先回送りいたしました「タニオ・コバ インタビュー」。実は取材時間がなんと6時間にも及ぶ長いものでした。 公開した内容以外にも、とてもじゃないけど公開できないお話やTOYGUNには関係のないお話などKOBAさんにはとても楽しい時間を過ごさせていただきました。 その中には、KOBAさんがMGC時代に作った2つの「超傑作」M93R(当然初代)とGLOCKシリーズについての誕生秘話も少しお聞きすることが出来たのでお送りいたします。 |
MGC M93R誕生 |
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タニ・コバ10/22の取材時に10/22に関する事柄以外にも沢山のお話をお聞きすることが出来ました。 その中でも、KOBAさんがMGC在籍時代に設計された、「M93R」に関しては、当時MGC社内用のプロトタイプまで見せていただきました。 そのプロトタイプを前にKOBAさんが熱く語ってくださったのでキャプションを中心にご覧頂きましょう。 この93Rを開発した当時、時代の流れはモデルガンからエアガンへと急速に動いた時期でありました。その流れの中でモデルガンオンリーであったMGCは経営的に非常に苦しい時期にあったと言います。 当初はエアガンに関して否定的だったMGCも方針を転換してエアガン界になぐり込みをかけた・・・・。それが「M93R」だったのです。 当然開発当初、MGC社内でもエアではなく、フロンガスを使用する93Rの企画に対して否定的意見が体勢を占めていたとKOBAさんは語ります。それを覆し、フロンガスをパワーソースにしても十分に「商品」になる事を証明するためにこのプロトタイプが制作されたそうです。 プロトタイプをじっくりと見て行くと、それこそそこら中にKOBAさんの「銃」への拘りが取って見ることが出来ます。発射機構だけのプロトとは言いながら、フロントサイト・リアサイトがつき、グリップには手彫りでチェッカーが切ってあります。 そして、この銃に装備されているのが今やガスガン用バルブの代名詞となった通称「MGCバルブ」である。 インタビュー本編でも触れましたが、このバルブ機構は今やガスガンには絶対に必要な物であると言えましょう。 この「93R」がその後のMGC黄金第2期を作ったと言っても過言ではないはずです。実際に近年ヒットしたと言われているエアガンなど足元にも及ばないほど生産された様ですし、初期の気化ガス/圧縮空気併用>リキッドフロンガス小型詰め替えボンベ内蔵型>リキッドチャージドマガジンと着実に進化を遂げ、フィクストガスハンドガンのスタンダードとして歴史を作りました。 これらマガジンなどの進化とブローバック技術の進化が融合して、後に「MGC最後のヒット」となるGLOCK17につながって行きます。 そのGLOCKも機種選定時はKOBAさんとMGC内部でかなり激しい意見のぶつかり合いがあったと聞きます。「いつも新しい機種をモデルアップしていったことでヒットしてきたじゃないか。GLOCKも必ずヒットする」というKOBAさんと「そんなマイナー機種をモデルアップせずに売れ線の機種をモデルアップすべき」というMGC。 それをKOBAさんは、「自宅を担保に入れても良いから開発と金型造らせてくれ」と説得したと言います。 そんな熱い情熱が「名作」を生み出して言ったと言えるのでしょう。 |