新年09物件



 さて,新年であります。丑年であります。平成21年であります。一応新年物件というのを毎年やっているので,今年もやるわけでした。
 と言ってもそうそう新年がらみのネタがあるもんでもないし,ウシがその辺を歩いているわけでもないんでした。
 特に新年ネタがなければやらなきゃいいようなもんですけれども,今回も一応1月1日当日に歩いて撮った物件ということでまいります。だから,まとまりがなくネタ的にもあんまり面白くないのはご容赦いただきたいわけであります。まとまりは常時ありませんが。

 まず上の写真は,日和山住吉神社であります。位置的に,毎年一番最初に詣でるのがこの住吉神社なわけですけれども,山を登ってみたら拝殿が無くなっていたんでした。

 ここが整備されるのに伴って建替えるというのは知っていたわけですけれども,もう撤去されているとは知らなかったんでした。
 年末年始ともなれば神様もカキイレドキであろうに。などと思ったりもするわけですけれども,ここはいわゆる営業神社(いわゆらないか?)ではないので,初詣をしようという人も今のところはあまりいないだろうからいいのかと思ったりもしたわけでした。

 整備されると人が大勢集るようになったりするんであろうか。と思うと,このさびれ感が好きだった私としてはちょっと寂しい感じもするわけですけれども,まぁ,心地のよいスポットになってくれればいいと思ったりもするわけでした。


 こちらは,2番目に訪れる神社。昨年は「ファイヤーカービィー」などの「ピュアな絵」を楽しませてくれたんでした。
<昨年:新年08物件

 今年は昨年のような絵はなかったですけれども,こちらの「えまかけ」と「おみくじかけ」の文字はおそらくその作者の筆によるものなのではないかと思われるんでした。

「えまかけ」というのが平仮名であるのでどうも「まえかけ」に見えてしまったりもしますけれども,字はキッチリとかけているようであります。作者の成長が垣間見えて微笑ましかったりちょっと残念だったりしてしまうんでした。


 その後歩道を歩いていると,葉も落ちた街路樹の枝に何か白いものがはさまっているんでした。


 それは,先ほど出てきた神社のお札のようなんでした。
 誰かが落としてしまったものを,別の誰かが拾って目立つように枝にかけたんでありましょうか。

 納めるつもりの古いお札を落としたのか,今年もらったばかりの新しいお札を落としたのか。どちらにせよ,落とした人の今年これからが気になるところではあります。


 こちらは,以前に「その後物件3」などで何度か出てきた,イスのあるバス停であります。
 イスの数は7つ。お酒のケースなどがなくなって普通のイスだけになり,ちょっと格差が縮小しているような気がするんでした。昨今,あまり格差がロコツだと糾弾されてしまうんでありましょうか。

 それでもまだ端の方は背もたれが無かったり硬そうだったりして,若干の格差は見られるわけでした。
 まぁ,やはりいくら人類すべて平等だとか言っても,格というのはおのずから見えてしまったりするんでありますね。そのときに格上の人と平等であると,萎縮して居心地の悪いのはむしろ格下の方だったりするわけで,形式上の格差と言うのは格下の方にこそ必要なのかもしれないんでした。


 最後に,なぜか靴底であります。
 歩いていると,路傍に靴の底だけが落ちていたんでした。使い込んですり減ってしまった靴底であれば落ちていても気にならないところでありますけれども,まだ溝も深くしっかりと残っているわけで,なぜこんなところに落ちているのかわからないんでした。

 靴全体が落ちているのならまぁ何かのはずみで落としたとか何かの理由で捨てたとか考えられますけれども,靴底だけとは。
 最近の靴というのは,底だけとか紐だけとか,パーツを選んで買ったりするものなんでありましょうか。紐だけというのはありそうですけれども,底だけ買って自分で作れるのかどうか。

 しばらく見ていましたけれども結論は出なかったんでした。そしてその場を離れようとしたわけですけれども,いつしかこの靴底が顔のように見えてきたんでありますね(真ん中の丸が口。その上が目鼻)。そして
「まぁ,世の中にはわからないことが色々あってもいいんじゃよ。だからこそ面白いんじゃ」
と言って微笑んでいるように見えてきたわけでした。

 確かに,わからないからこそ妄想を働かす余地があるわけであります。
「わからないものはわからないからこそオモシロい場合もあったりなかったりする」というのがうちの路線の基本であると,年の初めに再認識させてくれた靴底老師だったんでした。
 そういうテキトーなのは路線とは言わんか。

「消えた神社」は新潟市中央区・四ツ屋町1あたり。
「成長した神社」は新潟市中央区・四ツ屋町3あたり。
「拾われたお札」は新潟市中央区・栄町1あたり。
「縮まった格差」は新潟市中央区・湊町通1ノ町あたり。
「笑った靴底」は新潟市中央区・明石1あたり。