「タニオ・コバ」インタビューVol.1


 '99の夏のブラックホールでそれは発表されました。「ルガー10/22」。タニオ・コバブースにひっそりと置かれた10/22を見て私や友人たちは驚喜しました。そのときに我々の質問に熱心にお答え下さったのが「タニオ・コバ」社長、小林太三氏その人だったのです。我々にしてみれば正に「神様」。興奮のあまり不躾にも質問責めにした我々に快く答えて下さり、メールアドレスとURLを交換してその場は分かれました。
 その後数度のメール交換の後、ついに'99/09/23に直接「タニオ・コバ」に御邪魔してお話をお聞きすることが出来ました。
 特に、「KOBA10/22」に関しては情報が不足しているので、このインタビューがみなさんの参考になればと思っております。



 '99/09/23「タニオ・コバ」到着。
 土曜日のお昼前、台風の影響でなんだか9月下旬にしては異様に暑いこの日。埼玉県浦和市にある「タニオ・コバ」に到着しました。全体に白いタイル張りの外観がおしゃれな建物です。
 そこには見慣れた「ヒゲコバ」マークがかかれた看板が出ています。
 車を止め、玄関口に行くと小林太三氏が上半身裸で出てきてくれました。ちょうど試作品のストック(もちろん10/22の物)にシボ塗装(車のアンダーコートを使用して、塗装後ガスコンロで焼きを入れていました)をなさっている最中で、真っ黒なストックを乾燥させている所でした。
 そこで早速ご挨拶を済ませ、インタビューの準備を進めつつ、早速いろいろなお話に花が咲き始めます。
 先ずは先日、地裁の結審が済んだ「ガスブローバック裁判」に関する苦労話や、今後の見通し等の話で盛り上がります。
 そして肝心の10/22の進行状況など、話好きなタニコバさんが次々に話題を提供してくれます。
 そんなお話をしている最中に少し遅れてせーの氏が到着。
 実はこの日は、小林さんは久しぶりのOFFだったそうなのですが、無理を言ってお話を伺うことが出来ました。
 役者が揃ったところで、テレコを用意してインタビューに取りかかりました。
 



 インタビュー開始
 取り敢えず、予め用意していった質問をぶつけて行きます。なんだか緊張してます。

平賀以降:開発開始時期はいつ頃でしたか?
小林太三氏以降KOBA:去年の9月頃かな?
:一年ほど前ですか?
KOBA:そう、それくらい。
:それでは機種選定時に候補に挙がった他の機種はありましたか?
KOBA:え〜っと、かなり早い時期で消えたんだけど、M1カービンとMINI14だね。
:なぜそれらは駄目だったんでしょうか?
KOBA:MINI14の方はあれだけ大きな機関部を作動させるのが一寸きつかったの。M1カービンは最後までやりたかったんだけど、やはり10/22と比べると型の数が圧倒的に多くて、金銭的に苦しかったのがあるね。
:M1カービンの方がメジャーだし、数も出そうですけどね。
KOBA:うん・・。まぁ10/22が上手くゆけば他のこともできるかもしれないし。
:そうですか。では、10/22の想定購買層という物は考えていらっしゃいますか?
KOBA:始め出した(発表した)とき「こんなローズウッドの良いストックじゃぁゲームに使え無いじゃないか」という声はあったけど、ストック屋の都合でこれが一番最初に出来ちゃったから・・・。ゲーム用のストックも考えているからね。
:ではゲーム用何%・プリンキング何%と言うことはなくて、購入者の方で適当にカスタムして使えればと言うことですね。
KOBA:レシーバーの仕上げなんかも、この仕上げしていない状態のグレーのテフロン系のコーティングしただけの物なんかは一番耐食性もあるし、実用性もあるわけ、見てくれは一寸悪いけどね。
:その上に塗料などは乗りますか?テフロン系コーティングだと乗りにくいのではないですか?
KOBA:乗るよ。乗る乗る。サンドブラスト一回かけてるから。プラサフとか有るじゃないですか。あれはあまり厚みがつかないから・・・。あとシールコート(KUREから出ている金属用のプライマーらしい)を塗ってから塗装すれば大丈夫。
:それでは、10/22の実射性能についてお聞きしたいのですが、まず出力については如何でしょうか?
KOBA:市販する物については0.8Jを目指してやってます。
:精度の方はどうでしょう?
KOBA:今のところ10mで5cmです。市販する物に関しては10mで3cmを出そうと思ってやってます。
:それはBB弾は何を使用していますか?
KOBA:0.25g。
:メーカーは?
KOBA:マルイさんの弾。スーパーグレードの高価なやつ。やはり長物をモデルアップするときはマルイさんの電動ガン、あれを基準に性能出すようにするわけ。でも、APSよりは(精度は)落ちます。
:う〜ん・・・
KOBA:やっぱりガスオートだからバラツキは出ます。コッキングほどは安定しないね。
:性能至上主義の方なんかは、マガジンの下からホース出してやればもっと安定すると言うことですね?
KOBA:そうそう。だからね、初めはマガジンの注入バルブのネジ径を4.5mmでやろうと思ったんだけど、結局5mm(注:ピッチは0.5mmだそうです)にしたのね。その方がアダプターが丈夫になるから。
:あと20m・30mと言うロングレンジのテストはまだなさっていないと言うことでしょうか?
KOBA:詳しくターゲットを立てはやっていないね。
:では、見た目の弾道なんかは安定しているんでしょうか?あくまでも見た目の感覚でについてですけど・・・。
KOBA:そうね、電動とほぼ同じですよ、同じ感じ。パワーも確実に(電動ガンと同じくらい)出てます。
:0.8Jですか。そのときの気温は何度くらいでしたか?
KOBA:そうね〜朝だったから20度くらいかな?
:と言うことは暖かくなるともっと出ちゃいますね?
KOBA:1J出ちゃうね。

ここで奥様が話の輪に加わってくれました。

:では真夏の炎天下では1J以上ガンガン出ちゃう訳ですか?
KOBA:いや、1J以上は出ないように押さえています。1J越えちゃうと「暴れ弾」が出ちゃってしょうがないんだよ。
:では、気温なんかに応じて何かパーツを変えるなどしてパワーを押さえられたりと言うことは出来るのでしょうか?
KOBA:え〜っとね。マガジンの所にある放出バルブ。これ実は私の所から四社くらいに供給しているのね。各社この放出バルブの穴の大きさが違うだけで基本は同じなの(注:ピッチやその他の寸法もほとんど同じと言うことらしい)。
 だから一番でかい穴のバルブを付けちゃうとすごいの。バルブの大きさを変えてパワー調整をすることになるね。
 実はうちの10/22が一番ガスルートが太くて短い。
:ガスルートが太くて短いので有れば、ビックバルブを付けた時の効果も高いと言うことですね。
KOBA:で、色々とバランスを取ったあげくに、インナーバレルは255mmにしたの。これが一番バランスが良かったの。
せーの氏以降せーの:やはりインナーバレルは長ければ良いと言うものではないと言うことですね。
KOBA:そうね、190mmあれば性能は出るね。それでね、190mmじゃぁ、何だこれって言われちゃうでしょ?それでね255mmが限度。270mm越えちゃうと255mmの方が良いかなって感じだね。


 長くなったので「タニオ・コバ インタビューVol.2」に行ってね。



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