その後物件5
私の場合,歩く範囲がある程度限られているので,同じ街同じ通りを何回も歩いたりするわけなんでした。そうするとやはり以前あった物件がどんな風になっているか,そこへ目が行ったりするわけでありますね。
このシリーズはその名のとおり,以前紹介した物件のその後を紹介していこうというものであります。
という,その後物件のその5であります。
この前やった「その後物件」はいつだったかもう忘れるくらいに久しぶりであります。これ,前の物件を探したりしないといけなくてちょっと面倒だったりするし。
こちらはもう前世紀の物件であります。1999年の物件。「らせん階段」と「ピエロ」の組み合わせは何か不安を感じさせる,というようなことを書いていたんでした。
(前の物件:言霊物件)
このらせん階段を上った先には何があるのかはもともとわからなかったわけですけれども,そこはこの写真を撮った段階では空室になっているようなんでした。そしてピエロも顔を塗りつぶされているようなんでした。
誰がやったのかわかりませんけれども,やはり怖かったんでありましょうか。
いつもヘラヘラしているけれども目はマジだったりするのが,ピエロの怖さであるような気がするでありますね。しかし,最近はそういう仮面をかぶった普通の人間やら子どもが多くなってきているような気がするんでした。
それでもピエロは見た目が怪人なのでわかりやすいですけれども,真に恐怖なのは見た目でわからないピエロなのかもしれないんでした。
こちらも1999年の物件。「味よし」が「味なし」に見えてしまうというものだったんでした。
(前の物件:無味物件)
厳密には同じカンバンではないですけれども,同じ場所にあるカンバンであります。
パッと見「味なし」に見えてしまうというのは変わらないわけですけれども,ちょっと気になるのは脇に書いてある「み」という文字でありますね。褪色していますけれども,もとは「飲み処・お食事処」と書いてあるようなんでした。
しかしなぜその「み」一文字だけが褪色していないのか。
このお店,「味なし」でなく「味よし」であるとしても読み方が「あじよし」なのか「みよし」なのかが判然としないんでありますね。そういう疑問に対する解答がこれなんであろうか,などと思ったりしてしまうんでした。「うちは『みよし』ですよ」ということかと。
しかしホントは「あじよし」さんなのかもしれませんけれども。でもこのカンバンを見た人は「みよし」と思ってしまってもしょうがないところでありますね。
店のご主人,「最近の新規の客はみんなうちを『みよし』と言って来るくれども,なんでかな?」と思っているかもしれないんでした。
こちらは最初が2001年,続いて2004年に「その後」として出てきている物件であります。
(前の物件:その後物件1)
最初に「行き止キ」であったものが「その後」ではとりあえず「行き止まり」と書き加えられていたわけですけれども,また「行き止キ」に戻ってしまっているんでした。
やはり素人がやっても,とりあえずの作業にしかならないんでありますね。
プロがやっている「止まれ」の方もだいぶ傷んできているようで,年月というのを感じさせるんでした。奥に見える車も微妙に変わっているようで,やはり月日を感じるところであります。色の好みは変わっていないようでありますけれども。余計なお世話か。
こちらは2004年の物件。区画面積46坪のゴミ置き場だったんでした。
(前の物件:分譲物件)
それが現在は「?」になっているんでした。マジックに使う箱のようであります。この中から美女が出てきたりしないんでありましょうか。
初めてこれを見るとまさしく「?」と思うわけで,人目を引くためのカンバンとしては優秀であります。しかし地域の人しか使わないゴミ置き場が人目を引く必要があるのかどうかと思ったりするんでした。
以前の「分譲物件」のときには「たまたまあった廃材を利用したんであろう」と思ったわけでした。しかしこれを見ると,この物件作者は創作活動を楽しんでいるようでありますね。
そういう活動は評価したいところであります。でもまぁ,最初の「46坪」の方が好みではありますが。
あるいはこれは本当にマジックボックスなのかもしれないでありますね。
ゴミを入れて網をかけ「1・2・3!」で網をとるとリサイクルされて資源が出てくると。そういう錬金術的なマジックを使う人がいると,世界のゴミ事情は大きく変わりそうであります。
でもだいたいそういう便利なものには,手痛いしっぺ返しが用意されているものでありますけれども。
「らせん」は新潟市中央区・礎町通3ノ町あたり。
「味なし」は新潟市中央区・米山あたり。
「行きどキ」は新潟市西区・寺尾上1あたり。
「マジック」は新潟市中央区・窪田町4あたり。