えちご源流愛好会トップ2003釣行日誌>2003.5.17

●天然イワナを育くむ渓(爆釣その2)

2003.5.17(土)天候:晴れ(今シーズン9日目)

某源流 (水温8度)

夏も近付き、日も長くなってきた。日の出時刻を目指して出かけるので、これからの時期は出発時間が早くなる。自家製梅干しの握り飯を作ってから、3:30にW氏宅まで行き、目指す渓へ出発する。この沢は、中流域は有名だが源流域へ入るには行程がきつい為に、あまり人気はないようだ。他の釣り人とは出会ったことのない渓流である。
渓流の様子14万キロが目前に迫ったジムニーを降りて、1時間ほど歩くことになる。ブナの新緑が気持ち良い。
渓に降りると、水量が予想以上に少ない。この沢はもうほとんど雪解けも終わったのだろう。まるで秋のような水量だ。
W氏に進んでもらい、世話人は少し下流へ入ってみることにする。最近自宅の庭で養殖を始めた特製のミミズをエサに竿を出す。流れにのせて仕掛けを流すが、喰いは渋い。この水量と、快晴の天気では難しい釣りになりそうな予感がしてきた。
40分ほど下りながら竿を出すがアタリもこない。仕方なく竿を畳み、W氏を追いかけて上流へ向かった。

天然イワナW氏と交代で竿を出す。世話人がミミズをつけて仕掛けを流していると、下流ではW氏がせっせと川ゲラを集めている。そのうち、今日最初のアタリが来た。あげてみると25cmほどのきれいな天然イワナが釣れた。
この時期はカワゲラが豊富な時期だ。梅雨に入ると羽化するため集めるのが難しくなる。ちょっと石をはぐったら手ごろな大きさのカワゲラがたくさん捕れたので、エサをミミズからカワゲラに切り替えることにした。

そして、ここから爆釣がはじまったのだ。
竿を出してみると、間違いなく釣れる。ただし型は小さく20cmクラス。エサの数だけ、ポイントの数だけ釣れる。世話人たちが持って帰るには小さいサイズなのですべてリリース。
しばらく進むと渓のなかにカモシカの屍が横たわっていた。厳しい冬を乗切れなかったのだろう。雪解けの時期には、こういう獣の亡骸を目にすることがある。
雪解けと同時に、山菜も一斉に芽を出している。こういうきびしい自然の中で育まれた岩魚は、なにか輝いている気がする。それに顔つきや姿も違っている。

このあとも釣れまくったが、なかなかサイズが上がらない。瀬を見ると10cmくらいのチビイワナたちが盛んにライズしている。釣り人を警戒している様子もないようだが、うっかり見つかるとあわてて岩の下に逃げ込んでゆく。それでもまたすぐに出てきて、のんびりと泳いでいる。こんな場所には仕掛けを出さず、そっとしておく。
その後も竿を出すが釣れるのはアユのようなサイズのイワナばかり。20cmくらいのイワナばかり釣っても面白くない。食べない魚を痛めつけることもないのだが、釣り人の身勝手で「もしかしたらいいサイズが釣れるかも」と竿をだすとやっぱりリリースサイズのイワナが釣れてしまう。
昼食の握り飯を食べた後も、釣ってはリリースの繰り返しだ。
午後2時まで釣り続け、なんとか数尾だけ、持って帰れそうなのが釣れた。
豊かな自然が残っていることを感じることができる、気持ちのよい釣行ができた。

帰りの山道では気の早いヒグラシの鳴き声が聞こえた。

釣果 世話人:4尾キープ、W氏:もっといっぱいキープ

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