マグナブローバック・オフィサーズACP


 デトニクスの次はオフィサーズACPだ!と思い製作したのですが、完成したとたんにMGCから発売のアナウンスがあって非常に悲しんだ1品です。



 1.全体の構成
 デトニクスを製作したノウハウがそのまま使えましたので、基本的な製作方法はデトニクスの時と変わっておりませんし構成もほぼ同じです。
 しかしながら、リコイルスプリング・ガイド、メインスプリングハウジングなどはオフィサーズACPに合わせて新しい方法で製作しました。
 加工箇所はスライド前部・フロントサイト・リアサイト・フレーム前端・フレーム高短縮・ハンマー・グリップセフティー・メインスプリングハウジング・アウターバレル・インナーバレル・リコイルスプリング・リコイルスプリングガイド・マガジン等です。
 今回はMGCの物が発売される以前にパックマイヤー製ラバーグリップの入手に成功し、取り付けました。グリップがあると、フレームの短縮する長さを簡単に求められるので非常に助かりました。



 2.スライド部分の改造
 スライドはデトニクスの時と違いガバメントの物を切り刻むことで製作します。
 又、スライドの上面もフラットになっていませんので、単純に切った貼ったでOKです。
 フレームを接着するのにプラリペアを使用するのですが、固まったと思って直ぐに加工にはいると3〜4日すると引けが気になり始めます。そこで時間のあるときは十分に乾燥させて下さい。作例では急いでいたせいでうっすらとつなぎ目が確認できるようになってしまいました。
 修正すればいいのでしょうが、何となく一度完成した物を仕上げるのは気が向かずにほおって置いて有ります。
 それから、スライドストップが掛かる溝もデザインナイフなどで少し後ろに彫り直して下さい。スライド全長が短くなった分、スライド後退量が不足しています。

 スライドの切り張りが終わったら、サイトを取り付けます。
 フロントサイトは3mm厚のABS板から切り出し成形した物です。スライドへの接着ですが、一番ぶつかる所でもあるので単純に瞬間接着剤のみの固定では不安があります。そこで、1mmくらいの針金をスライドに貫通させ、それを心棒に使用します。
 この方式で有れば、多少落としたりぶつけた程度では剥がれ落ちることはなさそうです(写真でもかなりぶつけた後がありますが取れたことはありません)。
 取り付けた後にホワイトを入れるための穴(2mm)をピンバイスで開けます。ホワイトの塗料にはホワイトの修正液若しくはペイントマーカーが良いでしょう。
 塗るのには私の場合シャープペンシルの芯に表面張力で塗料を付けて流し込むようにしています。
 リアサイトは本来はもっと背の高い物らしいのですが、金属製の物を延長するわけにも行かず、取りあえずノーマルガバの背の低いサイトにホワイトドット用の穴を開けるという苦しい選択になってしまいました。
 MGCのオフィサーズのパーツが手に入り次第交換しようと思っていますが・・・。



3.バレルの加工
 バレル回りに関してもこの様にデトニクスの制作時とほぼ同じです。若干寸法上の違いがあるだけで殆ど変わりません。
 本来ならばオフィサーズACPはバレルブッシングを使用してバレル前部を固定するのですが、ブッシング固定用の溝をスライドに切ることが出来ないのでコーンバレルを利用したブッシングレス構造にアレンジしました。
 この方法で有れば、ブッシングが無くともOKです。良いように解釈すれば、ノーマルなオフィサーズACPではなくカスタムメイドした物とも思えますし・・・。
 コーンバレルは今回、ノーマルガバの根本(ネジが切って有る部分)のみを使用しました。よって銃口にライフリングの表現はありません。
 太くなっているところは塩ビ管の細い物とプラリペアで造形した後、アイアンブライトで、鉄の質感を出しました。

 リコイルスプリングとリコイルスプリングガイド及びプラグです。
 今回はジャンクパーツで残っていた社外パーツを使用しました。スプリングとスプリングガイドを適当な長さに切ってしようします。特にリコイルスプリングの強さは少しづつ調子を見ながら切っていって下さい。
 さて、このパートで一番頭を悩ましたのがリコイルスプリングプラグです。当然丁度良い長さの物はなく、ガバ用のプラグを切って使用したのですが、先端を切るとスプリングが固定できず、又後ろの方を切るとプラグをスライドに固定することが出来なくなります。
 悩んでいると運良く、プラグ外径とぴったり同じ内径を持つパイプを発見。そこで、プラグ後部を切って、耳を付けることにしました。
 しかしながら、そのまま細く切ったパイプをプラグに固定すると一番力が掛かる所だけに心配です。プラグの後端を叩いて広げようかとも思いましたが、ステンレス製の硬いプラグはそう簡単に開きそうもありません。
 ここで、いつも使用しているパイプカッターを思い出しました。これは、パイプを切断した時に外側と内側に少しばかりバリが出るのです。
 そこでプラグをパイプカッターにて切断。又耳に成るべくパイプもパイプカッターで切断したところ本当にぴったりと噛み込んでくれました。
 そこに瞬間接着剤を流し込み、プラグが完成しました。


 4.フレームの加工
 フレームはグリップのネジ穴を参考に長さを詰めます。デトニクスと違って、グリップフレームのラインの改修は必要ないので単純に切り詰めるだけです。
 さて、切り詰めたら、まずハンマーをリングタイプの物へと交換します。次に、そのリングハンマーと干渉しないようにグリップセフティーとハンマーの当たるところを削り取ります。
 実銃でのグリップセフティーの形も単純にハンマーと干渉しないように削っただけのように見えるので気合い一発写真を参考に削ってやってください。
 次にメインスプリングハウジングですがノーマルガバのアーチ型の物を使用しました。メインスプリングハウジングの側面のだぼを下側2mmほど残して削り取り、上部をグリップの長さに合うように切り取ります。その時真っ直ぐ切らずに、グリップセフティーのR似合わせて少々凹面に加工して下さい。
 それで、フレームに取り付けてみます。するとメインスプリングハウジング内側とシアースプリング(先端が3つに割れた板バネのことです)が干渉するのでこれ又削り込みます。
 そこで上手くメインスプリングハウジングがはまったら、今度はフレームへの固定を考えます。
 今回は無理をして溝を掘ったり、だぼを生やしたりせずにグリップで隠れる場所で左右からイモネジにて固定しました。
 変に頑張るよりもこの方が合理的です。しかしながら、スキルのある方はきちんと溝を掘り直してメインスプリングハウジングがきちっとはまるように頑張ってみて下さい。

 このオフィサーズACPにはハートフォードのベルトクリップを取り付けました。
 しかしこのベルトクリップ、元々デトニクス用なので少々長さが足りません。そこで写真のように下側の穴を下へ貫通させ、グリップと挟めて固定してみました。
 この写真から、グリップセフティーの形などお判り頂けると思います。
 又、ハンマースプリングのレートも何度かテストして決定して下さい。グリップの長さを詰めている関係上かなり短いメインスプリングでも十分すぎるほどの強さになってしまいます。
 私の今回の作例でもリバウンドコックするかしないかギリギリの所です。もう少し切った方が良かったみたいです。

 5.マガジン
 私はもう何度もマガジンの切り詰めをしているので慣れました。しかし結構恐がる方がいらしゃるのでコツをお教えします。
 ガスを内包するタイプのマガジンは主にダイキャスト製の本体にゴム製のパッキンで気密をして下側から蓋をし、本体と、蓋を貫通するようなピンを打ち込むことで固定しています。
 よって、気密性の核となるのはいかにゴムパッキンに傷が付けないように本体を切りとばすかに掛かってきます。私の場合、まずノーマルのマガジンの下側を分解し、ガス室にティッシュを詰め込み、切り粉がバルブの方へは入らないようにして、必要な寸法でカナノコで切り詰めます。そして、その後切り口を十分にヤスリで削って、バリなどが出ない状態にします。その時に蓋を止めるピンの穴も新たに開けますがその穴の周囲にもバリが出ているので良く削っておきます。
 そこまで出来れば後はノーマルを組み立てるのと同じ手間で完成します。
 

 6.完成・実射

 取りあえず完成です。
 仕上げには「インディ」のブラックシールを使用しました。昔は「パーカーシール」等をよく使っていましたがハンドガン(特に割と新しい物)についてはブラックシールの方が締まって見えるので最近はお気に入りです。
 しかしながら完成した瞬間にMGCから発売のアナウンスがあったときはさすがにがっくりしました。でも、いざ発売されてみると私の造ったものとマガジンの互換性はあるし、グリップもいろんな物が発売されるし、悪くは無いなと思っています。


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