'93ロケット教室 IN NIIGATA 第3日目

【主な内容】

創作モデルロケット設計製作
・材料選定飛行段階について
・基本設計書の製作(設計図・仕様書)
・基本設計審査 (飛行段階・安定度・製作材料)
・材料取り出し
・材料加工と製作
・製作機体検査 (安定度・CD・シミュレーション・強度)
・改良補修

【内容説明】

オリジナルロケットのイメージを固めた子供達は、いよいよ材料の目星もつけ基本設計段階に。見付けられなかったらこちらで用意すると言ってあったが、約半数が自力で何らかの材料を準備。この日はすべて各自のペースで行わせることにした。ただ必ず通過すべきメルクマルが基本設計審査と製作機体検査。これは自分でキーをたたいて計算して提示、インストラクターのチェックを受けるという過程である。基本設計審査は製作目的に応じて安定度・飛行高度・滞空時間などいずれかひとつのコンピューターソフトを使って自分の目的に適う設計かをチェックし、併せて入手出来る材料か、製作技量や時間内におさまるかを自己判定するもの。 あとの製作機体審査は安定度・CD値・フライトシミュレーションの3つのソフトにかけるとともに、飛行に耐え得る製作強度が確保出来ているかインストラクターのチェックを受けるもの。
モデルロケット設計シート(HRC)を使ったが A3判だったので実寸で設計図を書こうとしてシートに収まらない生徒には、A1判の方眼紙使わせた。中学生、小学校6年くらいになると1/5とか1/4という縮尺図面も難無く使いこなせるようだ。小学校4年では線引き(定規)を使って図面を書くことあるいは寸法を入れることも少し難しい。

基本設計審査
おもしろロケットのなかで1機、これは飛びそうにないぞという設計があったが、飛びそうにないようなユニークな形(ファミコンキャラ)を飛ばすというのが彼の目的であったので意志を尊重した。スケールモデルはどれもかなり硬派なものぞろい。形の複雑なサターンIB、ただ打ち上がるだけでなくグライダーリカバリーするというスペースシャトル。打ち上がりグライダーリカバリーし、ブースターも分離させるというスケール+パフォーマンスもねらうエネルギアブランに至っては、インストラクター諸氏の指導力を信じるのみ・・・・・・でパスさせた。 スポーツロケットのうち高高度を狙うものが2あった。ひとりはオギブノーズ、安定の取り易い長いボディーチューブ、ボートテイル、薄くて小さな4枚フィンを設計し、15g以下の軽量化を目指す。もうひとりはノーズからテール全体にかけて連続した流線形を与えるために直径30mmのバルサ棒から機体を削り出す。ブーストグライダーは2機のカナードグライダーを搭載しブースターは尾翼を持たないもの。ノーズコーンに卵のような膨らみを持たせたいからどうしても発泡スチロールから削るというこだわりよう。 おもしろロケットはさまざまで、サイズは出来るだけ小さなミニミニサイズのものから、自分の身長と同じ長さのものをつくるというものがあったり・・・・・。むしろスクラッチロケットが自分で見つけて持って来たノーズコーンにこだわったり、アルミホイルの芯にこだわったりであるがもっともノーマルな形に収まりそうなものはこれ。
基本設計・審査・材料確保と順調に推移。最近の子供達はコンピューターにも臆するところはなく、どんどん自分でデータ入力し結果を得ていく。山田会長がゲームのように楽しいグラフィックスがついていないと・・と心配しておられたことがあったが、ゲームとちがってそれが最終目的ではなく手元の自分のロケットが最終結果であるわけだから、シミュレーションなども時間・加速度・速度・高度などが数字として表示させるだけで必要十分であることが確認できた。審査で指摘してここをああしろこうしろといわずとも、自分で問題点に気が付き対策を相談にくるとかいうことがきちんとできるような動機付けとしても価値を感じた。今回はパソコンが1台しか用意出来なかったので順番待ちで時間をロストしたが、それでも予定した16:00までには1人を残して作り上げ、塗装を施すまでになった。設計を手直ししては繰り返し計算が必要な場合もあるため、5人に1台は欲しいところ。

みんなが帰ったあとに残り、お迎えを待たせながらもくもくとツイングライダーに取り組む1人。彼はとにかくこだわるタイプで、初めから他より遥かに工程が遅れていても全然気にする様子がなく、最後まで工作室とパソコンとインストラクターを独占して18:00までじっくり検討(健闘?)

4日目へ続く


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