう。 今回Ver.2のメカボックスを使用したこともあってメカボックスの上部リブとこの「背骨」が完全に干渉してしまいます。 そこでまずは、メカボックスの上部リブの内、ネジで固定している部分の上の幅2mm程のリブを全て削り落としておきます。ここは削り落としてもさほど強度などに影響はないと思われるので大丈夫です。 そうしたら、「背骨」の下側を3mmほど水平に削り落として下さい。 この作業は手で削るとかなりの労力が必要です。私は今回この制作のために「ディスクサンダー」を購入しました。ホームセンターで¥6000程度のこの工具、派手な火花と引き替えに素晴らしい作業効率を提供してくれました。 それが終わったら次に、レシーバーのダボ穴のために横に貫通する穴を開けます。 この銃で必要と思われたのはレシーバーの中央に位置する所と、レシーバー最後部のネジ穴です。 レシーバー中央部に関しては直径6mmの穴を開ければOKです。 最後部のネジ穴の所は、現物を合わせて行けば分かりますがレシーバー右側が7mmほど、左側が10mmにして下さい。ここは穴位置がかなりオフセットされているので穴と言うよりも切り欠きになってしまいます。 基本的には「背骨」がストレス無くはまる様にガスチューブ内の必要無いリブや出っ張りを削って行くことになります。 リューターなどを使用して、「背骨」と干渉する部分を削って行けばOKです。 中央部分のダボは必ず残しましょう。根本部分などに他の要らないリブがあるので非常に残しにくいと思われますが、何とか残すように頑張って下さい。 これがないと組み上げたときにレシーバー上部に少し透き間が空いてしまうかも知れません。 直径16mmのパイプ(UX-9ブルバレル)をガスチューブにはめてみると分かるのですが非常にきついです。これはガスチューブの成型時に型が抜きやすいように前に行くほど内径が狭まっているからだと考えられます。 そこでその形状に合うように、「背骨」中央部から前の部分を成るべく偏心しないように0.2〜0.3mmほどそぎ落として行きます。 この部分はそれほど正確に加工する必要がないのですが、削る部分がかなり長いのでここも骨が折れます。 とにかくもガスチューブに(多少の抵抗は良いのですが)すんなりと収まる程度まで削っていって下さい。 ここの部分が余りにきついと分解・組立が非常に困難となります。 ガスチューブが完全に収まるようになったら、コッキングハンドルとその前にあるピンの穴を開けましょう この2つの穴はは斜め45度の角度に開いていますので、ガスチューブと、レシーバーを仮組みした状態で穴開け位置を決め、慎重に穴を開けて下さい。 コッキングハンドル部分はコッキングハンドルがはまる様に楕円にする必要があるので、前後2つ穴を開けその穴を繋げるようにして下さい。 コッキングハンドル自体は、根本の出っ張りを削り落とし、その穴にはめ込む事になります。 ただはめ込むだけでは落ちてしまうので、ガスチューブ下方より3mmイモネジで止められるようにコッキングハンドル穴と90度交差するネジ穴を開けて抜け止めとします。 分解時には、先ず、ハンドガードを抜き、このネジを完全に外してコッキングハンドルを抜いてから行います。 この素材では後ろは少し余るのですが前がガスチューブ先端まで届きませんでした。そこで、6mmの真鍮パイプを心に通し同じ様な12mmの外径のパイプ(これも何かのバレルでした)で延長してやりました。 PSG-1のガスチューブの場合完全に前まで延ばしてしまうとハンドガードの取り付けが不可能になるので多少は透き間を空けておいて下さい。 長さが決まったら、ガスチューブ先端の内径に合わせるために、「背骨」前部に紙を巻き、そこに瞬間接着剤を染み込ませて多少太くしておき、ガタを無くします。 レシーバーとガスチューブ・「背骨」・チャンバーAssyを仮組みして、アウターバレルを組み込んでみます。 そうしたらアウターバレル内側とガスチューブを止めるネジ穴を「背骨」に開けて上げましょう。私の場合は、3つ有るネジの内後方2つを4mmにしてしっかりと「背骨」とアウターバレルが固定されるようにしました。 この様に「背骨」を入れた場合、コッキングハンドルが無可動になってしまいますので、HOP調整などでダミーボルトを動かしたいときには直接指で動かすような形になります。 ダミーボルトはノーマルの時に付いていた部品を全て取り去り、まずは半分に切り取ります。そうしたら「背骨」と干渉する部分をヤスリで丁寧に削って行き 多少抵抗が残るくらい(銃を傾けても落ちてこない程度)にします。 この様にして制作したダミーボルトは「背骨」と、レシーバーの隙間に挟めて有るだけです。 HOP調整も一度してしまえばゲーム中は殆どいじることもないでしょうし、これでOKだと思っています。 |
6.バレル・レシーバー・ハンドガードの加工 |
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但し、この様なセッティングは今の所暫定で、今後バレル長や、スリーブ形状など変更があるかも知れません。 バレルスリーブは10mmの真鍮パイプに紙を巻き付けて瞬間接着剤で固め、その外側にABSのパイプを巻くという形でインナーバレルとアウターバレルを固定しました。 但し、当然の事ながらこれではきちっとした芯は出ていないと思われますので今後の改良を考えています。 19mmのパイプはアウターバレルの根本から先端まで通っており、PSG-1用アウターバレルはその前後外側に直径合わせのために存在しているに過ぎません。 実銃のテーパーがそれほどきつくなかったのでパイプの継ぎ足しでも十分それらしく見えます。 根本部分の固定はPSG-1に準じていますが、ガスチューブとの固定は「背骨」と直接ネジ止めされているのでかなり強固な物となっています。 この部分はこの後サイドプレートがはめ込まれるので思いっきりやってもOKです。 但し、私が今回制作したMSG-90は結構初期型の物を再現して有ります。ですからサイドプレートの形もただの円柱から切り出したような形になっていますし、実際私が制作したサイドプレートも直径30mmのアルミパイプを短冊形に切り出して制作して有ります。 その短冊形のプレートを張り付けるときは溶接跡もエポキシパテで再現しました。その様な小細工もそこそこリアルに見せるのにプラスになっているようです この様に初期型をモデルにする人にはエポキシパテ充填が必要になりますが、後期型はまんまPSG-1と同じタイプのサイドプレートを使用しているので、それを流用しましょう。 この加工でハンドガードを握ったときの「きしみ」が軽減されていると思います。 充填するときはアウターバレルや、固定用リブなどに干渉しないように少しずつ盛って行くようにして下さい。 大分重くなるのでスナイパーや競技射撃以外には不向きですが、それでも持った感じが違うのは気分のいい物です。 |