ずいぶんと待たされ、ようやく発売になった.22口径のハンドガンRUGER。私も当然のように「サイレンサー付きRUGER」を制作しました。 しかしながらただサイレンサーを付けただけではそれほど劇的に消音できないと考え、シングルショットに改造してみました。 ダブルアクションでの連射は出来なくなりましたが、実銃のサイレンサー付きのものには作動音やエジェクションポートからの音を嫌ってのシングルショットも数多く存在するようです。 実際にサバゲに使ってみると、その発射音の無さで、かなり良い感じです。 |
1.サイレンサーとアナル君 |
---|
![]() モノはKM企画製 シールズサイレンサーです。シールズサイレンサーの取り付けねじ部分のパーツを外した後に、アウターバレルを切り取り、そのアウターバレル基部の部分に強引にねじ込んでゆきます。プラ(ABS)対アルミなので、プラスティック製のバレル基部にうっすらとねじが切り込まれます。 かなり強引な方法ですが、サイレンサーが曲がって付いたりしなければ、かなりしっかりと固定でき、しかもなかなかぴったりのフォルムになります。 ただし、ねじ山自体かなり薄く切れるので、脱着には細心の注意をしなければなりません。私の場合はまだやってはいないのですが、ある程度ねじ山が切れた時点で瞬間接着剤を薄〜く塗布すると多少の効果があると思います。 長さを調整したい方は、パイプカッターなどで先端部分から切り詰めてゆくと良いでしょう(先端部分はネジ止め固定ではなくOリングによるはめ込み式のため)。 ![]() 通称「アナル君」と一部で言われているものですが、実銃のサイレンサーのように、銃口を柔らかい板状のもので塞いでしまい、高圧のガスがなるべくゆっくりと拡散できるようにするモノです。 このあたりの加工はせーの氏が詳しいのですが、今回使用したサイレンサーには、M氏が取り付けていた「アナル君」をそのまま使用しました。 シールズサイレンサーの中には、白い吸音材が3つ入っており、その吸音材と吸音材の間などに薄い樹脂に沢山の切れ込みを入れたモノを挟み込んでおきます。今回は3枚挟んでみました。 切り込みの数が少ないと弾道に非常に悪影響を及ぼしますし、あまり細かいと耐久性が落ちます。写真の「アナル君」はかなり切れ込みがおおく、遠距離でも安定した弾道を見せてくれています サイレンサーを取り付けただけでは、順当に消音されるだけですが、銃口方面への音が落ちるためにかなり「気付かれにくい」銃になったと思います。 |
2.シングルアクション化 |
---|
![]() まずシングルアクションにするに当たって、トリガーバーから見ていただきます。 写真のような形に加工するのですが、位置合わせが非常に微妙で、後述するシアやハンマーの加工により特に後端部の形状が変わってくると思います。 またコック&ロックが可能なように、セフティーレバーとのかみ合いも後ろに掘り込んでおきます。 ![]() 耐久性には疑問が残るやり方だったのですが、加工・整形の楽さに負けてしまいました。本当ならばキッチリと位置出しをして、金属製のピンでやったほうが良いです。 |
![]() そうです。シアスプリング自体がシアの役目をしています。材料はWAガバメントのシアスプリングをカットしたものです。このシア自体が板バネのために、トリガーを戻せば定位置にシア位置が戻ってくれるという塩梅です。 シアの取り付けは写真のようにフレーム内部のリブにネジ止めします。 その際メインスプリングハウジングが浮き上がらないようにシアの分だけハウジング内側を削り込んでおく必要があります。 |
![]() 私が今回やったものに関しては少々ハンマーの起き上がり角度が少なく、コッキングストロークが短い気もしますが、この辺が良いところのような気がします。 ハンマーノッチはハンマーから銃口に向かってみて右側のいちだん太くなった部分に掘り込みますが、この太くなっているところ自体も少し外径を落としてやったほうが、スペース的に楽が出来るようです。ただし、ノッチ部分の掘り込みが少ない場合は、そのままでも良いようですが・・・(私の場合はかなり深く掘り込んでしまって、シアががっちりと食い込みすぎ、トリガーバーの可動ストロークではハンマーが落ちなかったのです)。 ノッチの深さは、例のシアを使うのであれば1〜1.5mm程度でokと思われます。 |
![]() このハンマーノッチの掘り込み工作時は、やはりリューター等の電動工具が会ったほうが楽に加工できると思います。 そうそう、必ず仮組をしながら位置合わせをしていって下さい。また仮組・作動チェックの時は必ずマガジンを入れて行うようにして下さいね。 マガジンがシア等に結構干渉して正確なハンマーリリースポイントが解らなくなってしまうのです。。 |
![]() 上の写真がハンマーを除いたシアとトリガーバーの様子です。シアの移動可能距離はマガジンにシアが当たってしまうために2mm程しかありません。 またトリガーバーの動きを妨げないように、フレーム右側面の穴も多少広げて置かないとトリガーバーがシアを引ききれません。 写真真ん中はハンマーとシアが噛み込んでいる様子です。ハンマーのノッチにシアがかんでいるのが解りますでしょうか? ほんの少しだけの噛み込みですが、暴発等はありません。 下の写真はトリガーを引いてトリガーをフリーにしたところです。シアの作動範囲が狭く結構ぎりぎりなのが解ります。 この様な簡単な機構にかかわらずトリガーフィーリングはそんなに悪くはなく、そこそこきちんと作動してくれました。コツとしては各部のエッジをきちんと出すことでしょうか? 一つ心配なのが、板バネシアというなんとも中途半端なメカのために、耐久性が少しばかり気にかかるのですが、そこはそれこの銃で何万発と撃たないと考えればまぁ良いのかなぁ・・・。 |
3.コッキング |
---|
![]() 次に、ボルトを引いてコッキングするための加工をします。マルシンのRUGERはもともとコッキングやガスブローバックまで考えていたのではいかと思われるほど、ボルト周りに関しては楽に動かすことが出来ます。 写真のようにボルトをカットするだけで問題なく動くようにできます。 |
![]() ボルトのリターンスプリングは写真のようにチャンバーブロックとボルトを引きバネでつなぎます。 今回使用したバネはWAガバメントのモノです。少し引く力が弱かったようですが、これで問題なくボルトの閉鎖が行えます。 取り付けに関しては、チャンバーブロックの後端に2mmほど掘り込みをして、そこへ2mmのネジを立てて固定します。まず前側羽そこに引っかける形になります。 スプリングの後ろはボルト部分に、スプリングが縮んだときの分の切り欠きを入れ、そこにピンを立ててバネを引っかけます。 |
![]() ただ、やはりこの辺の加工をするに当たっては、リューターや各種ビット、小さなタップなど必要になりますねぇ。 |
4.マガジン |
---|
![]() 今回の工作ではハンマーストロークをどれ位取るかと、ハンマースプリングの強さによってパワーはかなり変わるのですが、今回の作例ではほぼノーマルと同じ0.95Jも出てしまいました。 そこで簡単にパワーダウンを行うために、マガジンに写真のような細工を行いました。 ガス放出部分の真鍮パイプの中に、外径5mmのプラパイプを接着してしまったのです。これはマルゼンのショットガンに付いてきたクリーニングロッドをぶった切って使いましたが、これが無い方は田宮のアクリルパイプ(5mm径)がちょうど良いでしょう。 ただ私の場合そのままでは0.4J出なかったので、パイプの両端をテーパー加工し、また内径も若干広げてあります。 この加工でパワーは0.5J。インドア戦などで使用するにはちょうど良いパワーになりました。 |
5.完成・実射 |
---|
始めはかなり簡単に実現できると思っていた「シングルアクション(シングルショット)化」でしたがやってみるとこれがなかなか難しい工作となりました。 しかしながら実戦で使用してみると、音の無さと弾道の素直さから、予想した通りに活躍してくれました。 副産物(どちらがそうか解りませんが)として、サイレンサーを使用するときに効果を挙げるために、ブローバック機構を殺すと言う実銃にそった「リアルな絵柄」の実現できましたし、面白いものが出来たと思います。 ![]() これらは鉄砲鍛冶店長、村山君のRUGERに彼自身が施したものですが非常に撃ちやすくなってます。 まずはトリガーの遊びをとります。 写真の場所にプラバンを貼り付けることで、トリガーの引き始めの遊びを減らします。厚みは約1mm弱。個体差や好みがあるので、適当に加減して下さい。 ![]() 実銃ではシングルアクションのためにトリガー前面に溝が切ってあります。しかし、MAXIはダブルアクション。この状態だと連射するにつれ、指先が痛くなってしまいます。 そこで、トリガーの溝を削り落とし、鏡面仕上げとすることで指への負担を減らすことが出来ます。 |