電動SIG SG552




 東京マルイのSIG SG550は実際の販売価格がかなり高額なので余り人気が無い様ですが、電動ガンの中でも1・2を争う程製造コストが掛かっています。
 それによって得られる剛性の高さは群を抜いており、箱出しでも十分すぎるほど堅く作られています。
 しかし、剛性が高い代わりに本体の重量バランスの悪さが目立っていて、それを意識したのかマルイではショートバージョンのSIG SG551 SWATを発売しています。
 けれども、私にとって、SIG SG551 SWATは中途半端な感じがして何となく馴染めず、SIGシリーズには全く触らないようになっていました。
 そんな中、98/3月号のアームズマガジンにSIG SG550シリーズの非常に魅力的なショートバージョンが発表されていました。そこで、今年の冬に手に入れたばかりのSG550を切り飛ばしてSG552を製作してみました。
 基本的にフロントハンドガード周りだけの工作になるので気合い入れて行けば割と短時間で完成できるでしょう。

それではお楽しみ下さい。


 1.バッテリーの収納

 今回SG552を製作するに当たって一番頭を悩ませたのがバッテリーを何にして、それをどこに収納するのかという事です。当然ラージバッテリーは何処にも収納できそうにありませんし、外付けのバッテリーポーチは私の趣味ではありません。
 ワンオフのカスタムバッテリーを製作するのも考えましたがそれではあまりにも「ワンオフカスタム」の性格が強く出てしまいますし、何よりも何個も同じカスタムバッテリーを製作するのは骨が折れそうです。
 市販されているミニバッテリーの中で一番体積が小さそうなのが「アメリカンガンキッズ」さんのバッテリーです。これはマルイ純正品からプラスティックのカバーを取り外したような物で、カバーの無い分マルイ純正品と比べると一回り小さくなっています。
 今回はこれを何とかハンドガード内に押し込むと言う作業がメインになってきます。押し込むためにバーストユニットを移動させ、バッテリースペーサー(ガスチューブの部分)を取り去り、ハンドガード内部をリューターで削り、ヒューズを小さい物と交換する・・・。
 これらの作業はネタは違っても他の切り詰め物等に応用が利くと思います。
 さて、これがバッテリーを取ったハンドガード内部です。上のバッテリーをはめた写真と比べるとどの様に収まっているのか分かると思います。バッテリーは配線が出ている方を後ろに置き、銃口方向から出ているコネクターと結線させます。
 フロントサイトAssyのアウターバレル接合部の根本もバッテリーと干渉するので少しばかり削り取って有ります。赤コードの下に銀色に光っている部分が削り取った部分です。
 左側面にバッテリーがへばりつくような形で収納する以外に収納方法が見あたりませんでした。その為にバーストユニットを下側に移動させてあります。
 逆側から見た写真です。バッテリーのへばりつき具合がお判りでしょうか?コネクターなどの物もなにげに場所を取るのでバッテリーとは反対の右サイドに集中するようなレイアウトとしました。
 コネクターなども普通のミニコネクターを使用したかったのでその様にしたのですが、上手く行ったようで満足しています。
 それからロアハンドガードとアッパーハンドガードを引っかける爪も小さく三角形状にしてハンドガードの内容積を稼いであります(微々たる物ですが丁度コードの通り道にあるので必要な加工でした)。
 SG550のフロント周りの剛性の強さは、主にアウターバレルによる物らしいです。私は初め、バッテリーホルダーとの上下2本による剛性だと思っていたのですが、それを取り外しても強度的に不安は微塵も感じられません。
 長さ的にSG550の半分ほどのSG552ではバレル部分の剛性不足と言うことは全く無い様です。

 
 2.フロント部分の加工

 フロント部分で大きな加工が必要なのは、フラッシュハイダーと、ハンドガードを止める為のプレートです。
 その他、現物合わせで多少削ったりと言うことはありますが、基本的なフォルムに変更はないので楽に仕上げることが出来ると思います。
 写真で、「コの字」型に削り取られている部分はバッテリー収納の関係で、削り取った所です。ここを削りすぎるとフロントサイトがしっかり固定されなくなるので良い頃合を見ながらじっくりと削っていって下さい。
 ハンドガードのフロントを固定するプレートです。この部品を製作するに当たって、本当は一体成形したかったので色々と製作法を考えました。「ヒートプレスみたいに2mm位のABS板を男型に押しつけたらどうか」とか「取りあえず型を製作してシリコンで型取っちゃえ」とか・・・。しかしながら、どちらの方法も手間が掛かる割に大した効果を認められそうもなく、結局いつものような2mmABS板を卵形に切り抜いてその縁に3mm厚のABS板を幅5mm程に切った物を張り付けて行くという製作法に落ちつきました。
 少しずつライターであぶって円形になるように癖を付けつつ瞬間接着剤で止めて行きます。一周張り付けたら、まずは外径を丸くなるように仕上げて行きます。
 外側の仕上げが終わったら内側をリューターを使いながら仕上げます。私の作例では少々内径が小さかったので3mmABS板が1.5mm位になるまで削り込んでいます。写真に、リューターの削り跡が残っているのが見えると思います。
 その様にプレートが出来たらフロントサイトに取り付けるためのネジ穴と、バレルが通る穴を開けます。この作例では固定ネジの穴が2つ開いていますが上の方は失敗した穴で組立には下の方を使っています。
 バレルの通る穴はかなりいい加減に開けています。この辺にも性格が出ちゃいますねぇ〜。
 フラッシュハイダーはSG550ともSG551とも違った形になっています。一番近いのはP.D.Iの「ボルテックスハイダー」でしょうが、それでも随分形が違います。
 本当なら、アルミなどのムク棒から削り出すのが一番なのですがそんな設備もないのでいつもの通り「でっち上げ」です。
 フラッシュハイダーはかなり直径が太いようです。ですから、円筒部はマルイのXM177E2のハイダーを輪切りにして使います。
 正確に十文字を引いて、スリットを入れるためのガイドをけがいておきます。そうしたらおもむろに6mmのドリルで4方向から穴を開けます。この時に、ボール盤を使用していない方は必ず4方向から開けるようにしましょう。ボール盤を使用して、材料が水平に固定されている場合はいきなり貫通させちゃっても良いのですが、ハンドドリルや、電動ドリルを使用すると垂直だと思っても必ず斜めに入って行くものです。
 その様にして穴が開いたらその穴に繋がるようにゆっくりと先端から鋸を入れて行きます。焦ってゴリゴリやるとこれも必ず曲がってしまい修正に一苦労ですのでゆっくりと時間をかけて行きましょう。
 その様に円筒部が完成したら次はテーパー部です。
 ここは手作業で綺麗に仕上げるのは至難の業なので、少しインチキしましょう。
 SG550の切り取ったフロントバレル部分にグレネード発射用の「節」がありますね。そこは前後ともに結構美味しいテーパーが掛かっているのでここを頂きます。前後のテーパーの間に溝がありそこに針金がはまっていますのでもぎ取り、丁寧に切り飛ばして、先ほど製作した円筒部と接着させます。
 アウターバレルとの接合は10mmの真鍮パイプを接着し、アウターバレル側に2.6mmのイモネジを立てることで固定して有ります。
 私はこの部分の接着を瞬間接着剤にて行いましたが、案の定少しぶつけるだけで簡単に分離してしまいます。また強度的にも不安があるのでそのうちアルミの削り出しハイダーを業者に依頼しようと思っています。
 多少実銃通りでなくとも良いので有れば、SG551のフラッシュハイダーは長さも丁度よく使えそうです。それを使用するのも現実的な選択と言えるでしょう。

電動SIG SG552 Vol.1はここまで。

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