文末

[あ]

あい〜→ええ〜

あいかまど[合い釜戸]→ええかまど

あいそ→ええそ

いた
1.飽きた(→ええた)[古い標準語]
2.開いた[標準語]
あいたくちがふさがらん
開いた口が閉さがら無い,呆れ返った
いてきた
飽きてきた(→ええてきた)
あいらち
あの者達「あいらち、このもんかさ(あいつ等はどこの者かな)」
あおさがたつ
池の水が青黒く濁る・青臭くなる
あおろし
青大将[蛇の名](→やしきへび)
赤ん坊,生まれたぱかりの動物「うちんし、まれた(家の牛に子牛が生まれた)」 *人間にも動物にも使う
あかがみ
(染めた)赤い髪の毛・頭髪「(生徒に)そのあかがみおしてこい」
あがく
もがく
あかし
明かり,電灯 「あかしつけてくれい(明かりを付けてください)」(→でんち)
あかす
開ける「のとこ、なあかしてうするさ(そんな所に穴を明けてどうするんだ〈駄目じやないか〉)」
がってください:
1.召し上がってください 食べてください(→しずかに)
2.(家に)上がってください入ってください(=えってくれ)
あかばら
[赤腹]いもり
あかまんま
1.赤飯
2.[植物名]†いぬたで[花が赤い粒々になる事から]
あかべえ
(子供の)良い着物[子供に向かって言う]
かまってきた
じれったくなってきた,気分が高まる(時に)興奮する
かまる
赤くなる,赤面する
あかみみ
[赤耳]野性の榎茸(えのきだけ)晩秋・初冬の雪のちらつき始めた頃、広葉樹雑木林に生える茸の名。
軸は茶色で、傘は中心が茶色、周りが黄色っぽく、直径は小さい物もあるが大きい物は4〜5cm以上にもなり、まとまって栗等の切り株、朽ち木に生える。傘が赤っぽい「みみ(茸)」という意味。
尚、店頭販売の榎茸は、もやし状の物、との事.[平茸(ひらたけ)の促成栽培でほ、との説有り](≒なんだや)
あかりい
明るい(→かがっぷしい)
あがる
1.(仕事等を)終わる・終える「田からあがる」
2.(学校を)卒業する「学校をあがる」
3.揚がる,上がる,挙がる[標準語]
あく
あくがけん
1.†垢抜けしない 野暮ったい 粗野な性質が抜けない
2.(蕨等の苦味等の)あくが抜けない
あく
不良 悪い子 悪い奴 馬鹿者
あくたれつく
不良になる 間題行動をする ぐれる「あのもんはあくたれついたわじやない(あの者はぐれたのではない)」
あーぐち
あぐら「あーぐちけえとらんで、おつくべせんかさ(あぐらをかかないで、正座をしなさい)」
あーぐちかく
あぐらをかく
あくてえ
悪口
あくてえ
悪口を言う
あくとう
1.悪い奴[標準語]
2.悪い事
あくとうする
悪い事をする(→やぼんことする)
あくぬき
蕨・橡の実等の苦味、渋味を抜くために灰(または重曹)かけ、80度位のお湯をかけて一晩以上置いておき、その澱粉の中の渋味を抜くこと
くび
1.あくび[標準語]
2.[植物名]あけび
あぐろし
1.[水津]うるさい「あぐろしなあ(うるさいなあ)」
2.[国仲:謙譲語]ごみごみした,散らかってる,汚い「あぐろしころですがへえってれ(散らかっていますが入ってくれ)」
あけたて
開閉 「障子のあけたて」
げる
吐く 「け、みすぎてげたっちゃ(酒を飲みすぎて吐いたぜ)」
あげん
あんな,あのような 「あげんこと、んでもいいに(あんなことしなくてもいいのに、してしまったんだねえ)」
あご
[魚名]飛魚
あこ・あこんとこ
あそこ,あそこの所[あ、にアクセントの有無あり]
あごだす
疲れてへたぱる,[以前は疲れて落伍したり駄目になる事]
あこん〜
あそこの〜 「このもん・こんもん(あそこ・あそこの所の者)/こんとこのもん(あそこの所の者)*殆ど同じ意味」
あざ
ほくろ
あさぎい・あさんぎい
朝方,朝(⇔ぱんぎい)
あさざましい
朝起きたばかりでポーッとしていて 「あさざましゅうて、ごはんがえん。(朝起きたばかりなのでご飯が食べられない。)」
あさづき[植物名]
1.あさづき[標準語]
2.のびる(=ひる ねぷかのほそいやつ)
あさってこい
おとといこい[喧嘩文句]
あさねこき
あさねぼう[悪口でもある]
あさんぎい=あさぎい

あしがよい
(餅等が)粘りがある[標準語?]
あしげにする
蹴飛ばす[古い漂準語]
あしのこ
1.片足飛び
2.けんけん相撲
†あしのべ・あしのべてのべ
自由気まま,行儀が悪い,不作法な
あしべる
足を延ばして気楽にずる 「あしのべてくれ(足でも延ぱして気楽にしてくれ)」
あしまめ
(特に年輩者で)足が丈夫で頻繋に出歩いている,人よく歩く人
あじもそっぺもない
味も素っ気も無い(→そっぺもない)
ずかる
[預かる]土地を他の者から預かって耕作する(⇔あずける)
あずきだま
御手玉
あずきもん・あずきんもん
小豆を使ったおこわ・餅・団子等の総称
ずける
土地を他の者に預けて耕作してもらう
あずる・あずっとる
汗を流す,熱心に無中に行う 「仕事にあずっとる(仕事に熱中する・汲々としている)」
かいてやってもなんもならん
一生懸命にやっても何もならない,無駄になってしまう
あせとり
肌着,下着のシャツ
そばんか・そびにかんか
遊びに行かないか・遊びに行きましょう[勧誘]
そこん
あそこの所
あたける
騒ぐ,ぷざけて騒ぐ
(〜)あたし
〜辺り,付近
†あたする
[←†あた(仇、あだ)]
1.邪魔する
2.良くない事をする
†あたになる
邪魔になる
あたまから
初めから,最初から[標準語?]
†あたまだか→こうべんたけえ

あちゃー
[感嘆詞]あらまあ,おやまあ,しまった(=もた,らっちゃ)
つう
[←厚くて・暑くて]あつくて〔音便〕
あつごい
厚い(→ふっえ)
あっさりさっと
筒単に,淡泊に[標準語?]
あったけえ
暖かい,あったかい[平accent]
ったけえ
有ったかい,有りましたか[accent注意]
あったらおしい
勿体ない,惜しい
あっちこっち
1.反対にあべこべに,互い違いに「靴、あっちこっちにぬぐな。」
2.あちらこちら[標準語]
あてがう・あてごう
見計る,見当をつける 「あてごうてみるっちゃ」
あてくそにらん
あてにならない
あてられる
1.やられる害を受ける 「寒さにあてられる」
2.(恋人等を見て)あてられる,あてつけられる[標準語?]
あてんれん
あてがしれない,あてがない
あといざり
後ろへいざる,後ろへずって下がる
†あとかあさん・あとがあさん
後妻(=あとんかあさん)
あとがねえ
1.後の妊娠がない[嫁に対しての侮蔑語]
2.[標準語の]後がない
あととり
相続人,長男
ととる
跡目を継ぐ,家を継ぐ
†あとばら
後妻の子 あとんかあさん→あとかあさん
なあかす
[穴開ける]穴を開ける(→あかす) 「こ、なあかしてとじてくれ(そこに穴を開けて綴じてくれ)」
あね・あねさん・あねやん
大人の女の人の総称(→あんにゃん)
あのうに
あんなに,あんな風に 「あのうにわんともいいのんに(あんな風に言わなくても良いのに)」
あのの・あの
あのねえ[呼び掛け]
あのん
あんな「あのんことればめらさ(あんな事するようでは駄目だ。)」[→そのん,このん,どのん]
近所のおぱさん・奥さん(少し年輩者に)
あばつき
ふざける奴,お調子者
あぱつく
調子に乗ってふざける
やん
[上記、あぱ、のT丁寧語](→〜やん)
あぶあぶ
がぶがぶ[擬態語:水・太きさ]「水をあぶあぶ飲む/帽子があぶあぶだ」
††あぶらあげ
てんぷら[両津]
あぶらめ
[魚名]あいなめ[佐渡では刺身でも食べられる。美味]
あまうり
まくわ瓜
あまさる
甘える
あます
[余す]失火する 「火をあます(火事を出す)」
あまっちょろい
甘い,いいかげんで生易しい・生ぬるい,だらし無い[標準語?] 「あまっちょろいんがえ(生易しい考え)」
あまでえ
[魚名]甘鯛
あまほっこりとる
(焼き芋・栗が)口に入れると甘くホクホクしている[人によっては生鰹のえらの辺りの肉がその味がずるとの事(・・・佐渡の味)]
†あみスキー
篠竹を4〜5本横に並べて針金で編んだ様にして作ったスキー状の遊具 [足を縛る紐も付けられるので、竹スキーよりも安定していた 先に紐を付けて引っ張って反らして滑る](→竹スキー)
あめえ
甘い「あめえかお(甘い顔・甘い態度)」
あめくれてやった
1.負けた者が勝った者に対してわざと負けてやったと言う時の言い訳
2.本当に強い者が弱い者にわざと負けてやった時の言葉
あめれる
相手の負担を軽減したり、助けてやったりすること 「あめれるし(助けてやるからな)」
あめくれっさ
負担を軽くして下さい。容赦してください,勘弁してください
あめくれてやる
勝負等の時にわざと負けてやる 「かわいそうなんで、あめくれてやったさ」
あめてきた
禿げてきた
あめふりほんぞん、てりかっこう
[格言](→ほんぞんかけたか)ほんぞん(ほととぎす)が鳴くと雨になり、かっこうが鳴くと天気が晴れる
あめんかわ
竹の皮[以前縁日等の露店で、飴の包み紙に使った為]
あめんかわじょうり
竹の皮で編んだ草履[藁屑が出ない為、主に上履きに使った]
あやかす
あやず,抱いたりしてなだめる 「泣く子をあやかす」
あやかりたい→かやつりたい

あらがう
[抗う]反抗する言い争う[標準語、良く使う]
あらけた
ばらけた
あらごう=あらがう

あらっちや・あらっちゃあ
[感嘆詞]あらまあ,おやまあ(=あちゃ〜)
あらと
家の出入りロ(→けーろう)
あらね
1.(天候の)あられ 
2.(御菓子の)あられ(=いりがし)(大豆と一緒にほうろくで煎る]
あらもの
1.(鍋、皿等の)荒物[標準語]
2.†竹で編んだ物,竹製品
ありんじょ
[蟻の衆?]蟻(→はこ)
〜あるねかさ
〜があるだろが,〜があるでしょ,〜があるじやないか「おごってくれ/おめのぜにがあるねかさ(奢ってくれ/おまえの金があるじゃないか)」
〜、あれだかや、〜
あれだったかな,あれはなんだったか[間投詞的に文の切れ目に入れ、相手に自分のうろ覚えの事を尋ね乍ら会話を進める](→〜だかや それだかや これだかや)
あんげ
あのように,あんなに[海府](→こんげ,そんげ,どんげ)
あんけえ
あれだけ「おまえのはあんけえだ(おまえのはそれだけだ)」(→そんけえ,こんけえ,どんけえ)*けえ、は濁らない
あんこ
間抜け,大馬鹿者「あこのあんこがぱかんことやって、(あそこの馬鹿が馬鹿な事をやって、)」*佐渡弁には罵倒語・軽侮語が割りと有る
あんこづく
顎を上げて、上を見る
あんちゃん
兄さん(若目の)男の人[あんにゃん、とは異]
あんにゃん
お姉さん,おぱさん[新潟弁のあんにゃ(長男)と違い女性を言う]
あんねかね
1.あるんじゃないのかね,あるんだよな「あんねかね」 2.(ここに)あるじやないか「ここにあんねかね。どこにめーつけとる」
あんべいい
あんぱいがよい,適切に
あんべ、いいくれえ・あんべえいいくれえに・あんべ、いいくれいに あんべえいいくれいに
あんぱいが良い様に,うまいぐあいに
あんぺら
編み方の荒いむしろ,畳の中心部の束ねたところ
あんもち
1.周りにあんこを付けた餅(→ばばづけもち、ぼたもち)
2.お正月料理で、固めのあんこを付けて食べる餅[汁粉状の緩いあんこの汁は余り無い。正月の餅はすいもん餅かあん餅で食べる](→すいもんもち)

 あ文末

[い]

いあんべい
いいあんばいに,具合良く,「いあんべいにやっとくれ。」
†いい
労力交換(→いいをなす)
いい
良い,いい[よい、とは余り使わない]「いいそらんなった(好い天気になった<→そら>)」
〜いいくれえ
〜の好い具合に「あんべいいくれえにやっとくれ(具合の良い様にやってくれ)」
いいけも
いいけど「うしてもいーけもれんけも。(そうしても良いかもしれないけれども<止めてくれ>)。」
いい
1.気の利いた事
2.[標準語]良い・好い・善い事
いっちやあ
いいよ(=いっちやあ)「んでもいっちゃあ(しなくてもいいよ)」
いいてこといい
言いたいことを言う人・事,我がまま者,放言居士
いいはなし
1.虫のいい話
2.色っぼい話、特に女の話
いいもん
恋人,愛人,情を交わす人「あのもん、あこにいいもんできてのお」
いいもんになる
(人柄が)いい人になる
いいをなす・いいをする・いいなす・いいをかえす
互いに田を耕し合う [古語の『ゆい(労力交換)』から](→いい)
いうことかん
思うようにならない,言うことを聞かない,言うことに従わない[標準語]
いうてある
言ってある
いうてかせい
言ってくれよ,聞かぜてくれ,教えてくれ
さえて
家を建てて「越後のほうでさえたもんだっちゃ」
家庭を持つ,世帯を持つ
いおのこ→ゆうのこ

†いかしゃませ
お行きなさい,御帰りになられて下さい
いかずこず
行き来の無い 「祭りはいかずこずにせんか」
行かない(否定)
せん
行かないか[いかんか・いかんせんか、と殆ど同じ]
がぬける
(山葵・辛子の辛い物やビール等の炭酸類の)気が抜ける,味が悪くなる(→ふうんぬける)
いかのて
いかの足
いがれえ・いがらっぼい
喉を刺激したりちくちくするような,服の中に藁くずや籾等が入って肌がちくちくずる(→えがらい,えぐい=はしっけい)
かんか・いかんか
行きませんか
いかんんか
行きませんか[丁寧語]
いきあたりぱったり
いきなり,急に,*出鱈目・いいかげん、の意味は無い
いきがかり・いきがかりじょう
前からの関係上「いきがかりじょうそうにゃらんかった」
いきがなげい
1.長命だ,長く生きている 2.頑張る,耐久力が有る 3.素潜りや水泳の息が長い,息継ぎをしないでも済む[標準語]
いきがみじけい
いきがながい、の対語
きついた
1.安堵した,安心した
2.回復した
きついとる
何もぜずに,息をしてるだけだ,何もしていない,休んでいる
いきつくひまもない
とても忙しい
いきつけ
1.いつも行くなじみの「いきつけのみぜ」[標準語]
2.入り口,入ってすぐの所「そのかどをまがったいきつけだ」
いきとう・いきとる
ちやんと動いてる,動く「この時計いきるか/いきる?(この時計は正確に動いてるか)」
いきなりの
1.いいかげんな,だらしない「いきなりの男(だらし無い男)」
2.急な[標準語](=いきあたりばったり)
いきふっかけてだてる
[比輸]手塩にかけて育てる,甘やかして,過保護で育てる(⇔びちゃりそだち)
いく
死ぬ[古い標準語]「じいさんくとき、ごうなった(爺いさんが死ぬ時の付き添いが長くなった)」(→もう)
†いくめえか
行きませんか,行きましょう(=ゆくめえか)[誘い:江戸弁?]
堤,溜め池(=ため)(→どんぼあびてきた)
え・いけえ
とても,たくさん,大変に「いけえりょう、ヘえっとる(沢山の量が入っている)」
いけす
1.池,溜め池
2.(海の)いけす[標準語]
いけすかん
とても嫌いな,大嫌いな「いけすかんもん(とても厭な奴)」
いご
[海草名]いぎす[てんぐさ、に似た海草。煮て溶かして固めるが、海中では茶色い。近頃、収穫量が激減している](→いごねり)
ごく
動く
いごねり
いご(海草名)を煮て溶かして薄く延ぱして固めた食晶(細く帯状に切って、刻んだねぎと醤油をかけて冷たいまま食べる。新潟では『えごねり』と言う)
いさいかまわず[委細構わず]
ー切合切,取り纏めて[古い標準語]
いさかい
争い,喧嘩,裁判沙汰[古い標準語]
いざちゅうときにゃ・いざっちゅうときにゃ
いざっていう時にはここ一番の時は
いさぱ[→磯場]
漁場
いざり
足腰が立てず ずって動く人[侮蔑語]
†いざりばた
座って織る機織り機
ざる
1.ずって場所を動く(→ほう)
2.†移動する・転勤する(→ずる)
おまえ,てめえ[ぬし(主)の転。下品な悪い言葉[侮蔑語](→おとれ,うな)
いじいじ
うじうじ言う(女々しく),ぐずぐず言う,いじけて言う
いじかむ
いじける「いじかんだやつ(いじけた奴)」
いしがら
(普通の)砂利(≒がら)(→まるがら)
いしかる
居座る[海府](→いつかる)
いじくる
いじる[新潟でも同]
†いしこうべ・いしこべ
1.石頭
2.††子供の卑称,がき
いじる
1.さわる[標準語]
2.修理する「車をいじる/屋根をいじる」
いしんとこ
おまえの所,てめえの所(←いし)
いずまいをなおす
座り直す,正座をし直ず(→おつくべ)
†いそもの・いそもん
確辺にいて箇単に拾えて、食べられる貝・海草類
いたおしき
脚のない平らな(白木の)お膳(→おしき)
いたずら
(=いたずらもん)「あのもん、いたずだ(あの者はいたずら者だ)」
いたずらもん
いたずら者(特に)色好みの者(=ひょうろく 1)
いたふき
雑巾
いたみかす[他動詞]
1.いためる,悪くする,だめにする
2.(機械や車等を)壊す「ヘいにつけていたみかした(塀にぷつけて壊した)」
たむ[自動詞]
1.傷む,悪くなる,腐る[標準語]「くだものがいたんだ」
2.(少し)壊れる,故障する,駄目にする「くるま、ヘいにつけてたんだ」
いたわしい
借しい,勿体ない
たんだ
(部分的に)壊れた(→いたむ)
いちぬう
いつまでも†いつも†絶えず 「いちぬう、それっとる(いつまでもそれをやっている)」
いっかさっか
一向に,幾日も「いっかさっかいえにはどらん(一向に帰らない)」
†いつかる
居座る
いっきに
1.一時に,すぐに,一遍に[標準語]
2.じきに,もうすぐ「いっきにれるさ(もうすぐ晴れるさ)」
†いっきゆうには[一急には]
すぐには,即座には(≒いっきに)「いっきゅうにはなおらん(すぐには治らない)」
いつく
1.居着く[多少悪い意味:標準語]
2.移り住む定住する「このこは東京についた(あそこの家の子供は東京に住んでいる・東京の人になってしまった)」
†いっけえ
笠を数える単位
いっさんぐい
あれぱあるだけ一度で全部食べてしまう事
いっさんに
一緒に,一度に「いっさんにかえらんか(一緒に帰りませんか)」
いっしき
ひたすら何をおいてもとても熱心に(以前はいっせきと言った)
†いっしょうがたわ[一生かたわ]
重度の身体障害者
いっしょーはんじょさけた
お伽噺の終わりの言葉
いっそくさんに
いっしょくたに,(まとめて全部)すぐに「いっそくさんにってしまおう(すぐに全部やってしまおう)」
いったん[言ったん]
そう言ったんだな,本当だな,変えてはならないぞ,そう決めたんだぞ,約束だぞやぷるなよ[子供同志の言葉]
いっちゃあ
いいよ(⇔だめら・だめっちゃ・だめらっちゃ)(→いいっちゃあ)
っちゃ、
行っちゃいやだ
ってくらんし
行って下さい,言って下さい[丁寧語:慇懃無礼の事も有り]
ってさんじました
行って参りました[上流家庭語]
†いってさんじます
行って参ります[上流家庭語]
いってもどらん→ゆうてもどらん

いってん
同じ 「おめ、馬鹿といってんだ(おまえは馬鹿と同じだ)」
いっとう
行ったよ[過去形][〜とう(〜したよ)]
いっときあねさん[悪ロ]
何でもかんでも一時にやってしまう(ずぼらで、時にいいかげんな、だらし無い)女
いっときに[一時に]
一遍に,一緒に
いつなんどき
いつでも,不意に(→なんどき)
いっぴきざかな
尾頭付き(の魚)
いっぷく
一休み「いっぷくせんかさ(一休みしませんか)[必ずしも煙草を喫わなくてもよい:子供・学生も言う]
いっぺえ・いっぺこと
たくさん「いっぺことある」
いっぺぐい
一時に、有るだけ食べてしまう事
てさん
やぷさめ、の別名[畑野町の宮川で行う](→やぷさめ)[以前は島内各地に有ったが、今は六箇所しかない]
どいう
人が臨終で死ぬ前にうわごとを言う
いとしげ・いとしげな
かわいい,かわいらしい
いとしゅーて
かわいくて,いとおしくて
とー
痛くて「かた、いとーてだちかんちゃ(肩が痛くてどうしょうもない)」
いとひく
1.(納豆・傷んだご飯等が)糸を引く[標準語]
2.裏で操る,陰で陰謀を巡らす「いとひくやつ」
いとめはけん
制限はしない「ぜんにいとめはつけん(金を出し惜しみはしない)」
1.母親[余り良く無い言葉](→かかやん)
2.稲[標準語]
ねご
股等のリンパ腺の腫れ(とても痛い、との事。現在は余り無い。)
†いのこどうら[猪俵・猪子俵]
米俵[猪が子沢山な事から、縁起を担いだ言葉]
†いばり
小便(=†ばり)
ぱる
1.威張る[標準語]
2.おでき・腫れ物等が腫れてくる「できもんがいぱってだちかん(おできが種れて困ってる)」
指「びんいてえ(指が痛い)」
†いーびつ[飯櫃]
ご飯のおひつ
びきり[児童語
(約束の)指切り(げんまん)
†いびりやき
いろりの灰の中に入れて焼くこと
びる
いじめる,いびる[標準語?]
いまたっ
今すぐに 「いまたっも、これをい(いますぐこれをしろ)」(→たっても)
いみあけ
[忌み明け]喪が明けるこ
†いみそじる→えみそじる

いみんねー
いみないよー
夢 「いやんめ(いやな夢,悪夢)」
1.もう「いやっちゃ/だ(もう厭だ)」
2.芋[標準語]
かさぷた,あばた[古い漂準語:江戸語](→がめ)
いもぐら
主に薩摩芋を冬季に貯蔵する家の周りに作る室(むろ)[長芋等も入れたが、ジャガ芋は入れない薩摩芋は寒さに弱く、腐りやすい為に入れる](→むろ,こうじむろ)
いもご
(長芋等の茎に着く)むかご
†いもづら
あぱたの多く有る顔,でこぼこの顔
†いもの
ジャガ芋を擦って漉して、水で晒して固めた澱粉の固まりを石臼で擦 った物[米の代用食。今では手間暇懸けてそんな不美味な物を作って食べる 者は居ない。佐渡に於ける伝統的な食品は、今では殆どスーパー等で売っていて農家出身の人でも買う事が多い。家中の者は専ら働きに出ていて忙しい。」
っちゃー
いやだよう[本来女子供の言葉](=いやら一)
やっちゅうめ
厭という目,懲りる程,厭に為る程(→しぬっちゅうめ)
やならけ[国仲]やならならさらけ[佐和田][←厭なら沙汰おけ]
厭ならするな、おいておけ
ん〜
厭な〜「いやんかざがする」
いらんもん
1.要らない物
2.要らない人物,のけ者,部外者
いりがし
菓子のあられ[餅を突いた後のこず(屑餅)を小さく契って乾かし、ほうろくで空煎りし作る。そこに大豆も一緒に入れて煎る事も有る](=あらね)
いるねかね
いるだろうさ(=いるじゃあいかさ)
†いれぼうそ
天然痘(疱瘡)の予防接種,種痘,また、その跡(=ふうそ)
いろあんべい
(人の顔色からの機嫌や単なる色の)色のあんばい
いろき
葬式時、いろをきた、死者の近親者(→ぶらくとぶれえ,たしょとぶれえ,ぶくまい,やしょくりょう,けんぺー,やさいりょう,くげいろ,いろをきる,てらまいりせん,のげえり,ちりやき,おんぼう)
ろさし
(顔の)血色「いろさしがよーなった(顔色が良くなった)」
いろちょう
葬式の香典の記録簿ぷういんちょう、とも言う和紙を細長く二つ析りにして切って綴じた横長の帳面で、表紙に死亡者の戒名か、諷経帳と書く。
いろをきる
葬式時、近親者と特に親しい人達が、女性では『いろぼうし』を被り、男性では襟に『半紙』を析って差す事
いわくありげな
何か子細が有りそうな[古い標準語]
わせん
言わない「そうはわせん(そうは言わないよ。)」*ゆわせん,とは言わない(→ゆう)
いわゆり
すかしゆり
いわんこっちやねえ
「それみい、いわんこっちゃねえ」
ん[犬]
犬「んをひく(犬に綱を付けて散歩する)」
〜いん[←居ぬ]
居ない
いんきゅう
隠居[屋号にも有り]
いんきゅや
隠居所[屋号にも有り]隠居の家
いんこ
犬の子
いん
〜がいないので,〜がいないんで「のもんいんし、かえらんか(あいつが居ないので帰らないか・帰りましょう)」 いんにょこにょうにょう[両津](→いんのこにゅうにゅう)
いんのこ
犬の子(=いんこ)
いんのこにゅうにゅう[植物名]
猫柳〔国仲][彼岸の入りには墓参りをし、その時期にに有る花(椿等)と共に墓前に必ず備える。猫柳は昔は川沿いにどこでも多く有ったが、近年、河川改修で自然が失われて殆ど無くなってしまい、花屋で買う事が多い。(但し、川の無い地区ではその頃、咲いている花を供えるとの事)]

 あ文末

[う]

†ううきい
大きい
†ううぐい
大食い
ううざましい
無気味だおぞましい(=おおざましい)
うう
[←負う]負った,背負った(=おうた)(→うーとる)
ううような
おおような,小さい事にこだわらない
うえむいとって
1.上を向いていて,上を見ていて[標準語]
2.高飛車で,高姿勢で,偉ぷっていて「かごろ、うえいとってかしい(近頃は高姿勢で変だ)」
うがじんさん[宇賀神さん]
両津市両尾(むろお)に有る人頭蛇身の商売・金儲けの神・神社[全国的には、自蛇を祭り弁才天の別称とも,また弁才天の夫とも]
腫れる(→はがく)
うこうこする
1.あちこち気を取られる,おっちょこちょいな事をする
2.浮き浮きする
ごく
1.動く[標準語]
2.働く,活動する「ようごくひとだ(良く働く人だ)」
うこつき
調子が良く失敗する人,軽率な者[←うこうこする人]
うしごえ[牛肥]
厩肥(≒ふみごえ,ふませ)(→うまごえ)[標準語?]
うしことぱ
役牛に対して命令する言葉の総称(→ぼーぼー、ほい・ほれい、ほいー)
うしずいか[植物名]
長葉ぎしぎし(ながばぎしぎし)[ぼんぼんすいこ(すいば)に形は似ているが、青臭く人は食べられない。牛が喜んで食べる。]
うしながや・うしなや
牛小屋(→ながや,うまながや)
しゃがれ[卑語]
うせやがれ,どっかいってしまえ 「はよ、うしゃがれ」
うすべり
ござ
うすらぬくい
生暖かい(=ぼんぼらぬくい)「うすらさむい、とは本来言わない]
うぜえ
[若者語]うざったい,邪魔っけな,うるさい
うそとぼうずのあたまはゆうたことがない
(諺)嘘は言わない [嘘と坊主の頭はゆうた(結うた/言うた)事が無い(懸詞)]
家(以前は『いえ』とは余り言わなかった)
うちぱ
八分位,八分通り,控え目「水はうちぱにはっとけ(水は八分位、入れとけ)」
うちつけに
急に,突然に,すぐさま「うちつけにこられてはこまる」[古い標準語]
うちまめ
[打豆]大豆を槌等で打って半漬しにした保存食ひじき等と煮付ける
うちら
私達(=うららち)(⇔おめらち)
うちわぷるめえ
内輪振る舞い,身内・仲の良い者だけの振る舞い
うちんもん
家族の者,家に居る人
うつ
1.打つ・撃つ1討つ・鬱[標準語]
2.(特に)田畑を鍬で耕す「たーうつ(田を耕す)」[標準語?]
うっかりひょんと
うっかりと,うっかりして
うつくし・うつくしい
奇麗だ「うつくしいっちゃ(奇麗だね)」
うつくし
奇麗にしておけ,ちやんとしておけ(容姿を)整えろ(=うつくしゅうい・うつくしゅい)
うつくしゅう
奇麗にきちんとして「やんなか、うつくしゅうておけ」
うっすら(〜)
微かに,僅かに,少しちょっと「うっすら気付く/うっすらばか]
うっすらぬくい
生暖かい
うっちゃって
構わずに,おいておけ,放っておけ
うっつかっつ
同じ位の,同様の,甲乙付けがたい「うっつかっつの成績」
†うっつけに→うちつけに

ってでる
1.受けて出る,出馬する,出る[標準語?]「町議選にってでる」
2.†思い切って言う(=うとうてでる)
つり
見栄え,似合ってる事「その柄はつりが良い(その柄は似合っている)」
うでぬき
[腕抜き]作業時に、防寒・虫避け等の為に腕にはめる衣類[標準語?]
†うとうてでる
言い出す「誰もうとうてでるもんがない」
うとうとっとする
うとうとする,うつらうつらする,少し眠気に襲われる
うとすけ
[疎助]疎い双,頭の回転が遅い奴,ぼけ,馬鹿[罵倒語]
うーとる
負っている,背負っている「子をうーとる」(→ううた)
きさま,てめえ,この野郎(→うぬら,おとれ,がめこうべ)[罵倒語]
うなるほど
たくさん,よけいに「うなるほどある」[標準語だが頻繁に使われる]
[罵倒語]貴様等,おまえ等[うな、の複数形]
ね=うめ

うのくび
首の(細くて)長い人
うぶすなさん
[←産土様]氏神様[赤ん坊は生後50日目に母親が連れてお参りに行く習慣が有った]
1.馬[標準語]
2.踏み台,脚立(?)(→はこうま)
うまごえ
[馬肥」厩肥(≒ふみごえ,ふませ)(→うしごえ)[標準語?
うまづら
[侮蔑語]長すぎる顔の人[標準語?]
うまながや・うまなや
馬小屋(→ながや,うしながや)
うみになる
水がこぼれたり溢れたりして一杯に為る「田がうみになる」
かかあ(母の蔑視型)(=んね,うめ,いね)(→かかやん)
うめえ
うまい「うめえもんぐい(うまい物ぱかり食べる事・人)」
うやまいにく・うやまいにてる
(目上の人に)挨拶に行く[目下へは使わず]
1.俺,私「らんとこ(俺の所)」(⇔おめ)(→うらち,うららち,おめらち)
2.(木の)末梢,幹以外の所[うれ(古語):末]「木のうらをきっとくれ」
うらうち→うらでえこ
うらでえこ
[裏太鼓]おんでえこ(鬼太鼓)の伴奏の太鼓[鬼太鼓では表で、獅子舞いが踊り、鬼が舞いながら太鼓を叩いたり叩く振りをずるが、本当の太鼓の節は裏側にいる者が叩く。](=うらうち)
うらでえこたたく
1.裏太鼓を叩く(=うらうちする)
2.†陰で応援する
うららち
私達(=うちら)(⇔おめらち)
うりとうねえ
売りたくない(→〜とう)
穴[漂準語]「うろんなかにつっこんで魚取った」(→うろづかみ)
うろづかみ
穴の中に手を突っ込み魚(海魚、川魚、特に鯰)・兎を捕まえる事「うろづかみした」
わえられる
追われる(=わえられる)「んにわえられてまった(大に追いかけられて困った)」
わえる
追う,追っかける(=おわえる)
うんき
[運気]運[標準語だが良く使う]「うんきがいい(運が好い)/うんきがわるい(運が悪い)」
†うんもすんもない
何も言わない,何も返事がない(元の意味:文句は無い筈だ)
うんともすんともわん
1.何も言わない
2.全然動かない

 あ文末

[え]

ええ
良い,いい「選択はええてこにさぜる(選択はいいと言う子にさせる)」
†ええ
鮎[近頃はあゆと言う方が一般的]
ええかまど
[←合い釜戸]一軒の家で二世帯(以上)が住んでいる事
ええくせえ→えーくせえ

ええさべり→えーさべり

ええずい→えずい

ええそ
愛想
ええそねえ→ええそもねえ

ええそもなんもつきはてた[ええそも何も尽き果てた]すっかり愛想が尽きた
ええそもねえ
[←愛想もない]
1.かまわない・もてなしのない
2.間抜けな・間が悪い
3.愛想がない
ええた
飽きた(←あいた)
ええて・ええっ
いいって,ああもういいよ「ええって、おまえにはたのまん(いいよ、おまえなんかには頼まないよ)」
ええてきた
飽きてきた(←あいてきた)「こんしごと、だんだんええてきた。りとうない。(この仕事は段々飽きてきた。やりたくない)」
ええどり
餅つきの返す手「←合い取り 以前は餅つきの返す相手の事を言った]
ええのかぜ
強風[真野湾では金北山(きんきたやま・きんぼくさん)の方から能登へ向かって吹く強風(南風)を言う。その風に乗って能登迄行ってしまうこともあったとか(?)。島内でも地区によって風向は異なる。](ええ=あゆの古語)
ええはなし
[←良い話]好い話,特に縁談・色恋関係の話
ええぶしょう
[←合不性]適不適,合う含わない,得手不得手 「物はええぶしょうさ(人により、物事には合い不向きが有る物さ)」
†ええましごと
[←合間仕事]物のついでにやるたいした事は無い仕事
†ええもん
(魚類の)干物[相川地区には『ええもん(干物)』を作る町が有り、島内を売り歩いたとの事。また、江戸時代には年貢を干物で、後にはお金で収めた]
†ええもんまち
(相川の)干物町
†ええもんや
干物屋,干物業
ええよ→えーよ・えーゆ

えがらい・えぐい=いがらい

えーくせえ
腋臭が臭い・臭う
えーさべり
話の途中に関係ない話・無駄話をしはじめること「え一さべりな(関係のない話しをするな)」
えざらい→えりゅう

えーずい
ばつが悪い,気まずい[恥ずかしい とは異なる。以前はまずい・味が無い・味が悪いの意味も有った]
えちご
[越後]新潟 佐渡以外の新潟県内「えちごのほうにびして〜(新潟の方で働いて〜)」
いちご[いご とも言う]
えのみでっぼう
榎(?)の実を弾にし、しのだけに詰めて遊ぶ空気鉄砲
えびす・えびすさん
恵比須さん(=おえべすさん)[商売繁盛・家内安全の神。玄関を入った広間(おまえ)の正面に神棚があり、その並び左脇の大黒柱よりに恵比須さん・大黒さんの土で作った面(佐和田の八幡人形の所で作った物)を飾った](→だいこくさん,だいこくばしら,しょうこくばしら,かもえづくり,おまえ)
えびすこう[恵比須講]
恵比須祭り とろろいもを食べる
えびすこういち
恵比須講の市 恵比須さんに備える餅・花を露店・普通の店舗で売る。長芋を買う習慣が有る。
ぶしん
(2月末から3月の)用水路の掃除[真野・畑野](→えりゅうねえざらい,せきあげ)「たんぼのぶしんにでる(田圃の用水路の掃除に行く・する・出る)」 *えぶしんにでる、と主に言う。
えみぞ[江溝]
下水溝,どぷ(→せしなげ)[えんぞ(新潟)]
えみそじる
米の粉・麦の粉・蕎麦粉等を掻いて入れた味噌汁,蕎麦粉を入れた物を特に『べっとう』と言う
〜ぇむ・〜えむ
[屋号]〜右工門 「伊右ェ門(いえむ)」(→〜じえむ)
えむぞ→えみぞ

えやんかんにらん
全然相手にならない「あいつ、えやんかーんにらん」
えやんらん
相手にならない「てんで、えやんらん(てんで相手にならん)」
えーよ・えーゆ
賛沢「あいつ、えーよしとあ(あいつ、賛沢しているなあ)」
えらいこと
大変な事
りゅう
2月末から3月の用水路の掃除(=えざらい)[新穂](→えぶしん,せきあげ)「りゅうする=えざらいする」
〜えん
〜出来ない(〜えない)「んぶは、べえんちゃ(全部は食べられないよ)」(→〜せん)
えんどこねえ[水津](=よんどこねえ)
えんぱな・えんぱら[縁鼻]
縁側(→おまえ)
†えんぶり
土を均す農具[グランドを均す『とんぼ・レーキ』の様なT字型]

 あ文末

[お]

おいえ→おまえ

[←俺]俺,おれっち「いも、やかりたい(俺もそうゆう好い目に遭いたい)」
おいこ
しょいこ 荷物を背中に負う為の籠
†おいでなしゃませ
いらっしやい[〜なしゃませは、なさいました、の意味の丁寧語。今は使われない。](→おしめなしゃませ)
おいてみい
1.措いてみろ,ちょっと待ってみる
2.(今迄やっていた動作を)しぱらくやってみろ
おいべすさん
恵比須さん[漁業の神、佐渡では信仰する人・関した祭りが多い。以前、漁師は海豚(いるか)の事を指した]
背負う[ううた、は有るが、うう、と言う現在形は無い](→おうた,ううた)
†おういなしゃましたか
こんにちは[本来は『ご飯をおあがりになりましたか』という意味で、朝食・昼食の前後に、戸外・室内を間わず使った挨拶。食べる事の意味合いは無くなっている。]
うさ
なるほど,ほらね,はいよ[余り意味の無い間投詞]
〜おうせない
〜できない「自転車にもうのりおうせない(自転車にもう乗れない)」(=、へん・えん) *のりおうせない=れへん・ん[〜せん、は単純な打ち消し「らせん(乗らない)」
〜おうせん=〜おうせない 「しいおうせん(やることが出来ない)」

おうやり・おうやれ→おーやり・おーやれ

おうた
背負った(=ううた)
おおきあんちゃん・おおきいあんちゃん
長男(→なかのあんちゃん,ちいせあんちゃん)
おおせない→おうせない

おおぼね
背骨「おおぼねいてえ(背中の背骨が痛い)」
おおや
本家
おおやり・おおやれ→おーやり・おーやれ

†おが
古い布切れを裂いた継ぎを入れた物
おかか
おかみさん,主婦(→かか,かかやん)
おかねさん→おかのえさん

おかのえさん[お庚様]
庚申請 かのえさる・こうしん(庚申)の日に成人男子が集まって(徹夜で)酒を飲む事[(本来道教だが)日本の民間信仰では、庚申の日の夜には人の体内にいる三尸虫(さんしのむし)がその人の日頃の罪科を天帝に報告しに行くと言われ、その罪の軽重に因り天帝が人の命を短縮する。その三匹の虫を報告に出さない為、徹夜した]
き[沖]
平野の遠くの方「おきの田圃(自分の家から離れた平野部にある田)」2.平野の部分,田圃,平らな所「〜おき(〜の平地)」3.(海の)沖[漂準語]
燃え残りの炭・木(→おきずみ,ぼやずみ,そそける,ほぞける)
おきずみ
燃え残りの炭(→ぼやずみ)
おき
起きたよ[過去形]
きのもん
平野部分(佐渡中央部の国仲平野)に住んでる人・人達 (→まのもん,まのもん,やまがんもん)
おかゆ,白がゆ(=しろげえ)(→おみそ,ちゃげえ)
おこしがた
しんこのかた(→しんこ,しんこのかた)
こす
1.起こす,興す[標準語]
2.(農作物等を)掘り起こす「ねがはって、おこすのがたいへんだ(根が張って掘り起こすのが大変だ)」
おごてい
重たい
†おさぎ
おざましい
ぎょうぎょうしい
さめる
うまくまとめる,帳尻を含わす,我慢する「喧嘩をおさめてきた」
おしいばち→しいばち

おじぇん[←お膳]
お膳
おしずかに→しずかに

おしたじ
みそ汁[澄まし汁、ではない。したじ(廃語)、は醤油のこと]
†おしめなしゃまし[(仕事等を)おしまいにしましょう]
ごきげんよう,さようなら(→ばんよ)[夕方の別れ際の挨拶]
†おしめなしゃましたか[おしまいになりましたか]
こんばんわ[夕方の出会う時の挨拶]
†おしめなしゃませ→おしめなしゃませ

おじょむ
怖じける,ためらう(≒おぼえる)
おぞい
悪い「おぞいてんきらなあ(ひどい天気だなあ)/おぞいきもんきとるなあ(ひどい着物差ている)」[*元来、おぞましい、の意味](→おぞまい)
うて
[←遅くて]おそくて〔音便〕「かったに、おそうてちかん(とても遅くて駄目だ・どうにもをらない・困った)」
おそえて
教えてくれ
おそげえ→おそんげえ

おそそ
女性の性器(⇔しじご・だつ)(→しり,べべ)
†おそなわりました
遅くなりました,遅れました[今は、おそうなりました、と言う]
おぞまい
不良米,出来損ねた米,質が劣化した米
おそんがる
恐ろしがる(→ぼえる)
おそんげえ
恐ろしい(=こええ)
おそんげえもんなし
怖い物無し,のさばってる者(=こええもんなし)
おつくべ
お座り,正座「おつくべせんか/おつくべしい(正座をしなさい)」
おっさん→おやっさん

おっとれ→おとれ

おてっしょ
小皿(→てしお)
おてて
[幼児語・標準語?]手(=てて)
とうやん
お父さん
おとつい
[一昨日]おととい
おとついな
<上同>[年月を表す語に 〜な を付ける事がある]
おとな
大人びた事を言う大きな顔をしたがる「おとなうな」
おとなしぞら
好い天気[←音無し・大人しい(?)空](→そら)
おとなしゅう
おとなしく「おとなしゅうい(おとなしくしろ)」
おとれ
[己]おのれ,こんにゃろう「やれこうべ、おとれ!(てめえ、このやろ)」(→おんし,おっとれ,やれこうべ)[おとれが多少弱い意味]
女の人[以前は女中を指した]
おなごし
女の人達[←女の衆]
でえこ→んでこ

おにむし
[鬼虫]くわがたむし[以前は兜虫の事を指した]
(〜は)にら
(人・物事が)ひどい,きつい,厳しい大変だ
おば
未婚の(特に年輩の)女の人,独身女[多分に蔑視的]
おぶなさん
氏神,自分の家の神様
おふだ
神社・お寺のお札[お寺のお札は正月中に寺の小僧さんが売りに来た。それを、「御利益を分けに来て、お金を収めた。」と言う。おまえ(玄関の入り口正面)の神棚の向かって右に貼った]
おふだうり
[お札売り]以前は神社のお札(お寺のお札とは異なる)を各家に売り廻った、その人。近隣の物から県外の物まで売り歩いた。怪しい物も有ったとの事。現在はいなく、お札は各家で正月の御参りの時買いに行く(→とうりゃあさん)
おぼえる
驚く,びっくりずる「あいつしんだと/いやあぼえた(あいつ死んだって/それは驚いたなあ)」(→おそんがる,おじょむ)
おぼてい・おぼてえ
重たい[おもてい とも言う]
おまえ
家の入り口の板の間の大きな部屋 四間掛ける六間の『四六間』が多かった(=おいえ)(→えんぱら)
おみあかし
灯明(=みあかし)
おみそ
1.味噌[標準語]
2.(味噌味の)雑炊,おじや(→おけえ,ちゃげえ,しらげえ)「おみそ、やあ(おじやは厭だ、嫌いだ、食べたくない)」
おみまい
1.御見舞い[標準語]
2.(病気等で長患いして)死んだ時、死人の出た家にやる香典の一種(→いろき,やさいりょう,ぶくめえりょう,やしょくりょう)
おめ
あなた,おまえ「おめくりゃ、かったのに(おまえは来れぱ良かったのに)」
おめえ=おめ

おめえ
お前の様な者「おめえようんは、そいでじょうだ」
おめえようなん<上同>

おめらちよう
お前達の様な者(←〜ようもん)(→そのようもん)
らち
おまえた,ちきみたち[おまえたち十おまえら]
おもしい・おもせえ・おもっしい
面自い,情快だ,楽しい「おもっしいと」
おもて
派手にする
やかた
主人,地主,職人の親方
おやぎねえ
かわいそう
†おやすみなしゃませ
こんぱんわ,さようなら[夕方・夜の挨拶]
おやっさん・おやさん
世帯主,主人
おーやり・おーやれ
(大きな事が柊わって)らっくり,楽になって「あれんすんで、おーやりしとる/おーやれた(あの事が済んで、楽になった・気 が楽になっている・らっくりした)」[真野コ]お一やれとる(<同前>)」[新穂]
おら
[←おいら]おいら,俺私
おらち・らっち
私達「らっちのこじゃ、(俺達の所では、)」
らっちゃー
俺たちは「らっちゃー、らんぞ(俺達は知らないぞ)」
おーられ
大屋根よりも下に有る、小さな屋根(=ぎや)「おーられんでる」
らん
居ない(→おる)
らんとこ
俺の所
おりつぼ
便所の壷(→さんじゃくもん)
りゃん・りやせんちゃ
居ない,居ません
居る「〜るかさ(〜いるかい)/らん・ん(いないよ)」[佐渡では「いる」より「おる」の方が良く使われる]
るか・るかさ
いるかい,居ますか
るけえー
いるかい[親しい人を訪間した時、使う言葉]
私,自分[佐渡では男女共に使う]
おろけ
大きな風呂桶(台所等で鍋等でお湯を沸かし、10cm位入れて入る。サウナのように(蒸気風呂と)しても使った)
おろす
新しい物を使う(→きおろし)
オーロラ
佐渡では夏の深夜、年に一度位起こる。昭和30年代に空が赤くなる大きな物が有った,近年は小さい物が見えた。
わった
無くなる「このビンのビールわった」
わってすんだ
[終わって済んだ]終わってしまった,済んでしまった「それはおわってすんだとらっちゃ」[完了形?]
おんぐるべー
めだか おんぐるべーも、うおにんじゅう[めだかも魚の内]小さな子供が大人の寄り合い等にちょろちょろと顔を出したがったり、入って来たりする時、情を持って諌めたり少しぷざけたりからかったりする時言う言葉。[佐渡の童歌・諺]
おんこう
[植物名]いちい
おんごろべー
1.おたまじゃくし[国仲一部真野・佐和田?]
2.めだか[他地区]
おんし・おんしゃ[←お主]
おまえ,おめえ(=おとれ,ぬし,ぬしや)
んでこ
鬼太鼓(=おでえこ)[4月14日の島祭りに行う。本来は地区により4月15日前後の日であった。[小倉地区では4月12日]鬼太鼓は、相川系・国仲系・前浜系の3種類が有ると言われる。相川系は鬼の動きはあまりなく、豆まきの翁が踊る『豆まき鬼』で、国仲系は太鼓で一人、あるいは二人の鬼と獅子が舞い、前浜系は笛と太鼓で鬼が二対で踊り、盛り上げ役の『ろうそ』がいる。なお、国仲地区の山方の小倉地区は笛と太鼓で二対の鬼と獅子が踊り、以前は『ろうそ』の様な囃す者もいたとの事。また、二人の鬼の黒髪の者をオス、赤髪・金髪の者をメスと呼んでるが、メスが『阿(あ)』オスを『吽(うん)』と呼ぶのが正しい、との説も有り]
おんでこかき
鬼太鼓の時、太鼓吊して担ぐ二人組の人(←かき、かんかき)
おんでこざ
[鬼太鼓十座]太鼓を使った演劇活動を行っている、鼓童(こどう)の旧名。始めは畑野町の町中、旧若林医院の建物で旗揚げしたが地元住民の理解が乏しく、つまり、団員が何で生活しているかや、昼間からの太鼓の練習・体力トレーニング等への理解が殆ど無く、転々としたが、今は小木町の金田新田に鼓童村を作るに至り、全国から集まる後進の指導に当たっていると伴に、国内・海外での演奏活動を行っている。(→こどう,こどうむら)
おんばひがさ
[←おんぶに日傘?]おんぶにだっこ,過保護「おんばひがさでそだって、(過保護で、<時に甘やかされて>大事にされて育って) *その様な者は現在多い(→ばあさんこはさんもんおちる)
んねん
〜がいるじゃないか(←おる)
おんべらづく=おんべろづく

†おんべりつき
お世辞を言う人(→べり,べりこき)
おんべりつく=おんべろづく

おんべろづく
調子づく
†おんぼう・おんぼうやき
[隠坊・御坊]火葬人夫[被差別的な職種だった]


 あ文頭