カウント物件

カウント物件


 夏の工事現場であります。空が青い。いや別に季節はどうでもいいんですけれども。
 この日は工事はお休みだったようで,大きなショベルカーも首(なのか?)をおろして休んでいたんでした。そして,その脇には1から10という数字を書いた大きな袋。

 なんだか,セサミストリートというか,小学校1年生の算数教材が並んでいるようでありますね。最近の1年生はショベルを使って算数の勉強をするのか。

 あるいは,このショベルカー自身が算数の勉強をしている最中なのか。そういうつもりで見るとこのショベルカー,夏休みの算数の宿題ができなくてグッタリしているようにも見えるんでした。
 それとも,「袋がひとつ」「袋がふたつ」と数えている間に眠ってしまったのか。



 変わってこちら。ん。どこかで見たことがあるなと思ったあなたは,「ご近所路上観察ファイル通」か「新発田市民」かのどちらかであります。そんな通になりたい人もいないかもしれませんけれども。それはともかく。

 実はこのカンバンが出てくるのはこれで3年連続3回目なんでした。2年前の「狭間物件」と,去年の「その後物件1」。3年連続と言っても3年間まったく同じだったわけではなく,内容が微妙にというか商売的には大胆に変わっているんでした。

 2年前は「三千円以下の品・千円均一 および 三千五百円以上の品どれでも7割引」
 1年前は「五千円以下の品・千円均一 および 五千円以上の品どれでも8割引」だったわけですけれども,今年はついに
「一万円以下の品・千円均一 および 一万円以上の品どれでも9割引」に。

 

 これはなんというか,スゴイでありますね。ひょっとすると,このシリーズは8年前から始まっていて,最初は「1割引」だったんでありましょうか。1年に1度のカウントダウン,というかカウントアップ。それを10年計画でここまで…。ああ,もっと前から気づいておけばよかった。

 そう考えると,一昨年の「狭間物件」のころにはなかった「閉店」の文字が,昨年の「その後物件1」から表示されるようになったのは,最後の3カウントになったからなのかもしれない。
 これが10割引になったらそれは即ち商売ではなくなるわけで,そのときには自動的に閉店になるわけだし。
 そういうことを考えついたとしても,実際に10年かけて実行するというのは,並大抵のことではないと思われるんでした。
 いや実際はそんなこと全然考えちゃいないのかもしれませんけれども。とりあえず1年に1回閉店セールしないと落ち着かないだけなのかもしれませんけれども。

 なにはともあれ,来年どうなっているか非常に楽しみであります。鬼が笑うか?

「ショベル算数」は新潟市・柳島町1あたり。
「9割引」は新発田市・住吉町1あたり。