ワンポイントアドバイス 

3 力を抜くには

 右の井出さんの文章の中に「薬指と小指が馬鹿だから力を入れないと弦が浮いてしまう。やっぱり一にも二にも訓練……」とありますが、力を入れなくても弦が浮かないようにすることはとても重要なことです。しかしこれは訓練で指を鍛えてすることでは決してなく、合理的な方法を用いて解決するべきです。つまり出来るだけ力を入れなくても押えられるような、左手や指の、位置や形を(折角先生がいるのだから、アドバイスを受けながら)検討する。そして常に必要最低限の力で演奏するように心がけるのです。右手についても力を入れなくても大きな音が出るようにするわけです。演奏家が長い時間弾いていられるのは、鍛えてあるからではなくて力を入れずに弾いているからです。しかしわかってはいてもつい力が入ってしまう時もあります。そこで無理をすると、腱鞘炎になったりします。力が入ってるなと思ったらすぐギターから手を離して、押さえなおしましょう。また楽器自体に問題があることもあります。ネックや指板の形状や反りの具合、弦高や弦幅、弦の張力などによって、力を入れなければ押えられないような楽器があります。修理をするか、使用を避けましょう。


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