更新

成層圏と地球の温度

成層圏(高度11km〜50km)は上部へ行く程高温の為、対流は発生しない。湿度も0で、常に快晴で安定している(つまり雲はないということかな)。 成層圏の主役はオゾン層。大気中の酸素分子が太陽からの紫外線の作用でオゾンとなる。最終的にオゾン層は太陽からの紫外線エネルギーを熱に変換しているようだ。オゾン層のオゾン濃度は高度25km付近が最大。オゾンは主に熱帯の成層圏で生成され、極地方向に流され、最後は対流圏で元の酸素分子へと戻る。その為、極地地方ではオゾンの量が少なくなる。オゾン層に穴があくとオゾンホールと呼ばれる。

火山の噴煙など、微粒子の層をエアロゾル層(高度20km)という。

太陽放射とは、太陽からの電磁波によるエネルギー伝達の事。地球放射は地球から宇宙空間に放出される電磁波。 太陽放射は波長が200〜7000nm。地球放射は波長4000nm以上の赤外線がほとんど。 地球は太陽からの太陽放射の一部を反射している。この入射太陽放出量と地球放出放射量の比をアルベドといい、平均では約30%前後。残りの70%のうち、20%は大気が吸収し、地表が吸収するのは50%。地球放射のうち、波長8000〜12000nmの領域は大気に吸収されずに宇宙空間へ放出される。この領域をウインドウ(窓領域)といい、気象衛星などに利用されている。

地球への太陽放射(入射放射量)と地球放射(射出放射量)がつり合っている事を放射平衡という。つまり、大気によって反射されずに吸収された電磁波エネルギーは地球を暖め、宇宙空間へ放射される電磁波エネルギーは地球を冷やしている。この両者がつり合って、放射平衡の状態を維持している。

放射平衡状態の温度を放射平衡温度といい、地球の放射平衡温度は計算上では-18.5℃(255K)となる。しかし実測値は14.5℃(288K)。この差は地球の温室効果によってもたらされている。


前へ前へ 気象予報士目次 次へ次へ
前へBack to Site TUNNEL.