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大気の安定度

対流圏の空気が対流運動をおこさないことを「成層が安定」という。成層圏とは関係ない。対流するような状態を「成層が不安定」という。そして、対流したりしなかったりする状態を「成層が中立」という。これは何のことだかさっぱり解釈できない。

空気が上昇すると温度が下がる。この温度の現象の度合いを「温度減率」という。乾燥大気の温度減率を「乾燥断熱減率」といい、湿った空気の場合は「湿潤断熱減率」という。一般的に湿った空気は、含まれる水蒸気による潜熱の為に、温度減率は小さい。(もっとも、潜熱は飽和水蒸気によって生じるので、飽和していなければ潜熱の効果は生じない?)
したがって、乾燥空気が上昇する場合、周囲の空気よりも低温・高密度になるので、下降して元の状態に戻ろうとする。この状態を「絶対安定」という。しかし、「乾燥断熱減率」が周囲の空気よりも小さいと、乾燥空気の固まりは高温・低密度となり大気の対流が発生する。(これはあまりないような気がするが...)

湿った空気の場合の「湿潤断熱減率」は小さい為に、上昇すると、高温・低密度になり、「成層は不安定」になる。しかし、周囲の空気の「温度減率」が「湿潤断熱減率」よりも小さいならば安定するものと考えられるが、自然界では発生しない。


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