・本書は聞き取調査を元としていて、国中地区に於いて現在使われているもの、理解されているもの、そして理解可能のもののみ取り上げた。また、参考文献からの語句もあるが、現在使用されぬもの、理解不能のものは省いた。
・今日理解されにくくなってきた語、また、使われなくなりつつある語には(†)マークを記した。また(††)は理解されない傾向が強い事を示す。
・漢字で表現可能の場合は括弧内に示した。
・矢印(→←)で示した語は参考語・類似語を示す。
・反意語・対義語は(⇔)で示した。
・アクセントはアンダーライン(ここでは紫紅色で示した)をもって示し、出来るだけ正確を記したつもりであるが、地域差があるのを御理解いただきたい。
・ある地区に多く使用される項目については[]で示した。地区名については、本書内、佐渡方言地図の地名を参考のこと。(ここではまだ準備中)
・[]や*を使い適宜解説をも示した。
平成8年8月 著者
時は平成八年、春うらら、流れる空気も緩やかな四月某日、場所は佐渡農業高等学校教務室、新潟日報の佐渡版連載の『佐渡魚歳時記』の「おんごろべえ」の記事を読んだ私は、それが「めだか」の佐渡方言であると解説されているのを見、私の記憶と異なっているのに気付いた。
そして、早速周りの先生方に確認をした。その結果、その語の意味は、真野町の合沢出身の内田先生〈国語科〉・畑野町の目黒町出身の渡部先生には、古い言葉ではあるが子供の時に聞き覚えていた「おたまじゃくし」のことを指す語である、との答えを戴いた。
また、金井町吉井の脇野先生は「めだか」だか「おたまじゃくし」だかあやふやで、子供の頃年寄り達が使っていたみたいだ、との答えを戴いた。また、佐和田町や両津市の先生方は「めだか」を指すのではないか、とのことだったが、若い佐渡出身の先生方はその言葉自体を聞いたことがない、とのことだった。
私の母方の実家は畑野の小倉で、そこで育った母はそれがおたましやくしの佐渡方言だ、と以前私に述べていたので「おんごろぺえ」には地区で異なる二つの意味が本来島内にはあること(またはあったこと)が分かった。
そして聞き取りを進めるうちに、「おんごろべえ」という単語は「おんぐるぺえ」とも言う所があることも分かった。(なお、平成八年七月十八日、佐和田町の諏訪町の喫茶店『アゲーン』で方言に付いてどし(友人)の亀井さんと話をしていたところ、佐和田の50歳くらいの男性の方も、「おんぐるぺい」を、おたまじゃくしである、と言っていた。)
私の思うに、元来方言には何が正しくて何が間達いだという客観的な正誤関係は無い。そしてどう使われているかということの記載ができるかどうかが重要であると思っている。加えて、その使い方とアクセント表記をし、未使用者・非経験者が使用出来るまで調ぺることが、言語学的調査としても理想であると考える。
そこで、なるべくそのような点に即して、本校の国語科の内田治一郎先生と調べることにした。
私が佐渡島内に赴任して最初に気付いたのは、佐渡方言が典型的な固有の語彙やアクセントを有しており、新潟県の他の三郡とは全く異なっている、ということである。
佐渡は新潟県を四郡に分けた一つであるが、島という地形であるため、多量の人間の移動が少なかったと考えられる。
次に歴史上、佐渡ヶ島は江戸時代までは『佐渡国(佐州)』であって、明治初頭期には新潟県に含まれず『相川県』であったことが挙げられる。つまり佐渡は『こし(越・高志)の国』でもなけれぱ越後でもない別の国である。
古代においては、新潟県の上・中・下越が大和朝廷の支配下になく、歴史に現れない時から佐渡ヶ島は大和朝廷下の古くからの「日本」の一部であって、日本国としての長い歴史と伝統を持っている。そのためか、日本の関西地区アクセントの影響下(特に能登・加賀・若狭に似ているという説あり)にある。
また、語彙も奈良時代から江戸時代までの古い言葉も残っている。これは島国という地形が幸いしたことだけではなく、佐渡の人々の気性、性格、自負心が大きく助けになり、語彙が生き残ったからではないかとも思っている。
しかし、このような佐渡弁の将来は、正直なところ、永遠に続くかどうかは疑わしい。
ここ佐渡でも、他の地区、より広く考えれぱ日本全体同様に、特別な方言の語彙は古臭い年寄りの言葉であるとされ、だんだんと消え行きつつある。
佐渡では50代以上の人には理解できても40代の人にはもう理解不能の語彙が多くある。また、理解できても既に日常では口にしない人も多い。さらに30代以下の人には全く理解されない語も多く、特に若者達の中には話の内容自体もさることながら、祖父母の言う言葉の部分部分、そしてそのニュアンスを、もはや理解できない者も多い。ひどい場合では会話できない状況すらある。つまり老若の間で言葉の伝統の断絶が起きているのだ。
仮に文化と言うものが伝統を基としているならば、伝統的な語藁の・消失傾向は伝統的な佐渡固有の文化の消失傾向を示しているわけで、また言葉の面から来る意思の疎通は伝統文化衰退を加速する一因にもなってきている、と私には考えられる。
言葉が消
えた時、その言葉を使っていた人々の文化が消えることは歴史が示している。
また、間接的な要因だと思われるが、特に戦後の学校教育の現場において、佐渡弁を使わないようにしようという動きがあって、佐渡弁自体を悪い言葉・汚い言葉と捉える甚だしい標準語至上主義者が溢れたことがあったそうで、それも佐渡弁消減化を助長することになったと考えられる。
最後に近頃の佐渡方言の傾向として気付くことは、佐渡島内の各地区で本来異なっていた語彙・アクセントの混濁・混合化である。以前、私の母方の祖父母の代までは、佐渡の各地区のみで生活していて、死ぬまで生まれ育った自分の村を出たことがない〈またはそれに近い)人がいたが、今や各戸が自動車を持ち、家によってはその家の人数より車の数が多い等の状況がある中で、そのような人は存在しなくなった。
仕事に関しても居住する村内のみではなく、他の地域へ出向いたり、また、特に国仲地区では他の地区の者と一緒の職場で働くことが普通で、その結果、微妙に異なっていた佐渡島内の各地区の方言が交ざり含って来ていると考えられる。(まだ強い地域文化を維持している地区には、地区性を持つ語句や用語も残っているが。)
ともあれ、現在平成八年の段階において、佐渡方言は消え行きつつも、県内の他地区より、まだ強く残っている。そのような社会的にも文化的にも、また、言語学的にも輿味深い情況の中にある『佐渡方言』をまとめた物は今の所なく、そのような点に留意しながら資科化ずることは有意義であると考えている。
この辞典的(?!)方言集をまとめるに際しては、まず何が佐渡方言か何が佐渡特有の言葉や語句か、と言うことに留意した。そのために、佐渡出身で長く島内で勤務なさっている内田先生と新潟出身で母方の実家が佐渡にある私で協議し選定し、アクセントについても加えて議論した。
またそれを通じ、佐渡弁でありながらそうとは思っていない語、つまり佐渡に生まれ育った人には標準語だと思われてしまっている語句・語彙が多くあるのが分かり、その点に気付くのにもこの共同作業は有効だった。また漂準語であると認められるものの、今日あまり使われることが少なくなってしまった語で今なお佐渡で良く使われる語句をも入れることとした。つまり、今の佐渡国仲地区で使われている佐渡弁を表すことを考えた。
語句の収集に関しては、まず初めに耳に入ってきた語句を集め確認作業をして行ったが、廣田先生の『佐渡方言辞典』の存在を知り、参考とし始めてからは、昭和の時代に廣田先生の記録された語句が平成のこの世にまだ生き残っているか、または異なる語として存在していないか、語句の音韻の変化はないか、そしてその他の語は無いか、と言う点に注意してまとめていき、完全なものに近付けようとした。
また、用例をできるだけ示し、そこの語句・例文のアクセントを、つまり強く言うところを、アンダーライン(ここでは紫紅色で示した)という形で示した(その点では、ストレスがあるところと考えられるかもしれない)。そして、地区性の有る語はその地区名をも記した。
なお、この辞典は『余技』で作られたものであり、まだまだ改定の余地があると思っており、その点、ご指導をお受けできたら幸いと思っている。
大久保 誠
あい〜→ええ〜
あいかまど[合い釜戸]→ええかまど
あいそ→ええそ
- あいた
- 1.飽きた(→ええた)[古い標準語]
2.開いた[標準語]
- あいたくちがふさがらん
- 開いた口が閉さがら無い,呆れ返った
- あいてきた
- 飽きてきた(→ええてきた)
- あいらち
- あの者達「あいらち、どこのもんかさ(あいつ等はどこの者かな)」
- あおさがたつ
- 池の水が青黒く濁る・青臭くなる
- あおろし
- 青大将[蛇の名](→やしきへび)
- あか
- 赤ん坊,生まれたぱかりの動物「うちんうし、あかうまれた(家の牛に子牛が生まれた)」 *人間にも動物にも使う
- あかがみ
- (染めた)赤い髪の毛・頭髪「(生徒に)そのあかがみなおしてこい」
- あがく
- もがく
- あかし
- 明かり,電灯 「あかしつけてくれい(明かりを付けてください)」(→でんち)
- あかす
- 開ける「そのとこ、あなあかしてどうするさ(そんな所に穴を明けてどうするんだ〈駄目じやないか〉)」
- あがってください:
- 1.召し上がってください 食べてください(→しずかに)
2.(家に)上がってください入ってください(=ヘえってくれ)
- あかばら
- [赤腹]いもり
- あかまんま
- 1.赤飯
2.[植物名]†いぬたで[花が赤い粒々になる事から]
- あかべえ
- (子供の)良い着物[子供に向かって言う]
- あかまってきた
- じれったくなってきた,気分が高まる(時に)興奮する
- あかまる
- 赤くなる,赤面する
- あかみみ
- [赤耳]野性の榎茸(えのきだけ)晩秋・初冬の雪のちらつき始めた頃、広葉樹雑木林に生える茸の名。
軸は茶色で、傘は中心が茶色、周りが黄色っぽく、直径は小さい物もあるが大きい物は4〜5cm以上にもなり、まとまって栗等の切り株、朽ち木に生える。傘が赤っぽい「みみ(茸)」という意味。
尚、店頭販売の榎茸は、もやし状の物、との事.[平茸(ひらたけ)の促成栽培でほ、との説有り](≒なんだや)
- あかりい
- 明るい(→かがっぷしい)
- あがる
- 1.(仕事等を)終わる・終える「田からあがる」
2.(学校を)卒業する「学校をあがる」
3.揚がる,上がる,挙がる[標準語]
- あく
- 灰
- あくがぬけん
- 1.†垢抜けしない 野暮ったい 粗野な性質が抜けない
2.(蕨等の苦味等の)あくが抜けない
- あくたれ
- 不良 悪い子 悪い奴 馬鹿者
- あくたれつく
- 不良になる 間題行動をする ぐれる「あのもんはあくたれついたわけじやない(あの者はぐれたのではない)」
- あーぐち
- あぐら「あーぐちけえとらんで、おつくべせんかさ(あぐらをかかないで、正座をしなさい)」
- あーぐちかく
- あぐらをかく
- あくてえ
- 悪口
- あくてえつく
- 悪口を言う
- あくとう
- 1.悪い奴[標準語]
2.悪い事
- あくとうする
- 悪い事をする(→やぼんことする)
- あくぬき
- 蕨・橡の実等の苦味、渋味を抜くために灰(または重曹)かけ、80度位のお湯をかけて一晩以上置いておき、その澱粉の中の渋味を抜くこと
- あくび
- 1.あくび[標準語]
2.[植物名]あけび
- あぐろし
- 1.[水津]うるさい「あぐろしなあ(うるさいなあ)」
2.[国仲:謙譲語]ごみごみした,散らかってる,汚い「あぐろしところですがへえってくれ(散らかっていますが入ってくれ)」
- あけたて
- 開閉 「障子のあけたて」
- あげる
- 吐く 「さけ、のみすぎてあげたっちゃ(酒を飲みすぎて吐いたぜ)」
- あげん
- あんな,あのような 「あげんこと、せんでもいいのに(あんなことしなくてもいいのに、してしまったんだねえ)」
- あご
- [魚名]飛魚
- あこ・あこんとこ
- あそこ,あそこの所[あ、にアクセントの有無あり]
- あごだす
- 疲れてへたぱる,[以前は疲れて落伍したり駄目になる事]
- あこん〜
- あそこの〜 「あこのもん・あこんもん(あそこ・あそこの所の者)/あこんとこのもん(あそこの所の者)*殆ど同じ意味」
- あざ
- ほくろ
- あさぎい・あさんぎい
- 朝方,朝(⇔ぱんぎい)
- あさざましい
- 朝起きたばかりでポーッとしていて 「あさざましゅうて、ごはんがくえん。(朝起きたばかりなのでご飯が食べられない。)」
- あさづき[植物名]
- 1.あさづき[標準語]
2.のびる(=ひる ねぷかのほそいやつ)
- あさってこい
- おとといこい[喧嘩文句]
- あさねこき
- あさねぼう[悪口でもある]
あさんぎい=あさぎい
- あしがつよい
- (餅等が)粘りがある[標準語?]
- あしげにする
- 蹴飛ばす[古い漂準語]
- あしのこ
- 1.片足飛び
2.けんけん相撲
- †あしのべ・あしのべてのべ
- 自由気まま,行儀が悪い,不作法な
- あしのべる
- 足を延ばして気楽にずる 「あしのべてくれ(足でも延ぱして気楽にしてくれ)」
- あしまめ
- (特に年輩者で)足が丈夫で頻繋に出歩いている,人よく歩く人
- あじもそっぺもない
- 味も素っ気も無い(→そっぺもない)
- あずかる
- [預かる]土地を他の者から預かって耕作する(⇔あずける)
- あずきだま
- 御手玉
- あずきもん・あずきんもん
- 小豆を使ったおこわ・餅・団子等の総称
- あずける
- 土地を他の者に預けて耕作してもらう
- あずる・あずっとる
- 汗を流す,熱心に無中に行う 「仕事にあずっとる(仕事に熱中する・汲々としている)」
- あせかいてやってもなんもならん
- 一生懸命にやっても何もならない,無駄になってしまう
- あせとり
- 肌着,下着のシャツ
- あそばんか・あそびにいかんか
- 遊びに行かないか・遊びに行きましょう[勧誘]
- あそこんとこ
- あそこの所
- あたける
- 騒ぐ,ぷざけて騒ぐ
- (〜)あたし
- 〜辺り,付近
- †あたする
- [←†あた(仇、あだ)]
1.邪魔する
2.良くない事をする
- †あたになる
- 邪魔になる
- あたまから
- 初めから,最初から[標準語?]
†あたまだか→こうべんたけえ
- あちゃー
- [感嘆詞]あらまあ,おやまあ,しまった(=しもた,あらっちゃ)
- あつうて
- [←厚くて・暑くて]あつくて〔音便〕
- あつごい
- 厚い(→ふってえ)
- あっさりさっと
- 筒単に,淡泊に[標準語?]
- あったけえ
- 暖かい,あったかい[平accent]
- あったけえ
- 有ったかい,有りましたか[accent注意]
- あったらおしい
- 勿体ない,惜しい
- あっちこっち
- 1.反対にあべこべに,互い違いに「靴、あっちこっちにぬぐな。」
2.あちらこちら[標準語]
- あてがう・あてごう
- 見計る,見当をつける 「あてごうてみるっちゃ」
- あてくそにならん
- あてにならない
- あてられる
- 1.やられる害を受ける 「寒さにあてられる」
2.(恋人等を見て)あてられる,あてつけられる[標準語?]
- あてんしれん
- あてがしれない,あてがない
- あといざり
- 後ろへいざる,後ろへずって下がる
- †あとかあさん・あとがあさん
- 後妻(=あとんかあさん)
- あとがねえ
- 1.後の妊娠がない[嫁に対しての侮蔑語]
2.[標準語の]後がない
- あととり
- 相続人,長男
- あととる
- 跡目を継ぐ,家を継ぐ
- †あとばら
- 後妻の子
あとんかあさん→あとかあさん
- あなあかす
- [穴開ける]穴を開ける(→あかす) 「そこ、あなあかしてとじてくれ(そこに穴を開けて綴じてくれ)」
- あね・あねさん・あねやん
- 大人の女の人の総称(→あんにゃん)
- あのうに
- あんなに,あんな風に 「あのうにいわんともいいのんに(あんな風に言わなくても良いのに)」
- あのの・あののう
- あのねえ[呼び掛け]
- あのん
- あんな「あのんことすればだめらさ(あんな事するようでは駄目だ。)」[→そのん,このん,どのん]
- あば
- 近所のおぱさん・奥さん(少し年輩者に)
- あばつき
- ふざける奴,お調子者
- あぱつく
- 調子に乗ってふざける
- あばやん
- [上記、あぱ、のT丁寧語](→〜やん)
- あぶあぶ
- がぶがぶ[擬態語:水・太きさ]「水をあぶあぶ飲む/帽子があぶあぶだ」
- ††あぶらあげ
- てんぷら[両津]
- あぶらめ
- [魚名]あいなめ[佐渡では刺身でも食べられる。美味]
- あまうり
- まくわ瓜
- あまさる
- 甘える
- あます
- [余す]失火する 「火をあます(火事を出す)」
- あまっちょろい
- 甘い,いいかげんで生易しい・生ぬるい,だらし無い[標準語?] 「あまっちょろいかんがえ(生易しい考え)」
- あまでえ
- [魚名]甘鯛
- あまほっこりしとる
- (焼き芋・栗が)口に入れると甘くホクホクしている[人によっては生鰹のえらの辺りの肉がその味がずるとの事(・・・佐渡の味)]
- †あみスキー
- 篠竹を4〜5本横に並べて針金で編んだ様にして作ったスキー状の遊具 [足を縛る紐も付けられるので、竹スキーよりも安定していた 先に紐を付けて引っ張って反らして滑る](→竹スキー)
- あめえ
- 甘い「あめえかお(甘い顔・甘い態度)」
- あめくれてやった
- 1.負けた者が勝った者に対してわざと負けてやったと言う時の言い訳
2.本当に強い者が弱い者にわざと負けてやった時の言葉
- あめくれる
- 相手の負担を軽減したり、助けてやったりすること 「あめくれるしな(助けてやるからな)」
- あめくれっさ
- 負担を軽くして下さい。容赦してください,勘弁してください
- あめくれてやる
- 勝負等の時にわざと負けてやる 「かわいそうなんで、あめくれてやったさ」
- あめてきた
- 禿げてきた
- あめふりほんぞん、てりかっこう
- [格言](→ほんぞんかけたか)ほんぞん(ほととぎす)が鳴くと雨になり、かっこうが鳴くと天気が晴れる
- あめんかわ
- 竹の皮[以前縁日等の露店で、飴の包み紙に使った為]
- あめんかわじょうり
- 竹の皮で編んだ草履[藁屑が出ない為、主に上履きに使った]
- あやかす
- あやず,抱いたりしてなだめる 「泣く子をあやかす」
あやかりたい→かやつりたい
- あらがう
- [抗う]反抗する言い争う[標準語、良く使う]
- あらけた
- ばらけた
あらごう=あらがう
- あらっちや・あらっちゃあ
- [感嘆詞]あらまあ,おやまあ(=あちゃ〜)
- あらと
- 家の出入りロ(→けーろう)
- あらね
- 1.(天候の)あられ
2.(御菓子の)あられ(=いりがし)(大豆と一緒にほうろくで煎る]
- あらもの
- 1.(鍋、皿等の)荒物[標準語]
2.†竹で編んだ物,竹製品
- ありんじょ
- [蟻の衆?]蟻(→はこ)
- 〜あるねかさ
- 〜があるだろが,〜があるでしょ,〜があるじやないか「おごってくれ/おめのぜにがあるねかさ(奢ってくれ/おまえの金があるじゃないか)」
- 〜、あれだかや、〜
- あれだったかな,あれはなんだったか[間投詞的に文の切れ目に入れ、相手に自分のうろ覚えの事を尋ね乍ら会話を進める](→〜だかや それだかや これだかや)
- あんげ
- あのように,あんなに[海府](→こんげ,そんげ,どんげ)
- あんけえ
- あれだけ「おまえのはあんけえだ(おまえのはそれだけだ)」(→そんけえ,こんけえ,どんけえ)*けえ、は濁らない
- あんこ
- 間抜け,大馬鹿者「あこのあんこがぱかんことやって、(あそこの馬鹿が馬鹿な事をやって、)」*佐渡弁には罵倒語・軽侮語が割りと有る
- あんこづく
- 顎を上げて、上を見る
- あんちゃん
- 兄さん(若目の)男の人[あんにゃん、とは異]
- あんにゃん
- お姉さん,おぱさん[新潟弁のあんにゃ(長男)と違い女性を言う]
- あんねかね
- 1.あるんじゃないのかね,あるんだよな「あんねかね」 2.(ここに)あるじやないか「ここにあんねかね。どこにめーつけとる」
- あんべいい
- あんぱいがよい,適切に
- あんべ、いいくれえ・あんべえいいくれえに・あんべ、いいくれいに
あんべえいいくれいに
- あんぱいが良い様に,うまいぐあいに
- あんぺら
- 編み方の荒いむしろ,畳の中心部の束ねたところ
- あんもち
- 1.周りにあんこを付けた餅(→ばばづけもち、ぼたもち)
2.お正月料理で、固めのあんこを付けて食べる餅[汁粉状の緩いあんこの汁は余り無い。正月の餅はすいもん餅かあん餅で食べる](→すいもんもち)
- いあんべい
- いいあんばいに,具合良く,「いあんべいにやっとくれ。」
- †いい
- 労力交換(→いいをなす)
- いい
- 良い,いい[よい、とは余り使わない]「いいそらんなった(好い天気になった<→そら>)」
- 〜いいくれえ
- 〜の好い具合に「あんべいいくれえにやっとくれ(具合の良い様にやってくれ)」
- いいけも
- いいけど「そうしてもいーけもしれんけも。(そうしても良いかもしれないけれども<止めてくれ>)。」
- いいこと
- 1.気の利いた事
2.[標準語]良い・好い・善い事
- いいっちやあ
- いいよ(=いっちやあ)「せんでもいいっちゃあ(しなくてもいいよ)」
- いいてこといい
- 言いたいことを言う人・事,我がまま者,放言居士
- いいはなし
- 1.虫のいい話
2.色っぼい話、特に女の話
- いいもん
- 恋人,愛人,情を交わす人「あのもん、あこにいいもんできてのお」
- いいもんになる
- (人柄が)いい人になる
- いいをなす・いいをする・いいなす・いいをかえす
- 互いに田を耕し合う [古語の『ゆい(労力交換)』から](→いい)
- いうこときかん
- 思うようにならない,言うことを聞かない,言うことに従わない[標準語]
- いうてある
- 言ってある
- いうてかせい
- 言ってくれよ,聞かぜてくれ,教えてくれ
- いえこさえて
- 家を建てて「越後のほうでいえこさえたもんだっちゃ」
- いえもつ
- 家庭を持つ,世帯を持つ
いおのこ→ゆうのこ
- †いかしゃませ
- お行きなさい,御帰りになられて下さい
- いかずこず
- 行き来の無い 「祭りはいかずこずにせんか」
- いかせん
- 行かない(否定)
- いかせんか
- 行かないか[いかんか・いかんせんか、と殆ど同じ]
- いがぬける
- (山葵・辛子の辛い物やビール等の炭酸類の)気が抜ける,味が悪くなる(→ふうんぬける)
- いかのて
- いかの足
- いがれえ・いがらっぼい
- 喉を刺激したりちくちくするような,服の中に藁くずや籾等が入って肌がちくちくずる(→えがらい,えぐい=はしっけい)
- いかんか・いかんかや
- 行きませんか
- いかんせんか
- 行きませんか[丁寧語]
- いきあたりぱったり
- いきなり,急に,*出鱈目・いいかげん、の意味は無い
- いきがかり・いきがかりじょう
- 前からの関係上「いきがかりじょうそうせにゃならんかった」
- いきがなげい
- 1.長命だ,長く生きている 2.頑張る,耐久力が有る 3.素潜りや水泳の息が長い,息継ぎをしないでも済む[標準語]
- いきがみじけい
- いきがながい、の対語
- いきついた
- 1.安堵した,安心した
2.回復した
- いきついとる
- 何もぜずに,息をしてるだけだ,何もしていない,休んでいる
- いきつくひまもない
- とても忙しい
- いきつけ
- 1.いつも行くなじみの「いきつけのみぜ」[標準語]
2.入り口,入ってすぐの所「そのかどをまがったいきつけだ」
- いきとう・いきとる
- ちやんと動いてる,動く「この時計いきとるか/いきとる?(この時計は正確に動いてるか)」
- いきなりの
- 1.いいかげんな,だらしない「いきなりの男(だらし無い男)」
2.急な[標準語](=いきあたりばったり)
- いきふっかけてそだてる
- [比輸]手塩にかけて育てる,甘やかして,過保護で育てる(⇔びちゃりそだち)
- いく
- 死ぬ[古い標準語]「じいさんいくとき、もりなごうなった(爺いさんが死ぬ時の付き添いが長くなった)」(→しもう)
- †いくめえか
- 行きませんか,行きましょう(=ゆくめえか)[誘い:江戸弁?]
- いけ
- 堤,溜め池(=ため)(→どんぼあびてきた)
- いけえ・いけえこと
- とても,たくさん,大変に「いけえりょう、ヘえっとる(沢山の量が入っている)」
- いけす
- 1.池,溜め池
2.(海の)いけす[標準語]
- いけすかん
- とても嫌いな,大嫌いな「いけすかんもん(とても厭な奴)」
- いご
- [海草名]いぎす[てんぐさ、に似た海草。煮て溶かして固めるが、海中では茶色い。近頃、収穫量が激減している](→いごねり)
- いごく
- 動く
- いごねり
- いご(海草名)を煮て溶かして薄く延ぱして固めた食晶(細く帯状に切って、刻んだねぎと醤油をかけて冷たいまま食べる。新潟では『えごねり』と言う)
- いさいかまわず[委細構わず]
- ー切合切,取り纏めて[古い標準語]
- いさかい
- 争い,喧嘩,裁判沙汰[古い標準語]
- いざちゅうときにゃ・いざっちゅうときにゃ
- いざっていう時にはここ一番の時は
- いさぱ[→磯場]
- 漁場
- いざり
- 足腰が立てず ずって動く人[侮蔑語]
- †いざりばた
- 座って織る機織り機
- いざる
- 1.ずって場所を動く(→ほう)
2.†移動する・転勤する(→ずる)
- いし
- おまえ,てめえ[ぬし(主)の転。下品な悪い言葉[侮蔑語](→おとれ,うな)
- いじいじいう
- うじうじ言う(女々しく),ぐずぐず言う,いじけて言う
- いじかむ
- いじける「いじかんだやつ(いじけた奴)」
- いしがら
- (普通の)砂利(≒がら)(→まるがら)
- いしかる
- 居座る[海府](→いつかる)
- いじくる
- いじる[新潟でも同]
- †いしこうべ・いしこべ
- 1.石頭
2.††子供の卑称,がき
- いじる
- 1.さわる[標準語]
2.修理する「車をいじる/屋根をいじる」
- いしんとこ
- おまえの所,てめえの所(←いし)
- いずまいをなおす
- 座り直す,正座をし直ず(→おつくべ)
- †いそもの・いそもん
- 確辺にいて箇単に拾えて、食べられる貝・海草類
- いたおしき
- 脚のない平らな(白木の)お膳(→おしき)
- いたずら
- (=いたずらもん)「あのもん、いたずらだ(あの者はいたずら者だ)」
- いたずらもん
- いたずら者(特に)色好みの者(=ひょうろく 1)
- いたふき
- 雑巾
- いたみかす[他動詞]
- 1.いためる,悪くする,だめにする
2.(機械や車等を)壊す「ヘいにぶつけていたみかした(塀にぷつけて壊した)」
- いたむ[自動詞]
- 1.傷む,悪くなる,腐る[標準語]「くだものがいたんだ」
2.(少し)壊れる,故障する,駄目にする「くるま、ヘいにぶつけていたんだ」
- いたわしい
- 借しい,勿体ない
- いたんだ
- (部分的に)壊れた(→いたむ)
- いちぬう
- いつまでも†いつも†絶えず 「いちぬう、それやっとる(いつまでもそれをやっている)」
- いっかさっか
- 一向に,幾日も「いっかさっかいえにはもどらん(一向に帰らない)」
- †いつかる
- 居座る
- いっきに
- 1.一時に,すぐに,一遍に[標準語]
2.じきに,もうすぐ「いっきにはれるさ(もうすぐ晴れるさ)」
- †いっきゆうには[一急には]
- すぐには,即座には(≒いっきに)「いっきゅうにはなおらん(すぐには治らない)」
- いつく
- 1.居着く[多少悪い意味:標準語]
2.移り住む定住する「あこのこは東京にいついた(あそこの家の子供は東京に住んでいる・東京の人になってしまった)」
- †いっけえ
- 笠を数える単位
- いっさんぐい
- あれぱあるだけ一度で全部食べてしまう事
- いっさんに
- 一緒に,一度に「いっさんにかえらんかさ(一緒に帰りませんか)」
- いっしき
- ひたすら何をおいてもとても熱心に(以前はいっせきと言った)
- †いっしょうがたわ[一生かたわ]
- 重度の身体障害者
- いっしょーはんじょさけた
- お伽噺の終わりの言葉
- いっそくさんに
- いっしょくたに,(まとめて全部)すぐに「いっそくさんにやってしまおう(すぐに全部やってしまおう)」
- いったん[言ったん]
- そう言ったんだな,本当だな,変えてはならないぞ,そう決めたんだぞ,約束だぞやぷるなよ[子供同志の言葉]
- いっちゃあ
- いいよ(⇔だめら・だめっちゃ・だめらっちゃ)(→いいっちゃあ)
- いっちゃ、やあ
- 行っちゃいやだ
- †いってくらんし
- 行って下さい,言って下さい[丁寧語:慇懃無礼の事も有り]
- †いってさんじました
- 行って参りました[上流家庭語]
- †いってさんじます
- 行って参ります[上流家庭語]
いってももどらん→ゆうてももどらん
- いってん
- 同じ 「おめ、馬鹿といってんだ(おまえは馬鹿と同じだ)」
- いっとう
- 行ったよ[過去形][〜とう(〜したよ)]
- いっときあねさん[悪ロ]
- 何でもかんでも一時にやってしまう(ずぼらで、時にいいかげんな、だらし無い)女
- いっときに[一時に]
- 一遍に,一緒に
- いつなんどき
- いつでも,不意に(→なんどき)
- いっぴきざかな
- 尾頭付き(の魚)
- いっぷく
- 一休み「いっぷくせんかさ(一休みしませんか)[必ずしも煙草を喫わなくてもよい:子供・学生も言う]
- いっぺえ・いっぺこと
- たくさん「いっぺことある」
- いっぺぐい
- 一時に、有るだけ食べてしまう事
- いてさん
- やぷさめ、の別名[畑野町の宮川で行う](→やぷさめ)[以前は島内各地に有ったが、今は六箇所しかない]
- いどいう
- 人が臨終で死ぬ前にうわごとを言う
- いとしげ・いとしげな
- かわいい,かわいらしい
- いとしゅーて
- かわいくて,いとおしくて
- いとーて
- 痛くて「かた、いとーてだちかんちゃ(肩が痛くてどうしょうもない)」
- いとひく
- 1.(納豆・傷んだご飯等が)糸を引く[標準語]
2.裏で操る,陰で陰謀を巡らす「いとひくやつ」
- いとめはつけん
- 制限はしない「ぜんにいとめはつけん(金を出し惜しみはしない)」
- いね
- 1.母親[余り良く無い言葉](→かかやん)
2.稲[標準語]
- いねご
- 股等のリンパ腺の腫れ(とても痛い、との事。現在は余り無い。)
- †いのこどうら[猪俵・猪子俵]
- 米俵[猪が子沢山な事から、縁起を担いだ言葉]
- †いばり
- 小便(=†ばり)
- いぱる
- 1.威張る[標準語]
2.おでき・腫れ物等が腫れてくる「できもんがいぱってだちかん(おできが種れて困ってる)」
- いび
- 指「いびんいてえ(指が痛い)」
- †いーびつ[飯櫃]
- ご飯のおひつ
- いびきり[児童語
- (約束の)指切り(げんまん)
- †いびりやき
- いろりの灰の中に入れて焼くこと
- いびる
- いじめる,いびる[標準語?]
- いまたっても
- 今すぐに 「いまたっても、これをしい(いますぐこれをしろ)」(→たっても)
- いみあけ
- [忌み明け]喪が明けるこ
†いみそじる→えみそじる
- いみねんねー
- いみないよー
- いめ
- 夢 「いやんいめ(いやな夢,悪夢)」
- いも
- 1.もう「いもいやっちゃ/いもやだ(もう厭だ)」
2.芋[標準語]
- †いも
- かさぷた,あばた[古い漂準語:江戸語](→がめ)
- いもぐら
- 主に薩摩芋を冬季に貯蔵する家の周りに作る室(むろ)[長芋等も入れたが、ジャガ芋は入れない薩摩芋は寒さに弱く、腐りやすい為に入れる](→むろ,こうじむろ)
- いもご
- (長芋等の茎に着く)むかご
- †いもづら
- あぱたの多く有る顔,でこぼこの顔
- †いものはな
- ジャガ芋を擦って漉して、水で晒して固めた澱粉の固まりを石臼で擦
った物[米の代用食。今では手間暇懸けてそんな不美味な物を作って食べる
者は居ない。佐渡に於ける伝統的な食品は、今では殆どスーパー等で売っていて農家出身の人でも買う事が多い。家中の者は専ら働きに出ていて忙しい。」
- いやっちゃー
- いやだよう[本来女子供の言葉](=いやら一)
- いやっちゅうめ
- 厭という目,懲りる程,厭に為る程(→しぬっちゅうめ)
- いやならさどおけ[国仲]いやならならさらおけ[佐和田][←厭なら沙汰おけ]
- 厭ならするな、おいておけ
- いやん〜
- 厭な〜「いやんかざがする」
- いらんもん
- 1.要らない物
2.要らない人物,のけ者,部外者
- いりがし
- 菓子のあられ[餅を突いた後のこず(屑餅)を小さく契って乾かし、ほうろくで空煎りし作る。そこに大豆も一緒に入れて煎る事も有る](=あらね)
- いるねかね
- いるだろうさ(=いるじゃあないかさ)
- †いれぼうそ
- 天然痘(疱瘡)の予防接種,種痘,また、その跡(=ふうそ)
- いろあんべい
- (人の顔色からの機嫌や単なる色の)色のあんばい
- いろき
- 葬式時、いろをきた、死者の近親者(→ぶらくとぶれえ,たしょとぶれえ,ぶくまい,やしょくりょう,けんぺー,やさいりょう,くげいろ,いろをきる,てらまいりせん,のげえり,ちりやき,おんぼう)
- いろさし
- (顔の)血色「いろさしがよーなった(顔色が良くなった)」
- いろちょう
- 葬式の香典の記録簿ぷういんちょう、とも言う和紙を細長く二つ析りにして切って綴じた横長の帳面で、表紙に死亡者の戒名か、諷経帳と書く。
- いろをきる
- 葬式時、近親者と特に親しい人達が、女性では『いろぼうし』を被り、男性では襟に『半紙』を析って差す事
- いわくありげな
- 何か子細が有りそうな[古い標準語]
- いわせん
- 言わない「そうはいわせん(そうは言わないよ。)」*ゆわせん,とは言わない(→ゆう)
- いわゆり
- すかしゆり
- いわんこっちやねえ
- 「それみい、いわんこっちゃねえ」
- いん[犬]
- 犬「いんをひく(犬に綱を付けて散歩する)」
- 〜いん[←居ぬ]
- 居ない
- いんきゅう
- 隠居[屋号にも有り]
- いんきゅや
- 隠居所[屋号にも有り]隠居の家
- いんこ
- 犬の子
- 〜いんし
- 〜がいないので,〜がいないんで「あのもんいんし、かえらんか(あいつが居ないので帰らないか・帰りましょう)」
いんにょこにょうにょう[両津](→いんのこにゅうにゅう)
- いんのこ
- 犬の子(=いんこ)
- いんのこにゅうにゅう[植物名]
- 猫柳〔国仲][彼岸の入りには墓参りをし、その時期にに有る花(椿等)と共に墓前に必ず備える。猫柳は昔は川沿いにどこでも多く有ったが、近年、河川改修で自然が失われて殆ど無くなってしまい、花屋で買う事が多い。(但し、川の無い地区ではその頃、咲いている花を供えるとの事)]
- †ううきい
- 大きい
- †ううぐい
- 大食い
- ううざましい
- 無気味だおぞましい(=おおざましい)
- ううた
- [←負う]負った,背負った(=おうた)(→うーとる)
- ううような
- おおような,小さい事にこだわらない
- うえむいとって
- 1.上を向いていて,上を見ていて[標準語]
2.高飛車で,高姿勢で,偉ぷっていて「ちかごろ、うえむいとっておかしい(近頃は高姿勢で変だ)」
- うがじんさん[宇賀神さん]
- 両津市両尾(むろお)に有る人頭蛇身の商売・金儲けの神・神社[全国的には、自蛇を祭り弁才天の別称とも,また弁才天の夫とも]
- うく
- 腫れる(→はがうく)
- うこうこする
- 1.あちこち気を取られる,おっちょこちょいな事をする
2.浮き浮きする
- うごく
- 1.動く[標準語]
2.働く,活動する「よううごくひとだ(良く働く人だ)」
- うこつき
- 調子が良く失敗する人,軽率な者[←うこうこする人]
- うしごえ[牛肥]
- 厩肥(≒ふみごえ,ふませ)(→うまごえ)[標準語?]
- うしことぱ
- 役牛に対して命令する言葉の総称(→ぼーぼー、ほい・ほれい、ほいー)
- うしずいか[植物名]
- 長葉ぎしぎし(ながばぎしぎし)[ぼんぼんすいこ(すいば)に形は似ているが、青臭く人は食べられない。牛が喜んで食べる。]
- うしながや・うしなや
- 牛小屋(→ながや,うまながや)
- うしゃがれ[卑語]
- うせやがれ,どっかいってしまえ 「はよ、うしゃがれ」
- うすべり
- ござ
- うすらぬくい
- 生暖かい(=ぼんぼらぬくい)「うすらさむい、とは本来言わない]
- うぜえ
- [若者語]うざったい,邪魔っけな,うるさい
- うそとぼうずのあたまはゆうたことがない
- (諺)嘘は言わない [嘘と坊主の頭はゆうた(結うた/言うた)事が無い(懸詞)]
- うち
- 家(以前は『いえ』とは余り言わなかった)
- うちぱ
- 八分位,八分通り,控え目「水はうちぱにはっとけ(水は八分位、入れとけ)」
- うちつけに
- 急に,突然に,すぐさま「うちつけにこられてはこまる」[古い標準語]
- うちまめ
- [打豆]大豆を槌等で打って半漬しにした保存食ひじき等と煮付ける
- うちら
- 私達(=うららち)(⇔おめらち)
- うちわぷるめえ
- 内輪振る舞い,身内・仲の良い者だけの振る舞い
- うちんもん
- 家族の者,家に居る人
- うつ
- 1.打つ・撃つ1討つ・鬱[標準語]
2.(特に)田畑を鍬で耕す「たーうつ(田を耕す)」[標準語?]
- うっかりひょんと
- うっかりと,うっかりして
- うつくし・うつくしい
- 奇麗だ「うつくしいっちゃ(奇麗だね)」
- うつくしせえ
- 奇麗にしておけ,ちやんとしておけ(容姿を)整えろ(=うつくしゅうしい・うつくしゅうい)
- うつくしゅう
- 奇麗にきちんとして「へやんなか、うつくしゅうしておけ」
- うっすら(〜)
- 微かに,僅かに,少しちょっと「うっすら気付く/うっすらばか]
- うっすらぬくい
- 生暖かい
- うっちゃっておけ
- 構わずに,おいておけ,放っておけ
- うっつかっつ
- 同じ位の,同様の,甲乙付けがたい「うっつかっつの成績」
†うっつけに→うちつけに
- うってでる
- 1.受けて出る,出馬する,出る[標準語?]「町議選にうってでる」
2.†思い切って言う(=うとうてでる)
- うつり
- 見栄え,似合ってる事「その柄はうつりが良い(その柄は似合っている)」
- うでぬき
- [腕抜き]作業時に、防寒・虫避け等の為に腕にはめる衣類[標準語?]
- †うとうてでる
- 言い出す「誰もうとうてでるもんがない」
- うとうとっとする
- うとうとする,うつらうつらする,少し眠気に襲われる
- うとすけ
- [疎助]疎い双,頭の回転が遅い奴,ぼけ,馬鹿[罵倒語]
- うーとる
- 負っている,背負っている「子をうーとる」(→ううた)
- うな
- きさま,てめえ,この野郎(→うぬら,おとれ,がめこうべ)[罵倒語]
- うなるほど
- たくさん,よけいに「うなるほどある」[標準語だが頻繁に使われる]
- うぬら
- [罵倒語]貴様等,おまえ等[うな、の複数形]
†うね=うめ
- うのくび
- 首の(細くて)長い人
- うぶすなさん
- [←産土様]氏神様[赤ん坊は生後50日目に母親が連れてお参りに行く習慣が有った]
- うま
- 1.馬[標準語]
2.踏み台,脚立(?)(→はこうま)
- うまごえ
- [馬肥」厩肥(≒ふみごえ,ふませ)(→うしごえ)[標準語?
- うまづら
- [侮蔑語]長すぎる顔の人[標準語?]
- うまながや・うまなや
- 馬小屋(→ながや,うしながや)
- うみになる
- 水がこぼれたり溢れたりして一杯に為る「田がうみになる」
- うめ
- かかあ(母の蔑視型)(=んね,うめ,いね)(→かかやん)
- うめえ
- うまい「うめえもんぐい(うまい物ぱかり食べる事・人)」
- うやまいにゆく・うやまいにたてる
- (目上の人に)挨拶に行く[目下へは使わず]
- うら
- 1.俺,私「うらんとこ(俺の所)」(⇔おめ)(→うらち,うららち,おめらち)
2.(木の)末梢,幹以外の所[うれ(古語):末]「木のうらをきっとくれ」
うらうち→うらでえこ
- うらでえこ
- [裏太鼓]おんでえこ(鬼太鼓)の伴奏の太鼓[鬼太鼓では表で、獅子舞いが踊り、鬼が舞いながら太鼓を叩いたり叩く振りをずるが、本当の太鼓の節は裏側にいる者が叩く。](=うらうち)
- うらでえこたたく
- 1.裏太鼓を叩く(=うらうちする)
2.†陰で応援する
- うららち
- 私達(=うちら)(⇔おめらち)
- うりとうねえ
- 売りたくない(→〜とう)
- うろ
- 穴[漂準語]「うろんなかにてえつっこんで魚取った」(→うろづかみ)
- うろづかみ
- 穴の中に手を突っ込み魚(海魚、川魚、特に鯰)・兎を捕まえる事「うろづかみした」
- うわえられる
- 追われる(=おわえられる)「いんにうわえられてこまった(大に追いかけられて困った)」
- うわえる
- 追う,追っかける(=おわえる)
- うんき
- [運気]運[標準語だが良く使う]「うんきがいい(運が好い)/うんきがわるい(運が悪い)」
- †うんもすんもない
- 何も言わない,何も返事がない(元の意味:文句は無い筈だ)
- うんともすんともいわん
- 1.何も言わない
2.全然動かない
- ええ
- 良い,いい「選択はええてこにさぜる(選択はいいと言う子にさせる)」
- †ええ
- 鮎[近頃はあゆと言う方が一般的]
- ええかまど
- [←合い釜戸]一軒の家で二世帯(以上)が住んでいる事
ええくせえ→えーくせえ
ええさべり→えーさべり
ええずい→えずい
- ええそ
- 愛想
ええそねえ→ええそもねえ
- ええそもなんもつきはてた[ええそも何も尽き果てた]すっかり愛想が尽きた
- ええそもねえ
- [←愛想もない]
1.かまわない・もてなしのない
2.間抜けな・間が悪い
3.愛想がない
- ええた
- 飽きた(←あいた)
- ええて・ええって
- いいって,ああもういいよ「ええって、おまえにはたのまん(いいよ、おまえなんかには頼まないよ)」
- ええてきた
- 飽きてきた(←あいてきた)「こんしごと、だんだんええてきた。やりとうない。(この仕事は段々飽きてきた。やりたくない)」
- ええどり
- 餅つきの返す手「←合い取り 以前は餅つきの返す相手の事を言った]
- ええのかぜ
- 強風[真野湾では金北山(きんきたやま・きんぼくさん)の方から能登へ向かって吹く強風(南風)を言う。その風に乗って能登迄行ってしまうこともあったとか(?)。島内でも地区によって風向は異なる。](ええ=あゆの古語)
- ええはなし
- [←良い話]好い話,特に縁談・色恋関係の話
- ええぶしょう
- [←合不性]適不適,合う含わない,得手不得手 「物はええぶしょうさ(人により、物事には合い不向きが有る物さ)」
- †ええましごと
- [←合間仕事]物のついでにやるたいした事は無い仕事
- †ええもん
- (魚類の)干物[相川地区には『ええもん(干物)』を作る町が有り、島内を売り歩いたとの事。また、江戸時代には年貢を干物で、後にはお金で収めた]
- †ええもんまち
- (相川の)干物町
- †ええもんや
- 干物屋,干物業
ええよ→えーよ・えーゆ
えがらい・えぐい=いがらい
- えーくせえ
- 腋臭が臭い・臭う
- えーさべり
- 話の途中に関係ない話・無駄話をしはじめること「え一さべりしな(関係のない話しをするな)」
えざらい→えりゅう
- えーずい
- ばつが悪い,気まずい[恥ずかしい とは異なる。以前はまずい・味が無い・味が悪いの意味も有った]
- えちご
- [越後]新潟 佐渡以外の新潟県内「えちごのほうにたびして〜(新潟の方で働いて〜)」
- えちご
- いちご[いちご とも言う]
- えのみでっぼう
- 榎(?)の実を弾にし、しのだけに詰めて遊ぶ空気鉄砲
- えびす・えびすさん
- 恵比須さん(=おえべすさん)[商売繁盛・家内安全の神。玄関を入った広間(おまえ)の正面に神棚があり、その並び左脇の大黒柱よりに恵比須さん・大黒さんの土で作った面(佐和田の八幡人形の所で作った物)を飾った](→だいこくさん,だいこくばしら,しょうこくばしら,かもえづくり,おまえ)
- えびすこう[恵比須講]
- 恵比須祭り とろろいもを食べる
- えびすこういち
- 恵比須講の市 恵比須さんに備える餅・花を露店・普通の店舗で売る。長芋を買う習慣が有る。
- えぶしん
- (2月末から3月の)用水路の掃除[真野・畑野](→えりゅうねえざらい,せきあげ)「たんぼのえぶしんにでる(田圃の用水路の掃除に行く・する・出る)」 *えぶしんにでる、と主に言う。
- えみぞ[江溝]
- 下水溝,どぷ(→せしなげ)[えんぞ(新潟)]
- えみそじる
- 米の粉・麦の粉・蕎麦粉等を掻いて入れた味噌汁,蕎麦粉を入れた物を特に『べっとう』と言う
- 〜ぇむ・〜えむ
- [屋号]〜右工門 「伊右ェ門(いえむ)」(→〜じえむ)
えむぞ→えみぞ
- えやんかんにならん
- 全然相手にならない「あいつ、えやんかーんにならん」
- えやんならん
- 相手にならない「てんで、えやんならん(てんで相手にならん)」
- えーよ・えーゆ
- 賛沢「あいつ、えーよしとらあ(あいつ、賛沢しているなあ)」
- えらいこと
- 大変な事
- えりゅう
- 2月末から3月の用水路の掃除(=えざらい)[新穂](→えぶしん,せきあげ)「えりゅうする=えざらいする」
- 〜えん
- 〜出来ない(〜えない)「ぜんぶは、たべえんちゃ(全部は食べられないよ)」(→〜せん)
えんどこねえ[水津](=よんどこねえ)
- えんぱな・えんぱら[縁鼻]
- 縁側(→おまえ)
- †えんぶり
- 土を均す農具[グランドを均す『とんぼ・レーキ』の様なT字型]
あ、い、う、え、お、文末
おいえ→おまえ
- おい
- [←俺]俺,おれっち「おいも、あやかりたい(俺もそうゆう好い目に遭いたい)」
- おいこ
- しょいこ 荷物を背中に負う為の籠
- †おいでなしゃませ
- いらっしやい[〜なしゃませは、なさいました、の意味の丁寧語。今は使われない。](→おしめなしゃませ)
- おいてみい
- 1.措いてみろ,ちょっと待ってみる
2.(今迄やっていた動作を)しぱらくやってみろ
- おいべすさん
- 恵比須さん[漁業の神、佐渡では信仰する人・関した祭りが多い。以前、漁師は海豚(いるか)の事を指した]
- おう
- 背負う[ううた、は有るが、うう、と言う現在形は無い](→おうた,ううた)
- †おういなしゃましたか
- こんにちは[本来は『ご飯をおあがりになりましたか』という意味で、朝食・昼食の前後に、戸外・室内を間わず使った挨拶。食べる事の意味合いは無くなっている。]
- おうさ
- なるほど,ほらね,はいよ[余り意味の無い間投詞]
- 〜おうせない
- 〜できない「自転車にもうのりおうせない(自転車にもう乗れない)」(=、へん・えん) *のりおうせない=のれへん・のれえん[〜せん、は単純な打ち消し「のらせん(乗らない)」
〜おうせん=〜おうせない 「しいおうせん(やることが出来ない)」
おうやり・おうやれ→おーやり・おーやれ
- おうた
- 背負った(=ううた)
- おおきあんちゃん・おおきいあんちゃん
- 長男(→なかのあんちゃん,ちいせあんちゃん)
おおせない→おうせない
- おおぼね
- 背骨「おおぼねいてえ(背中の背骨が痛い)」
- おおや
- 本家
おおやり・おおやれ→おーやり・おーやれ
- †おが
- 古い布切れを裂いた継ぎを入れた物
- おかか
- おかみさん,主婦(→かか,かかやん)
おかねさん→おかのえさん
- おかのえさん[お庚様]
- 庚申請 かのえさる・こうしん(庚申)の日に成人男子が集まって(徹夜で)酒を飲む事[(本来道教だが)日本の民間信仰では、庚申の日の夜には人の体内にいる三尸虫(さんしのむし)がその人の日頃の罪科を天帝に報告しに行くと言われ、その罪の軽重に因り天帝が人の命を短縮する。その三匹の虫を報告に出さない為、徹夜した]
- おき[沖]
- 平野の遠くの方「おきの田圃(自分の家から離れた平野部にある田)」2.平野の部分,田圃,平らな所「〜おき(〜の平地)」3.(海の)沖[漂準語]
- おき
- 燃え残りの炭・木(→おきずみ,ぼやずみ,そそける,ほぞける)
- おきずみ
- 燃え残りの炭(→ぼやずみ)
- おきとう
- 起きたよ[過去形]
- おきのもん
- 平野部分(佐渡中央部の国仲平野)に住んでる人・人達
(→はまのもん,やまのもん,やまがんもん)
- おけえ
- おかゆ,白がゆ(=しろげえ)(→おみそ,ちゃげえ)
- おこしがた
- しんこのかた(→しんこ,しんこのかた)
- おこす
- 1.起こす,興す[標準語]
2.(農作物等を)掘り起こす「ねがはって、おこすのがたいへんだ(根が張って掘り起こすのが大変だ)」
- おごてい
- 重たい
- †おさぎ
- 兎
- おざましい
- ぎょうぎょうしい
- おさめる
- うまくまとめる,帳尻を含わす,我慢する「喧嘩をおさめてきた」
おしいばち→しいばち
- おじぇん[←お膳]
- お膳
おしずかに→しずかに
- おしたじ
- みそ汁[澄まし汁、ではない。したじ(廃語)、は醤油のこと]
- †おしめなしゃまし[(仕事等を)おしまいにしましょう]
- ごきげんよう,さようなら(→ばんよ)[夕方の別れ際の挨拶]
- †おしめなしゃましたか[おしまいになりましたか]
- こんばんわ[夕方の出会う時の挨拶]
†おしめなしゃませ→おしめなしゃませ
- おじょむ
- 怖じける,ためらう(≒おぼえる)
- おぞい
- 悪い「おぞいてんきらなあ(ひどい天気だなあ)/おぞいきもんきとるなあ(ひどい着物差ている)」[*元来、おぞましい、の意味](→おぞまい)
- おそうて
- [←遅くて]おそくて〔音便〕「かったに、おそそうてだちかん(とても遅くて駄目だ・どうにもをらない・困った)」
- おそえてくれ
- 教えてくれ
おそげえ→おそんげえ
- おそそ
- 女性の性器(⇔しじご・だつ)(→しり,べべ)
- †おそなわりました
- 遅くなりました,遅れました[今は、おそうなりました、と言う]
- おぞまい
- 不良米,出来損ねた米,質が劣化した米
- おそんがる
- 恐ろしがる(→おぼえる)
- おそんげえ
- 恐ろしい(=こええ)
- おそんげえもんなし
- 怖い物無し,のさばってる者(=こええもんなし)
- おつくべ
- お座り,正座「おつくべせんか/おつくべしい(正座をしなさい)」
おっさん→おやっさん
おっとれ→おとれ
- おてっしょ
- 小皿(→てしお)
- おてて
- [幼児語・標準語?]手(=てて)
- おとうやん
- お父さん
- おとつい
- [一昨日]おととい
- おとついな
- <上同>[年月を表す語に 〜な を付ける事がある]
- おとないう
- 大人びた事を言う大きな顔をしたがる「おとないうな」
- おとなしぞら
- 好い天気[←音無し・大人しい(?)空](→そら)
- おとなしゅう
- おとなしく「おとなしゅうしい(おとなしくしろ)」
- おとれ
- [己]おのれ,こんにゃろう「やれこうべ、おとれ!(てめえ、このやろ)」(→おんし,おっとれ,やれこうべ)[おとれが多少弱い意味]
- おなご
- 女の人[以前は女中を指した]
- おなごし
- 女の人達[←女の衆]
おにでえこ→おんでこ
- おにむし
- [鬼虫]くわがたむし[以前は兜虫の事を指した]
- (〜は)おにら
- (人・物事が)ひどい,きつい,厳しい大変だ
- おば
- 未婚の(特に年輩の)女の人,独身女[多分に蔑視的]
- おぶすなさん
- 氏神,自分の家の神様
- おふだ
- 神社・お寺のお札[お寺のお札は正月中に寺の小僧さんが売りに来た。それを、「御利益を分けに来て、お金を収めた。」と言う。おまえ(玄関の入り口正面)の神棚の向かって右に貼った]
- おふだうり
- [お札売り]以前は神社のお札(お寺のお札とは異なる)を各家に売り廻った、その人。近隣の物から県外の物まで売り歩いた。怪しい物も有ったとの事。現在はいなく、お札は各家で正月の御参りの時買いに行く(→とうりゃあさん)
- おぼえる
- 驚く,びっくりずる「あいつしんだと/いやあおぼえた(あいつ死んだって/それは驚いたなあ)」(→おそんがる,おじょむ)
- おぼてい・おぼてえ
- 重たい[おもてい とも言う]
- おまえ
- 家の入り口の板の間の大きな部屋 四間掛ける六間の『四六間』が多かった(=おいえ)(→えんぱら)
- おみあかし
- 灯明(=みあかし)
- おみそ
- 1.味噌[標準語]
2.(味噌味の)雑炊,おじや(→おけえ,ちゃげえ,しらげえ)「おみそ、いやあ(おじやは厭だ、嫌いだ、食べたくない)」
- おみまい
- 1.御見舞い[標準語]
2.(病気等で長患いして)死んだ時、死人の出た家にやる香典の一種(→いろき,やさいりょう,ぶくめえりょう,やしょくりょう)
- おめ
- あなた,おまえ「おめくりゃ、よかったのに(おまえは来れぱ良かったのに)」
おめえ=おめ
- おめえようもん
- お前の様な者「おめえようもんは、そいでじょうだ」
おめえようなもん<上同>
- おめらちようもん
- お前達の様な者(←〜ようもん)(→そのようもん)
- おめらち
- おまえた,ちきみたち[おまえたち十おまえら]
- おもしい・おもせえ・おもっしい
- 面自い,情快だ,楽しい「おもっしいこと」
- おもてはる
- 派手にする
- おやかた
- 主人,地主,職人の親方
- おやぎねえ
- かわいそう
- †おやすみなしゃませ
- こんぱんわ,さようなら[夕方・夜の挨拶]
- おやっさん・おやさん
- 世帯主,主人
- おーやり・おーやれ
- (大きな事が柊わって)らっくり,楽になって「あれんすんで、おーやりしとる/おーやれした(あの事が済んで、楽になった・気
が楽になっている・らっくりした)」[真野コ]お一やれしとる(<同前>)」[新穂]
- おら
- [←おいら]おいら,俺私
- おらち・おらっち
- 私達「おらっちのとこじゃ、(俺達の所では、)」
- おらっちゃー
- 俺たちは「おらっちゃー、しらんぞ(俺達は知らないぞ)」
- おーられ
- 大屋根よりも下に有る、小さな屋根(=ぎや)「おーられんでとる」
- おらん
- 居ない(→おる)
- おらんとこ
- 俺の所
- おりつぼ
- 便所の壷(→さんじゃくもん)
- おりゃせん・おりやせんちゃ
- 居ない,居ません
- おる
- 居る「〜おるかさ(〜いるかい)/おらん・おらせん(いないよ)」[佐渡では「いる」より「おる」の方が良く使われる]
- おるか・おるかさ
- いるかい,居ますか
- おるけえー
- いるかい[親しい人を訪間した時、使う言葉]
- おれ
- 私,自分[佐渡では男女共に使う]
- おろけ
- 大きな風呂桶(台所等で鍋等でお湯を沸かし、10cm位入れて入る。サウナのように(蒸気風呂と)しても使った)
- おろす
- 新しい物を使う(→きおろし)
- オーロラ
- 佐渡では夏の深夜、年に一度位起こる。昭和30年代に空が赤くなる大きな物が有った,近年は小さい物が見えた。
- おわった
- 無くなる「このビンのビールおわった」
- おわってすんだ
- [終わって済んだ]終わってしまった,済んでしまった「それはおわってすんだことらっちゃ」[完了形?]
- おんぐるべー
- めだか
おんぐるべーも、うおにんじゅう[めだかも魚の内]小さな子供が大人の寄り合い等にちょろちょろと顔を出したがったり、入って来たりする時、情を持って諌めたり少しぷざけたりからかったりする時言う言葉。[佐渡の童歌・諺]
- おんこう
- [植物名]いちい
- おんごろべー
- 1.おたまじゃくし[国仲一部真野・佐和田?]
2.めだか[他地区]
おんし・おんしゃ[←お主]
- おまえ,おめえ(=おとれ,ぬし,ぬしや)
- おんでこ
- 鬼太鼓(=おにでえこ)[4月14日の島祭りに行う。本来は地区により4月15日前後の日であった。[小倉地区では4月12日]鬼太鼓は、相川系・国仲系・前浜系の3種類が有ると言われる。相川系は鬼の動きはあまりなく、豆まきの翁が踊る『豆まき鬼』で、国仲系は太鼓で一人、あるいは二人の鬼と獅子が舞い、前浜系は笛と太鼓で鬼が二対で踊り、盛り上げ役の『ろうそ』がいる。なお、国仲地区の山方の小倉地区は笛と太鼓で二対の鬼と獅子が踊り、以前は『ろうそ』の様な囃す者もいたとの事。また、二人の鬼の黒髪の者をオス、赤髪・金髪の者をメスと呼んでるが、メスが『阿(あ)』オスを『吽(うん)』と呼ぶのが正しい、との説も有り]
- おんでこかき
- 鬼太鼓の時、太鼓吊して担ぐ二人組の人(←かき、かんかき)
- おんでこざ
- [鬼太鼓十座]太鼓を使った演劇活動を行っている、鼓童(こどう)の旧名。始めは畑野町の町中、旧若林医院の建物で旗揚げしたが地元住民の理解が乏しく、つまり、団員が何で生活しているかや、昼間からの太鼓の練習・体力トレーニング等への理解が殆ど無く、転々としたが、今は小木町の金田新田に鼓童村を作るに至り、全国から集まる後進の指導に当たっていると伴に、国内・海外での演奏活動を行っている。(→こどう,こどうむら)
- おんばひがさ
- [←おんぶに日傘?]おんぶにだっこ,過保護「おんばひがさでそだって、(過保護で、<時に甘やかされて>大事にされて育って) *その様な者は現在多い(→ばあさんこはさんもんおちる)
- 、おんねん
- 〜がいるじゃないか(←おる)
おんべらづく=おんべろづく
- †おんべりつき
- お世辞を言う人(→べり,べりこき)
おんべりつく=おんべろづく
- おんべろづく
- 調子づく
- †おんぼう・おんぼうやき
- [隠坊・御坊]火葬人夫[被差別的な職種だった]
- があ・がー
- (助詞)[強調]〜(しまず)か、よ「おそうなるしいくがー。(遅くなるんで、私は帰りますよ)」(→かさ、がさ)
- かあいそう
- かわいそう *かわいそうとも言う
- かあかあ
- 母さん
- かありい
- 軽い
- かあるく
- 軽く「まま、かあるくもっとくれ(ご飯は、軽く盛ってくれ)。」(→かーるう)
- かいべつ
- きゃべつ(=かんらん)[きゃべつとも言う]
- かいたもん
- 証明となる書いた物,証書,誓約書「そんなら、かいたもんあるかさ(それなら、証明となる書いた物は有るのか]
- かえらんけ
- 帰りませんか(=むうらんか,けえらんけ)
- かがいい
- 眩しい(→かがっぷしい,かがっぽしい)
- かかさん・かかやん
- お母ちゃん[敬意を合む]
- かかずろう
- かかずる,かかわる「そんなことにかかずろうてはいられん」
- かがっぷしい
- 弦(まぱゆ)い,眩しい,非常に有り難い[比輸]「おちやなどいれてもらうとかがっぷしゅーて(お茶などを入れて貰うと有り難く、すみませんね)」
- かがっぽい・かがっぽしい
- <同上>(=かがっぷしい)[ぽ の方が丁寧]
かかる
- (何かやるように)指名する,当てる「授業でかかるかる(授業であたる)」
- ・・かき
- 〜を担ぐ人(→かごかき,かんかき,おんでこかき) *かく、は二人以上で担ぐ事
- †かきばな
- [鈎花]すみれ
- †かくし
- ポケット[古い標準語?]
- †かくれごく
- かくれんぼ[〜ごくは競争・遊びの意味(←ごっこ)](→はしりごく)
†かくれごっこ=かくれごく
- †かくれた
- 死んだ「あそこのぱあさんかくれた」(→しもうた)
- かげがうすい
- 威光が無くなる,存在感が無い,余命が少ないような
かけたか→ほんぞんかけたか
- かげにかくれる
- なりを潜める,目立たないようにする[標準語だが頻繁に間かれる]
- かけもち
- 餅を薄く切って干しておき、焼いた葉子,かきもち[生の餅を薄く短冊状に切って、軒等に掛けて乾燥させて保存しておく餅]
- かけられる
- 指名される「授業でかけられた(授業で答えるよう指名された)」
- かける
- 指名する「授業中、あのもんにかけたらこたえんかった。(授業であいつにあてたら答えなかった)」
- かさ
- かさぶた(→かさぶと)「かさんできた(かさぷたが出来た)」
- かさ
- 〜(しません)か 「そろそろむうらんかさ(そろそろ戻りませんか)」
- 〜がさ・かさ
- だよ(=が〜)「まだ、いかんかてもいいがさ(まだ行かなくてもいいよ<行くなよ、の意味含>)」
- かざ
- 薫り,香り,匂い臭い,[風では無い]「いいかざがずる(良い匂いがずる)/いやんかざがふく(厭な臭いがする)」
- かさぶと
- かさぶた
- かしがる
- 1.傾く[標準語]
2.(食休みで)横になる,横になって楽にする「まあ、かしがってくれ(横になって休んでくれ)」
- かしきび
- とうもろこし,とうきび
- かじくる
- 掻く,引っ掻く,かじる
- かじける
- かじかむ
- かしげる
- 傾ける「耳をかしげる(耳を傾ける)/首をかしげる(不審がる)」
- かしこい
- 小利口,ずるい,狡滑な「あのもんはかしこいやつだ」
- かじる
- 1.(田で備中鍬で水を張ってしろかきで)土を細かくする
2.ひっかく「顔をかしられた(顔を引っ掻かれた)」
- †かすなげる
- しっとする,厭味を言う,不平を言う「あんこ、かすなげてこまる(あの子は、不平ぱっかり言って困った奴だ)」
- かすべ
- [魚名]さかたざめ(食用)[新潟ではえい(食用)を指す]
- かする
- 掠め取る「釣り銭をかする」
- †かぜ・かざ
- うに
- かせぎんいい
- 給料が多い「かせぎんいいもん(高給取り)」
- かた
- 加茂湖[佐渡で唯一の湖(塩湖)両津付近の人は特にこう言う]
かた→かざ
- かたいっぽ
- 片一方(→かてっぽ,かたっこう,かたっぽ)
†かたがい→かたんげえ
- かたがかーるい
- 荷が軽い,責任が余りない(=かたんかーるい)
かたがる=かしがる
- †かたぎき
- 一方の話だけを間くこと
- かたけ
- 一食,一回の食事(=ひとかたけ)(→ひとかたけ,ふたかたけ,みかたけ,まいかたけ)
かたげていく=かたげる
- かたげる
- 持っていく,手に下げていく[かたねる と混同](→かたねる、かき)
- かたこぷ
- 頑固者,分からず屋,変人(→もっこ,かたもっこ)
- かたせ
- すけとう鱈を開いて塩して干した物、砂糖・味噌で煮ると美味。
- †かたぞら
- 冬の寒く凍えているが、晴れている日
- かたちんば
- 履物を左右逆に履く事〔標準語?]
- かたづく
- 嫁に行く
- かたっこう
- 片方,片一方(=かたっぽ)
かたっぽ=かたっこう
- かたてましごと
- [片手間仕事]簡単な仕事,手抜きですぐ終えた仕事 「おい、かたてましごとでやらんでくれ。」
- かたねる
- 担ぐ,肩に担ぐ,持っていく(⇔かたげる、→かき)
- かたばか
- 偏った馬鹿[罵倒語](→がめこうべ)
- †がためく
- (道等が悪くて車等が)ガタガタいう
- かたもつ
- 贔屓する味方する[標準語、良く使う]「おめ、あのもんのかたもつかさ」
- かたもっこ
- [固いいもっこ(?)]ぴどいもっこ,変な所に片意地を張る者(→もっこ)[かた、はひどいの意味又は偏るの意味か?]
- †かたばか
- ひどい馬鹿者
- かたんげえ
- 烏貝「潟にいる貝(?)無農薬栽培の田圃に多く居る]
- かたんできとる
- 形が出来ている,形式が決まっている
- かち〜
- [強調の接頭語]特に〜,ひどく〜「かちわる/かちくるう/かちあわてて/かちいそぐ、等参照」
- かちあわてて
- 特に慌てて
- かちいそぐ
- 特に急ぐ「そんなにかちいそいでどこへいく(そんなに急いでどこへ行くのか)」
- かちくるうって
- 忙しく動いて
- かちわる
- 打ち割る,かち割る,割る
†かちおけ→さらおけ「いやならかちおけ(厭ならやらないでおけ)」(→やらんどけ)
- かちぐり
- 山栗(→ぱんぱんぐり そだてぐり)(=やまんくり)[標準語?]
- かつかつ〜
- ぎりぎり〜(=かっつかつ)
- かつかつして
- せかせかして
- かつかつだ
- 1.給科が少なくて暮らしに困る[標準語]
2.せかせかしている,時間が無くて慌てている,
3.ぎりぎりだ
- かつかつまにおうた
- ぎりぎりで間に合った
- †かづける
- 罪をなすり付ける,誰かのせいにする
- かった
- 借りた[促音便]「この本はこうてこんで、かってきた(この本は買ったんじゃなくて、借りて来たんだ)」
- かったに
- とっても,まるで「肩いとうて、かったにだちかん(肩が痛くてまるで駄目だ」)(→まって)
かっつかつ=かつかつ
- †かっつく
- ぷつかる[今は「ぶつかる」と言う]
- かってしんでえ
- [勝手次第]自分勝手,手前勝手
- がっぽり
- うんとこさ,うんと,とても多く
- †かて
- 混ぜご飯の具(→かてめし)
- かてえもん
- 頭の固い者
- かてっぽ
- 片方(→かたいっぽ)
- かてめし
- 混ぜご飯(大根・麦・野菜等や雑穀を入れて炊いたご飯)
- (〜には)かてん
- [勝てん]〜には勝てない「泣く子と地頭にはかてんちゃ」
- かどたてる・かどをたてる
- 1.腹立たしく答える
2.癇癪を起こす
- かとんぼ
- [昆虫名]糸とんぼ[蚊とんぼ(ががんぼ、の一種)とは異なる] *とんぼは他に、やんま=やまとんぼ(おにやんま)・しおから・むぎわら・あかとんぼ・くろとんぼ(昔とんぼ)等がいる。総称はらんぶり・だんぶり。
- かながしら
- [魚名]大きな三角形の頭をした川鯊・又は鯊科の魚[動きが鈍い](→べとかじ)
- かなかな
- ひぐらし[蝉の種類]
- かなへび
- とかげ[新潟でも同]
†かになわ→かんなわ
- かねくいもん
- お金のかかること,金のかかる人
- かねる
- きがねする,恥ずかしく思う,恐れ入る
- かねをなす
- 金を返す(←なす)(→借金をなす)
- †かぶし
- 魚臭い物,生臭い物[以前はだしの意味があった「かぶす」は、出汁で味をつける、の意味]
- †かぶしじる
- うおじる,魚の入った味噌汁
- †かぶしもの・かぶしもん
- 生臭い物
- †かぶとざら
- 一杯飲んだ後に軽くそぱを食べる時に使う浅い鉢(直径15cm位、御膳の中に入る)
- †かぶとばち
- 鳥汁等を食ぺる時に使うちょっと大きめの鉢(井より大きい・小さいの説有り)
- かぷら
- [蕪]かぶ
- †かぼちゃ
- 1.かぼちゃ
2.醜い女
- かまかける
- 相手に本当の事を言わぜる為、うまく誘いかける「あいつ、ほんとの事いわすのに、かまかけたらいった(あいつに本当の事言わせようと鎌を掛けてみたら言いました)」
- かまきりのきんたま
- かまきりの卵(→きんたま 2)
- がまずび・がまずみ
- [植物名]かますみ[山野草、赤い実を秋に冠状に付ける.果実酒にする]
- かまわん
- [構わん]1.構わない,差し支えない
2.面倒見ない
- がめできもの
- おでき(皮膚病の黄 こうせんの事)
- がめこうべい
- できものが出来ている頭,またはそういう人(→こうべ)
- かめむし
- 生えている稲に付く甲虫[稲の害虫の「つまぐろよこぱい」ではない](→ヘちがね,へこきむし)
- がめる
- 盗む,取る[新潟でも同]
- かもう
- 1.構う,対応する「そんなもんはかもうてやらんちゃ(そんな奴は構ってややらないよ)」
2.からかう「犬をかもう(犬をからかう、とも言う)」(→かもうな)
- かもうな
- かもうの否定語「そのもんかもうな(そんな物・者をかまうな)」
- かもえ
- [←鴨居」(横に渡した)かもい
- かもえづくり
- [〜作]大黒柱としょうこくばしら(小黒柱?)の間に、目に見えるように「かもえ(かもい)」を渡した建築方法。古い物は、かもえ自体の厚さが薄くて目に見える所の幅が広く、昔のかんながけ(ひらかんな)の跡が多少波打って残っている。比較的新しい物は幅が厚く目に見える幅も小さく、ころっとした外見になっている。[縦揺れ・雪等の重みに強いが、横揺れに弱い](→えびす,大黒柱,しょうこくばしら,おふだ)
- かやつりたい
- [戯れ言,ちょっと卑語,男性向き][あやかりたい、からの類推で]「おいも、あやかりたい、かやつりたい(俺もあやかって好い関係になりたい)」*年を取っても良い異性、後添え、(妻が居ても)浮気の相手の女に巡り会いたい、の意味.『かやをつる(蚊帳を吊る)』とは、<街想像通り!>男性が女性に欲情する様
- かやむぐり
- [植物名]こうぞりな[茎が延びる前の葉は茄でて食べる]
- かやぶき
- [茅葺き]茅・藁でふいた屋根又、その家[近頃は減少した 茅葺き屋根をトタン板で上を覆う事が多い]
- かやむぐり
- [植物名]かやむぐり[たんぽぽ状の葉で、春先、味噌汁やお浸しにする]
- 〜から
- 1.〜やら「入学金から日常品から金がかかった」
2.〜から[標準語]
- がら・がらいし
- (割ったような)砂利,小石[丸石はいわないと言う説有り](→まるから)
- からかいはんぶんで
- [標準語(?)良く使う]「からかいはんぶんでゆうてもろうてもこまる(からかい半分で言ってもらっては困る)」
- からげる
- [絡げる」縛る「にもつをからげておけ(荷物を縛っておけ)」
- からだがうむ
- 体のカが出ない,だれる「からだがうんでしごとができん(体がだるくて仕事が出来ない)」
- からだがもどる
- 体調が戻る
- †からて
- 何も持たないで「からてでかえる(何も持たないで帰る)」
- からみでくる
- 何も持ってこないで来る「からみできてどうするさ。なんかきのきいたものもってこいさ(何も持ってこないでどうする。気の利いた物持ってこいよ)」
からもん→からんもん
- からやき
- (出汁を取る)にぼし[飛魚・鯵・鯖・小鯛・鰯等が原料 なお、生の鮎で出汁を取る事も有り
- からんもん
- 空の物,空っぽの物
- かるう・かーるう
- 軽く,少し「かーるくもっとくれ(軽く盛ってください)」(←かあるく)
- かれえ
- 塩辛い,辛い,厳しい
- †かろ
- かど
- †がわ
- 周りの人「がわがうるせえし(周りの人がうるさいし)、」
- かわく
- 1.日照りになる 2.乾燥する[標準語]
- †〜がん
- 〜の物「それはおれんがんだ(それは俺のものだ)」[新渇も同]
- †かんかき
- 棺桶担ぎ,棺担ぎ(→かき)
- かんかん
- 良家の男の子(小学生以下)大事な男の子(=かんかんぼうや)(→びこやん,びやん)
- がんがん
- 1.空き缶,缶[かんかん ともいう]
2.頭の傷む様[標準語]
かんかんぼうや→かんかん
- かんじょうなし・かんじょなし
- 計画無い人,無計面の人・事
- がんそな
- おうぎょうな[両津]
- がんち
- 片目の人,目が左右釣り合いのとれてない人[侮蔑的](→めっこ,めっかち)
- †かんなわ(←蟹縄)
- 漁師の網に使う荒縄[機械編みで細い荷縄にも使った](←かになわ)(→はざなわ,ぐのう,にのう,ほっかいどうせん)
かんにんな[国仲」=かんねんな[両津]
- かんねんな
- [←堪忍]ごめんね,許してくれ,かんべんな,勘弁してくれ *「かんべんな/かんべんしてくれ」も使う
- かんらん
- きゃべつ(=かいぺつ)[きゃべつ、とも言う]
- きいきり
- 木を切る職業,きこり
- きいきりがま
- 木の技を切る鎌,柴(燃料用)を作る為の物 厚手で頑丈[鎌の他の種類には、草刈り鎌・稲刈り鎌も有り]
- きいたげな
- 聞いた様な,知らぬのに何でも知ってる様な「きいたげなくちをきく」
- きいつかわんで
- 気を使わずに
- きいつく
- 気が付く「きいついたら(気が付いたら)、」
- きいとるか
- 間いているか
- きいはっとる
- 注意している「警察が(飲酒運転取り締まり)きいはっとるぞ」
- きいはる
- [気を張る]緊張する,神経を使う,頑張る
- きいやむ
- [気を病]心配する
きいわるうせんように=きわるうせんように
- きおろし
- 初めて着た着物
- ききみみたてる
- [聞き耳立てる」他人の話をこっそりと漏らさずに聞く事[標準語だがよく使う]
- ぎくんと
- がっくりと,ぎくしゃく「あしがぎくんとした(足ががくっとした)」
- きさく
- 気持ちがさっぱりしていて人付き合いの良い「あのもんはきさくだ」(→さくさくした)
- きざわし
- 木で甘くなる柿[木でさわすから]
- きそきそする
- 落ち着かない(うこつく,うこうこする)「きそきそすんな」
- ぎたぎたする
- ぎとぎとする「あぶらでぎたたぎたする」
- きたのうする
- 汚くする,不精している「きたのうしとりますが、どうぞ」
- きちがいてんき
- 変な天気[例えば、「てんきあめ」の様な、日が照っているのに雨とか、日が照っているのに雪等が降っていて、特に強風か吹いたりする様な天気を指して言う]
- きちがいみず
- 酒
- きちきち
- ぴったりと,きっちりと「きちきちいいっぺえだ(きっちりいっぱいだ)」
- きちきちかんぞう
- [きちきち甘草][植物名]花の咲かない甘草の一種[摘んで両手の平で茎を左右によって回すと音がキチキチ鳴る]
- きちげー
- きちがい,狂人
- きづかいのう
- 気遣いなく,御心配無く
- きづこねえ
- [気遣い無い]太丈夫,心配ない「それは、まあ、きづこねさ(それはまあ、心配ないさ)」
- きってもきれん
- 切っても切れない
- きつねがお
- [狐顔]つり目[侮蔑語]
- きながらしい
- 気が長い,のんびりしている[佐和田](「気が長しい」、とも)
- きにょう
- [昨日]きのう[きのうとも言う]
- ぎねん
- [疑念]疑い,おかしな所[標準語だが頻繁に使う]「なにかぎねんがあるかさ(何か変な所・疑問を抱く点が有るかい)」
- きのきいたげな
- 1.洒落た様な[悪い意味]
2.物を解った様な,知った様な
- きまらんで
- しゃちほこばって,緊張して,固くなって 「そうきまらんで(そう固くならないで)」(=きたくならんで・きとうならんで)
- 〜きも
- 〜だけれども,だけれども,だが(=〜けも)「そうだきも(そうだけど)」
- きもひやす
- 驚く「ちゃー、きもひやした(わー、驚いた)」[古い標準語 良く使う
- ぎや[←下屋]
- 大屋根の下に出ている屋根、またはその部分[建築用語?](=おーられ)
- きやすう
- 1.気楽に「きやすうしておくれ(気楽にしてくだざい)」
2.親しく「あのもんとはきやすうしております(あの人とは親しくしています)」
- きょういも[京芋]唐芋の事 里芋の一種(→とういも)
- ぎょうさん
- 沢山「さかながぎょうさんおる(魚がたくさんいる)」
- きょうびの
- 近頃の「きょうびのこどもたちは、(近頃の子供達は、)」
ぎょうぼう→りょうぼう・†どうぼう
- きょねんおととし
- ここ数年一二年「あのみちがとおったんは、きょねんおととしのことさ(あの道が通ったのはこの一二年の事だよ)」
- きらくんなった
- 1.(年配になって・隠居して・生活苦が無くなって)気楽になった
2.死んだ「あのもんも、きらくになってしもた(あの人も死んでしまった)」
- ぎりかける
- [←義理欠ける]当然やることをやらない,義理を欠いた
- ぎりぎり
- つむじ[佐和田](=ぎりぎり,じんぎり)
- きりょんわるい
- 器量の悪い,不細工な[きりょうわるい とも言う]
- きりをつける
- 終わりにする,見切りをつける,けりをつける[標準語か? けりつける・けりをつける、とも言う]
- きる
- 終わる,なくす,尽きる「目をきる(死ぬ)/酒をきらす[標準語]」(→めをきる)
- きれる
- (普段怒らない人が)頭にくる・とても怒る・おかしくなる[標準語・現代語?]「あのもん、きれた」
- きわるうせんように
- あしからず気を悪くしないように(=きいわるうせんように)
- ぎんか
- 1.銀色の硬貨[500円玉、100円玉、50円玉<50円玉は入れない人もいる>]
2.†硬貨の総称 ばらせん(=つぷせん)「一円銀貨(<アルミの>一円玉)/じゅうえんぎんか(10円玉)」
3.銀で出来たお金[標準語][ぎんか、とは言わない平淡に発音する」
- きんか・きんかあたま
- はげ頭,つるっぱげ
- きんきらきんになっとる
- 雪道が踏み固められかちかちで、てかてか光っていて、つるつる滑る状態になっている「みち、きんきらきんになっとる。きいつけえや
(道がかちかちになって良く滑るぞ。気を付けなさいよ)」
- ぎんぎり
- つむじ[国中](=ぎんぎり,じんぎり)
- きんたんべえ
- (以前は)竹の管(今はストロー状のプラスチックの管)にゴム風船を付けた笛 ブーブー音がする祭りで香具師等が売った
- きんとと
- 金魚[幼児語][標準語?]
- ぎんばそう
- ほんだわらの一種[とろみが少ない 干して保存出来る食用海草]
- きんぴ
- 金を払って買う肥科
- きんたま
- 1.きんたま[標準語]
2.(晩秋から春先まで見られる)かまきりの卵 かまきりの(実際は卵の)巣(→かまきりのきんたま)[多分、その形状から]
〜け→〜けえ
- 〜げ
- 〜みたい「うつくしげら(奇麓だ・奇麗なようだ)」
- けえ
- 貝
- 〜けえ
- 〜(した)かい,〜か(=〜かあ)「もういったけえ(もう行ったかい)」
- 〜げえ
- 1.貝
2.〜みたいだ(=〜げ)〜らしい「おそんげえ(恐ろしい)」
- けえけえ
- [児童語]2枚の自い貝を放って取る女の子の遊び「けえけえやらんか(けえけえをしましょうよ)」
- けえす
- 返す(鳥の卵を)孵す「けーしてこい(返してこい)」
- †けえつくろう
- 急いで間に合わせる(→かいつくろう)
- 〜げえな
- 〜みたいな,らしい「おそんげえな(恐ろしげな)/いやんげえな(厭な様な)」(→げえ,げえに,げに)(=げな)
- 〜げえに
- 〜みたいに「おそんげえに(恐ろしげに)」(=げに)
- けえのみ
- 栢(かや)の実
- けえびょうしがわるい
- 買ってみた所、欠陥がある
- †けえま
- 合間,暇な時
- †けえましごと
- 暇の合間にやる仕事
- げえもねえ[芸も無い]
- つまらない,下らない
- けえらんか(さ)
- 帰りませんか(かえらんか(さ),むうらんか(さ))
けえらんけ<上同>(=かえらんけ,むうらんけ)
- けえる
- 1.帰る,返る,買える
2.ひっくり返る,転倒する
- けえろう
- [←街道」(主要な)通り道
- けえらんかしき
- 様子(特に)空模様「けしきがわーりい、あめんふるぞ」
- けーしま
- [←返し様
- 裏返し「ふくをけーしまにきとる(服を裏返しに着ている)」
- けーしょなし
- 甲斐性無し
- けそけそしとる
- 落ち着かない
- げそんと
- ごそっと「げそんとへった(急にごそっと減った)」
- けちえん
- 血縁[仏教用語?]
- けちみゃく
- 血脈
- げちゃげちゃ
- どろどろ,ぐちゃぐちゃ「みちがげちゃげちゃだ」
- げちゃつく
- どろどろになる,ぬかるむ「みちがげちゃつく」
- けつ
- 尻
- けつおもてえ
- 尻が重い,動きたくない「こたつ、はいっとると、けつおもてえなってだちかん(こたつに入っていると出たく無くなって良くない)」
- けつがあう
- 合計が合う「けつがあわん(収支が合わない)」
- けつがおちつかん
- 落ち着きが無い
- けつがかるい
- [特に女性に対して]尻軽だ,浮気症だ
- けつがむぞつく
- (気が急いて)じっとしていられない(=けつにおきはさんだ)
- けったくそのわるい
- 特に厭だ,気持ちがむかむかしてやってられない,頭に来る
- けつたたく
- 1.せかす
2.励ます
- けつっぺた
- しりっぺた
- げっつり
- がっかり 「げっつりした(気分が落ち込んだ)」
- げっと
- びり,最後(=げと,べと,どべ)
- けつにおきはさんだ
- じっとしていられない
けつにしく=けつにひく
- けつにひがつく
- 尻に火が付く,切迫する
- けつにひく
- (特に母親が父親を)軽んじる[標準語?]
- けつまくつ
- 尻捲り,和服の着物の後ろの端を捲る事
- けつまくる
- 今迄親密だった者が反対したり反抗する「あのもん、けつまくってしもた(あいつは反対してしまった)」
- けつをあわせる
- 帳尻を合わせる
げと→げっと
- 〜げな→〜げえな
- けなりい
- 羨ましい「けなりいこって(羨ましい事ですねえ)」
- †けなりがる
- 羨ましがる「けなりがるな(羨ましがるな)」
- 〜げに
- [標準語?]→〜げえに「恐ろしげに/ゆくげにみえた(行くみたいに見えた)」
- けむし[毛虫]
- 1.毛虫[標準語]
2.[植物名]えのころぐさ[穂が毛虫の形に似ていて、摘んで手で握って遊ぶ]
- 〜けも
- 〜(だ)けどもね(だをが(=きも)「そうだけもしんねえけど、(そうかもしれないが、)/いくきも、おくれるっちゃ(行くが、遅れるよ)」
- げらつき
- 笑い上戸,げらげら笑う人
- げらつく
- げらげら笑う
- †けんざお[間竿]
- 計測用の竿
- †けんしゃく[間尺]
- 計測用の物差し
- †けんたん[懸段]
- 分水する時の板
- †けんなわ[間縄]
- 計測用の縄
- げんに[現に]
- ほんとに,実際に[古い標準語?]
- けんぺー
- 乾杯
- こ〜
- [強調表現]「こうるさい/こきたねえ/こむづかしい/こっぱずかしい」
- ご
- 具(=ごう)「おしるのご(お汁の具)」
- こいい
- [濃いい]濃い「このお茶、こいい」
- こいいもん
- 血縁関係の深い者(⇔うすいもん)(→しんるち,るい)
- こいちじかん
- 一時間,一時間位
- こいちゃ
- きなさいよ
- こいっちゃ
- 1.きなさいよ
2.濃いよ
- こいで
- これで「こいで、おわってすんだ(これでみんな終わった)」
- こいでもか
- これでもか
こう→こうじゅう
- こう
- 買う(→こうた,こうとる)「これ、こうてこんでかってきた(これは買ってきたのではなくて借りてきたんだ)」*近頃は買うを「こう」と言わず「こう」と言う人が増えつつ有る。標準語の浸透か。*「こう」は飼うの意味は無い(→こうた)
- ごう
- 具(=ご)
- こういか
- まいか
- こうぐり[魚名]
- かわはぎ・うまづらはぎ[なます・刺身・塩焼き・煮付け用 刺身で食べるとふぐに良く似ている味がして美味]
- こうぐりなますでさけさんじょう
- 皮はぎのなまかすはうまく、酒が三升は呑めるという、うまい物の例え(哩言)
†ごうざらし→ぐうざらし
- こうじた[←麹板]
- (麹を作ったり、伸し餅等を寝かしておく)平べったいお盆状の容器(=はんぼ †もろいた)
- †こうじむろ
- [麹室]麹を作る室[密閉し練炭などで暖房し、麹菌を『はんぼ・こうじた』に引いた蒸した米に撒いて米麹を作る](→むろ,はんぼ,こうじた)
- こうじゅう[←講中]
- 講をやる仲聞内,あたり近所の者
[部落(小字)内での20戸位の仲間で五人組よりも大きな伝統的な組織の単位。真言講・庚申講(おかのえ講)からか?その集まりで冠婚葬祭の手伝い、祭りの打ち合わせ、賭け事、宴会等の娯楽事をやる]
- †こうぜえ
- でしゃばり,生意気,おせっかい(→ヘちこうぜい)
- ごうせい[合成]
- 合成酒[結構佐渡の人は飲む 焼酎よりも一般的]
- こうた・こおた
- 飼った,]買った[促音便](→かった)「そのくつこうたさ(その靴は買ったよ)/ひつじ、こうたことがある(羊を飼った事がある)」
- ごうだら
- ほていうお,へそなご[春先に良く捕れる]
- こうとる
- 飼っている「ひつじをいまもこうとるもんおるかさ(羊を今、飼っている者は居ますか)」‐「いや、おわってすんだ(いや、もう居ない)」
- こうのかわ
- [地名]国府川(こくふがわ)、の別名
- こうべ
- 1.頭「人でも魚でも使う]「さかなのこうべは食べません」
2.額(=びんこう)(→こうべがち,がめこうべ)
- こうべがち
- (どうごじる、鱈・すけとう鱈のあらで作ったみそ汁の)魚の頭ばかりで食うところが少ない状態
2.†高慢痴気
- こうべんたけえ
- 高慢痴気な,生意気な[腰が低いの反意語]
- こうるさい
- うるさい
- こええ
- 1.怖い,恐ろしい(=おそんげえ)
2.固い(=かてえ)
- こええもんなし
- 怖い物無し(の人)(=おそんげえもんなし)
- こえる
- 1.(土地が)肥える[標準語]
2.(人・生物が)太る[いいもの食うてようこえたんで、ズボン切れた。]
- †こきがあらい
- 乱暴に大声で言う
- こぎる
- 値切る,最後までやらない,怠ける,厭がってする「仕事をこぎるなや(仕事を厭がってやるんしやない・終わりまでちやんとやれ)」(→てまこぎ)
- こく
- [卑語]言う「なにこくかさ(何を言うんだ)」
- こぐ
- 1.(草を)抜く・毟る「大根をこぐ」
2.(田、等を)歩く「たんぼこいだ(田を歩いた)」
- こぐい
- 噛まずに飲み込む事
- こくな
- [酷な]ひどい,残酷な,つらい[漂準語だが良く使う](=せつねえ)
- こくる
- こする
- ごけ
- 1.容器などで蓋と本体が元からの物でなく、後で合わせた物「このふた、ごけらなあ」
2.犬や猫の茶碗
3.後家(=ごけかあさん)
- こげえ
- こんな(=こんげ)
- ごけかあさん
- 後家(=ごけんかか)
- ごけわん
- ごけのお椀
- こげん
- こんな「こげん人はしらん(こんな人は知らない)」
- ごけんかか
- 後家
- ごけんもん
- 1.後から異なる物を宛てがって措いた物
2.後家の者
- こごえる
- 寒くて震える「てがこごえてだちかん(手が寒くてどうしょもない)」
- こごむ
- かがむ「そこ、ここごんでみい(そこに屈んでみろ)」
- こころがよい
- 気立てが良い
- こころわるう
- 気分を害して「こころわるうおもわんでくれ」
- ここんとこ
- ここの所,この所「ここんとこ曲がってください」
- こさえる
- 作る,産む「こをこさえる(子供をこしらえる)」
- こしかけえ
- (椅子に)腰掛けろ,座れ(→ねまれ)
- †こしき
- 赤ん坊を入れておく藁で編んだ直径50cm位の揺り篭[ちぐら(新潟)]
- こしゃげる
- いじめる「あいつ、こしゃげてやる(あいつをいじめてやる)」
- ごしょうだが「←後生だから]
- お願いだから[古い標準語だが使う]
- †こじる
- 臍を曲げる[近頃は余り使わない、今はぶすこく](→ぶすこく)
- こすば
- 落ち葉の総称 †杉の落ち葉
- こすぱかぎ
- 熊手[こすぱをかくための釣状の熊手](=もこさりかぎ)
- こずぷとん
- 藁布団(敷布団に使った)[←葛(藁)の布団]
- こそばい・こそばこい・こそばてい
- くすぐったい
- こそばかす
- くすぐる
- †ごそんと
- ごそっと,大量に[今はごそっと、と言う]
- こたえる[堪える]
- 困る,閉口する,苦しみとなる
- こたえられん
- 1.苦しくてこたえられない,堪えられない
2.とても嬉しくて・良くて堪えられない,凄く良い
- こちゅ・こちゅう
- 小心者
- ごっっおさん
- 御馳走さま
- こってうし[特牛]
- 雄牛
ごってえもえる[佐和田]=ぐうもえる
- こっばずかしい
- 恥ずかしい「はずかしい とも言う]
- †こつばば
- くそばぱあ(=ばあこう)(→ばばさん)
- ごてぎな・ごていぎな・ごたいぎな
- 有り難う,御大層な,仰々しい,大変な「ごてぎだったのお(大変でしたねえ)」[主に両津地区;元来武家言葉]
- こどう[鼓童]
- 主に太鼓を使った演奏・演技をする芸術集団、旧名「おんでこざ」尚、伝統芸能の鬼太鼓を演ずる集団では無い。(→おんでこざ)
- こどうむら[鼓三村]
- 芸術集団「鼓童」の本部で練習場・研修場・宿舎でもある。住所は小木町金田新田148、小木町の町中では無く山と海に囲まれた僻地にある。
- ごとごと
- (汁が)濁ること,液が濃いこと「今日の汁はごとごとしとる」
- †ごとつく
- ごとごとする,濁る
- ごとばな
- [悪い言葉]青っ鼻,ひどい鼻汁
- こぬか
- [小糠]ぬか[ぬか、はもみがら」(→ぬかまめぬか)
- こぬかさんごうのくち・こぬかさんごうもっていった・こぬかさんごうもっていったくち[小糠三含持って行ったロ]
- 婿に行った[軽い悪口]*小糠が三合有る程の貧乏でも、婿には行かないほうがましなのに婿に行った、という例え
- ごねる
- 1.ごねる,文句を言う,無理を言う[標準語]
2.病気等でうまく話せなくなる・愚痴を言う[くどく、とは異]
- このう・このん
- こんなに「このうたくさんはいらん(こんなに沢山は要らない)」
- こば[木羽]
- こけらいた[木を薄く剥いで四角くした物以前は屋根を茸く材料]
- こばはり[木羽張り]
- こばを張る事又、その職人(=こぱはりしょくにん)
- こばへぎ[木羽剥ぎ]
- こぱを作る職人*『こばはり』も『こぱへぎ』も殆ど居なくなった
- こばやね
- 木羽(こば)で葺いた屋根屋
- こばんはった
- 足の甲・足先・脚が腫れた、引きつった[†こば二足の甲]
こびしょげな=こびっしょげな
- こびっしょげな[←こ(強調)+不清」汚らしくて(だらしなく)格好悪い「おめ、そのふくこびっしょげな、うつくししてこい」
- こびり(佐和田)・こびりい・こびる(真野)
- 十時・三時に食ぺる軽食、おやつ[本来は雇人用のおやつ、との事]
- こぶ
- 昆布[こんぶ、とも言うが、こぶ、の方が多く使う]
- こぶ
- 頑固,強情「あのもんはこぶだ」
- こべちゃく・こべっちゃく
- 青二才,くちばしの黄色い奴「この、こべちゃくがあ」
- こぼし
- (家等の)取り壊し「なや、こぼしにきてくれさ一(納屋を壊しに来てくれ)」
- こぼす
- (家等を)取り壊す(=とりこぼす)[取り壊しは『とりこぼし』とは言わない]
- こまい
- 1.細かい小さい
2.せこい,けちだ「こまいことゆーなさ(細かい事・せこい事を言うな)」
- こまこうする
- 細かくする,お金をくずす(→こわす)
- こまごめ
- 細かい米,くず米
- こまじぇん・こまぜん
- 小銭,じゃらじゃらのお金(→ぎんか)
- こまめに
- まめまめしく,まめこ[まめに、も良く使う]
- ごみしんだけも・ごみしんらけも
- すみまぜんけどお願いが有るのでずが「ごみしんらけも、たのむわ(すいませんが、頼むよ)」
ごむしんだけも=ごみしんだけも
- こめえ
- 細かい「そんなこめえこというなさ(そんな細かい事言うなよ)
- こめえ
- 1.[古米]古米[こまい、とも言う]
2.細かい米,くず米,こま米
- こめえもん
- 1.こまかいもの
2.細米,細かい米,くず米
- こめぜえ
- 割れた米,砕けた米,砕米
- こめぜえもち
- こめぜえを蒸してついた餅
- こめむし
- こくぞうむし
- こもち
- うるち米の粉の多い餅[以前は細米(割れたり良くない米)を粉こ擦って蒸して餅こ混ぜてついた]
- †こもり
- (お寺・庚神講等への)おこもり,参籠(さんろう)
- †こりかす
- 懲りさせる
- こりこりにする
- くりくり坊主にする
- こりゃせん
- 来ない(=きいせん,くりゃせん)
- これだかや
- これだったっけ,これだったかな(→あれだかや)
- ごろ[←語聾]
- 1.おし[ちゃんとしゃべれない人](差別用語)
2.鳴かない蝉 雌の蝉
- こわす
- 1.(お金を)くずす
2.壊す[漂準語](→こぼす)
- こん
- 来ない[動詞の未然形の否定形「〜ん」を良く使う]「まだこん(まだ来ない)/じが、うきでてこん(字が浮き出て来ない)」
- こんげ・こんけー
- この位(→どんけー)
- ごんけー・こんけえ
- これだけで「こんけいでもういいわ(これぐらいでもういらない)」
- こんげな
- こんな「こんげなこと(こんなこと)」
- ごんごう
- 五合「酒の畳半分900cc]
- ごんごうびん
- 五合ビン
- 〜こんし
- 〜(は)こないし「あのもん、こんしー。(あいつは来ないねえ)」*連用形の意味の時と柊止形の意味の時がある
- こんだあ
- 今度は
- こんちゃー
- こんちわ,こんにちわ
- こんつめる
- 根を詰める,熱心にやる
- こんとき
- 1.この時(→そんとき,あんとき,どんとき)
2.来ない時「あのもんこんとき、おめいけさ(あの者が来ない時おまえが行け)」
- こんどんとき
- 今度の時
- 〜こんし
- 来ないし,来ないよ
- ごんぼー
- ごぼう[ごぼう、とも言う]
- 〜さ
- [接尾辞]
1.〜(して)くれないかなあ[特に、親しみを込めて子供以外の相手にやって欲しい事を述ぺる時に使う]「そうしんかさ(そういう事にしませんかね・そういう風にしませんかねえ)/そうしてくれんかさ(そうしてくれませんかね)/これ、やってくれさ(これをやってくれをいかなあ)」*尚、「これ、やってくれは、これをやれよ・やりなさい、の様なつっけんどんな感じを持つ
2.(特に子供に向かって)〜(しなさい)ね、よ「これ、やれさ(これをやれよ)」(→〜や)
- さあぶい・さあびい
- 寒い
†ざいごもん・ざいごんもん=ざいのもん
†さいのかみ→せえのかみ
- ざいのもん[在の者]
- 田舎の者,町以外の者[以前は相川以外の者](新潟:ぜえごもん)
- さえずる
- 女子供が(うるさく)おしやぺりをする
- †ざかざか
- 赤ん坊・子供のはう様「ざかざかはう」
- †さかさかだ
- 落ち着かない
- さかしい
- 賢い[←さかしら(古語:かしこい)から]
- さかじし
- 指のささくれ,指の親不孝
- さかしま
- さかさま[小佐渡畑野町山中に真野町飛び地有り。その中を他の川とは逆向きに流れる川を、さかしまごう(「さかしま川」の音便)と呼び、道に不
案内の者が良く迷う]
- さがった[下がった」
- (食べ物の味・品質が)悪くなった「このお茶、さがった。」
- さかてんぼう
- 全く反対のとんでもない事,有りべかざる事(=てんぽうげいな)「そのこと、さかてんぼうだ(そんなことはとんでもない)」
- さがねる
- 探す
- さがりや
- 神社の祭礼で神楽を奏したり、小太鼓や革だけの太鼓を打つ事、又その役目の子供10歳以下の二人以上の男の子が行う
- さがる
- 1.下がる[標準語]
2.悪くなる(→さがった)
- 〜さき
- 〜だから(→〜さけ)
- †さきあんじ
- 取り越し苦労
- さきいき[←先行き」
- さきゆき,これからの事将来
- さぎちょう[標準語?
- どんどやき(→とうろやき,とうろやさん)
- さきばしり
- おっちょこちょい,早合点(→しいなのさきぱしり)
- さくさくした
- 気さくな,(気持ちが)さっぱりとした「あごの、さくさくしたあんちゃん(あそこの気さくな若い者)」
- 〜ざくめに
- 〜だてらに,〜のくせに,〜の分際で「子供ざくめに(子供のくせに)」
- さぐりをいれる
- 黙って・ちょっと・内緒で調べてみる[標準語?]
- 〜さけ
- 〜だから,〜なので(=〜さき)「出るもん少ないさけ、でてくれ(出る者が少ないので出てくれ)」
〜さけえ=〜さけ=〜さけにゃ
- 〜さけも・さけえも
- 〜でさえも
- †さけよい
- 酔っ払い
- さげる
- 1.手に下げる持っていく,携える「にもつをさげていく」[標準語?]
2.御馳走・お膳等を片付ける[標準語?]
- さこー[佐高]
- 佐渡高校(→りょーこー,あいこーあかぷん,のうがっこう)
- ささくさ・ささくさと
- 急いで,そそくさと
†ささほうさ→ちゃちゃふうちゃ
- ささまき
- 端午の節句(等)の笹の葉で巻いた餅
- さしむき
- しぱらくは,まあ今の所は[標準語?]
- さす
- 重い物を持ち上げる・差し上げる「みこしをさす」
- さそいをかける
- 誘ってやってみるかどうか試す,手に乗るかやってみる
- さそうて
- 誘って,呼んで(=よぼって)「あこのもん、さそうていかんか(あそこの人を誘って行きませんか)」[さそって、とも言う]
さだおけ→さらおけ
- さーち
- 「皿十鉢?」おさら(小皿より大きい)「さーちのなかにはいってるわさ」(→さはち)
- さっくりした
- あっさりした,淡泊な「さっくりした奴だ」(→さくさくした)
- †さっこり
- [裂き織り]古い布を裂いて織った丈夫な布,財布・コースター等の工芸品にしている 以前は物を負う時、の着物に使った。今はさきおり、と言う
- さっちょう
- (仕事が)いいかげんだ「しごとがさっちょうら」
- さっと
- あっさりと,簡単に(=あっさりさっと)
- さで
- たも網
- さとい
- 鋭い,敏感な「目がさとい(わずかな事に気が付く見付けるのが速い)」
さどおけ→さらおけ
- さどもんろー
- 佐渡者達,佐渡人の島国根性[侮蔑的][佐渡十モンロー主義・者達]*モンロー主義アメリカの対外的無干渉主義
- さなか
- 最中[標準語だが臭く使う]
- †さはち
- おさら[本来は小鉢の事](→さーち)
- さびしねえ
- さびしい
- †さびり
- 話(→ええさべり)
- さぶい
- 寒い
- さぶさぶ
- 鳥肌
- ざぶざぶしとる
- 水がとても多くある
- さべっちょ
- おしやべりな人(→しやべっちょ げらつき)
- †さべり
- 話し,しゃべり
- さべる
- しゃべる,話す(→ええさべり)
ざまがない・ざまがねえ→ざまんねえ
- ざまがのううなる・さまのーなる
- (年老いたりして)気力体力が衰える
- ざまたれ
- 様,様子[卑語]「そのざまたれはなんだ(その様子は何なんだ)」
- ざまみい
- ざまみろ[ざ、にaccent有る事有り]
- ざまんねえ
- 力無い,金の無い,能力無い,根性無い,度胸が無い[ざ、にaccent有る事有り]「くってかかるざまんねえやつ(文句を言う度胸も無い奴)」
- さみい
- 寒い
- さみいねんや
- 寒いだろうが,寒いたろ
- さみしねえ
- 淋しい
- さむうて
- [←寒くて]さむくて〔音使〕[さむくて、とも言うが、むにaccent]
- さむけだつ
- ぞっとする,悪寒が走る
- みめる
- 1.(目が)覚める,(酔いが)醒める,冷める,褪せる(色褪せる)[標準語]
2.冷静になる(←1)[標準語?]
- さら
- 新しい物(→さらの)
- さらおけ
- 勝手にしろ,やめとけ,やらないでおけ「厭ならさらおけ」(=さどおけ さだおけ)[←沙汰置け?]
- さらぎ
- 新しい着物・衣服
- さらさらっと
- さらりと,あっさりと,いいかげんに[標準語?]
さらっと=さらりと
- さらの
- 新しい〜
- さらもん
- 新しい物,降ろしたての物
- されこうべ
- しゃれこうべ,骸骨
- ざれごと
- ふざけた事,冗談,馬鹿な事[標準語?]
- さろ
- 佐渡[近頃は余り聞かれない]
- さろもん・さろんもん
- 佐渡の人,佐渡者(→たびのもん)
- さんかくべと
- 頭が太きく三角形のはせ(→べとかじ)
- さんがんたろうた
- 素晴らしい,否の打ち所の無い,完全無欠の「さんがんたろうたものはいない(非の打ち所の無い完璧な者はいない)」<哩言>[さんがん(三関=耳・目・ロ)が足る、から]
- ざんぎりこうべ
- ばさっとした髪形[以前は子供の卑称]
- さんけもようだ
- 産気付く(→もようづく はらみもようだ)
- さんじます
- 参上します,参ります「いってさんじます(行ってきます)」
- さんじゃくもん
- [三尺物]とても大きく深い桶,便所のこえだめ桶(→はんぎり)
- さんでえもんでしとる
- 色々忙しくて気をもんで仕事がうまく働かない「あのいえはよめさんのことで、さんでもんでしとる(あの家は嫁さんの事ですったもんだしている)」
- さんとめ
- 縞の木綿,縞の木綿の服
- †ざんぶり
- とんぼ(→だんぶり・らんぶり)
- さんべじる・さんぺしる
- さんぺいじる[樽・鮭と野菜を入れて似た塩味の汁](→どんごしる)
- †さんぼし
- さんだわら 俵の両側をふさぐ物 藁で編んだ平らな蓋状の物 現在は俵は使わないので編める人も、知ってる人も減った
- 〜しー
- 〜(なの)で,〜(します)から「べんきょうやるし〜」[終助詞的に使う]
- 〜しい
- 〜しなさい「べんきょうしい(勉強しなさい)」
- しいえない
- [し(する)+え(得)+無い]できない「そんなことはしいえない」(=せええん)
- 〜しいしい
- 〜しながら「まえはこもりをしいしいべんきょうしたものだ(以前は子守をしながら勉強したものだ)」
- じいそく
- [植物名]つりがねにんじん(→じーそく・ばあそく・ばーそく)[←じいさんのそばかす]
- しいっぺえ
- 精一杯(→せっぺえ)
- しいな
- [標準語?]1.籾で中に実の入って無い米
2.脱穀してみて小さかったり細かったりする米 しいなまい
- しいなだんご
- しいなまい(しいな米)・くず米・こま米を粉に引いて団子にした物
- しいなのさきぱしり
- 人間の軽い奴は何をしてもおっちょこちょいだ、の例え
- しいばち
- お客に対し勧めて(特に無理強いして)食事をさせる事(→おしいばち)
〜じぇ→〜じゃ
- しええ
- (筋等が)堅くて噛み切れない(=しわい)
しええて→しおうて
- しええやつ
- なかなかへこたれない奴[悪口]煮ても焼いても頑張る奴「あいつはしええやつだ」
- じぇじぇ(真野)
- 魚[幼児語?][=じじ[真野]ぜぜ[佐和田])(→しじら)
- 〜じぇむ・〜じえむ
- [屋号]〜左ェ門「やじえむ(弥左ェ門)」(→〜ねむ・〜えむ)
- じぇん
- [←銭]お金(→つぶぜん つぶじぇん しんげぜん ぜん)
- じぇん
- [←膳]お膳(=おじぇん)
- じぇんらくな
- お金を出しても無駄な(=ぜんらくな)(→らくなに てまらくな)
- しおうて
- かたくて美味くなく、かみ切れなくて「これしおうてくえんちゃ(これは固くて噛み切れなくて食えない)」(=しわい)
- しおがあまい
- 甘塩の塩分控えた[標準語?]
しおたれ→しょうたれ
しおづかのぱあさん→しょ一づかばあ
- しおれる
- 1.(人が)元気を失う,萎れる「しおれたかお(元気のない顔)」
2.(植物が)萎れる[標準語]
- じかきむし
- [字書き虫](昆虫)みずすまし
- しかしか
- しっかり,しっかりと,ちやんと,真面目に「しかしかあるけ」
- しかしかしい
- しっかりしろ
- †しがねる
- 束ねる
- じぎい
- [←辞儀]遠慮・辞退[羽茂]「(祭り等で)まあ、じぎいするなっちゃ。」
- しきがたかい
- 敷居が高い,ちょっと行き着けない(=しきりがたかい)
†じきのぺもち→ばばづけもち
- しきり
- 敷居
しきりがたかい→しきがたかい
- じぎをきる
- お通夜・本葬の時に線香をあげてすぐ帰る・挨拶をする(→いろき)「お通夜の席で香典を持って行き、そうすると、『やしょくりょう』が貰える」
- しきをまたぐ
- 敷居をまたぐ[†しき=敷居]
- しこたま
- どっさり,沢山「しこたまもうけた」
じじ→じぇじぇ
- しーしー
- 汁
- しじこ
- 男性性器,男根[←支持根(?)・小さいすけとう鱈の卵巣(?)†『じじ・ぜぜ』は魚を意味する古い小児語。宮武骸骨の卑猥語辞典に有り](→だつ、べべ)(⇔おそそ)
- しーしーまま
- 汁掛けご飯
- しじゅう
- [魚名](岩場にいる青黒い)あいなめ・くちめ *どもしじゅう、とは異種
- しじら
- 大きな魚(→じぇじぇ)
- しずかでしたねえ
- ゆっくりでしたね,遅かったね
- しずかに
- ゆっくりと「しずかにあがってください(ゆっくり召し上がって下さい)」[よそから来た人がこう言われ、無言で食べた、というのはよく有った実話](→あがって)
- じーそく
- [植物名]つりがねにんじん(→じいそく ばあそく ばーそく)
- したじ
- 味噌汁(=おしたじ)[したじ、は元は醤油の事。おひたし、ではない]
- したす
- [←浸す]ひたす,水に付ける
- しただみ
- 磯辺にいる貝で、3cm位までの、小さくて黒く、貝殻に角の無いつるっとした貝[しりたか・いわぐろ・めさくり等を言う。塩茹でにして楊枝で食べる]
- したてる
- 作る,あつらう,あつらえる「ふくをしたてる(洋服を仕立てる)」[標準語?]
- したべら
- 舌,べろ(→べら)
- したる
- [←滴る]したたる,水が垂れる
- じっこんに
- 懇意に,親しくして[標準語だが良く使う]「じっこんにしとる」
- しつけなし
- 無作法な,無作法者「あいつはしつけなしだ」
- †しっぽ
- びり,最後(→げっと)
- しっぼをつかむ
- 正体を掴む,化けの皮を剥ぐ[化けたむじなも尻尾は有る、つまりむじなは化けても尻尾は付いたままで隠せないとの事]
- しでかす
- (良くない事を)やってしまう
- しといてし
- ておいて[標準語?]「それ、しといてくれ(それをしておいてくれ)」
- †しとつく
- 湿っている
- しとついとる
- 湿っている「洗濯物がまだしとついとる」
- しとる
- している「なにしとるかさ(何をしているのか)」
- 〜しな
- 〜の時、ぎわ「行きしな/帰りしな」
- しながわるい
- 物が悪い,人柄が悪い
- しなしな
- そろっと,そろそろと,ゆっくりと「しなしなあるけ(ゆっくり歩け)」
しなっと=しなしな
しなりと=しなしな
- しにがね
- 無駄な金
- しにば
- 臨終,死ぬ時「しにばにたちおう(臨終を見届ける)」
- しぬっちゆうめにあう
- 死ぬ程の恐ろしい目に会う[比輸]
- しのうても
- しなくても「それはしのうてもよいっちゃ(それはしなくても良い)」(→せんでも、のうても)
- しばたけ
- [きのこ名]あみたけ[新潟:ぬのめ](→みみ)
- しばつかせる
- (涙を流しながら)目をしばたかせる・ぱちぱちする
- しびてー
- 冷たい「しびてービール、のみてーなー(冷たいビール飲みたいな)」[←しみどうふ(凍豆腐)のしみ(凍る)?冷たくなった、しびと(死人)から?]
- しびと
- 死体,死人
- しびといろ
- 死体の様な厭な色[青黒い色?]
- しーぴぴ・しーびび
- [植物名]烏野豌豆(からすのえんどう)[黒い豆のさやをこすって産毛を取り、切って口に当て、笛のように吹く。その音から。]
- じぶじぶ
- 水しみ出でる様,ぐちゃぐちゃ
- しぶちん
- けちな人
- しぶとくさい
- 厭な臭いのする(死人(?)・人を焼いた時の臭いからか?)
- じふぶき
- [地吹雪]一端降った粉雪が強風に煽られて吹雪になる事 佐渡では年に3−4回起こる
- 〜じぶん
- [時分]〜位に,頃「6時40分じぶんにバスが来る」[古い標準語、良く使う]
- じべた
- 地面
- しまう
- 終わりにする[片付けるの意味では無い]「仕事をしまう」[しもう、とは異](→しもう)
- じまんこく
- 自慢する
- しみたれ
- 意気地無し,けち
- しみつく
- 凍り付く
- しみとる
- 凍り付く,凍ってる
- しみる
- 凍る「地面がしみとってやああ、おそんげえ、ようあるかん(地面が凍っていて怖い、いやだなあ、うまく歩けない)」[長野のしみどうふ(凍り豆腐)のしみもこれと同じ](→しびてー)
- †しみわたり
- 凍った所を歩く事[二月中句以降、雪が消えてから朝晩は冷え込み0゜C以下になり、雪が積もっている時 行けなかった所に行けるようになる]
- しめえ
- しまい,終わり,最後片付け(=おしめえ)(→おしめなしゃましたか)
- しめえあわん
- [←仕舞合わない:仕舞の節と踊りが合わない](ちゃんと)終わらない[〆が合わないではない](=しめえおわらん しめんおわらん しめんあわん)[しめえおうた、からの転](→しめえおうた しめんおうた)
しめえおわらん<同上>
- しめえおうた
- (田植えや稲刈り等の)仕事がちやんと終わった大仕事が柊わった(=しめんおうた)「しめえおうたさけ、いっぱいやらんか、なんかやらんかさ(大仕事が終わったので酒でも飲みませんか、何か楽しい事でもしましょう)」[しめえ、は、しまい(仕舞:能のお囃しを伴わないシテ一人で舞う略式の舞)の事]
- しめえおうたか
- 上記、の疑間
- しめえにゃ
- しまいには
- しめがおうたか
- (仕事が)終わったか(→しめえおうたか)
- しめし
- (赤ん坊の)おしめ,おむつ
- しめす
- 水で濡らす,ひたす,湿らせる
しめんあわん→しめえあわん
しめんおうた→しめえおうた
しめんおわらん→しめえおわらん
- しもう[←仕舞う]
- 1.しまう 終わりにする,済む「はややってしもうぞ(すぐにやってしまうぞ)」
2.死んだ「あのもん、しもうてすんだ(あの者は死んでしまった)」(→しまう)
- しもうた
- 1.(〜して)しまった(=すんだ)「はややってしもうた(もうやってしまった)」
2.しまった,失敗した,へまをしてしまった(=しもた)
3.(店・商売を)止めた,閉店した「あのみせ、しもうてすんだ(あの店は止めてしまった)」 *『しもうた』で『死んだ』の意味は余り無い
- †しもうていく
- あの世に行く,死ぬ「だんだんしもうていかんならん(人は段々、死んで行かなければならない お迎えは来るもんだ)<軽く冗談めいて言う>
- しもた
- しまった,失敗した(=しもうた)
- 〜じゃ・じゃあ
- 〜だ(=〜ちゃあ,〜じぇ)「しらんじゃあ(知らないよ)」[新穂]
- しゃく
- [杓]ひしゃく
- しゃくし
- しゃもじ
- じゃけんにする
- [邪険にする]辛く当たる,いじめる
- しゃごなる
- 1.†うずくまる,しゃがむ(→ちょこじ)
2.顎・が出る,疲れ切る,へとへとになる「いけえしゃごなった(とても疲れた)」
3.手も足も出ない敵わない
- しゃし
- 目の視点が合わない事その人,薮睨み,乱視(=ろんぱー)(→すがめ) *目が悪く、目を細める事では無く、左右の目の視点の方向が一致しない事・人の事
- しゃちこばる
- こわばる,体が固くなる,緊張する
- しゃっきんをなす
- 借金を返す
- しゃっつける
- 1.ごちんと頭をこずく,叩く,[新潟も同]
2.やっつける
- †しゃっぽぬいだ
- 降参した[標準語?]
- しゃば
- この世,世間,世の中[標準語だが良く使う]
- しゃばんこと
- この世の事,一般的な事
- じゃびとる
- 雪がぐちょぐちょになる
- じゃぶじゃぶ
- [雪の状態]ぐちょぐちょ
- しゃべっちょ
- おしゃべりの人(→さべっちょ げらつき)「あいつは、しゃべっちょら(あいつはおしやぺりだ)」
- じゃれこうべ
- 馬鹿野郎,この野郎(=やろこうべ)[佐和田]
- じやん
- じいさん
- 〜しゅう
- [〜の衆」〜の人達「そこんしゅう(そこの人達)/おなごしゅう/おとこんしゅう」
- しゅうじ
- [小路]小道,路地[屋号として良く有る](=しょうじ)
しゅうしねえ→しょうしねえ
- しゅうず
- †清水,泉[屋号に有る]
- しゅうとかか・しゆうとかあさん
- 姑,姑のぱあさん
- じゅうになる
- 炭等が燃えて自くなる「火がじゅうになる」(→ぼやずみ)
- じゆうにならん・じゅうにならん
- 手に負えない,どうにもならない,もう駄目だ「あの生徒は勝手な事ばかりしてじゆうにならん」
- じゅうにんなみの
- 人並みの,普通の[標準語?]
- しゅび
- [首尾]出来具合[標準語(?)良く使う]
- 〜じょ
- [幼児語?]〜(だ)ぞ(→じえ、ちゃ、じゃ)
*「じぇ」は子供に言い間かせ念を押す時に使い、「じょ」は子供達が使うかわいらしい使い方の語である、との説(?)有り。漫画『おそ松君』のキャラクターの、はたぼう(旗坊?)の語尾と共通。尚、この語尾は昨今余り間かれない.また、じゃ・じえ・しょ・ちゃ・ち、の各語尾は混用されうる。
- しょう
- 〜の人「いいしょうだ(いい人だ)/わるいしょうだ(悪い人だ)」(←しょうてえ)
- しょうこくぱしら
- [小黒柱?]玄関入って向かって左に大黒柱が有るが、右に有る大黒柱の三分の二程の幅の大きな柱の事 大黒柱の向かいになる奥の柱[大黒柱が二本有ると家が潰れるとの事 男二人の主人の意味か](→だいこくばしら かもえづくり)
しょうじ→しゅうじ
- しょうしがる
- 恥ずかしがる
- じょうしゅびだ
- 上首尾だ[標準語(?)良く使う]
- しょうしねえ
- 恥ずかしい(=しゅうしねえ)[しょうしい:新潟]
- じょうじゅうぎ
- 普段着(→ちょこちょこぎ)
- じょうずごしらえ
- 相手をうまく丸め込んで否応無しに押し付ける事
- じょうずんもん
- お世辞のうまい者
- じょうだ
- [←上?・定?]1.†上等だ
2.当然だ,定めだ[それでじょうだ、で使う]「まえからのむくいで、おめえようもんはそいでじょうだ(前からの報いで、お前の様な者は、それで当然だ・それで上等だ・そんなものでいい)」
- しょうたれ
- だらし無い,不精な,だらし無い者,きちんとして無い「あのもん、しょうたれだ(あの者はだらし無い奴だ)」[←塩垂れ?海女等の海から上がった体を言うとの事だが良く判らない。なお、『こびしょげ』は、きたない(だらし無くて汚い)の意]
- しょうたれげな
- きちんとして無い,だらし無い[『一げ』は『一の様な』の意味]
- †しょうたれもち
- [佐渡南部地方](=ぱぱづけもち)
- しょうてえ
- [←正体]人の性格・性質・根性
- しょうてえがわるい
- 性格が悪い,意地が悪い
- †しょうべんする
- 約東を反古にする例え
しょうもねー→しょんねー
- じょうやど
- いつも泊まる宿[新潟市内に有る事が多い]
しょうねー→しょんねー
- しょうねがくさっとる
- [性根が腐ってる]たちが悪い[標準語だが良く使う]
- しょうねがわるい
- [性根が悪い]たちが悪い
- しょうねなし
- [性根無し]いくら言っても言うことを聞かなかったり忘れたりして過ちを操り返す者しょうがないやつ,根性無し「あいつは、しょうねなしやなあ」
- しょうべえ
- 商売
- しょうべえなし
- 無職・失業中(の人)[怠け者、という意味は無い]
- †しょうべんする
- 一度約束したものを一方的に反古にする
- †じょうめいり
- お堂参り[畑野町小倉でお堂の石碑を廻る宗教行事が有った][霊場参り、からか(?)]
- †しょうよう
- 小便[††だいよう(大便)]
- †じょうり
- 草履(→あめんかわじょうり わらじょうり)
- しょくがすすむ
- [標準語だが良く使う]
- しょさ
- [所作]行い[標準語?]
- じょさいない
- [如才無い]1.手抜かりない気が利く[標準語?]
2.気遣いの無い,気の良い[標準語]
- じょさいなしに
- 1.手抜かり無しに
2.†無遠慮に
- しょさがいい
- 格好がいい,スタイルが好い
- しょさをつける
- かっこつける
- しょしょほうぼう
- [所々方々]あちこちいたる所で[標準語だが良く使う]
- じょたじょた
- 水等で濡れた様「おしめがじょたじょたしとる(おしめが濡れている)」
- じょたになる
- ずぶ濡れに為る事
- じょたぬれ
- ずぶ濡れ「あめでじょたぬれだ(雨でずぶ濡れだ)」
- しょーづかばあ
- [塩塚の婆(誤)←葬頭河の婆]白髪で双発(ざんばら髪)、大きな口で、手に乗る位の大きさの気持ち悪い姿の人形の名。真野町、含沢地区のお堂に石地蔵と共に祭られている。塩沢の婆さんの本来の名は、幽冥界の入り口、三途の川、正式名称は葬頭河(そうづか)にいる二毛鬼の一人、葬頭河婆(そうづかばあ)で、脱衣装・奪衣婆の事。亡者の衣類を奪う鬼婆。相模・武蔵にも有るとの事。[葬頭河に居るもう一人は懸衣翁(けんえおう)で衣領樹の枝に死者の衣服を罪の低昂により懸ける(地蔵菩薩発心因縁十王経)。ちなみに懸玄翁の像はどこにも見受けられないとの事]
- †「しょーづかばあ、来たぞ」
- [悪い子を怖がらせ、諭し脅し戒める言葉」
- しょっぺえ
- しょっぱい,塩辛い
- しょびんだ
- 小さい,貧弱だ,小作りだ
- しよる
- 〜をしている(→〜よる)
- †じょれん
- 竹や針金等で編んだ川の砂利・砂を掻き集める道具[標準語?]
- しょろ
- [植物名]棕櫚(しゅろ)[棕櫚の繊維で紐を編んだ 商売にしていた者もいた]
- しょろ
- [きのこ名]しょうろ(佐和田町八幡地区に多く出る](→みみ)
- しょろしょろびんぼう
- 段々貧乏になって行く事[棕櫚の木が玄関先に有ると段々貧乏になり縁起悪い、との言い伝え有り][真野地区]
- †じょろし
- 女郎,売春婦,囲い者
- しょろっぽ
- [←千六本]千六本線の様に薄く切って、小さく長四角にした大根(みそ汁等の具にする)
- †じょんごろべ→おんぐるべー
- しょんねー
- しょうがない,しょうがねー,しょうもない
- †じらかす
- [焦らす]じらす
- しらかみ
- 白い紙「しらかみ渡してかかせんと(白い紙渡して書かせないと)」
- †しらげえ
- 白粥(→ちゃげえ)[両津方面」[しらがゆ、とも言う」
- しらん
- 知らない
- しらんかおだ
- 知らない人だ「あれはしらんかおだ」
- しらんぞ・しらんちゃ
- 知らないぞ「そいは、しらんぞ(それは知らないぞ)」
しらんもん=しらんかお
- †しり
- 女性性器(→べべ おそそ)
- しりんけ
- [←尻の毛]陰毛[以前は女性性器・女性の陰毛を指したとの事 男の物は含まれない]
- しれたもん
- [←知れた物]
1.†想像するのが簡単な物,たいして難しくない物
2.くだらない物,たいしたことない物「そんなことはしれたもんだ」
- しれる
- [知れる]知られる「まわりんのもんにしれるとこまる(家の周りの人に知られると困る)[*結構佐渡の人は悪い噂を気にする。また、体面を重んじる]
- しれんしー
- 〜かもしれないし「いくかもしれんし、いかんかもしれん(行くかもしれないし、行かないかもしれない)」
- しろうま
- [白馬]酒を呑む時の自いぐい呑み[白馬、という銘柄の濁り酒有り]
- しろまま
- 白いご飯(=まま)
- しわい
- 噛んでも固くて噛み切れない(→しおうて しええ しええて)「この干し芋、しわくてくえん(この干し芋は固くて噛み切れなくて食えない)」
- しんきい
- 気違い,狂人[蔑称]
- †しんきくせえ
- うっとうしい,気が晴れない,重苦しくて厭な,したりするのが厭な
しんきな=しんきくせえ[標準語?]
- じんぎり
- つむじ(=ぎりぎり ぎんぎり)
- しんげぜん
- たんす等に入れてとっておいたり蓄えておいた現金,へそくり[郵便貯金等は入らない][†しんげ・しんげえは私事の事」
- しんげする
- しんげぜんを貯める「しんげしとった(お金をへそくりしていた)」
- しんこ
- 米の粉に少し砂糖を加え練った生地に、食紅で赤・青・黄・緑等の色を着けて練った物を各場所に充てて、しんこのかた(おこしがた)に入れて押し固めて出した餅状の物を蒸した物(→おこしがた しんこのかた やせごま)
- しんこのかた
- 『しんこ』を作る時の型[日の丸の扇子、鶴や亀・松の木等をあしらっためでたい物]
- †しんぜる
- 神仏に供える[古い標準語:差し上げる]
- じんた
- 小鯵
- 〜しんで
- 〜しないで「しんでいい(しなくて良い)(=やらんでもいい)」*しんでいい、は死んで良い、の意味accent注意
- 〜しんと
- 〜しないと,しておかないと[国仲]*〜の部分には、形容詞連用形が入る「奇麗にしんと・うつくしくしんとだめらっちゃ(奇麗にしておかないと駄目だ・奇麗にしておけ)」
- †しんとう
- 芯,中心「あたまのしんとうがいたい(頭の芯が痛い)」
- しんばりこう
- しんぱり棒を閉める(=せんばりこう)(←てんばり)
- しんぼとけ
- 新しく死んだ人(=にいぼとけ)(→ゆかん)
- しんるち
- 親類[親類内(しんるいうち)、から」
- すいい
- 酸っぱい
- すいか・ずいか
- [植物名]ぎしぎし[食べる事も出来る」(→すっぽん はずいか)
すいこ=すいか
- すいたらしい
- (男の)魅力のある,いい男の
- すいっちょん
- うまおい[昆虫名][標準語?]
- すいて
- すくって[すく(すくう)、の連用形]「すいていれる」
- すいば
- 1.†(=すっぽん)[混同?]
2.杉の葉
- すいもんもち
- 餅の入った雑煮(→あんもち)
- すうっと・すうーっと
- 静かに,ゆっくりと,落ち着いて「すっとたべんしや(静かに食べなさいよ)」[佐渡弁の『しずかに』は、ゆっくりと、の意味](→しずかに)
- ずうてえ
- [図体]ずうたい「ずうてえばっかおおきくて、やくにたたん(図体ばっかり大きくて役にたたない)」
- すえる
- 供える[標準語?](→しんぜる)「仏壇にはなをすえる」
- †すかす
- なだめすかす「泣く子をすかす」[標準語?なだめすかす、が今は一最的]
- すかす
- 減らす,間引く「大根菜をすかしてきた」
- すかすかする
- 寒い「体がすかすかする」
- すがめ
- 目を細める(目を細めて人を見る)斜視(→しゃし ろんぱー)
- すかん・すかんちゃ
- 嫌いだ,好きではない,厭だ
- すかんたらしい
- 嫌いな,厭な
- すかんぴん
- [素寒貧]貧乏,金欠,無一物
- すかんぽ
- [植物名]いたどり(=ぽんぽんずいか)[茎の所を析って皮を剥ぎ食べる。少し酸っぱいがそれが喉の乾きを押さえ美味 すいか・はずいかとは異種]
- すく
- (ざるなどで)すくう
ずくがない=ずくなし
- ずくなし
- 怠け者,根住無し,精気の無い者
ずくなしもん=ずくなし
- すくのうて
- 少なくて「きゅうりょう、がく、すくのうてだちかん(給料の額が少なくて困る)」
- †すぐった
- 選りすぐった[今は『えりすぐった』が普通]
- すぐる
- 選りすぐる,より分けて選ぷ
- すぐりわら
- 藁くずを取った藁,藁工芸品を作るためにすぐった藁(→たたきわら)
- すけそう・すけそうだら
- [魚名]介党鱈(すけとうだら)
すけと・すけとう<同上>
- すけとからやき
- すけとう鱈をからやきしたもの 味付け無し
- すけとのよめいり
- (雌のすけとう鱈の様に腹が膨れて)腹に子供を宿して嫁入りすること[近頃流行り(多発)]
- すげない
- 無愛想な,無情な,さらりとした
- すげなく
- 無愛想に,無情に,さらりと
- すげる
- 着け替える「げたの鼻緒をすげる」
- すこ
- スコップ,シャベル(大きな物)
- すこうべ
- 1.丸めた頭・頭髪
2.†何も被らない頭
- †すこび
- 野兎の罠[雪の積もった日、投げ縄状の物を兎の足跡に仕掛ける(兎はいつも同じ通り道を走るので)近年、野兎は減った]
- †すたこたいう
- つべこべ言う
- すたこらにげる
- とっとと逃げる[標準語?]
- ずっこむ
- 鍬(くわ)や鋤(すき)で田畑の土の中に肥料を入れる[すきこむ、とも]
すっと→すうっと
- すっとこすっとこあるく
- すたすた歩く[急いだり速く歩く様]
- すっとなる
- 1.軽くなる「薬を飲んですっとなる」
2.さっぱりする「床屋へいってすっとなった」
- †すっぱり
- すっかり,全く「すっぱり縁切った」
- すっぽん
- [植物名]いたどり[茎を皮を剥いで食べる.酸っぱい]
- すてくされる
- やけになる
- 〜すな
- 〜するな「けんかすな(喧嘩するな)」
- すなごむ
- (インク等を消す)すなけしごむ
- すなぶる
- なめる,しやぷる「骨まですなぶる」
- すねる
- 1.拗ねる,臍を曲げる[標準語]
2.瓜類・果物が取り損ねて大きくなり過ぎる・ひねくれる(→ひねる)「すねたなす(曲がった茄子)」*ひねたなす、きりょんわるいなす、ともいう
- すべ
- [術]やり方,方法,訳,理由[古い標準語]「やるすべはしっとる(やり方は知ってる)」
- ずべくる
- 言い訳をする,言い逃れをする[=††ずべこべいう]
- すべてい
- 冷たい(=しびてえ)
- ずべらっこい・すべらっこい
- 滑らかな,すべすべする,つるつるする
- ずべり
- [きのこ名]ぬめりささたけ[佐渡の人は好んで食べる](→みみ)
- すべりごく
- 滑り競争(→〜ごく はしりごく くいごく)
- すぼねる
- すぼめる「かさをすぼねる(傘をたたむ)」
- ずぼらこく
- 怠ける,ずぼらにする
- †ずまんなか
- どまん中,真ん中(=††ずなか)
- すむ
- 終わる,やる,しまう「やってすんだ(やってしまった)/くうてすんだ(食ってしまった)」(→やってすんだ)
- ずや
- 咳[以前は喘息、の事]
- ずやがでる
- 咳が出る,目やにが出る(?)[→やにがでる]
- ずりおちる
- (悪態に)落ちる
- ずりこき
- ずるをする人,怠け者
- すりばなしじる
- 魚の擦り身を団子にして入れた汁
- †ずりびんこう
- 剥げ頭,額が剥げ上がった頭
- ずる
- 1.(上から下の方に)ずれる,滑る,崩れる[国仲]
2.(上下左右に)移動する,動く[羽茂]「家をずらした(家ごと移動した)」
- ずるこく
- [←狡]ずるをする,怠ける
- ずるずるべったり
- (だらし無く)そのままになって[標準語?]
- ずれっこう
- (子供・女の)暴れ者,おてんば「女のくせに、ずれっこうな」
- †ずろ
- ずる(→ずろやみ)
- ずろがいてえ
- ずる休みしたい
- ずろやみ・ずろうやみ
- 怠け者「この、ずろうやみが」(→だおもん)
- 〜(して)すんだ
- すむ,の完了形(→すむ)
- †ずんべらぼう
- 1.[妖怪名]のっぺらぼう[昔話では、のっべらぼう等の妖怪はむじなの化けた物]
2.†締まりの無い事,だらし無い事,つるんと平らな事
- せえ
- 亀の手[みそ汁にする所有り 栄養が有って、『せい』がつくとの事]
せええっぺえ→せえっぺえ
- せええん
- できない「それはせええん(それは出来ない)」(→しいえない)
- せえから
- それから
- せえくがはやい
- [細工が速い]仕事が速い
ぜえご=ざいご
ぜえごもん=ざいごもん
- せえづちあたま
- 頭のでかくて体の小さい人[槌を立てた形から](=はっしゅこうべ)
- せえっぺえ
- 好きなだけ,精一杯,幾らでも(=せええっぺえ せっぺえ ちからいっぺえ しいっぺえ)
- せえなご・せえなごいか
- やりいか
せえぬきたろう→せーぬきたろう
†せえのかみ=さいのかみ
- せえへん
- しない,して無い(→せええん)
- せえも
- 〜(で)さえも「ゆうとうせいでせえもできん(優等生でさえも出来ない)」
- せかす
- 1.急がせる[標準語?]
2.からかう,馬鹿にする,冷やかす
- †せかせる
- 急がせる[標準語?]
- せかつく
- せかせかする,急ぐ[標準語?]
- せく
- 急ぐ[標準語?]
- せこせこする
- こせこせする,せかせかする,忙しくする「†せこせこ貧乏のっとり果報(哩諺)」
- †せこせこびんぼう
- こせこせと働きながらも貧乏の事
- せしなげ
- 下水の水,どぶ水,えみぞ(下水溝)の中を流れる水底等に少し溜めて置いた・下水の水[以前は台所の流しから流した水を小さな溜め池に溜めておきその水を植物にあげたり流したりした](→えみぞ)
ぜぜ→じぇじぇ
- ぜぜり
- 唖 話しは出来るが話す言葉が意味不明で訳の解らない者(差別語)
- せちからい・せちがらい
- つらい,厳しい(世の中等が)せこくて厳しくてやるにやっていけない,やりきれない[標準語?良く使う]「せちがらいはなしだ(やり切れない話だ)」
せちかれい・せちかれえ・せちがれい・せちがれえ=せちからい
- †せっき[節季]年の暮れ,大晦日
- せっきかんじょう・せっきばらい
- [節季勘定・節季払い](お店等につけておいた)年末勘定
- せっしょうな
- かわいそうな,ひどい,ひどくて辛い[標準語?良く使う](→せつねえ もつけねえ)
せっぺえ→せえっぺえ
- せつねえ
- 苦しい,辛い,せつない,やり切れない
- せともん
- [瀬戸物]陶器(の総称)(→かぶとばち,かぶとざら,さーち,てっしょ)
- せなこうじ
- 物を負う時に背中に当てる長四角で藁・裂き織り裂の背当て
- 〜せなんだ
- 〜しなかった「勉強せなんだ(勉強しなかった)」
- 〜せにゃ
- 〜しなくては「勉強せにゃならん(勉強しなくてはならない)」
- †せーぬきたろう
- [虫名]1.全体は灰色がかり、薄い焦げ茶の汚い斑の入った、体に突起のある10cm位の気持ち悪い太きくて太い毛虫
2.梅桃に着く、細くて茶色っぽい黄色の体長5、6cmの毛虫
- せべんとう
- 猫背,猫背の人(=べんとう)[新潟:せぼんこ]
- せわしない
- とても忙しい,せわしい[標準語?](→かちくるうて)
- せわんねえ
- [←世話無い]
1.何でも無い,どうでも無い,造作も無い簡単だ 2.どうしようも無い,困ったな[独り言的]
- せん
- [先]以前,前「せんのこと(前の事)」
- 〜せん
- [助動詞・未然形接続]〜(し)ない「いわせん(言わない)/はなさせん(話さない)/こうたりせん(買ったりしない,買わない)/そのもの、とらせんちゃ(そんな物は取って無いぞ)」(←せぬ)*〜えん、は出来ないの意味
- ぜん
- [銭]ぜに,お金(→しんげぜん)
- 〜せんか
- 〜しないか,〜しませんか「スキーでもせんかさ(スキーでもしませんか・行きませんか)」
- せんか
- 背中「せせんか、いてえ、やぁ(背中が痛い、厭だな)」
- ぜんかねの
- [銭金の]金銭での「ぜんかねの間題ではない(金を払えば済むという問題では無い)」
- ぜんからさき
- [←銭が先]金第一,先立つ物は金,がりがり亡者,拝金主義者「あのもんは、ぜんからさきだ」
- ぜんかんじょう
- [銭勘定]お金の勘定・計算「おまえはぜんかんじょうもできん(お前は金の勘定も出来ないのか)」[人を馬鹿にする言葉]
- †せんき
- せんのむし(また、その虫が起ごす急な差し込むような)腹痛[庚信信仰で天帝に人の悪事を述べに行く虫]
- †せんきやみ
- せんのむしを持ってる病人
- せんさくする
- [詮索ずる]あれこれ調べる・嗅ぎ廻る[標準語だが良く使う]
- 〜せんし
- 1.〜しないので
2.〜しないんだ[終止形の意味][平accent]「あそぱせんし・あそんだりせんし(1 遊んだりしないので・2 遊んだりしません)/そのことせんし/カラオケせんし」
- †せんせいさん
- 先生[呼称]
- †せんち
- [雪隠]トイレ,雪隠
- 〜せんでも
- 〜しなくとも(=〜しのうとも)
- 〜せんと
- 〜しないと(=〜しんと)
- 〜せんな
- 〜しないな「もうこんな事はせんな(もうこんな事はしないな)」
- せんばり
- しんばり棒,しんばり(→てんばり)
- せんばりこう
- 家の内側からしんばり棒で戸を閉める(=しんばりこう)
- ぜんびちゃりだ
- 金を捨てたも同然だ(→びちゃる)
- ぜんめえ
- ぜんまい
- ぜんらくな
- お金を出しても無駄な(=じぇんらくな)(→らくなに てまらくな)
- 〜ぞ
- 〜か,〜かさ,〜や[反語]「そんなことがあろうぞ(そんな事が有るのか、有る訳無い)」
- そい
- それ「そいはしらんぞ(それは知らないぞ)」
- そいから
- それから
- そいさけ
- そうだから,そうなんで「そいさけいったねー(<注意等に>そうなんで、言っただろ)」
- そいし、
- それだから
そいっちゅうても=そいても
- そいっちゅうもん
- そういう物
- そいっちゅうもんさけ(え)
- そういう物なので
- そいで、
- それで
- そいでじょうだ
- それで当然だ(=それでじょうだ)(→じょうだ)
- そいても
- そう言っても(=そいっちゅうても そう、ゆうても)「そいてもちがうし(そう言っても違うぞ)」
- そいでも
- それでも
- そいでもって
- それでもって
そいのんか(=そういうのんか)
- そいもん
- そういう物,普通の事,常識の物事
- そいもんさけえ
- そういう物なので(=そいっちゅうもんさけえ)
- そいもんし
- そうなんで,そうなので,そうだから
- そいんだけも
- そうなんだけれども
- そいんだっちゃ
- そうなんだよ,そういうものなんだよ[少し強い意味]
- そういうのんか
- 1.そうなのか
2.そういうものなのか
3.そう言うのか
- そうかもしれん
- そうかもしれない(=そうだかもしれん)
そうきも(→そうだきも)
- そうけえ
- そうかい,そうなのかい,ヘーそう。
- そうさけ
- そうなので,それだから「そうさけ、はよこい(そうだから速く来い)」
- そうだかもしれん
- そうかもしれない
- そうだけも・そうだきも・そうきも
- そうだけど,そうだけれども
- そうださけ・そうださけにゃ
- そうだから(=そうさけ)
- そうだし
- 1.そうなんだ[終止形]
2.そうだから[連用形](=そうさけ)
- そうだっちゃ
- そうなんだよ(=そうだし 1 そうっちゃ)
- †そうとめ
- [←皐月乙女]さおとめ,田植え女
- そうのこうの
- あれこれと,ああのこうの,ぼやぼやと「そうのこうのしとるうちに(あれやこれやしている内に)」
- そうめんどじょう
- 小さいどじょう[大きなどじょうよりおいしいとの事。土用の丑の日には、鰻ではなく、どじょう汁・どじょう鍋を食べる者多し]
- そうや
- そうだ,そうだよ[相手への同意]
- ぞうよ・ぞうよう
- [雑用(?)]出費,雑費
- ぞうよかかる・ぞうよんかかる
- 出費が掛かる,金が掛かる
- ぞうよな
- 強情な,手の懸かる「ぞうよなこでだちかん(手の懸かる子で困る)」
- ぞうよら
- 強情だ[断定]「あのもんはぞうよら」
- そうらきも・そらきも
- そうだけど[き、にaccent有る事有り]
- そうらみい
- それ見ろ,それ見なさい「そうらみい、いわんこっちゃない」
そうらみてみい(=そうらみい それみい そーらみい)
- そうれい
- [葬礼]葬式
- そえる
- 1.入れる「こんこなかまにそえてやってくれ(この子を仲間に入れてやってくれ)」
2.(男女を)めあわせる[そわせる、とも言う]
- そくせ・そくせい
- 無事な「あんた、そくせらけ?(あなたは元気ですか)」<挨拶>
- そげえ
- そんなに「そげえひどいんか(そんなにひどいのか)」
- そげん
- そんな
そげんこと=そのこと
- そこここ
- あちこち,あちらこちら,所所で
- そこへいくと
- そういうことについては,そういうことには[標準語?]「そこへいくと佐渡は呑気なもんだ」
- そこへもってきて
- それに加えて,その上に[標準語?]
- そこらあたし・そこらたし
- そこらあたり
- そこん〜
- そこの〜「そこんとこ(そこの所)/そこんもん(そこの者・物)」
- †そそ
- 女性性器,女陰(=おそそ)(→べべ)
- そそける
- 炉(いろり)等の火を掻き起こす(=ほぞける)
- そっくら
- そっくりそのまま,そっくり,みんな「そっくらもってきた(そっくり全部持って来た」
- そっと
- そのまま,そっと[標準語?]
- そっぱ
- 出っ歯[←そった歯、からか]
- †そっぷ
- スープ[明治期の日本語]
- そっぺもねえ
- 素気も無い,愛想も無い「味もそっぺもねえ(味も素っ気も無い)」
- そっぽむく
- 気にいらなくて背を向ける,機嫌が悪くて取り合わない・無視する[標準語?]
- そでをとおす
- シャツ等を初めて着る「これはそでをとうしておらん、さらだ(これはまだ着た事が焦い)」(→きおろし さらだ)
- そのくれえ
- その位(=そんくれえ)[平accent]
- そのこと
- そんな事「そのことゆーなさ(そんな事を言うんじゃない・そんな事を言うなよ・言わないでくれ)/そのことゆーかさ(そんな事を言うのか[意外])」(→そのんこと そげんこと そんこと)
- そのてはくわん
- その手は食わない「いかんてはくうても、そのてはくわん(いかの足は食べてもその手は食わないぞ」<戯れ言>
- そのめえ
- その前(→めえ)
- そのようもん
- その様.な者・物(→おめえようもん)(← 〜ようもん)
- そのん〜
- そんな〜
- そのんげえだ
- そんな様,だその様だ,そんな感じだ,そんな風の事だ,そうらしい
- そのんこと
- そんな事(=そのこと)「そのんこと、せんわさ(そんな事はしないよ)」
- そばずえくう
- 周りに居たので迷惑を被る[古い日本語?]
- そーらみい
- そらみそ(=それみい)
- そやす
- (赤ん坊・小さい子供を)あやす[元来は、おだてる、ほめそやす、の意味]
- ぞよぞよ
- ぞろぞろ「むしがぞよぞよあるく(<毛虫等の>虫が大勢でぞろぞろ歩く)」
- そら・〜ぞら
- 空,天気(→おとなしぞら)[参:いいそら あめんそら・あめんぞら]
そらがさがる(悪い天気になる)[そらが〜=そらん〜]
そらがむせる(天気がむしむしする)
そらんくずれた(天候が崩れた,悪い天気になってきている)
そらがもちなおした(天気がもちなおった)
- そらかご
- 背負い篭[小形で四角の物、あるいは丸い笛の上部に級を桔び、首に掛け肩や背中で担ぐ篭または、小判型の背当ての所が背中一杯に当たり腰の所に半
円形の篭が着いている民具(スリッパを大きくして背中に当てた様な形)]
- そりがあわん
- 馬が含わない,気が合わない
- それじゃく
- [外れ杓](外側へ向けて杓で液体をそそいだりついだりする事で、一般に厭がられる)以下の時にする
1.湯棺(死人を葬式前に洗う事)の時にするお湯あ懸けかた
2.芸者・酌婦・売春婦等のする酒の注ぎかた[新潟:げいしゃつぎ]
- それだかや
- それだったっけそれだかなあ(→あれだかや)
- それっぱし
- それっぼち,それだけの「それっぱしじゃ、たりん(それだけじや足りない)」
- それでのおても・それでのーても
- それでなくても(→のおなる)
- それでじょうだ
- それで当然だ(=そいでじょうだ)(→じょうだ)
- それみい
- それみろ「それみい、いわんこっちゃねえ」
- そろそろ
- 1.ゆっくりと
2.静かに
3.段々に[標準語?]
そろっと(=そろそろ)
- そんくれえ
- その位(=そんけ・そんけー)
- そんけ・そんけー
- その位「たったそんけーかや(たったそれだけか)」(→こんけー どんけー)
そんげ(=そんけ)[海府地方]
- そんこく
- [損こく]損する「だまされてそんこいた(騙されて損した)」
- そんこと
- そんな事(=そのこと)*「そのこと」の、ん音便「そんこと、しらんじゃあ(そんな事は知らないよう)/そんことしたかさ(そんな事をしたのか[意外])」
- そんじょそこらの
- 普通の,そこいらの,ありきたりの
- そんて
- その手,そんな事「そんてはくくわんちゃ(そんな手はくわねえよ)」
- だいこう
- [代行]飲んだ後、酢った運転者に代わって運転をしてくれる職業.車も人も送る。(割と安くて)便利。
- たいごろう
- 茅の葉で巻いた中にあんこの入ったちまき
- たいしょう
- (男の総称)やつ「あのたいしょう(あのやつ)」
- たいていに
- いいかげんに(やめろ)ここいらあたりで「たいていにとい」(いいかげんにしろ・ここらで止めとけ)
- だいどこ
- 台所(=でえどこ でえろこ でろこ)
- だいぼう
- だいぼう綱
- たいら
- 山の中の平地「じょうがたいら[城が平](地名:昔そこに城が有った)」
- たーうち
- 田打ち[田植え、は(たうえ)]
- たーうつ
- 田を打つ「びっちゅうでたーうつ(備中鍬で田を打つ)」
- たえなし
- [堪え無し]言って聞かせても言う事を聞かない奴,言い聞かせても無駄な奴「この、たえなしが(この分からず者が)」
- たえんない
- [←堪えの無い]
1.気を失う「くるまにぶつかってたえんのーなった(車にぷつかり気を失った)」
2.堪え性が無い,言っても分からない「たえんないやつ(頑張れない奴、言っても言うことを聞かぬ奴)」
- だお
- 怠け†怠け者
- だおこく
- 怠ける
- たおす
- 倒産する,漬す「しんしょうたおす(家や身上を漬す・倒産する)」
- だおもん
- 怠け者「この、だおもんが」
- †たがく
- 持ち上げる(→たんく)
たかげた(→たけげた)
- †たかたかゆび
- 中指
- たがねる
- 束わる
- たかぼうき
- 竹ぼうき
- たかみじし[竹箕獅々]
- 体の部分が竹篭状の獅々舞いの獅々 中に人が入り、獅々同志がぷつかり含う勇壮で乱暴な10月の祭り(真野町、新町地区)[†たかみ
- 細竹で編んだ箕]
- たかもんがい
- [高物買い]高い物を買う事、(時に)安い物を高く払い過ぎる事(⇔やすもんがい[標準語])
- 〜だかや、
- 〜だったか,だったっけ(→あれだかや それだかや これだかや)
- たきおき
- 釜戸で火を炊いた後に燃え残った墨・燃え残り(おき)の中の墨の部分
- たきおろし
- [炊き卸し]炊きたての(蒸して無い)ご飯「たきおろしであつうてくえん(炊きたてで熱くて食べられない)」
- 〜だきも
- 〜だけれども「かねはあるんだきも、じかんがねえ」
〜だきもにゃ・〜だきもにゃあ=〜だきも
- たきもん
- [焚き物]焚く物,薪の総称(→べえた ほえ)
- だきんきた・だきんついた
- 雌鳥が卵を抱く様になる、抱く時期になる事
- たくらげ
- (服等の)たくしあげ「あんこ、ちいせえさけ、たくらげはいっとるわ(あの子は小さいから、服がたくし上げて縫ってあるぞ)」
- たくりあげる
- たくしあげる まくり上げる
- たけげた
- 氷滑り用・かちかちになった雪滑り用の下駄状の遊具(竹を半分に割り二つの縁を下にして刃とし、円い面に下駄状の鼻緒を付ける)(=わっこう・わっか・たけげた)(→ちやり)
- †たけスキー
- 竹を半分に割り、先を火であぷったり煮たりして曲げたスキー状の遊具[先に紐を付けて押さえるが、網スキーの様に足を固定できない](→あみスキー)
- たこうて
- [←高くて]たかくて[たかくて、とも言うが、たにaccent]〔音便〕
- だしこう
- [出し講]お金を出し合って酒・菓子・料理を取る事(花札をやって勝った者が奢ったりした)(→こうじゅう)
- たしょとぶれえ
- よその地区・大字の葬式[香典代は一般の額](→ぶらくとぶれえ いろき)
- たたかっとる
- たかっている,多く集まっている「ヘー、たたかってこまる(蝿がたかって困る)」「ひとよけ、たたかっとったじゃあ(人がとても、多く集まっていたよ)」
- たたきわら
- すぐりわら(茎の部分の藁)を藁突き杵で突いて柔らかくした物[藁製品(わらじ・草履等)を作る](→すぐりわら わらつきぎね)
たたこうとる=たたかっとる
- だちかん・だちかんちゃー
- どうしようもない,困った(→らちかん)
- たちくらみ
- 立ち眩み,めまい[標準語、良く使う]
- だちゃかん・だちかん・らちかん・らちゃかん
- [埒がが空かない]どうしようもない、お手上げだ、因った
- だつ
- 1.畔塗り鍬の柄 鍬の刃の、U次型の嵌め込み口に嵌め込む柄「鍬のだつ」
2.男性性器 まら(→しじこ)
3.†里芋の茎
- たつせがねえ
- 立つ瀬がない[漂準語だが良く使う]
- たっても
- とにかく すぐに 何を置いても「今、たってもやらにゃあならん(今すぐにやらなくてはならない)」
たってもたたんでも=たっても
- たっとる
- 立っている[たっとる、たっとる、とも]
- †たてる
- 閉める「戸のあけたて(戸の開け閉め)」[たてる、だけでは余り使わない]
- たなご
- [魚名]海たなご
- だなさん
- [←旦那さん]旦那さん(以前は役人・医師に言った だんさん、より上]
- たねまきざる
- [種撒き猿〕金北山(きんぽくさん・きんきたやま)の山頂近くの自衛隊のレーダー基地の下に出る雪型 田圃の仕事(たしごと)の開始を伝える「たねまきざるが出るとたしごとがはじまる」<哩言>
- たのくろ
- 田圃,田圃の所,田圃のあたり[←田の畔・畦(くろ:あぜ)、壟(くろ:土の盛り上がっている所)「たのくろんところ、たっとったさ(田圃に立っていたよ)」(→くろ くろがり たしごと)
- たばこのみ
- 煙草を喫う人[(煙草喫い、とは言わない)→のむ]
- たびして
- 島の外に出て仕事(や学業)をして
- たびのもん
- [旅の者]島以外出身の者、又は出身は佐渡でも佐渡以外に住まいがある者で佐渡に転勤してきた者(流れ者的意味合いも有る)[→しまのもん]
- たぶら
- 股もも(=ももたぶら)
- たぼこ
- 煙草「たぼこ、とってくれえあ(煙草を取ってくれよ)」
- †だぼらふく
- 大ぼらを吹く[標準語?]
- だまかす
- 騙す,一本取る「あのもんにだまかされた」
- たまし
- [魂]1.魂(たましい)
2.根性「たましがたらん[→諺]」
- たまむし
- [虫名](庭、林、縁の下等にいる)だんごむし[触ると玉状になるから]
- たまる
- 1.溜まる[標準語]
2.たるむ,たわむ,ゆるむ「ゆきで電線がたまった(雪で電線が弛んだ)」
- ため
- ため池「ためでどんぼあびてきた(溜め池で水遊びをしてきた)」
- だめら・だめっちゃ・だめらっちゃ
- だめだ(⇔いっちゃあ)
- だめんこと
- 駄目な事[こ、にaccent有る事有り](→ばかんこと やぼんこと わるさ)
- たも・たもあし
- がに股○脚「あいつ、たもら(あいつがに股だ)」
- たらかす
- なだめすかす,子供をあやす「赤ん坊をたらかす」
- だらみ
- 鱈の白子[(東京弁の)きく]
- だらり
- 木で甘くなる割りと大きな柿、甘くなるまで木に生らせておく、「はちや」より小さいが混同することも有る、(→はちや)
- たらんぼ
- 1.たらの芽[春先、若芽を採り、天ぷら・お浸しで食べる]
2.つらら
- だりい・だーりい・だーるい
- だるい
- たれ
- 1.(料理の)たれ[標準語]
2.(みそ汁・醤油等の)こぼれ・垂れた物 垂れた事
- だれや
- 誰だ
- たんく・たんける
- 担ぐ,持ち上げる,持っていく「これ、たんけてくれっさあ(これを持っていってくれよ)」
- だんごばち
- [団子蜂][昆虫名]熊蜂 丸花蜂[丸くて黒くて黄色の筋が入っている]
- だんごばな
- [団子花][E植物名]クローバー 白爪草(=みつば1)
- だんさん
- [←旦那さん]旦那さん[以前は神主・巡査に言った だなさん、より下]
- たんたん
- (幼児語?)卵
- †だんとう
- [←断頭?](地名・屋号)墓場の事(=らんとう らんば)
- だんぶり
- とんぼ(=らんぶり†ざんぶり)(→やまとんぼ くろとんぼ かとんぼ)
- ち
- [乳](紐等で縛る為の)適し口「わらじのち」(=みみ)
- 〜ち
- 〜だ〜よ[断定・同意?]「そうだっち(そうだよ)/ちがうっち(違うんだ)」
- ちいせえ
- 小さい
- ちいっと
- ちょっと
- ちいと
- ちょっと
- ちいとばか・ちいとばかし
- ちょっとばかり
- ちかしぶって
- 馴れ馴れしくて
- ちかしぶる
- 馴れ馴れしくする
- ちかま
- 近く,近所
- ちかまわり
- 近道,抜け道を通る事[とおまわり、の反意語]
- ちからいっぺえ
- 力一杯(=せえっぺえ)
- ちぎ
- (俵等を計る)でっかい計り
ちくじむ→ちょこじむ
- ちくちく
- 1.徐々に段々に
2.チクチクする[標準語]
- ちくっと
- ちょこっと
- ちくと
- ちょっと少し
- †ちごう
- 違う,異なる
- ちごて
- 違って,そうで無くて[違う、は、†ちごう・ちがう]
- ちじこなる
- ちじこまる,小さく屈む,小さくなる
- ちじこねる
- ちじめる,小さくする
- ちそ
- [←紫蘇]しそ[佐渡には死ぬ迄、『ちそ』がしその標準語だと思っている人が居るとの事」ちそのは(しその葉)ちそのみ(しその実)
- ちち
- [←乳]お母さん[羽茂地区](→かあかあ⇔とやん)
- ちっくい
- 小さい
ちっせえ=ちいせえ
- ちったあ
- ちょっとは,少しは
ちっと・ちと=ちいと
- ちっとばし
- 少しぱかりちょっとぱかりちっとぱかりちょっとだけ
- ちのうすいもん
- 血縁の薄い者(=うすいもん)
- ちのこいいもん
- 血縁の濃い者(=こいいもん)
- ちびくそ
- 小さい野郎(罵倒語)
- ちびっと
- ちょっと
- ちびっとばか
- ちょっとばかり
- 〜ちゃ〜だ・です
- [〜の所には動詞の終止形促音便・未然形否定形がよく入る]
「そうっちゃ/ちがうっちゃ/こまるっちゃ/どうもならんちゃ(そうなんだ/ちがうんだ/困るなあ/どうにもならないなあ)」
*そうだっちゃ、とは余り言わない。[言う所も有る(新穂)との事]
*近頃は頻繁には使われない。(特に若者には)(=〜じゃ〜じぇ)
<佐渡おけさ>「こいちゃこいちやでにどだまされた。またもこいちゃでだますのか」(「来いちゃ(来なさい)、来いちゃ」と言われて行ってみて、二度も編された。又も「来いちゃ」と言って騙すのか)
- ちゃ〜
- [感嘆の芦](相川地区)「相川の『ちゃ一』はのまれんちゃ一(ちゃー=ちゃ:茶)沢根の『てえ』は食われんてえ(てえ=たい:鯛)」(俗踊)(→あちゃ〜)
- ちゃげえ
- ちゃがゆ 番茶の入った粥[両津方面](→しらげえ)
- ちゃだし
- 急須
- ちゃちゃふうさ
- (本来整った物の)ごちゃごちゃ ぐちゃぐちゃ めちゃくちゃ「なわ、ちゃちゃふうさにしてどうするさ(縄をごちゃごちゃにしてどうする)」
ちゃちゃふうちゃ=ちゃちゃふうさ
- ちゃっこい
- 小さい(→ちっこい ちっさい)
- ちゃづけじゃわん
- ご飯茶碗
- †ちゃのみじゃわん
- ご飯茶碗[湯飲み茶碗では無い]
- ちゃらくらげ
- いたずらげな,不真面目に冗談をこく,いいかげんな
- ちやらつく
- 1.(小銭等を)ちゃらちゃらいわせる
2.いい気になる
- ちゃり
- 氷滑り用の、断面が三角形の下駄 又、その下駄の金具の刃の部分 比較的金持ちの子供が買えた(→わっこう・わっか・たけげた)
- ちゃりいれる
- 1.(冗談めいた)言葉で横槍を入れる・邪魔をする 冷やかす
2.合いの手を入れる
- ちゃんちゃんと
- ちゃっちゃと,さっさと仕事の速い様,良く働く様
- 〜ちゅう
- 〜すると(=〜つう)「そいっちゅうても(そう言っても)/それっちゅうのも(そう言うのも)/そうするっちゅうと(そうするとすれば)」
- †ちゅうちゅうらしい
- 沢山な,沢山らしい,大袈裟な
- †ちゅうちゅうげえ
- 沢山な,沢山らしい,大袈裟な
- ちゅくじむ・ちゅくじょむ
- しゃがむ,屈む,腰を屈める
- †ちょうさや
- よいやさ[祭りの掛け芦]
- †ちょうせんねぎ
- [植物名]行者にんにく(ぎょうじゃにんにく)<=あいぬねぎ>
- ちょうしもん
- お調子者
- ちょうしにのる・ちょうしんのる
- 調子に乗る
ちょきがお→ちょっきがお
- ちょこじむ・ちょこじょむ
- ちゅくじむと同
- ちょこちょこぎ
- [←ちょくちょく着る?]普段着[以前は外出着を言った](→じょーじゅーぎ)
- ちょこちょこする
- 動き回る,小足で歩く
- ちょこっと
- 少し,ちょっと
- ちょっき
- 左利き,左ぎっちよ(=ひだりちょっき)
- ちょっきがお
- 短い顔,寸詰まりの顔
- ちょっきり
- きっちり,ちょうど
ちょっこら→ちょっこり
- ちょっこり
- 小さい,ちょっと,しばらく
- ちょっこりちょっと
- 素速く,速く
- ちょっとばし
- ちょっとばかり[金井]
- ちょこんと
- ひょっこりと「ちょこんとあらわれた(急に現れた)」
- ちょび・ちょびん
- 小形,小さい事,小柄
- ちょろちょろ
- 1.少ない水の流れる様[標準語?]
2.†子供の歩く様よちよち
- †ちょろっと
- うっかりと,ついひょいと「ちょろっと財布を落とした」
- ちょんがり
- 浪花節(語りを中心とした)浪曲
- ちらつかす
- ちらつかす 前以てそれとなく知らせる[標準語?]「まえもってちらつかせておいてもらわんと、(前以てちらつかしておいて貰わないと、)」
- ちりちりっちゅうめ
- 恐ろしい目,恐れ縮まるような目
- ちりやき
- 死んで葬式前に火葬にする事[主に佐渡では本葬前に火葬にする]
- ちろちろと
- ちらりちらりと
ちん=ちんでえ・ちんだい
ちんだい=ちん・ちんでえ
- †ちんちんかもかも
- 仲良しの様
- ちんちんなか
- 仲良し
- ちんちんやき
- 雀の焼き烏[塩味]「雀、ちんちん焼きにしてたべんかや」
- ちんでえ
- 黒鯛(=ちんだい)[新潟:ちんだい]
- ちんでるめ
- [←血の出る目]こっぴどい事,ひどい目(→いやっちゅうめ しぬっちゅうめ)「ちんでるめにあわすぞ(ひどい目に遭わずぞ)=しやっつけるぞ」
- ちんば
- 足の無い人[差別的表現]
- ちんまるこい
- 小さくて丸い
- ついぞ
- ついに,とうとう
- 〜つう
- 〜という「そりゃなんつうことだ(それはなんという事なんだ)」
- つかう
- 1.便う[漂票準語](→つこう)
2.風呂・風呂場をつかう(特に)風呂に入る「ふろをつかう」
- つかねる
- 束ねる「藁をつかねる(藁を束ねる)」
- つきる
- 生地が古くなって破れやすくなる,引っ張ると破れる様になる「生地がつきた(服の生地がよれよれになって破れた)」
- †つく
- [←築く]きずく,土や石を積む[つきにわ(築庭)のつく、か](→つぼ)
- つくばい
- トイレの平らな手洗いの鉢[古い標準語?]
- †つくばう
- 座る,正座する(=おつくべしい)(→おつくべ)
- つくぼうてくれ
- 座ってくれ(→ねまる おつくべ)*つくぼうな、とは言わない
- つぐら
- 幼児篭(赤ん坊を入れておく篭](=こしき)[新潟:ちぐら]
- つくり
- 刺身[標準語?](=おつくり)
- つくりぐり
- 栽培した栗(→やまんくり かちぐり ぱんぱんぐり)
- つぐる〜
- 次の〜「つぐるひ(次の日)/つぐるあさ(次の朝)」
- つくろう
- [繕う][標準語?](→けえつくろう)
- †つけぎ
- 1.††マッチ
2.先に硫黄の付いたマッチ状の棒[戦後多く使った]
- つけぐすり
- [付け薬]塗り薬
- つけにする
- 帳簿に付けて措いて貰って後でまとめて払う[佐渡に多い]
つけばらい→せっきかんじょう
- 〜つける
- 〜し慣れる「やまのみみはくいつけない(山の茸は食べ慣れて無い)」
- つこう
- 1.使う「つこうてくれっさ(使ってくれよ)」
2.作る,出す(?)「おひやいっぽんつこうてくれ(水を一杯出してくれ)」
- †つちみざ
- 地面(=みざ)
- つっかかる
- 1.突き当たる
2.なんくせつける,文句を言う[標準語?]
- つっかけ
- サンダル類[標準語?]
- つつみ
- [堤]大きい溜池(→ため)
- つつみかくし
- 隠す事[標準語?]「つつみかすしすな(隠し立てするな)」
- つてがある
- 知り含いが居る[*手蔓・縁故・特別の関係は指さない]
つと=わらづと
- つながれた
- 連れて行かれた,刑に服した,捕虜になった「シベリアヘつながれた」
- つぱな
- [茅花]1.千茅(ちがや)[大きくなった物 以前は、†ちばな、と言った]
2.小さい千茅(ちがや:千の茅、の意味)の若い穂「上皮を取って生で食べる]
†つばのこ=つぱな2
- つぶがい
- [貝]げんこつ程の茶色の巻き貝でばい貝の大きい物に似ている
- つぶす
- 1.たたく,たたいてけがをする「ゆびをつぶした(指をたたいて怪我をした)
2.圧をかける,潰す[標準語]
3.壊す「車をつぶした(車を事故で駄目にした)」
4.(生きている鶏を潰して)肉にする
つぶじぇん=つぶぜん[新潟:じぇん・じぇじぇ・おじぇじぇ(お金、銭)」
- つぶせん・つぶぜん
- ばら銭,小銭,硬貨,じゃらじゃら
- つぶる
- つむる「めえつぶれ(目をつぶりなさい)」
- †つぶろ
- ひょうたん†男の性器の比喩
- つぶろさし
- 羽茂村の神社に奉納する大神楽系の伝統芸能 棒状の物を股間でさすり、二人の女神を追い掛けるユーモラスな五穀豊鰻の舞い。葛西家に伝わる
[←†つぶろ(ひょうたん:男性の陰物を暗示)十さすり」
- つぼ・つぼにわ・つぼのうち
- 庭(本来)座敷の庭(→ひらき)
- つぼつく
- [つぼ(坪庭?)を作る(築く?)]庭を作る
- つぼなる
- (自動詞)すぼまる,つぼむ,すぼむ「朝顔の花がつぼなる」
- つぼねる
- (他動詞)すぼめる「口をつぼねる(黙る)/傘をつぼねる(傘をすぼめる)」
- つまらん
- つまらない,下らない「つまらんことでしかられた」[標準語?]
- つみつくり
- 羨ませて悪い心を起こさせる事「つみつくりだ」
- つめくそ
- 爪の垢「つめくそほどの(爪の垢ほどの)」
- つめてえ
- 冷たい(=しびてえ)[標準語?]「つめてえねん(冷たいよ)」
つらい→つれえ
- つりがくる・つりんくる
- [比輪」お釣りが来るやりすぎる[標準語?]
- つるしがき
- 干し柿
- つるはねた
- 山芋の蔓(つる)が切れる・取りに行くとその筋が切れて判らなくなった[11月、晩秋の寒い日が続く様になると山芋は地面の辺りで茎が枯れて切れる]
- つれ
- 仲間,友達,一緒に来た人[標準語?]「そのもん、わたしのつれだ」
- つれえ
- [辛え]つらい「かたいとーて、ちょーつれえ(肩が痛くてとても辛い)」(→せつねえ)
- つれそい
- つれあい,配偶者
- つわもん
- 気の強い者[標準語?]「つわもんだ」
- つんけんどん
- つっけんどん,無愛想な[つっけんどん、とも言う]
- つんこ
- 山頂(→つんぶり)
- つんつく
- 着物の短い様
- つんぶり
- てっべん,とんがっている所
- †てあぶり
- 火鉢,ストーブ類
- であるき
- 家の外に良く出歩く事「あこのばやんはであるきがすきだ」
- ていっぺえ
- [←手に一杯]眼界,出来る限り「いそがしゅーて、ていっぺえだ」
- †でえ
- 代,時間,間(→でえんねえ)
- でえく
- 大工(→ばんしょう)
- でえこん
- 太根
- てえすい
- 疲れた,疲れて困った[国仲](=てえーそい)
- てえそ
- [←大層]大変疲れる,困る「体がてえそら(体がだるい)」(→てえすい・てえそい)
てえ一そい=てえすい[両津]
- でえどこ・でえどころ
- 台所(→でえろこ でろこ でえろころ でろころ)
- でえなく・てえーなく
- 間もなく「でえーなくくるわさ(もうすぐ来るよ)/でえなく、しなあさあ(まもなく死ぬだろうさ)」
- でえねえ
- 1.死ぬ「でえねえわさ(もうじき死ぬさ)」
2.間がない,期間が短い
3.蓄えが持たない
- でえぶ
- [←大分]だいぶ
でえろこ・でえろころ=でえどこ
- てえんと
- ちょこんと,ぴょこっと「てえんとたこうなっとるやま(一つだけ高くなっている山)」(=てんと)
でえんわえ=でえねえ(→でえーなく)
- でおう
- 出会う,会う、〜せえで「あの子にでおうて、たいへんこまった(あの子の事で大変困った)」
- でおくれ
- オールドミス,行かず後家[差別語]
- てがいく
- [手が行く](世話等の)手が居く,手が及ぷ
- てがおよばん
- [手が及ぱん]手が届かない,そこまではやれない・やりかねる・出来ない
- てかけ
- 二号,愛人(←てをかける)
- でかしいした
- 有り難うございました
でかしました・でかしましたな(=でかしいした)
- てがつかん
- 手が付けられない,やるにやれない「いそがしゅーて、しごとにてがつかん(忙しくて仕事をやっていられない)」
- てかつく
- てかてかする,てかてか光る[標準語?]
- てがでん
- 手が出ない,手が出せない,買えない「ねがたこうててがでん(値段が高くて買えない)」
- てがひける
- やるにやれない,思い切ってやれない
- できたひと
- 出来のいい人,申し分の無い人,好い人,人間が出来た人,性格の良い人,円満な人,人格が素晴らしい人
- でぎらい
- 出ず嫌い,出無精(⇔でずき)
- てーきん
- だっちょ(病名)[水津]
- 〜できん(:けど・けも)
- 、出来ない(けれど)
「そうはできんけど、やってみる(そうは出来ないけれどもやってみる)」
*〜できる、は、でにaccent 「できるかさ(出来るかね、出来るかい)」
- †でく
- 人形
- でけえ
- でかい,おおきい
- でこ
- 額,おでこ(→びんこう)
- てこいれる
- てこ入れをする,難題に力を入れて対処する
- †てしお
- [手塩]小皿[昔は調味科の塩を入れたらしい](=おてっしょ)
でしこ・でしこう[←弟子の子]弟子
- でしゃく
- でしゃばり,でしゃばった事「でしゃくゆーな(でしゃばった事言うな)」
- てずから
- みずから,自分から,(わざわざ)手で行った
でずき
- [出好き]
1.外出好き,出歩きたがる人
2.でしゃばり好き(⇔でぎらい)
てっこうもり
- (特にご飯の)山盛り[てんこもり:新潟]
てっしょ→てしお
- てて
- 手,お手々[幼児語](=おてて)
- てておや
- 父親
- ててっぴゅ
- 1.山鳩[鳴き慣れないときの鳴き声からか](=ててっぴょ)
2.春蘭?
*ててっぴゆが鳴くと雨が降るとの言い伝え有り[山鳩は捻くれ者で言った事の反対の事ばかりしていた。死ぬ時、その性格を見越した母鳩は川のほとりに埋葬するように言う。遺言だけはちやんと間いた山鳩は雨が降り母の墓が流されそうに為るのを心配し「ててっぴゅっぴゅ」と鳴く、との事]
- ててっぴゅっぴゅ
- 山鳩・きじばとの鳴き声。臍曲がり,とんでもないやつ,あまのじゃく「あいつはててっぴゅっぴゅだ」(→もっこ)
- でとった・でとった
- 出ていた
- でとる・でとる
- 出ている
- でとんだけど・でとんだけれど・でとんだけも
- 出ているんだけれど
- †てにをは
- 初歩,ひふみ,いろは[←文章の書き方]
でーねー→でえねえ
- てのごい
- 手拭い,てふき
- てのつかん
- 手の付いて無い,まだやって無い「てのつかんしごと」
- †てのべあしのべ
- 躾の無い様,だらし無い様,気ままな暮らし
- てばなしでは
- 無条件では,何も文句なしでは,気楽には[標準語?]
- ではろう
- 出払う,家の者が皆外出する「いえのもんはみんないま、ではろうとる」
- †てびかえる
- 手を控える[てをひかえる、とも]
- でびんこう
- でこっぱち,出た額「でびんこうとはいいものだ、びんこうってもはなうたず(俗踊)」
- てぶらで
- [標準語?]何も持たないで(=からてで からみで)
- †でべすけ
- でしゃぱり(→でずき)
- てまおしい
- (やっても無駄になることが判っていて)時間が惜しい,やっても時間の無駄だ
- てまくいもん
- 何も出来ない,入役立たず†手間ばかり掛かる(無意味な)仕事
- てまこぎ
- 時間を借しむ(→こぎる)
- てましごと
- 賃仕事,お金を貰って引き受けた仕事
- てまらくな
- 手間を掛けても無駄な「てまらくだ(無駄だ)」(→らくなに ぜんらくな じぇんらくな)
- てめえ
- 1.おまえ[標準語?]
2.手前,前のほう[場所]
- てもなく
- わけなく,単純に,簡単に,けんもほろろに[標準語?]
- でゃぁこん
- 大根(=りゃあこん)[だいこん、とも言う]
- てらまいりせん
- 葬式時、100円位づつ いろきのものから集めて、親族代表がお寺参りする時の舞銭(→いろき いろきのもの)
- †でれすけ
- 1.飲み込みの悪い者,頭の悪い者[←でろすけ、でくすけ、でくのぼう?]2.†酔っぱらい,飲み助
- でろ
- 1.[昆虫]どろおいむし[背中に泥状の物を付けていて、苗代に出る害虫、葉脈に沿って葉を食べるため、葉が白くなる]
2.泥(→べと)
- でろかご
- でろを捕る細長く浅いざる状の機械・道具
でろこ・でろころ=でえどこ
- でろとり・でろはき
- (掃くようにして行う)どろおいむしの駆除[早朝に行った]
- てをかける
- 女に手を出す(→てかけ)
- てをくれる
- (朝顔や野菜等に)支え木・添え木をする事
- てをつっこむ
- 余計な事をわざわざする[標準語?]
- でんがく
- 田楽焼「鮫のでんかく」
- †てんぎり
- 櫓で漕ぐ舟の総称(たらいぷねも含む)
[佐和田では昭和30年代まで北海道船と言う大きな舟が来て、竹製品、特に鰯等で肥料を作るための大樽のたがに使う割いた竹の半製品を買いに来たが、港の桟橋に着けず、『てんきり』で運んだとの事]
- てんぎり・てんぎりぐそ
- 固くて太い大糞[野糞をするとすぐ判る、との事]
- てんきあめ
- お天気雨,狐の嫁入り(=ひんてりあめ)[『ひんてりあめ』より、こちらの方が一般的で若者向き。尚、『おてんきあめ』とは余り言わない.]
- てんぐるま
- 肩車
- てんごいう
- 強情な事を言う,強情張る「てんごこくな(強情張るな)」
てんごうこく=てんごいう
- てんごうもん
- 強情者
- てんごこき
- 強情な事を言う者,強情者[てんぽこき、とは異なる」(→てんぽこき)
てんごこく=てんごいう
てんごゆう=てんごいう
- †でんごろめる
- ひっくりかえる,でんぐりかえる[佐和田](→てんぼげえり)
- でんじでんぱた
- [田地田畑]でんちでんぱた,田畑
- てんじょう
- 上のほう,高い所「てんじょうのほうへ行く(高い方へ行く)」(いわゆる天井の意味も有る)
- †でんち
- 懐中電灯
†でんちいみい・でんちのみい→でんちんみい
- †でんちんみい
- [←電池の実]乾電池[←でんち(懐中電灯)に入れる実物]
- てんちょう・てんちょうさま
- [天長様]天皇
- てんでんに
- てんでに,ばらばらに,各自(勝手)で
てんと→てえんと
- てんばり
- 1.雨戸等の上の方の停め具・しんばり棒(→しんばり せんばり)
2.一階の天井と平行の、スライド状になった二階の入り口の戸
- てんばりこうたか
- [←てんばり(1・2)を閉めたか]
1.戸締まりしたか てんぱりをしたか[特に深夜、寝る前に]
2.二階の入り口のてんばりを閉めたか[特に冬場に]
- てんぽうげいな
- とんでもない事,有りべかざる事(=さかてんぼう)
- てんぽげえり
- [←とんぼ返り]仰向けに寝転がる[両津](→でんごろめく)
- てんぽこき
- 嘘つき(→てんごう)
- てんぽこく
- 嘘をつく
- どいこった・どゆこった
- どういうことだ
- といた
- 板戸[標準語?]
- どいもんだ
- どういうもんだ,どういうものだ
- 〜とう
- 1.〜(し)たく「そのこと、しとうねえっちゃ(そんなことしたくない)」[売りとうねえ、行きとうねえ、買いとうねえ、等](→とも とうも)
2.〜(し)たよ「いっとう(言ったよ・行ったよ)/おきとう(起きたよ)/くうどう(食ったよ)」
- †とういも
- [唐手]里芋の一種で長さは約30cmで紡錘形で、煮ると里芋の様な粘りで少し甘い味がする(→きょういも)
- どうかこうか
- どうやらこうや,らまあなんとか[標準語?]
- とうぐわ
- [唐鍬](歯の有る備中鍬の様な)普通の鍬[日本式の鍬(U字形の所に嵌め込む鍬は『あぜぬりぐわ』と言う](→あぜぬりぐわ びっちゅう)
- どうごじる
- 鱈やすけそう鱈のあら(頭、骨身、尾の部分等)と大根を味噌したてで煮た汁。近頃は身を多く入れた物が多い。体が暖まる.美味。
(=どごじる どんぼじる)
- とうさいの
- (牛馬の)一歳の[標準語?]
- とうさん
- 父親,家長「ここのとうさんおるかさ(ここの家の父親は居るかい)」
- †とうじゅう
- 薄馬鹿(=とうびゃく→とうじゅう てんぽせん)
- とうすめ
- 1.灯心「自い綿で出来た綱]
2.白い素焼きの平皿に油を入れて灯心を浸し、その先に火を付けた明かり[神柵等に供えた 大昔は照明にも使った]
- とうつく
- 取り付く,つかまる,しがみつく
- とうつけ・とうつけん
- マッチ(→つけぎ)
- どうで
- 1.どうして「どうでそうおそいんだ(どうしてそう遅いんだ)」
2.どうりで,なるほど
「今日、やすみだ」「どうでゆっくりしとる(どうりで休んでいるんだね)」
- どうてえ
- 胴体,腹辺りの体 *〜たい(標準語)は『てえ』になる事が有る「してえ(したい),くいてえ(食いたい)、てえ(鯛)」
- 〜どうでえ
- 〜(は)どうだい「天気はどうでえ」
- どうでもいいけもよお
- どうでもいい事だけどさ
- とうとうじる
- 豆腐汁,豆腐の味噌汁[豆腐だけの時、葱等を入れる時がある]「しろまんまにとうとうじる(昔の御馳走との事)」(→ととじる)
- どうなるさ
- どうにもならないぞ「そのことしてどうなるさ(そんな事をしてどうするんだ、どうもならないではないか、止めとけ)」
- とうのむかし
- [←疾くの昔]ずーっと昔,ずーっと前
- †とうびゃくせん[当百銭]
- 天保銭[以前は、†大きくてうすのろの馬鹿者、を指した。江戸時代、天保銭=百文であった物が明治時代、天保銭=八文=八厘通用になり、大きくても一銭玉に及ぱない物・馬鹿、という比喩があった](†天保銭馬鹿)
- どぅーぶく
- 袖付きちゃんちゃんこ,綿入れ羽織(=どうぶく)
†どうぼう→りょうぼう(=ぎょうぼう)
- とうまめ
- そらまめ
どうめくら→どめくら
- 〜とうも
- (=ーとも)「みとうもねえ(見たくもをい)」(→〜とう)
- どうもならんし
- どうしようもないし どうしようもない どうもならない
とうやん=とうさん
- とうら
- [←俵]たわら(→さんだわら)
- とうろ・とうろやさん・とうろやき
- さぎちょう、どんどやき[小正月(1月15日)に神社の境内で燃やす]
- どえらい
- (程度が)大きい,途方も無い
- とおくい
- 遠い,遠くの「とおくいたんぼを『おきのた』とゆう(遠くにある田圃を『おきのた』と言う)」
- とおし
- 細かい糠やごみを落とす物・道具[板状・蓑状]
- とおりばた
- 道に面した「とおりばたの家」
- どかどか
- 汁等が濁ってる様「汁がどかどかしとる(汁が濁っている)」
- どかゆき
- どかどか降り積もる雪,牡丹雪
- ときまに
- たまに,時々,希に,時たま
- ときに
- [時に]時に,さて[話題の転換に入れる、標準語?]
- †とくそいろ
- [木賊色]とくさの色,青黒い色,心痛で顔色が悪くなる(→ぶずいろ どすいろ)
どげえ→どんげえ
- どげんして
- どういう風にして「どげんしてやれってゆうんか(どういう風にやれと言うのか)」
- どげんな
- どんな,どんな感じの,どんな様な
- とこ
- 畳の,床畳の中身
- とこ
- [所]ところ
- どこうべ
- くそ頭[相手の頭を馬鹿にした言い方]
- とこがえ
- 畳の(上ござの)張り替え,畳みがえ
どごじる→どうごじる
- とこづく
- 病気等で寝込む
- とことこ
- 1.炭火の盛んに興る様子
2.†赤ん坊の這う様「とことこ這う」
3.無心に歩く様子[標準語]
- とことこむし
- 大きめの毛虫[尺取り虫ではない]
- とこのうえ
- 畳の上に張るござ
- ところ
- [植物名]おにどころ[山芋 属多年性蔓草 山芋に似ている今ほ殆ど食べないが、以前は春先に根を掘って茄でて食べた。お茶の様なほろ苦さ有り、との事]
- とこんと
- ちょこんと(→てんと)「とこんとのっとる(ちょこんと乗っている)」
- どこんとこ
- どこの所,どこが
- どさかえす・どさけえす
- 大騒ぎになる,混乱する「どさかえした(太騒ぎになった)」
- どさどさ
- 1.†どやどやと「どさどさひとんとうる(大勢の人が通る)」
2.大雪等の降る様子[標準語]
- どさゆき
- 大雪
- どし
- [←同士]友達「どうら、どしが出来たか(どうだ、友達が出来たか)」
- としとり
- 年越しの大晦日[数え年では元旦になると年令が増えた為][標準語?]
- としはのいかんもん
- [←年端のいかない者]子供
- としや
- 大晦日の夜
- どーす
- [間投詞:驚いた時、相手に対応する語]えーっ!(=どっさぁー)「あいつ、/そのことしたかさ、どーす。/ヘー、どーす、そのことしたかさ。/ヘー、そのことしたかさ、ど一す。(あいつ、えーっ!そんなことしたのかよ)」
- どすいろ
- 暗褐色,濁った色(→ぶすいろ とくそいろ)
- どすこべ
- [罵倒語]馬鹿[本来、馬鹿頭とか腐れ頭の意味。こべ(頭、額)]
- どすばか
- [罵倒語]ひどい馬鹿(→もっこ かたもっこ)
- どたぐそ
- でかい糞(特に)でかくて量の多い糞(→てんぎり)
- どたぐつ
ぶかぶかの靴,大き過ぎる靴
- どたつく
- 肥満する,でぶになる(とても)太る
- とたて
- 一番最後(順序の)終わり「たうえはあこのうちがとたてらさ(田植えはあそこの家が最後だな、最後に終了だな)」
- どたどたした
- 肥満した「どたどたしたひと(とても太った人)」
- とちくるう
- あわてまごつく,とても忙しい
- とちつく
- まごつく(→とちめんぼうくう)
- とちとち・とちとちと
- 幼児の心持たない歩く様「とちとち歩く」
- †とちめんぼうくう
- [橡緬棒食う]戸惑う,慌てる[古い標準語]
- とちゅうなか
- 途中,中途,やっている最中
- とっかえこ
- 取り替えっこ
- とっかえる
- 取り替える
- †とっかぶせる
- 上からかぶせる
とつかまえる→とっつかまえる
とつかまる→とっつかまる
- どつく
- どつく,押して倒す,ぶっとばす
- とっくら
- とっくりと十分に良く「とっくらはなしあおう(よく話し合おう)」
- とっくりかえ
- るひっくりかえる
- どっさえ
- [罵倒語]今畜生(こんちくしょう)[両津]
†とっさん=とっちゃん
- とっそく
- とっくに,急いで,既に
- 〜とった
- 〜していた「いきとった(生きていた)/たべとった(食べていた)/しっとった(知っていた)/やっとった(やっていた・食ぺていた)」
- どっちせえ
- どっちにしろ,どっちにせよ
- とっちゃん
- お父さん[少し尊敬した良い意味]
とっつあん=とっちゃん
- とっつかまえる
- 捕らえる,捕まえる
- とっつかまる
- 捕まる,捕らえられる「酒酔い運転で警察にとっつかまった」
- とっつき
- 会った感じ,取り付き「とっつきのいい人」[標準語?]
- とっと
- 鳥,鶏
- とっときの
- 取って置きの,とても良くて出さないでおいた[標準語?]
- とっとことっとこあるく
- 軽快に歩く
- †どっとせん
- 感心出来ない,不満足な,すっきりしない「どっとせん奴」
- とつとつと
- 速くなく下手に,ゆっくりポツポツと[古い標準語]「とつとつとワープロをうっとる(ゆっくり下手にワープロを打っている)」
- とっぱずす
- 取り外す
- †とっぱずれ
- 端,外れ[今は、はずれが普通]
- とっぱな
- [突端・凸鼻?]
1.先端一番前
2.岬
3最初,初め
- どつんぼ
- つんぼ,耳の全然聞こえない人(差別用語)
- ととじる
- 魚・魚の擦り身・魚の擦り身の団子の汁・味噌汁(→とうとうしる)
- どでえ
- [←土台]どだい,元から,元々
- どてっぱら
- 1.腹
2.(人間の)度量[標準語?]
- ととき
- [植物名]つりがねにんじん[以前食用植物]
- ととくそ
- おっちょこちょい,軽率な者,そそっかしい者
- ととくれる
- (爪や指が)まくれる・ささくれる
- とね
- 山の尾根
- とのぐち
- 戸口,家の入り口
- どのん
- どの,どんな
- とばかす
- 飛ばす,スピードを出す,走らす「車をとばかす」
- とばち
- 戸や障子
- とぶせ
- 土葬(→ちりやき おんぼう いろき)
- どぶだめ
- 下水の入った溜池,汚い溜池,(汚い)下水溜め
- とぶらい・とぶれえ
- 弔い,葬式(→ぶらくとぶれえ たしょとぶれえ いろき)
- どべ
- 1.びり,一番最後
2.†泥(→べと)
- どべえ
- 灰(元は、木灰(木を燃した後の灰)]
- どぼしこむ
- (水の中に)なげこむ(=どぼす)「いけんなかにどぼしこまれた(池の中へ投げ込まれた)」
どぼす=どぼしこむ
- どまつく
- まごつく,戸惑う
- どめくら
- 「ど盲]目の不自由な人,見ても良く見ない人[比喩](→めくさり)[差別的]
- 〜とも
- 〜(し)たくも(=〜とうも)「みともねえ(見たくも共い)/やりともねえ」
- ども
- [魚名]ほっけ(=どもしじゅう)(→しじゅう ほんしじゅう)
- どもこもならん
- どうにもこうにもならない,どうしようも無い
- どもしじゅう
- [魚名]ほっけ[しじゅう、とは異種](=ども)(→しじゅう ほんしじゅう)
- どやす
- 大声で叱る・文句を言う[標準語?]
- とやん
- お父さん[割りと良い意味]
- †とらせる
- (割りと値打ちの有る物、骨董品・絵画等を)与える,あげる,くれてやる
- とらせん
- とらない
- とらばさみ
- 獣(むじなや野兎等)を狩る罠[標準語]
- どらやき・とらやき
- 鴬あん・つぶしあんを1cmのカステラ状のスポンジに広く乗せて巻いたロールケーキ状の御菓子[全ての家ではないが多くの家で4月15日の春祭の日の来客・鬼太鼓担当者に振る舞う。他に羊羹・水羊羹・音色や桃色の羊羹を用意する家も有る]
- とりあう
- 相手にする,言う事に耳を領けてやる,相手になってやる[標準語?]
- とりあげばあさん・とりあげばば
- 産婆
- とりこぼし
- (家等の)取り壊し・解体(→こぼし こぼす とりこぼす)
- とりこぼす
- 1.取り壊す(=こぼす)「古屋をとりこぼす」
2.取り落とす[標準語]
- 〜とりゃ・とりゃあ
- 〜(し)ていれば「やっとりゃわかる(やっていれぱ判る)」
- 〜とる
- 〜(し)てるている「あのもん、おこっとる(あの奴、おこってる)/つれとる(連れている・釣れている)」
- 〜とるか
- 〜ているか[疑問]「つれとるか(連れて・釣れているか)」
- とろい
- うっすら馬鹿な,愚鈍な,のろい[標準語?]「とろいもん」
- とをたてる
- 付き合わない,世間の人と交際しない
- どん
- 愚鈍,愚か,馬鹿,世に疎い「どんなやつ」
- どんけ・どんけー・どんけえ
- どれくらい(→こんけー)「どんけら(どれくらいだ)」
- どんげ・どんげえ
- どんな「どんげくらいだ(どれくらいだ)」
- とんざ
- 仕事着,野良着,作業服「そこんどんざきて、(そこの野良着着て、)」
- †とんちき
- 粗忽物,愚か者,慌て者[標準語?]
- とんちぼ
- 狸[むじな とも言う。むじなの子という説有り]
- †とんちん・どんちん[水溝]
- (厚手の綿入りの)ちゃんちゃんこ,はんてん [新穂]かいまき,[両津,梅津](薄手の)ちゃんちゃんこ
- とんつく
- おっちょこちょい(=とんとこ 1)
- とんとこ
- 1.軽率な者,おっちょこちょい(=とんつく)
2.軽やかに歩く様
- どんどこや
- 占い屋,占い師,八卦見[畑野町に一軒、以前は真野町にも有った。占いをする時の擬音語から]
- どんびゃくしょう
- 小作,貧乏な農家(=みずのみ)
- どんべふぐ・どんべぶぐ
- [魚名]小さい草ふぐ(食用
- 空揚げ、味噌汁が美味。佐渡の草ふぐは無毒であるとの事?)[国中]
- どんぼ
- (川や池での子供の)水浴び,水泳ぎ,水泳,遊ぷために川や池に入りに行く事「ためでどんぼあびてきた(溜池に入って遊んできた)」
- どんぼあびる
- (水に入ったり泳いだりして)水遊びする
どんぼじる→どうごじる
- とんぼのこ
- やご,とんぼの幼生[以前は余りやご、と言わなかったとの事]
- 〜なあ
- [終助詞]〜はねえ・なあ[同輩以下に使う以上は〜のう]
- ないてもわろーとも
- [泣いても笑っても]幾らじたばたしても,どの様にしても
- なおす
- 1.修理する[標準語]
2.しまう,片付ける,揃える,ちゃんとする「人が来るからそこらをなおしておけ(人が来るのでそこらを片付けておけ)」「はきものをなおす(履物を揃える)」
3.ある地位に就ける(丁寧語)「物部神社の神主を加茂神社の神主になおす」
- なおらい
- [直来]お神酒を貰って宴会をする事(特に神社の歳礼の後)
- なおる
- 1.治る・直る[標準語]
2.座る「そこになおってくれ(そこに座ってくれ)」(→ちょこじむ おつくべ)
- ながぎもん
- 労働しなくても良い人の服装,旦那様[農民から羨ましがられた]
- ながこうじょう
- 長くどい挨拶[古い標準語]
- †なかさい
- [地名]間、の意味
- ながさきばってん・ながさきばってい
- 長崎風の「ばってん」言葉羽茂、西三川、豊田、海府、水溝方面に残っていたとの事,明治期生まれの人は使っていた
- ながしい
- 長い(=なげえ)
- †ながじり
- 長っ尻(ながっちり)長居[ながっちり、と言う事が多い]
- ながす
- 1.流す[標準語]
2.(特に情報を)流す話を伝える[標準語?]
- なかせえ
- 半道(出掛ける)道の半分
- †なかたかゆび
- 中指(→たかたかゆび)
- ながとめ
- 長めに(短い所を)少し長く
- なかなおり
- 1.仲直り[標準語]
2.†死ぬ前に病人が一度回復する事
- なかばん
- 仲間共有「なかばんにする(共有する)」
- なかばんで
- 仲間で共有して「なかばんでいかんか(一緒にしないか)」
- ながびつ
- [長弼](容器・入れ物・運搬道具の)長持[標準語?]
- なかまにする
- 共有する,一緒にする「なかまにせんか(一緒にしませんか)」
- ながむし
- 白米につく白くて長い幼虫,こめむし(穀象虫)の幼虫
- ながも
- [海草名]ほんだわらの若い物「酢味噌、みそ汁にして食べる。美味]
- ながや
- [長屋・長家]納屋[栗材の柱の物は良い物とされた](→くりのはしら)農家の作業場の小屋,家畜小屋(→うまながや うしながや)
- なかやすみ
- [中休み]
1.休憩[標準語」
2.中断「梅雨のなかやすみ」
- ながれもん
- (佐渡島外から来た)ならず者(→なんばた)
- ながれる
- 1.流れる[標準語]
2.まとまらない「はなしはながれた」
3移動する,移る「宴会は二次会でほかへながれた」
〜なきにゃ=なけにゃ
- なきみそ
- 泣き虫,よく泣く者
- なきりぼいちょう
- 菜切り包丁(→ほいちょう 魚ぼいちょう 刺身ぼいちょう)
- なけにゃ・なけにゃあ
- 〜(も)なければ「金もなけにゃあ、なんもできん(金も無いんで何も出来ない、金も無ければ何も出来ない:主観的)」
- なけりゃあー
- 〜(も)なければ「金もなけりゃあ、時間もない(金も無いし時間も無い:客観的)」
- なごう
- 長く「なごうかかる(長くかかる)」
- なごうなる
- 長くなる(=なごなる 1)
- なごなる
- 1.長くなる(=なごうなる)
2.†横になり長まる
- なさえに
- 斜めに「なさえにきる(斜めに切る)」[←†なそえ・なさえ(斜め)]
- なさえにかまえる
- 斜に楕える,実直に聞こうとしない(=しゃにかまえる)
- なじみ・なじみのもん
- 知り合いの人,(男でも女でも)付き含ってる人
〜なしゃませれ〜なさいませ[丁寧語](→おしめなしゃませ)
- なす
- 1.返す(→金をなす 借金をなす)
2.(子供を)産む「こをなす」
- なすび
- 茄子[なす、とも言う]
- なすびのしんやき
- [茄子の鴫焼き]なすのしぎやき[なずびのでんがく、とも]
- なすりつける
- 1.(罪等を)なすり付ける[標準語]
2.塗り付ける「ペンキをなすりつける」
- なたざいく
- [←鉈細工]→なたぜえく(→せえくがはやい)
- なたぜえく
- 不細工,ぶす,不美人
- なただ
- 荒削りだ,不細工だ,ぶすだ,不美人だ
- なたづくり
- [銘作り]ぶす,不美人,不細工な顔
- なちから
- 塩辛[国仲・両津]
- なちもん
- 塩辛[水津]
- なついも
- ジャガ芋(=にどいも にろいも)
- なっかし・なっかし、いい
- それでいい,そんなもんだ[良い意味で使う]「それでなっかし(それでいいな・いいよね・それで0Kだ)」「なっかしらな(そんなもんだな)」[付け言葉的]「なっかし、いい(それでいい)」
*なっかしわるい、とは使わない
- なつじぶん
- 夏の頃[標準語?](→いまじぶん ふゆじぶん)
- なにい
- 何だと,何ですか,何どうしたんだ
なにさ=なにやー
- なにせえ
- 何しろ
- なにせえっちゅんじゃ
- 何をしろと言うのか
- なにやー
- 何だー(=なにさ)「なにやー、なんかよーか(何だい、何か用かい)」
- なのこし
- 得意な事(芸事・書道・絵等)で記念の物事を遺す事「なのこしにひとつしてくれやさ(記念に何か一つしてくれ)」
- なぶる
- からかう,いじめる[標準語?]
- なまぼせ
- 生干し,半乾きの干物
- なまんすけとう
- 生のすけとう鱈(⇔かたせ)[両津](→なまぼせ ぶえんもの)
- なみだがね
- [涙金]わずかな慰謝科・手切金・補償金
なめこい=なめらっこい
- なめぜい
- ひしお[魚を味噌で浸けて合わした物][両津]
- なめたように
- きれいすっかり[標準語?]
- なめらっこい
- 滑らかな,滑らかだ,滑り易い,すべすべしている
- なめろ
- なめくじ「なめろでて、こまるっちゃあ(なめくじが出て困る)」
- なもかも
- 何でもかんでも,みんな
- なもねえ
- 何も無い(=なーもねえ)
- なら
- 涙(→ならんでた)
- ならから
- (食べ物の)おから[両津]
- ならん
- 〜(しては)いけない「そのこと、してはならんぞ(そんな事はしてはいけない)」
- ならんこと
- [←ならぬこと]有ってはいけない事,してはいけない事,起こったりしてはいけない事
- ならんでた
- 涙が出た「あんまりかれえもんくたもんし、ならんでた(余りにも辛い物を食べたので涙が出た)」
- なりじょけ
- 不精「なりじょけなもんさけ、そうじやってもへただ(不精者なので掃除が下手だ)」
- なんかかんか
- 何かかんか,何かしら,あれこれ(=なんだかんだ)
- なんした
- 何かした,どうかした「おめんて、なんしたさ。みせてみい。(お前の手はどうしたんだ。見せてみろ。)」
- なんして
- 何で,どうして,いかにして「なんしてきたんか(何で来たんだ)」
- なんしに
- 何をしに
- 〜なんだ
- 〜(し)なかった「こなんだ(来なかった)/やらなんだ(しなかった)」
- なんだかんだ
- あれこれ,あれやこれや「なんだかんだゆーても、それはだめら(あれこれ言ってもそれは駄目だ)」[標準語?](=なんかかんか)
- なんだかんだっちゅうても
- 何だかんだと言っても,何と言おうとも,何と言っても
- なんだかんだゆーても
- 何だかんだと言っても,何と言おうとも,何と言っても
- なんたら
- 何という,何たる「なんたらことだ(何ということだ)」
- 〜、なんだや〜
- [間投詞]なんだったっけ、えっと、[話しをがら文の切れ目に入れる。英語の”〜,you know、〜”に当たる](≒あれだかや)
- なんちゅうこと
- 何という(ひどい・悪い)事[こ、にaccent有る事有り]
- なんちゅうのんさ・なんちゅうのんや
- (話の内容について)何と言ったのかね何という名前なのか
- なんつ
- 何歳「なんつになったか(何歳になりましたか)」
- †なんつうこと
- 何ということ(=なんちゅうこと)
なんっちゅうても=なんだかんだっちゅうても
- なんどき
- 何時
- なんともね
- 何とも無い,大丈夫だ[平accent]「いまからうえてもいいか(今から植えても良いか)/なんともね」
- なんばた
- [南畑]不良,乱暴者,言う事を聞かぬ奴[相川の金山で、信州の南畑から来た乱暴な鉱夫頭の出身地名から、南畑という名の部屋頭がいて乱暴者であった事、南畑という部屋がありそこの鉱夫達が乱暴であった事、という三説有り」
- なんばん
- 唐がらし[古い標準語?]
- †なんぼ
- いくら,どれくらい「なんぼのもんだ(いくらの物か)」
- †なんぼなんでも
- いくらなんでも[いくらなんでも、の方が普通]
- なんも
- 1.何も「なんもいらん(何も要らない)」
2.何でも「なんも、くれい(何でも<いいから>くれ・渡してくれ)」
- なんもかんも
- 何もかも「なんもかんもおわった(何もかも終わりました)」
- なんや
- 何か「なんや、おこっとる(何か起きている)」
- にいぼとけ
- 最近亡くなった人(新しい仏様、から)(=しんぼとけ)
- にがおもい
- 負担がある,責任が重い,負担が有り過ぎる,責任が重過ぎる
にがかるい⇔にがおもい[標準語?]
- にかや
- 二階屋,二階の有る家
- にくとうしい
- 憎たらしい,憎らしい
†にくとしい=にくとうしい
- †にくとしげ
- 憎たらしげ(⇔いとしげ)
- にげえて・にげーて
- 逃がして「にげえてやる(逃がしてやる)」
- にごじゅう
- 同じ者・物,似ている者・物「あいつはにごじゅうさ」
- にたかよったか
- 似たり寄ったり
- にちゃがくる
- (特にご飯が)傷みかかって糸を引くようになって悪くなる
にちゃくる=にちゃがくる
- にちゃにちゃする
- ねちゃねちゃする,ぬかるむ
- にっかん
- [入棺]湯棺をした後お棺に入れる事[湯棺→入棺→散り焼き→本葬の順]
- にてもにつかん
- 似てもにつかわない,全く似て無い
- にどいも
- ジャガ芋(=にどいも・にろいも なついも)
- にとる
- 煮ている,似ている[にてる、とも言う]
- にになる
- [荷になる]1.荷物になる,邪魔になる
2.負担になる
- にのう
- 1.布を織り込んだ丈夫な荷紐[三本でぐみあみにし、ロープ状 背負う時使用]
2.藁で作った稲等負う縄(→ぐのう かんなわ)
- にのくがつげん
- [二の句が告げん]次の言葉が出ない,答えに窮ずる
- †にのめになる
- 解らなくなる,のめりこむ(=ぬめになる)(→はまりきって)
- にばぜん
- [←二番膳]朝寝坊して朝ご飯に遅れる事・食いそびれる事・遅れて食べる事「にばぜんでぎょうぎんわるい(遅れて朝飯を食べてお行儀が悪いぞ)」
- にまめら
- まめまめしく働く,良く働く「あのもん、にまめら」
にゅうがん=にっかん
- 〜にゃ・〜にゃあ
- 〜(し)なくては,〜(せ)ねば「はなしをせにゃならん(話をしなくてはならない)」
- にやす
- 煮る,沸かす「にやしてくれ(煮てくれ)」
- にょうにょうさん
- 1.お月様,月
2.(死んだ人の)仏様,死んだ人・祖先の霊「にょうにょうさんおがむ」[国仲]
3.お坊さん[水溝:くげさん、とも言う]
- にらみごく
- [←にらみ十ごく(ごっこ・競争)]にらめっこ
- にろいも
- ジャガ手(=にどいも なついも)[一年に、二度収穫出来るから]
- にわか〜
- 急な〜[標準語?]「にわかび(急な火・火力、強い火)/にわかだき(急に強い火で物を煮る事)」
- にわつく
- [庭築く]庭を作る,造園する(→つぼつく)
- にをおろす
- 責任有る仕事を果たす[古い標準語]
- †にんじゅう
- [人衆]仲間「おんぐるべーも、うおにんじ*う(→おんぐるべー)」
- ぬいご
- 藁の実の付く所の茎、藁の芯
- ぬいごぼうき
- 上記『ぬいご』で作った藁箒(わらぼうき)
- ぬいごわら
- 藁の芯の部分で編んだ縄[北海道方面に運ぱれ漁綱に使われた](→かんなわ ほっかいどうせん すぐりわら)
- †ぬいはしん
- 縫い物,裁縫(=はしん)
- ぬいもん
- 縫い物,裁縫
- ぬか
- 籾殻穀物等の外皮 *粉状の、米糠、では無い(→こぬか まめぬか)
- ぬかす
- [卑語]言う「なにぬかす(なにをいいやがる)(平accentか、ぬにaccent)」
- ぬかづけ
- 糠味噌[小糠(米の糠)+味噌]で漬けた物[野菜だけで無く鰯・錆・秋刀魚等の魚の糠漬けが有る]
- ぬかった
- I.油断した
2.道等がぬかるんだ[標準語?]
- ぬかばち
- 小さい蜂
- ぬからん
- (狡くて)抜け目のない,利に聡い「ぬからんやつ(抜け目のない奴)」
- †ぬかりだ
- 湿田[今は殆ど無い](=じゅぶじゅぶした田)
- ぬくい
- 暖かい(=ぬっくい)
- ぬくとうて
- 暖かくて「こたつ、ぬくとうてでられん(こたつが暖かくて出られない<出たくない>)」
- ぬくとまる
- 暖まる[自動詞]
- ぬくとめなおし
- 暖め直し
- ぬくとめる
- 暖める[他動詞]
- ぬくまる
- 暖まる(=ぬくとまる)
- ぬくめる
- 暖める(=ぬくとめる)
- ぬけさく
- 間抜け,馬鹿,あほう[標準語?「あほ」とも言う]
- ぬける
- もぐってしまう,滑ったり潜ったりする「雪でぬける(隆った雪で足が潜ってしまう)/みちがぬける(道がぬかるんで靴が潜ってしまう)」
- ぬし・ぬしや
- [呼び掛け・卑語]お前(=おんし・おんしや)(→おめ)
- ぬすんこき
- 盗っ人泥棒「ぬすんこきねこ(泥棒猫)」
- ぬた
- どろどろの,泥「田がぬたになった(たんぼがどろどろになった)」(=のた)
- ぬたぬた
- ねばわば,ねちゃねちゃ[ぬめりがある状態む(=のたのた)
- ぬっくい
- 暖かい(=ぬくい)
- ぬっち・ぬっちや
- 塗り物屋の店,塗り物職人
- ぬっぺ
- (新潟料理の)のっペ(偽新潟料理の)のっぺ汁 魚の擦り身を団子にした汁[のっぺ汁は新潟本来の料理では無い。のっぺは元来煮物の一種]
- ぬっぺらぼう
- 1.(妖怪の)のっぺらぼう[昔話では、むじなの化けた物]
2.平らな様子,のっぺりした物
- ぬめ
- 判らなくなる状態(=にのめ)
- ぬめになる
- 判別出来なくなる,判らなくなる(=ぬめんなる にのめになる)「着物の柄がぬめになる(着物の柄が判らなくなる)」
- ぬめりこむ
- のめり込む(→ぬめんなる)
- ぬめりんくる
- ぬめる様になる,(腐ったりして)ぬるぬるする様になる
- ぬめんなる
- わからなくなる,のめり込む,(一緒懸命に張り切って)のめり込む(→はまりきって)(=にのめになる)
- ぬらりくらり
- のらりくらり
- ぬりつけごく
- (責任等の)なすり含い[本義:塗り付け十競争(ごく)]
- 〜ね・〜ねえ
- 〜(が)無い「かね(が)ね(金が無い)/じかん(が)ねえ(時間が無い)
*本来、〜の所には名詞が入る、動詞の未然形は入らない。動詞の否定は〜んを使う。しかし、現在は混同されつつある。
×知らねえ→○しらん ×食わわえ→○くわん ×やらねえ→○やらん ○びんがねえ・びんね ○びんぎがねえ ○くうことね ○やることね
- 〜ねえし
- 〜(が)無いので「かねもねえし、はらえんさ(金が無いので払えない)」
- 〜ねえけも
- 〜(が)無いけど,無いけれど「かねがねえけもはらうわ。(あまり金が無いが払う)*無い訳では無い。払いたくない事の婉曲表現。」[ね、か、けにaccent]
- †ねえもせん
- 有りもしない無理をして出したなけなしの[平accent]「ねえもせんかねはたいてこうたっちゃ(なけなしの金を出して買ったんだぜ)」
- ねえやん
- 姉さん,あねさん
- ねかしつける
- 寝かす,眠らせる
- ねかせる
- 寝かす,眠らせる[標準語?]
- ねから・ねっから
- 元から,元々,根本から[標準語?]
- ねき
- そば,傍ら「いえのわき(家のそば)」
- ねぎもん
- [←安着物]丹前・どてら等の総称
- ね、きるむし
- [←根を切る虫]よとう虫,とう蛾の幼虫・芋虫畑の地中にいて、栽培植物の根や茎をちょきんと切る[新潟
- ねきりむし]
- ねくさる
- [卑語]寝ていやがる「まだ、ねくさっとったか(まだ寝ていやがったか)」
- ねぐせえ
- (食べ物が)少し傷んでいる「このおかずはわぐせえ」
- ねごうてもねえ
- 願ってもない,もっけの幸い,幸運にも,ちょうど良い「それはねごうてもねえことだ(それは願ってもない事だ)」
- ねこじれ
- 睡眠中に寝違えて首筋や肩が痛くなる事
- ねこじれる
- 1.寝違えて首筋や肩が痛くなる
2.寝そびれる
- ねじかける・ねじをかける
- (時々)はっばをかける、元気付ける
- ねじばな
- [植物名]もじずり[花の穂がねじれている、ねじれずり(捻れ摺り)の意味]
- ねずみさし
- [植物名]と松(としょう)葉が針状の樅の木
- ねせる
- 置いておく
「まめをねせてなっとうをつくる(豆を置いておいて発酵さぜて納豆を作る)」「金をねせておいては、しにがねだ(金を持っているだけ・家に置いておくだけでは無駄だ)」
- ねそぼい
- 寝そびれて気嫌の悪い事「ねそぼいいう(起きっぱなでぐずぐず言う)」
- ねちゃがくる
- ねちゃつく,粘る様になる(=にちゃがくる)
- ねちゃねちゃする
- くっつく,ねちねちする,粘る(→にちゃにちゃ)
- †ねつい
- ねちっこい,しつこい,くどい「ねついやつ(ねちねちしている奴)」
- ねっこ
- 根元,そば,下の方「はしらのねっこにおいた(柱の下の所に置いた)」
- ねとぼける
- 寝ぼける
- ねぶいち
- 腫れ物,おでき(=ねぶと)
- ねぶか
- [植物名]ねぎ(→あさづき)
- ねぶかのほそいやつ
- [植物名]
1.細いねぎ
2.のびる(=あさづき ひる)
- ねぶてえ
- 眠たい[ねむてえ、とも言う]
- ねぶと
- [根太]ねぶいちと 同
- ねぶる
- 眠る[ねむる、とも言う]
- ねまる
- (平らな所に)座る[すわる、とも言う](→ちょこじむ おつくべ)「そんなとこにたっとらんでねまれっちゃ(そんな所に立っていないで座れよ)」
- ねめつける
- 1.睨みつける[平accent]「ねめつけてきた(睨んできた)」
2.便所で気張ってきた[両津]
*ねめてきた、と混同か?
- ねめてきた
- 便所できばって来た「トイレでねめてきた」[両津][国中は平accent]
- ねめる
- 便所できばる[両津][国中は平accent]
- ねら
- [←根太(ねだ)]縁の下の組木(ねだ、とも言う)
- 〜ねん
- 〜だよ「つめてえねん(冷たいんだよ)」
- ねんからねんじゅう
- 年がら年中[濁点が抜ける],いつでも
- ねんごろに
- 懇意に,親密に,仲良く[標準語?良く使う]「あそこんもんとはねんごろにしとる(あそこの家の者とは親密にしている)」
- ねんねんしい
- (子供に)寝なさい
〜のー=〜のう
- 〜のう
- 1.[終助詞]〜(が)なあ,ねえ[理由]「それがのう、(それがねえ、)」(→なあ)
2.[感嘆詞]なあ,ねえ,おい[呼び掛け]
- のうがっこう
- [農学校]佐渡農業高等学校(→さこー,りょうこー,あいこー)
- のうした
- 無くした[なくした、とも言う]
- のうする
- 亡くす,無くす[なくす、のおする、とも言う]
- のうて
- 〜(で)無くて「それでのうて、これくれさ(それしやなくて、これをくれ)」[の、にaccent有る事有り]
- のうても
- 無くても「それは、のうてもいい(それは、無くても良い)[平accent]しのうてもいい(しなくても良い)(=せんでもいい)」
- のうなった
- 無くなった,亡くなった[のくなった、とも言う]
- のうなる
- なくなる(なくなる、とも言う)[平accentも有り]
のうのうさん→にょうにょうさん
- のうやすみ
- [農休み](集落・小地区の)田植え終了の休み
- のお
- [のう、とも言う事が出来る]
- 〜のお
- 〜(は)ねえ「あのもんはのお、たびのもんさ(あの人はねえ、よそ者だ)」
- のげえり
- †野辺送り(今は)火葬場へ行って帰る事(→いろき)[のげえり、に行った事に代える、本葬時に遺牌の前でいろきの者達がグルグル回る儀式(?)が有る]
- のげえりのぜん
- 葬儀後に出されるお膳[本来、野辺送りの後に式場に戻って出されるお繕。いろきの者、がお籍に着く]
- のげる
- 煮崩れる「おゆんなかいれっぱなしでもちがのげた(お湯の中に入れっ放しておいて、餅がどろどろになってしまった)」
- のさばらせる
- (子供等を)甘やかせる,甘えさせる
- のさばる
- 1.のさばる,いい気になって増長する[標準語?]
2.†甘える
- のしかかる
- 寄っかかる「ねむりこけてのしかかってきた(眠ってよっかかってきた)」
- のした
- 1.乗せた
2.伸した「のした餅」[標準語]
- のしてくれ
- 乗せてくれ「のしてくれーさ(乗せてくれよ)」(のせて〜、とも言う)
- のす
- [伸す]延ばす,広くする「餅をのす(餅を伸餅にする)」
- のそのそしとる
- のそのそしている
- のそっと
- のっそりと,のそのそ,のそのそと[標準語?]
- のた
- 1.どろどろ「道がのたになる(道がどろどろになる・ぬかるむ)」(=ぬた)
2.波
- のたくる
- 1.這う,這って歩く,這って行く
2.(人が)だらだらしている,だらけている「のたくっとる」
- のっけ
- 初め「のっけから(初めから)」[古い標準語?]
- のっこす
- 追い越す
- のっぺり
- のっぺらぼうな,平板な,締まりのない[標準語?]
- のどがつかえとる・のどがとおらん
- 心配でたまらない[比輪][標準語?]
- のの
- 布
- ののこ
- 綿入れ[着物名]
- ののさん
- お婆さん[相川](→ばあやん)
- のべる
- [の、にaccent有る事有り]
1.述べる,伸べる[標準語]
2.差し出す,提出する,渡す「この手紙、のぺてくれ(この手紙を出してくれ・渡してくれ)」
- のむ
- 1.(煙草を)喫う
2.飲む・承知する[標準語]
- のめしこき
- 怠け者[新津でも同]
- のやき
- [野焼き]1.†野外の火葬
2.野の雑草を焼く事[標準語]
- のろ
- 喉「のろんいてえ、やあ。(喉が痛い、厭だなあ。)」
- のろまにんぎょう
- [←野呂松人形]佐渡に残る江戸時代からの伝統的な人形芝居 滑稽な狂言で昨今の事柄等も入れた当世風な台詞を交えて上演したりする
- のろまんこと
- 馬鹿な事(=ばかんこと→やぼんこと)
- 〜のん
- 〜の物(=もん)「わたしんのん(私の物)」
- 〜のんか
- `なのか,〜のか「さむいのんか(寒いのか)」
- 〜のんし
- 〜なので,〜物なので(=もんし)[の・も、が混同?]「今日はさむいのんし、いかせん(今日は寒いので行かない)」
- のんべんだらり
- だらしない,うだうだして「のんべんだらりとする」
[は]
- ぱあ
- 馬鹿[標準語?]
ばあ・ばあばあ→ばばさん
- ばあこう
- くそばばあ(=こつばば)(→ばばさん)
- ばあさんこ
- 祖母が主に育てた子供[甘ったれで出来が悪いと言われる]
*ぱあさんこは三文安い(婆さん子は少し出来が落ちる)[三文=昔の貨幣単位で一文銭三枚]
- ばあそく
- [植物名]つりがねにんじん(→ばーそく・しいそく・しーそく)
- ばあばあ
- [幼児語]祖母,お婆さん
- ばあびい
- [幼児語]寒い(=ばびい,ばぶい)
- ばあやん
- お婆さん(→ばばさん)
- ぱあんなる
- (凡て)駄目になる,無駄になる「話はぱあんなった(話は駄目になった)」
- はい、さよなら
- 「はい、さようなら」[筒単にあっさりと別れる時の挨拶]
- はいずりまわる
- はいずり回る(厭な事等で)そこらじゆうに行く[標準語?]
- はいそれ
- おいそれ,二つ返事で簡単に(→ほいそれ)「はいそれとはうけえん(安請け含いは出来ない)」
- はいやー・ばいよー
- [児童語]さようなら,バイバイ
- はーえい・はーええ
- 速い,早い(→はえとこ はーやく)
- はえとこ
- 速いところ,速く「はえとこ、やってくれさ(速くやってくれよ)」
- はがいい
- はがゆい,どうしょうもない
- はがうく
- 1.歯が浮く,お世辞まみれの,へつらった[標準語]
2.歯茎が腫れる「はがういてだちかん(歯茎が腫れてどうしようない)」
- はかがいかん
- はかどらない(はかがいく、の反対)
- はかがいく
- はかどる[はかどる、とも言う]
- はかったように
- 考えていた様に(ピッタリと)予測した様に[標準語?]
- ばかのこっちょう
- [馬鹿の骨頂]大馬鹿者[古い標準語]
- はかばかしゅうは
- はかばかしくは,良い方に向かう様には
- はかび
- [←墓火]火の玉,鬼火
- はかりがいい
- [計りが良い]いっぱい入っている,余計に入っている
- はかろうて
- [計ろうて]推測して,計らって,考えて
- ばかんこと
- 馬鹿な事(=のろまんこと やぼんこと ばかんこと)(→わるさ)「なにばかんことゆーかさ(なに馬鹿な事を言うんだい・馬鹿な事言うな)」
- †はぎり
- 決心,決断「なかなかはぎりがつかん(なかなか決心がつかない)」
- †はぐち
- [端ロ]ひさし[ひさし、とも言う]
- ばくとう
- [魚名]求仙(きゅうせん)べら[べラ科][口の小さな、赤や青の(又は両方の)横縞の入った淡泊な味の自身の魚]
- はぐる
- 1.はぐ,めくる「ふとんをはぐる(布団をめくる)」
2.暴露する「ないじょうをはぐる(内情をばらす)」
- はこ
- ありじごく(←はっこ)(→はこのす ありんじょ)[草かげろうの幼虫]
- はこうま
- 踏み台,脚立
- †はこさん
- ありじごく
- はこのす
- ありしごくの巣
- †はこひばち
- 長火鉢の一種
- ††はこべじお
- 植物の青い生のはこべを空煎りして塩を混ぜ、再び煎った物、歯磨き粉として使ったはこべは、茹でて、水にさらして胡麻合え、生の物にマヨネーズをかけて食べたり、一時間程塩漬にしたり、はこべ粥・七草粥にしたりした整腸・産後に薬効有り。今は余りはこべを加工したり、食べたりしない。
- はざ
- はぜ(=はぜ)「はざくむ(はざきを組む はざの横木を縛って組む)」
†はさぐ→はせぐ
- ばさばさ
- 1.ばさばさ[擬態語:標準語]
2.浪費する様「金をばさばさ使う(金を惜しめ無く使う)」
- はざま
- [間]あいだ[古い標準語]
- はしがかり
- 連絡の手蔓 連絡の糸口[←(能の楽屋から舞台に通じる長い廊下状の)端懸かり]「はしがかりが出来た(手蔓が出来た・手配の糸口がついた)」
- はじかきご
- 私生児
- †はじかきどうぐ
- 恥かき者「あの子ははじかきどうぐだ」
- はしかけをする
- 他の二者の連絡の糸口をつける,間に立って世話をする
- はしかぬか
- 籾殻と藁くず[とうみ(玄米と籾殻・藁くずを風で飛ばし分ける農具)で集める][ぬか(小糠だけではなく籾殻と小糠の混じった物)](→ぬか)
- はじかむ
- 恥ずかしがる,人見知りする[古い標準語?]「はじかんどらんでやってみいさ(恥ずかしがっていないで、やってみろよ)」
はしけえ=はしっけい
- はしっけい
- 1.籾などが背中に入った時などの痛いようで痒い(=いがらっぽい)「ぬかで、はしっけい(籾殻が入ってちくちくする)」
2.立ち回りがすばしこくやり手の,機転が効くやるのが速い「あいつ、はしっけいやつだ(あいつはやることが素早い奴だ)」
- はしつける
- 箸を付ける,食べ始める[標準語?][元来平accent、最近、は、にaccent有る事有り]「まっとらんではしつけてください(待っていないで食べ始めて下さい)」
- †ばしゃぐるま
- 馬車,荷馬車[今は無い]
- ばしょふさぎ
- [場所塞ぎ]荷物が邪魔な事・物[古い標準語]「ばしょふさぎですまん(場所を塞いでしまってすみません)」
- ばしょふむ
- 場数を踏む,経験を積む[古い標準語]「ばしょふみゃわかる」
- はしらかし・はしらかす
- 味噌汁の具の無い汁[かすの味噌汁?]
- はしり
- 台所の流し
- †はしりごく
- 走りっこ,かけっこ,かけ比べ(→〜ごく かくれごく くいごく)
- はしん
- 縫い物,裁縫(→ぬいはしん)
- はす
- 斜め[標準語?]「はすにきれ(斜めに切れ)」
- ぱす
- めんこ,めんこ遊び[新潟:直径2cm位の小さいめんこ]
- はずいか
- [葉酸いか][植物名]ぎしぎし[いたどりに似ているが小さく、葉を生で食べた植物 酸っぱい]
- はぜ
- 収穫した稲を天日で干すために掛ける立ち木に横棒を籍つ付けた物(=はざ)[佐渡では、「はざ」とも「ばせ」とも言う。新潟
- はざ]
- はせいだ
- 1乾いた「桶がはせいだ(桶のたがが乾いて緩んだ)」
2.はしゃいだ,浮かれ騒いだ
- はぜき・はぜぎ
- はぜ、に使っている立ち木 はぜ、に使う木[通常10本程並んで家の近くの道路傍に生やしている 一説に櫨(はぜ)の木を使うとの事][新潟:はざき はざぎ]
- はせぐ
- 乾く,はしゃぐ(→はせいだ)
- はぜごや
- [はぜ小屋]はぜ、の横棒を入れておく長細い小屋(=はぜんごや)
- はぜんごや<上同>
- [はぜ小屋]はぜ、の横棒を入れておく長細い小屋(=はぜんごや)
- ばーそく
- つりがねにんじん(→ばあそく・じいそく・じーそく)
- はたおりむし
- [機織り虫][昆虫名」ばった
- はたく
- 1.たたく,ぶつ,打つ
2.(お金を)すっかり出す[標準語?]
- はちめ
- [魚名]めばる,かさご[赤い色で春頃、おいしく刺身で食べられる魚。歯ごたえと甘みがあり、鯛よりうまい、と言う人もある。塩焼きにもする]
- はちや
- 一番太きな甘柿の品種名「だらり」と混同することも有り(→だらり)
- はちゃのう
- [接続詞?間投詞?・順接?逆接?]そうならね,そうじゃなければ
「はちゃのう、こうでねえか(そうでなければ、こうじゃないか)」
「それがだめとゆうなら、はちゃのう、これはどうだ(それが駄目だと言うなら、それではこれはどうだ)」
*果てはのう(果てはこうだなんだけれど)、からか?
- ばっかも・ばっかりも
- ばかりも「そうばっかもいえん(そうばかりも言えない)」
- はっけみ
- [八卦見]占い師,占い屋(=どんどこや)
はっこ→はこ
- はっしゅこうべ
- [←八尺頭]でか頭(→せえづちあたま)
- はってきた
- 草・小さい枝を刈ってきた(→やまはり はる)
- はっぱ
- 1.葉っぱ[標準語]
2.火薬
- はっぱかける
- 勢いを付けさせる,元気付けさせる[標準語?]
- はつり
- 上前をはねて儲ける事「はつりをとる(上前をはねる)」
- はつる
- 削り取る,上を減らす・除ける,はねる(→ヘぐ ははねる)「ひつのごはんのうえをはつってくれ(おひつのご飯の上を除いて<茶碗に盛って>くれ」
- はな
- [花]l.四月十五日の春祭等で廻ってくる鬼太鼓への御祝儀(=はなだい)「おにさんに、はなをだす(廻ってきた鬼太鼓の鬼の役にご祝儀を出す)」
2.花[標準語]
- はな
- [鼻]1.端,岬,先端,始まり,初め
2.鼻,鼻水[標準語]
- はなさき
- 1.鼻先[標準語]
2.すぐ近く「はなさきのうち(すぐ先の家)」
- †はなしぐち
- 話し振り,口振り
- はなす
- 金品を人にやる・もらう・うる「あのもんがようはなしたな(あの人がよく手放したな)/うしをはなした(牛を手放した<売ったのではない>)
- はなだい
- [花代]ご祝儀(→はな)「はなだい、よけ、つつんだ(ご祝儀を奮発した)」
- はなっぱし
- 鼻っ柱「はなっぱしがつよい(鼻っ柱が強い、気が強い)」
- はなひる
- 手鼻をかむ[片指で片方の鼻の穴を押さえ鼻水を飛ばす、のが本式。ちなみに、てではなをかむ、は両手で鼻をかむ事]
- はなべちゃ
- はなぺちゃ,鼻の低い人
- はなぼう
- 先棒「はなぼうをかつぐ(お先棒を担ぐ)」
- はなぼうたんき
- 物おじせずに初めにやる人,先走り荒っぽい
- はねる
- 1.跳ねる,駆ける[標準語]「はねまわる(跳ね回る・駆け回る)」
2.落とす[標準語]「しけんにはねられた(試験に落とされた)」
3.上の物を除ける(→ヘぐ はつる)「ごはんをはねる(中の方のご飯を盛るためにおひつのご飯の上の方をのける)」
4(上前を)はねる「頭をはねる(上前をはねる)(=はつりをとる)」
はね(を)あげる
- 服に泥を跳ね上げる「はねをあげてきたのうなってだちかん(泥っ跳ねが服に付いて汚くなって困ってる)」
ばば→ばばさん
- はばかり
- トイレ[古い標準語](=かわや)
- ばばさん
- (上流家庭の)おばあさん祖母(=ばばやん)[中流]ばあさん ばやん[一般]ばあばあ,ばあ,ばば[罵倒語]†ばあこう†こつばば
- ばばづけもち
- 嫁が初孫となる初児を身ごもるとその家で祖母となる者があん餅を作り、近所や親類へ挨拶に行く時記る、その餅 近頃は廃れた習慣で、何もしなかったり、しても普通の餅を配ったりお菓子類を配る家も有る(=†じぎのべもち)
ばばやん→ばばさん
- ばびい・ばーびい・ばぶい
- [幼児語]寒い(=ばあびい ばーびい ばぶい)
- はぶりんいい
- 羽振りが好い(近頃)金持ちの金回りが良い[標準語?]
- はまぐりかき
- 蛤を掘る大きな熊[以前は、木製でT字型のレーキの様な物の先の板に五寸釘を打って、その上に重しを乗せた物を使った]
- †はまなか
- 骨接ぎ[真野町浜中のむじなから術を習ったという名骨接ぎ、長甚九郎家の名より 浜中地区は、藤のとうみ・草履の工芸でも有名だった]
- はまのもん
- 海岸地方の人々,漁師(→おきのもん、やまのもん、やまがのもん)
- はまりきって
- 一生懸命になって(→はまる1.にのめになる ぬめになる)
- はまる
- 1.励む,夢中になる「仕事にはまる(仕事に励む)」[標準語?]
2.落ち込む,惚れる「川にはまる(川に落ちる)/女にはまる」[標準語?]
はまんもん→はまのもん
- はみがあれえ
- [食みが荒い]大食いだ[本来、牛馬に使ったが今は人にも使う」
- はむこう
- はむかう,向かって行く,敵対する
- はむく
- はむかう(=はむこう)
- はもち
- [葉餅]とても細かい虫が着いて、葉の中に潜り込み、膨らんだ葉 葉の上に丸
く膨らんだり、葉の全体が膨らんだ虫嚢(ちゅうのう)の事[昭和30年代まで食べた(!?)との事 生食?]「はもちんできとる、くえるんだ(葉餅が出来てて、食えるぞ)」(→もち)
*皐月や桜のウイルス性の膨らんだ葉は食べない。有毒との事。
- はや
- もう「はや、いってすんだ(もう行ってしまいました)」
- はやかす
- 冷やかす,太勢でからかう
- はーやく
- 早く,速く(=はえとこ)(→はや)「はーやくしいさ(速くしろよ)」
- はやてまわし
- 早い方法「その方がはやてまわしだ」
- はやる
- 意気がる,調子こく,調子づく,偉そうな顔をする,いい気になってる「あのもん、はやっとる(あいつはいい気になってる・突っ張っている)」
*(生徒)か良く使う
ばやん→ばばさん
- はよ
- 速く,早く「はよこい(早く来い)」
- はよう
- [←速く・早く]ほやく(=はよ)「はようこい(早く来い)」〔音便〕
- ほようて
- [←速くて・早くて]ほやくて「はようてもあすになるっちゃ(早くても明日になるぞ)」[よやくて、とも言うが、よにaccent]〔音使〕(→はよ)
ばら=ばらせん
はらあんべえ→はらんべえ
- はらか
- 裸「はらかでおるもん、おるかて(裸でいる奴があるか)」
はらがやむ=はらがやめる
- はらがやめる
- 腹が痛い(→やむ)
- はらくくって
- 覚悟して肝を据えて「はらくくってやらんかさ(しっかりとやれ)」
- はらける
- 全部さらけ出す「財布をはらけてしはろうた(財布の中身を全部出して支払った)」
- はらこじゅばん
- 浴衣状の形の和服の下着[ふわふわした柔らかな物も有った]
- ばらせん
- じゃらじゃら硬貨(=つぶせん ぎんか)
- はらみもようだ
- 腹に赤ちやんが居るみたいだ,妊娠している様だ(→もようづく)
- はらんべえ
- 腹具合,腹の案配「はらんべえがわるい(腹の具合が悪い)」
- †ばり
- 小便(=†いばり)
- はりごま
- [←春駒]春駒[馬を股で挟む物と手に馬の首人形を持って踊る二通り有り、前者は三河但馬のしかめつらというひょっとこ状の面を付けて踊るが被差
別の角付け芸で有ったため、後継者が絶えた(→ほいと)」
- はりしょう
- 見栄張り(→はってきた)
- はりせんぼん
- うに[魚のふぐ科の『はりせんぼん』とは異](→かぜ)
- はりつける
- 殴りつける(=はる)「はりつけた(殴りつけた)」
- はりのき
- 「植物名]はんのき
- はりのみぞ・はりのめめぞ
- 針の穴
- ぱりぱり
- はいから(な物)新しい(物)†上等な(物)上等品
- †はりもんいた
- 布を洗い張りする板[和服は糸を抜いてばらして洗い、伸ばすために厚手の木の板に張る洗濯方法が有った]
- はる
- 1.切る「鎌ではる(鎌で小さい枝や草を切る)」(→やまはりはってきた)
2.殴る(=くらしつける しやつける はりつける)
3.一杯になる・する「腹がはる」「値がはる」[標準語?]
- はるぎとう
- [春祈祷]正月時、氏神の神主・係りの者が各戸を巡って祝詞を上げる事。あるいは係りの者が真言を読み上げる事
- はるれー
- [←春礼]年始の挨拶[正月三ケ日間、お宮・お寺・親類知人を廻るお宮・お寺にはお金を包んで持って行き、新しいお札を貰い神棚に上げる]
- ばをとる
- 場所をふさぐ邪魔になる[標準語?](→ばをふさぐ)
- ばをふんどる
- [←場を踏んでいる]色々と経験している
- ばん
- (干上がったり乾いたりして)平に堅くなる事「日照りで田や池がばんになった」
- ばんぎい
- 晩方,夕方(⇔あさぎい)
- はんぎり
- 浅くて大きいたらい(直径1メートル位)[小木でたらい舟としても使う](→三尺もんはんぞう)
- はんぐ・はんぐい
- 中途半端「仕事をはんぐにしてはこまる」
ばんげ・ばんげえ=ばんぎい
- はんこうに
- 半分に「はんこうにわけてくれ(半分に分けてくれ)[平accnetも有]」
- はんごろし
- おはぎ(→ぼたもち)
- ばんじょう
- 1.(魚名)さんま[佐渡では鷹の爪を入れた糠づけにしたり、いいずし(保存食の慣鮪、長期間付け込んで発酵させる)にする。さんまを漬けるのは最近の事という説有り。同様に鰯・鯖も漬ける(糠鰯・糠鯖)]
2.[←番匠]大工[本来は一般の建築業の大工を指す。金山の大工は『やまんでえく』、または、『でえく』と呼んだ]
- はんずに・はんずのことで
- もう少しの所で,危うく「はんずに(はんずのことで)車に引かれそうになった」
- はんぞう
- 1.たらい,洗濯たらい(→はんぎり さんじやくもん)
2.いいかげん(=はんぞさく)
- はんぞさく・はんぞーさく[半造作]
- 1.中途半端,いつもより少ない「収穫がはんぞーさくだ」
2.いいかげんな「くいかたがはんぞーさくだ(食べかたがいいかげんだ)」
- はんちゃ
- 綿入りの羽織り,どてらの様な男物のはんてん
- はんでえ
- [←飯台]ちゃぶだい
- はんてこ
- 反対「はんてこのほうこう(反対の方向)」(=さかしま)
- はんとき
- [半時]半分の時間,30分[本来は一時間だった筈]
- ばんのり
- [板海苔](簀の子で乾した)四角い海苔,いたのり[まだ、手作りの物も買う事が出来る。厚手。]
- †はんばか
- [半馬鹿]うすら馬鹿,半馬鹿(→とうじゅう てんぽせん)
- †はんばかとうじゅう
- [半馬鹿当十]<上同>
- ぱんぱんぐり
- 大型の丸々としている栗[いがの中に一つだけ入っている物](→せなこうじ つくりぐり)
- ばんばんしとけや
- [幼児語]片付けとけ,しまっておけ[子供に対して言う]
- †はんぼ
- [←半盆?]米麹や伸し餅を入れる浅くて平たいお盆状の入れ物(=こうじた†もろいた)(→こうじむろ)
- はんみち
- 行く所までの半分の所・道程
- はんめー
- 飯米,自家用の米
- はんめびつ
- [飯米櫃](ご飯の)おひつ(→いーびつ)[元は小判型で、寿司屋のおかもちの様に浅く、取っ手が二つ付いていた]
- †ばんよ・ばんよー
- [挨拶語」(夕方の)さようなら(→おしゃめなしゃまし)
- ぴあ
- [魚名]本来南方に居る黒っぽくて大きめの魚。刺身では少し油っぽい味がし、春季に捕れる事が有る。テラぴアでは無い(?)正式名称不明。
- ひいきめにみて(も)
- 良く取っても[標準語:良く使う]
- びいこう
- [幼児語]悪い子,悪がき
- びいさん
- (良家の)お嬢さん(=びこやん)
- ひいそく
- 神主の幣束(ヘいそく)御幣(ごへい)
びいてえ→びってえ
- びいのこ
- 子牛(←べいのこ)
- ひがれ
- [日枯れ]早魃で稲が良く実らぬ事
- ひきくず
- (鋸の)おが屑
- †ひきさろう
- ひっさらう,人をさらう(=ひっさろう)
- ひきまわし
- 二重とんび,二重マント,インバネスコート[昭和30年代までは有って、高校生でも着ている者がいた。襟が二重になっている。]
- ひく
- 1.引く,轢く曳く,弾く[標準語]
2.[←曳く]犬等に紐を付けて散歩する「いぬをひいとる」
- びくしゃくする
- 落ち着かない,びくびくする,落ち着かずびくびくする
- ひくたか
- 高低
- びくつく
- びくびくする
- ひくめに
- [低目に]低く,低く見積もって[標準語?]
- ひこじいさん
- ひいじいさん,曾祖父
- ひこずりだす
- 引きずり出す
- ひこずる
- 引きずる
- ひこばあさん
- ひいばあさん,曾祖母
- びこやん
- 良家の娘さん
- ひざこうべ
- [ひざ頭」ひざがしら[→こうべ(頭)]ひざ、くずしてくれ・ひざ、くずしてください)[挨拶語?]お楽にして下さい(=らくにしてくれ)
- †びしこうて
- 次々に,並んで,次々来て
- びしびし
- どんどんと,次々に「びしびしくろうた(どんどん食べた)」
†ひしょう→なめぜい
- びじんさん
- (特に女性の)奇麗な人,目鼻が整っている人,美人
- ひぜに
- [日銭]日給わずかなお金「ひぜにをかせぐ(払いは良く無いが無理してでも頑張って金を稼ぐ)」
*昨今、その様な人が増えて、小使い銭はやるものの、仕付けが放り投げられてる様な親子が目立つ。・新しい『びちゃりそだち』か?
ひーそく→ひいそく
- ひだりちょっき
- ひだりぎっちょ,左利き[昔は無理矢理右利きに直そうとした](=ちょっき)
- ひだりづま
- [左妻]妾,めかけ(→はじかきご)
- ひだりまえ
- 没落する事,商売等がうまく行って無い事[標準語?]
- ひち
- 1.七
2.†質[江戸弁が生きている]
- びち
- びち糞,下痢便
びちくそ=びち
びちびち=びち
- びちゃり〜
- 捨てられた〜,捨てた〜,野良の「ぴちゃりいぬ(捨犬 野良犬)/びちゃりねこ(捨猫 野良猫)」
- びちゃりそだち
- 放任主義で育てられた,親が面倒を見ないで育てられた(または)そういう子供[過保護の反対]見捨てられて育った(→ひぜに ばあさんこ)
- びちゃる
- 捨てる,投げ捨てる「そのもの、びちゃらんかさ(そんな物捨てなさい)」
*び、にaccentが有る時と無い時が有る[新潟:べちゃる]
- ひつ
- [櫃]1.†長持[嫁入り時、天秤棒で吊して運ぷ、衣装等を入れた長四角の箱多少太き目]
2.(ご飯の)おひつ(→いーびつ はんめびつ)
- ひっくりかえる
- 1.ひっくりかえる,転ぶ[標準語]
2.寝転ぶ,横になって休む「すこしひっくりかえってくれ(昼寝でもして下さい・横になって寝転んで休んで下さい)」
- ひっこぐ
- 引っこ抜く「くさをひっこぐ(雑草を引っこ抜く)」
- ひっこむ
- へこむ,引きこもる,身を引く,小さくなっている「ひっこんどれ」
- ひっそくする
- [←逼塞]家を閉める(破産等で)家を閉めて引っ越しする[逼塞は江戸時代の閉門より軽い仕置きの罪名]
ひった→ひってきた
- ひったくる
- [←引ったくる(卑語)](単に)取る「ひったくってきた(取ってきた)」[標準語の、引ったくる・乱暴に取り上げる、の意味では無い]
- ひったてる
- 持ち上げる[連れて行く、の意味は無い]「そこんとこ、ひったててくれ(そこの所を持ち上げてくれ)」
- ひっちゃいてくれ・ひっちゃぶいてくれ
- 破いてくれ
- ひっちゃく・ひっちゃぶく
- やぶく「かみをひっちゃく(紙を破る)」
- ひっちゃらかす
- 放っておく,あちらこちらに投げ散らかす(→ほっちらかす)
- びっちゅう
- [備中]備中鍬[三本備中、四本備中、五本備中(畦塗り用)が有る]
- ひっつく
- くっつく(男女が)くっつく・恋人同志になる
びってい→びってえ
- びってえ[幼児語]
- ばっちい,ばばっちい,汚い「びってえことするな」
- ひってきた
- 糞をしてきた(→ひる ひりつける ねめる ねめつける)
- ひつなり
- 楕円形[漆等を塗った上等のお弼(おひつ)の形から]「ひつなりにやってくれさ(ざーっと大体でしてくれ/楕円に掻き回してくれ)」
- ひっぽかし
- すっぽかし,放任
- ひっぽかす
- すっぽかす
- ひでえ
- ひどい
- ひでっちょう
- 子供の火遊び「ひでっちょうするとねしょんべんたれる(火遊びすると寝小便垂れるぞ)」
- ひとかたけ
- 一回の食事(→かたけ ふたかたけ みかたけ まいかたけ)
- ひとついい、ふたついい
- [一つ言い、二つ言い]言い合って,言い争って「ひとついいふたついい、けんかになった(言い争い出して喧嘩になった)」
- ひとつなか
- 仲良し,切っても切れぬ仲「ひとつなかだ(仲良しだ)」
- ひとつも
- 少しも,一つさえも,全然・全く(〜ない)「そのこと、ひとつもしらんかった(その事は少しも知らなかった)」
- ひとなか
- [人中]人の集まっている所[標準語?]「ひとなかではじかいた」
- ひとのあげさげ
- [人の上げ下げ]人への対応・応じ方「あのもん、ひとのあげさげもしらん(あの者は人への対応の仕方も知らない=世間知らずだ)」
- ひとやきば
- 火葬場(=やきば)
- ひなさん
- [雛様]ひな祭りの人形,おひなさま[土製の物も有り。きぶし(髄の木)、椿の花を供える]
- ひねくる
- 捻る,捻る(ねじる)つねる
- ひねりぐそ
- [捻り糞]捻って出した糞[小木地区の海岸に、『弁慶のひねりぐそ』という奇岩がある。他に、『左八文字』の岩(第一画が長い八の字の穴が空いている岩)が有名。真野地区には、『人面岩(田中角栄に似ている)』という奇岩があるとの事]
びーのこ→びいのこ
- ひのひなか
- 昼の日中(ひるのひなか)昼間,日中[夜の夜中、の反意語]
- ひびがいる・ひびがはいる・ひびんはいる
- 人間関係にひびの入る,(特に他人の)ちょっかいが入る[標準語?]「けっこん、ひびがはいってだめんなった
(結婚が他人のちょっかいが入って駄目になった)」
- ひぼ[←紐]
- ひも,綱
- †ひぼなおし
- 七五三(に当たる行事)(→やまかけいわい)[本来の行事は、子供が三歳になる年の11月15日に今迄の紐をやめ、帯を巻くお祝い。嫁の実家から子供用の紋附・袴が贈られ、親類縁者を招き振る舞いをしたとの事。今は七五三はしても『ひぼなおし』はしない家が多い。
- ひもん
- 干物
- ひやかす
- 1.水に浸けておく,水に浸す「こめをといてひやかしとけ(米を研いで水に浸けておけ)
2.冷やかす,馬鹿にする,買わずにお店に入る[標準語]
- ひゃくねえ
- 愚鈍の者,馬鹿,あほ(→てんぽせん)
- ひやっこい
- 冷たい(=しびてー)
- びやん
- [←美人さん?]かわいい女の子(→びこやん)
- ひゅー
- [植物名]1.ひょうあかざ[あかざ、では無く、その一種][新潟:ひゆ]2.ずべりひゆ
- びゅんびゅん
- 速く,調子に乗って「びゅんびゅんしゃべる」(=ぴんぴん)
- ひょいひょいと
- 不意に,時々,ちょいちょいと[標準語?]
ひょうろく=ひょうろくもん
- ひょうろくもん
- 1.いたずら者(→いたずら)
2.滑稽な者,ひょうきんな奴,おどけた奴
- ひょうろくら
- いたずら者だ(=いたずらだ)「おめ、ひょうろくらな」
ひょこっと→ひょこんと
- ひょこんと
- 1.ひょっこりと,思いがけず急に「ひょこんとやってきた(急に現れた)」
2.ちょこんと「あこにひょこんとのっとる(あそこにちょこんと乗っている)」
- ひょっこ
- 青二才,若者,初心者[標準語?]
- ひょっとこひょっとこ
- 1.ぶらぶらと足取り危なく「ひょっとこひょっとこ歩く(ぶらぶら歩く)」
2.かたちんばの[侮蔑的]「ひょっとこひょっとこだ(かたちんばだ 左右の足の長さが同じでない奴だ)」
- ひょなひょなと
- へなへなと,ひょろひょろと,細長く弱い「ひょなひょなとしとる」
- ひよりがさ
- 日傘
- ひょろ
- [侮蔑語?]細くて弱々しい人「あのもん、ひょろだ」
- ひらき
- 座敷の庭[外から塀垣で仕切り、開き戸をあしらったので](=つぼ つぼのうち つぼにわ)(→つぼつく)
- ひらけた
- さばけた,現代的な「ひらけたひと(さばさばした人)」
- びらしゃら
- ちゃらちゃら[着飾って歩く様][海府](=しゃらしゃら)
- ひらたくいえば
- 解り易く言えば[標準語?]
ひらのしゅう→ひらのもん
- ひらのもん
- 一般・普通の人,役織の無い人,高い身分でない人(⇔おやさんたち とっつあんがた)
- ひらば
- 平野の部分(=おき)(→やまがのもん うみのもん おきのもん)
- ひらべってえ
- 1.(足の裏の土踏まずが)偏平な,偏平足な(⇔わんぐりしとる)
2.平べったい,平らな(=べっちゃるくい べちゃくい)
- びりかす
- 最後,びり(=げと どべ)
- びりぐそ
- 1.大便
2.びり,最後
- びりたれ
- 糞ったれ[悪ロ]
- ひりつける
- 1.糞をする(→ねめる ねめてきた ひってきた)
2.糞をなすり付ける様にしてする「ひりつけてきた」
- ひる
- 1.昼,昼飯「ひるはもってきた(昼飯は持って来た)」
2.蛭[山の薮等にいるみみず状の吸血動物][標準語]
3.[植物名]のびる(→あさづき ねぷかのほそいやつ)
- ひる
- 1.糞をする(→ひりつける ねめる ねめつける)
2.(屁を)ひる、(屁を)こく(→ひった)
- ひるねあがり
- 夏の午後三時頃
びろつく=びろびろする
- びろびろする
- (疲れたりして)目の前がもやもやする
- びんかか
- [植物名]犬柘植(いぬつげ、柘植の一種)
- びんがねえ
- [便が無い]1.バス(の便)が無い
2.新潟行きの船の便が無い・欠航になる
- びんぎがねえ
- 音信が無い,手紙が無い,連絡か無い
- びんこう
- びんこ,額(びんこ、とも言う)(→こうべ)
- びんこうあがっとる
- はげ上がっている[額が広がってる様子]「びんこうあがっとる、あれ。(はげてるな、あいつは。)」
- びんこうでとる
- 額が大きくて出っ張っている,でこっぱちだ[侮蔑的]
- ひんてりあめ
- お天気雨,日が照っている時に降る雨,狐の嫁入り
- †ひんてりゆき
- お天気雪
- †ぴんぴん
- 速く(→びゅんびゅん)
- ふういんちょう
- 諷経帳(→いろき)(=いろちょう)
- ふうかぶり
- [←頬被り]ほうかむり,ほうかぶり
- ふうそ
- 1.疱瘡
2.種痘
3.種痘の跡(=いれぼうそ)
- ふうてえ
- [←風体](悪い意味の)身なり様子「なんちゆうふーてーをしとるんだ(何という格好をしているんだ)」
†ふうぬける→ふうんぬける
- ふうのき
- [←朴の木]ほお(朴)の木[桐材より重いが割と軽くて丈夫で、げたの材科に使った][平accent]
- ふうんぬける
- 風味が抜けて悪くなる,食べ物の香りや味が抜ける(→いがぬける)
- ふえん
- [不縁]離婚「ふえんになった(離婚した)」
ぶえん=ぶえんざかな
- ぶえんざかな[無塩魚]
- 生魚「やまのもんなんで、ぶえんざかなはくえんかった(山のほうの生まれなので、生魚は食べられなかった)」
- †ふかぐつ
- 長靴状の藁で編んだ深靴
ふかす→ふやす
- ぶがない
- 力が無い,勝つ見込みが無い,負けそうだ
- ぶがわるい
- 割りが悪い[標準語?]
- ふきのじ・ふきのじい・ふきのじいさん
- [植物名](特に出がけの)蕗の董[天麸羅が美味]
- ふく
- [無名]ふぐ[福、と懸詞になっている。刺身・煮物・空揚げが美味。佐渡では『どんべふぐ(くさふぐ)』も毒が無いと言って食べる。無毒な様である。]
- ふくのこ
- ふぐの卵巣[佐渡では毒抜きの為、塩漬にして2−3年間置いておいて、たらこの様に焼いて、暖かいご飯と供に食べる。とても塩辛い。]
- ぶくまい
- [仏供米]→ぶくめえ
- ぶくめえ
- 葬式の日に親族の者が持参する2−3升の米(→いろき とぶれえ)
- ぶくめえぶくろ
- 『ぶくめえ』を入れる袋[奇麗な布切れを縫い含わせて作る]
- ぶくめえりょう
- 『ぷくめえ』の代わりとする金[約3000円以上](→やさいりょう)
- ふくらかす・ふくらがす
- 膨らます
- ふくらげ
- [魚名]いなだ、の小さいやつ30cm以下[ふくらげ<いなだ<ぶり、の順。新潟県上越の高田・柏崎地区では、つばいそ<ふくらげ<ぶり、の順。標準語では、わかし<いなだ(はまち)<わらさ<ぶり、の順。]
- ふくらすずめ
- [←膨れた雀]着膨れた様子「ふくらすずめのようになっとる」
- ふくらまる
- 膨らむ(→ふくらかす)
- ふくれまんじゅう
- 1.着膨れた様子「着膨れてふくれまんじゅうになっとる」
2.膨れっ面「かお、ふくれまんじゅうになっとる」
- ふくれもち
- 切り餅ではなく、中心が少し盛り上がった自餅[ついた後、丸めて少し漬した餅。焼くと膨らむからこう呼ぷ、と思っている人もいるが本義では無かろう]
- ふくろび
- ほころび「ふくろび、切れた。とじてくれ。(ほころんでしまった。縫ってくれ)」
- ふける
- (食べ物に)虫が付く「こめがふけた(<こめびつ等の>米に虫が付いた)」
- †ふしんどうらく
- 家の改築、家普請を道楽でする事。それで破産する者が多くいたとの事。
- ぶす
- 1.不美人,ぶす[標準語](→ぶせえく)
2.厭な事(→ぶすな)
- ぶすいろ
- 厭な色,混じった感じ悪い色,どす黒く濁った色赤,黒いどす黒い「およいでて唇がぶすいろだ(泳いでいて唇が赤紫になった)「けがで、ぶすいろになっとる(怪我をして内出血になってる)<治りかけ時>」
- ぶすこき
- 臍を曲げている人,臍を曲げやすい人,おこりんぼう
- ぶすこく
- 臍を曲げて膨れる,拗ねる,ひねくれる,ぶつぶつ不平を言う「あのもん、ぶすこいてるっちゃ(あの者は臍を曲げているんだ)
- ぶすな
- 厭な,損な,面自くない,不満の有る「ぶすな仕事」
- ふすぶる
- 1.(佐渡の田舎に)くすぶる,田舎にいる「田舎にくすぶっていてはつまらん(田舎に居続けてはくだらない)」
2.薪等がまだ完全に燃え切らず煙が出ている状態,くすぶる「ふすぶっとって、もえた(くすぶっていて、火が付いた)」
- ふすべる
- 燃えさしをまた燃す,緩ぎ足して燃す,燻す,くすべる
- †ぶせ
- [歩畝]昔の田畑の広さ「おめんとこのぶせはどんけーだ」
*一反(=10アール=畳600枚=300丈=10間×30間)10反=一町(=Iヘクタール)
- ぶせえく
- 不細工,ぶざまな,態の悪い,格好つかない,格好悪い
- ふせる
- [臥せる・伏せる](野菜類を)埋める「大根をふせておく(冬季間大根を貯蔵する為、土を掘って埋めておく)」
- ふそう
- ふさわしくなっている,ふさわしい,似合う,合っている「おめ、そのふくはとてもふそうよ(おまえのその服はとても似合っているよ)」
- ふそく
- [不足]不満,文句「なにがふそくだ(何が不満だ)/ふそくをゆうな(文句を言うな)」[標準語の、不足の事態 不足する、と多少意味合いが異なる]
- ぶた
- 1.豚[標準語]
2.[昆虫名]くわがた虫の雌(=おにむしのめす)(→おにむし)
- ふたかたけ
- 二回の食事(→かたけ ひとかたけ みかたけ まいかたけ)
- ふたつあご
- 二重顎,肥えた人の顎,でぶの例え[悪ロ]
- ぶち
- 1.斑点,まだら(斑)打って出来た痣(あざ)「ぶちんできた(打って痔が出来た)/ぶちんようになっとる(斑の様になって腫れ上がっている)」(→ぶすいろ)
2.ほくろ「あごにぶちんあるおとこ(顎にほくろの有る男)*顎に痔が有る、1の意味も有り」
- ぶちはれる
- 腫れ上がる(=ぶちんようになっとる ぶちんようになる)
- ぶっさき
- (服等が)ひどくやぶけてる「このふく、ぶっさきら(この服びりびりだ)」
- †ぶっさらげる
- 残らず集める
- ぶっつく
- ぶつかる(ぶつかる、とも言う)
- ぶっつけに
- ぶっつけ本番に,出し抜けに,急に[標準語?]
- ふってえ
- 大きい *ふてえ、より大きい体(→ふとい)
- ぶっとる
- 気取ってる「あのおとこはぶっとる」(←ぶる)
- ふてえ
- [太てえ]大きい(=ぶってえ)(→ふとい)
- ふてえくち
- 大言,偉そうな言い方,不遜な言い方「ふてえくちたたくな」
ふてえこと=ふてえくち *用い方が異なる「ふていことゆーな」
- ふてえやつ
- 図太くて悪い奴,とんでもない奴
- ぶてつら
- [←武徹?]ごつい,ごつくて丈夫だ「この鎌、ぶてつら」
- ぶと
- [昆虫名]1.(細かい)ぶよ[体長5mm以下で吸血・非吸血の物両方有り]
2.蝿(=ヘー ヘえ ぶんぶん)3.血を吸うぶよ(大きさが花虻状の物もいる)
- ふとい
- [太い]大きい「ふとい魚」(→ふてえ ふってえ)
- ふとうなる
- [←太くなる]大きくなる(=こえたもんだ)
ふとる→こえる
- ふなか
- [不仲]仲が悪い事「あのうちとはふなかだ」[古い標準語]
- ふなくいむし
- [昆虫名]源五郎(げんごろう)*海にいる、ふなくいむし、とは異なる
- ふなどめ
- [船止め]欠航「今日はふなどめだ」(→ふなまち びんがねえ)
- ふなばんじょう
- 船大工(→ばんじょう)
- ふなまち
- [船待ち]欠航になる事「船待ちを食う/船待ちする」(→ふなどめ)
- ふにおちん
- ふに落ちない,合点が行かない,訳が解らない[古い標準語?]
- ふぬけまんじゅう
- 腑抜け,勇気・元気の無い者,愚か者[悪ロ]
- ぶのくび
- [←盆の窪]後ろ首,襟首[佐和田](=るのくび)
- ぶのくび(が)いい
- 運が良い
ぶのくびがつよい=ぶのくびがいい
- ぶのくびのいいひと・ぶのくびがええひと
- 運のいい人,恵まれた人,縁のいい人
- ふぶきだおれ
- 吹雪で遭難し凍死する事[金北山に、ふぶきだおれの石碑有りと伝]
- ぶま
- [不間]上手でない事,下手,どじ,仕事が遅くて下手糞で間に合わない事「なにをしてもぶまなおとこだ(何をやらぜても駄目な男だ)/ぶまだ(どじだ)」
- ふませ
- 牛馬の小屋に敷いて置いた藁で、糞尿で汚れた物 厩肥(きゅうぴ)[肥料用]
- †ふみこみ
- 玄関や玄関の入りロ(おまえ)の土間
- ふみつけた
- (人を)馬鹿にした,犠牲にした「人をふみつけたはなしだ(人を馬鹿にした話だ)/ひとをふみつけてせいこうした(人を犠牲にして成功した)」
- ふやす
- 孵す(=ふかす)(→だきんつく)「雌鳥が卵をふやした(雌鳥が卵を孵した)」
- ぶらく
- 字,あざ,集落,村よりも小さい単位[おおあざ(大字)、こあざ(小字)が有る。佐渡では、差別的な意味合いは無い。どの村落でも使われる。越後の状況を見て、なるべく使わないようにしようと、考えている人も居る]
- ふらくとぶれえ
- 同じ大字の地区での葬儀[部落中の家から親族で有る無しに拘わらず、殆ど漏れなく(安目だが)香典が来る。義理で出す様な物で500円、1000円の所も有る](→たしょとぶれえ いろき)
- ふらりい
- [←ふらるう、の終止形]だるい,かったるい,しゃっきりしない「はらがへって、ふらりい。」
- ふらるうて
- だるくて,かったるくて,しゃっきりしなくて *腹が減った結果を言う「はらへって、ふらるうてだちかん(腹が減ってだるくてどうしょうもない)」
- ぶらんさがる
- ぶらさがる[平accent]「そこのぶらんさがっとんのさ(そこのぶら下がっているやつだよ)」
- ふりうり
- 行商,行商人「ふりうりする/ふりうりだ」
- ふりうりする
- 行商する
†ふりきん→ふるきん
†ふりだし→ふるきん
ふりぼう→ふるべえ
- ぶる
- 気取る(→ぶっとる)
- ふるきん
- パンツ無し[昔の子供は『どんぼあび』に行った後、これで帰った]
- ふるしい
- 古い
- ふるべえ
- [←振る棒]からざお,籾を脱穀する農具[取っ手の棒とバナナを細くして長くした様な形の回転部の棒からなる](=ふりぼう)
- ふるめえ
- (御鬼走を)振る舞う事,酒盛り,宴会
- ふわっと
- ほのかに,微かに「ふわっときいた(ほんの少しだけ聞いた)」
- ふわっとしとる
- ぼーっとしている「ふふわっとしとるやつだ(ぼーっとしてる奴だ)」
- ふんどしまち
- 長いだけの町,長々と道沿いに家並みが続く町[佐和田の沢根町等]
- ふんばらし
- (一日の)八つ当たり,気晴らし
- ふんばりこえーて
- 頑張って,踏ん張って「ふんばりこえーてはたらいた(頑張って働いた)」
- ふんばる
- 1.頑張る「ようふんばりますのう(よく頑張りますねえ)」[挨拶詞]
2.稼ぐ「あのもん、ようふんばるわ(あの者は働き者だなあ)」
3.奮発する「寄付金をふんばってください(寄付金を奮発して下さい)」
- ぶんぶ
- [幼児語]おぶ 水・湯・風呂「ぶんぶのめ(水を飲みなさい)」
- ぶんぶん
- 蝿(→ぶと)「ごはんにぶんぶんたつ(ご飯に蝿がたかる)」[幼児語?]
- ヘー・ヘい
- 1.蝿(→ぶと ぶんぶん)
2.灰(→あく あくぬき)
3.塀「となりんヘー(隣の塀)」
- へいざら
- 灰皿(=ヘーざら へえざら)
- べいさらづく
- 調子に乗っていいかげんな事をする[悪い意味](=べえさらづく)(→べらつく)「あいつはべいさらづいて、(あいつは調子づいて、)」
- へいへいっちゅう
- はいはいと言う,甘い顔をして願いを聞く,へえこらした「いつもへいへいっちゅうと、くせになる(いつもはいはいと言って願い事等を受けてやってると癖になってしまう<ので良くない>)」
へえ=ヘー・ヘえ
- へえこきむし
- 1.よくへをこく人
2.[昆虫名]かめむし
- へえこく
- へをする,へをこく
べえさらづく→べいさらづく
- へえすうたかお
- [←屈を吸った顔]
1.悪い臭いを嗅いだ顔
2.厭な顔,変な顔,しかめっつら「ヘえすうたかおをしとる(何か厭な顔・しかめっつらをしている)」
- べえた・べーた
- [←売(ばい)+薪(たきぎ)]薪(→たきもん ほえ)
- べえたとり
- 薪狩り[昔は、家族して山に採りにいった](→やましごと)
- へえつくばる
- [←はいつくばる]ペこぺこ頭を下げる,人の顔色を伺って言う事を聞く,恐れ入る
- へえっとる
- 入ってる,入っている
- べえてえ
- [幼児語]ばっちい,ばばっちい[両津](→べってえ びいてえ・びってえ)
- へえでくれ
- [←はいでくれ]剥いでくれ,除けてくれ,少なくしてくれ(=はねる)(→ヘぐ)「ちゃわんのごはんをすこしへえでくれ(茶碗のご飯を少し減らしてくれ)」
- へえらんかっちゃ
- 入りなさいよ,入りませんか(=ヘえんかっちゃ)
- へえりくち
- 入り口(通常)お勝手口(=とのくち ヘーりくち)
- へえる・へーる
- 入る「どこへえっとったか(どこに入っていたか)」
- へえんかっちゃ
- [←ヘらんかっちゃ、のら脱落]入りませんか
- へき
- 脇,縁(ふち)縁(ヘり)(=へち ねき)「どてのへき(土手の脇)」
- へぎ
- [へぐ(動詞)の連用形名詞形](←ヘぐ)(→ヘいでくれ)
1.剥いで切った物「なしをひとへぎきっとくれ(梨を一切れ切ってくれ)
2.剥いだ物,剥いで切った破片
3.材木を薄く切って紙の様にした物,木材の剥片(→こばへぎ)
4.3を使って作った析り箱[駅弁の入れ物等に使った]
- へぎづけ
- 大根を薄く短冊形に切って一夜漬けにしたおしんこ
- へぎや
- 曲げ物屋,まげもん屋,檜物師[へぎを使った入れ物を作る人](→こば こばへぎ)
- へぐ
- 剥ぐ,そぐ(→ヘえでくれ)
- へげおちる
- 剥げ落ちる
- へげる
- 剥がれる,剥げる
- へご
- (形・性格が)歪む事,悪い事,曲がった事「へごのしなだ(悪い品物だ)/へごなおとこだ(性格の歪んだ男だ)」(→ヘごになっとる へこまがる)
- へこきむし
- [昆虫名]かめむし(→ヘえこきむし へちがね)
*佐渡での『かめむし』は別種
- へこたこ
- [←低高]1.高低,凸凹「ヘこたこがある(高さが揃って無い)」
2.†あれこれ,ぐずぐず「ヘこたこゆーな(あれこれ言うな)」
- ぺこつく
- ぺこぺこする,阿わる(おもねる),人の機嫌を取る(→ヘらへらする べりこき)
- へごにあるく
- 左右含わずにぎくしやく歩く障害の有る人の歩く動作[差別的語](→ひょっとこひょっとこ)
- へごになっとる
- 正常で無い,真っすぐで無い,歪んでる,曲がってる
- へこまがる
- 真っすぐで無い,曲がってる[自動詞]
- へこまげる
- 折り曲げる,曲げる,へし曲げる,[他動詞](→ヘしまげる)
へし→ヘち
- へしまげる
- へし曲げる,曲げる[標準語?](→ヘこまげる)
- へしょる
- ヘし析る *はしょる、では無い
- べそこき
- (べそべそと)いつまでも泣いている者,泣き虫
- †べそんと
- 量が大量に減って,ごそっと・どそっと(減る)「量がべそんとへっとる(量が大量に減っている)」*増える時には使わない
- へた
- 1.下手[標準語]
2.端,縁(ヘり)(→ヘち)「道のへたをあるく(道の端を歩く)」
- へたした
- 失敗した,しくじった[し、にaccent有る事有り]
- へたすりゃ
- 下手をすれば「へたすりゃ、いちねんはかかる」
へたすると=へたすりゃ
- べたつく
- (男女が)いちゃつく,べたべたする[標準語?]
- べたなぎ
- [天候]全くの凪,全く荒れて無く良い天気の海上模様
- へたなくち
- [下手なロ]人の厭がる言葉,滑らした口(=ヘたんくち)[標準語?]「へたなくちをきいてしもた(悪い事を言ってしまった・言葉が滑ってしまった)」
- へたまごつくと
- [←下手にまごつくと]下手すれば,(ひょっとして)悪くすると
- へたれ
- [屈垂れ]へこき(=ヘーこき)[罵倒語]
- へたん〜
- 下手な〜「へたんこと(下手な事・どじな事・悪い事)/へたんくち/へたんやりかた(うまくないやり方)」
へたんくち→ヘたなくち
- へち
- 1.→(=ヘき)
2.†[←下口?]入らぬ口,言わなくても良い事(→ヘちこうぜい)
- へちがね
- [昆虫名]かめむし(→ヘこきむし)
- へちこうぜい・ヘちこうぜえ
- 要らぬお世話,でしゃばる事「ヘちこうぜえゆうな(要らぬ事言うな)」(→ヘちゃくな)
†へちこくな=ヘちこうぜえゆうな
へちこぜえ=ヘちこうぜえ
- べちゃ
- 1.女陰,女性性器
2.交接,性交
- べちゃくい・ペちゃくい
- 平べったい,漬れている様な,べたっとしている(=べちゃこい)
- へちゃくな
- 要らぬ世話をするな,おせっかいするな(→ヘちこうぜえ)
†べちゃこい→べちゃくい
- べちゃする
- 性交する
- ぺちゃくい
- 平べったい
- べちゃり
- おしゃべり「あいつはべちゃりだ」
- へったとこ
- 1.入った所「そこ、へったところさ(そこを入った所だよ)」
2.減った所[標準語?]
- べったり
- 1.仲の良い様[標準語]
2.ぴったり,ちょうど,全く「計算がべったり合った」
べっちゃら・べっちゃらくい=べっちゃくい
- べっちゃるくい
- ぺちゃっとした,平べったい(=ひらべってえ ぺちゃくい)
- べっちょうする
- 性交する
- へっつい
- 釜戸
- べってえ
- [幼児語]ばっちい,ばばっちい[佐和田](=べえてえ びいてえ・びってえ)
- べっとう
- 1.どろどろで粘ったご飯
2.粒の無いお粥
3.蕎麦粉を汁で掻いた物,蕎麦掻き
†ヘつる=はつる
- へでもすえ
- [罵倒語]この馬鹿野郎,何でも良いから好きな事をしやがれ[おまえは屈でも吸っていろ、という、人を馬鹿にした言葉]
- へでもねえ
- 何でも無い,朝飯前だ
- べと
- 1.土,泥,泥の汚れ「まー、くるまにようけべとついて(あれまあ、車に泥がいっぱい付いて<いるぞ、困ったね>)」
2.[魚名]かじか(=べとかじ)
3.びり,最後(→げっと べとくそ)「こないだのせいせきがぺとからにばんだった(こないだの成績がびりから二番だった)」
- べとかじ
- [魚名]澄んだ小川にいるはぜ科の淡水魚 かじか ごり(=べと2 べとこ)(→かながしら)
- べとくそ
- びり(=べと3 げっと)
†べとこ→べとかじ
- べとばら
- [←べとかしの様な腹]出腹(男女共)膨らんだ腹,妊娠して(→べとかじ)
- へともおもわん
- 何とも無い,眼中に無い,間題にならない
- へどんでるような
- (吐き気をもよおす様に)とても厭な
- †べにさしゆび
- 薬指(→たかたかゆび)
- へにも
- 何でも,何にも(=なんも)「へにもならん(何の役・足しにもならない)」
- †ヘにもくそにも
- 何でもかんでも,何につけても,僅かな事にも「へにもくそにも文句いう」
- へにもくそにもならん
- 何の役にも立たない,何の足しにもならない,無用の長物だ
へにもならん=ヘにもくそにもならん
- へぬるい
- 手ぬるい,もどかしい
- べべ
- 1.女性性器(=おそそ)[おそそ、は比較的良い言葉]
2.性交(→しり おそそ しじこ)[宮武 骸骨の卑猥語辞典に記載有り]
- べべし
- 好き者,エッチで悪い奴
- べべする
- 性交する
- †ヘぼかす
- へぼな人,役立たず,意気地無し
- へぼむ
- 1.へこむ[へこむ、とも言う]
2.†くぼむ
- へもじ
- 変人,変わり者(=†ヘもんち †もんち)
†ヘもんち=ヘもじ
- べら
- l.舌べろ「べらだす(べろを出す)」(→したべら)
2.帽子のつば(等の出ている物)
- †ヘらかす
- 減らす
- へらつき
- 人の周りにいて阿ねる人,おべっか使い,鞄持ち(=べりこき おんべりこき)(→ヘらへらする)
- べらつき
- おしゃべり
- べらつく
- おしゃべりをする,ぺらべら話す
- へらへらする
- 人の周りにいて阿わる(→ヘらつき べこつく)
- †べり
- おべっか(→おんべりづく)
- べりこき
- おべっか使い(→ヘらつき おんべりこき)
- べりをこく
- おべっかを使う,よいしょする
- 〜ヘん
- 〜しない(〜せん)「のめへんちゃ=のめせんちゃ(飲めませんよ[可能][*のません、は意志]
「やれへんちゃ(出来ませんよ)*やらへん、とは言わない」
- べん
- 1.便,弁[標準語]
2.紅(べに)「べんさす(口紅をさす 口紅を付ける)」(→べにさしゆび)
- べんがたつ
- 口がうまい,(人前で)話すのがうまい,言いたい事をちやんと言える[標準語?]
- へんげる
- 変化する,変わる
- べんとう
- 1.猫背,せぼんこ,猫背の人(=せべんとう)
2.蟹のこうら(かにのべんとう)
- べんとうむし
- [昆虫名]てんとう虫
- ほい
- [牛言葉]1.進め(=ほれい)
2.早く止まれ(→ぼーぼー ほりい)
- ほいそれ
- おいそれ,二つ返事,即応(=はいそれ)「ほいそれというわけにはいかん(すぐにそうだと言う訳にはいかない)」
- ほいちょう
- 包T
〜ぼいちょう→なきりぼいちょう さしみぼいちょう・さかなぼいちょう
- ほいと
- [←階堂・祝人(ほぎと)]1.伝統的差別を受けている人達謂れの無い身分[伝統文化には光りと間が有る。伝統豊かな社会は伝統的で社会的な(時に、とても古臭い)価値観も重んじる。この闇の文化の根本的な解消を避けては通れないが、未解消であり難問となっている。その先祖は江戸時代に於ける士農工商と漁民外身分の、年貢を収めずとも良く、奉行所から扶持を貰っていた奉行所支配の下級身分の処刑役人・墓守・おかっぴき(村の取り締まりを、時には厳しく行った、それが憎まれる一因ともなったか)・特別に幕府の役人に(時に、特権的に)許された産品の生産者・産業従事者[あめんかわじょうり(竹の皮で作った高級草履)・(特に武士用の)革製品・牛馬の解体等]、それと門付け芸能者、祝人(ほぎと
- 春をことほぐ、から)等だった。](→はりごま)
2.†乞食
†ほいとう=ほいと
- ほう
- 這う「ほうてきた(這って来た)」[いざる、とは異](→いざる)
- ぼうかくし
- 生えてる杉の木の元に楊枝状の木を隠し、探す子供の遊び。[かつて真野地区では杉が枯れて困る、と農家の人が悲鳴を上げ禁止となった]
ほうかむり=ふうかむり
- ほうかむりする
- 1.ほおかむりする[標準語](=ふうかむりする)
2.見て見ぬふりをする,知らん顔ですごす
- ほうぐい
- おかず無しにご飯だけを食べる事「ほうぐいしした(飯ぱっかり食べた)
- ほうける
- 1.ほっておく,すてる[両津](→ほこっとく)「めんきょ、ほうけておいて、だめになった(免許をほっといておいて失効した)」
2.大きく成長し過ぎる,伸び過ぎる「なっぱがほうけた(菜葉が伸び過ぎた)」
3.ばさばさになる「書道の筆の先がほうけた」
4.〜に熱中する,夢中になる,馬鹿になる「遊びほうける」[標準語](2‐3・4→ほける)
- †ほうじょう
- [方丈]僧侶
- ほうじょうさん
- [方丈さん]僧侶,檀家の人達の所属している寺の僧(→だんなでら)
- ぼうぼ
- 「幼児語]おんぶ(=ぼぼ)「ぼうぼせえ・ぼうぼせんか(おぶさりなさい)」
- ぼうぼう
- [←亡霊の亡亡?坊さん?][幼児語]お化け,坊さん(=もうもう)「ぼうぼうくるぞ(お化け・死神・死神を連れて来る坊さんが来るぞ)」
*大人から子供に対して、言う事を聞かない子を叱り付ける言葉。また、「ぼうぼう」は坊主の卑称とも。
- ほえ
- 柴,細い枝の薪(→べえた たきもん)
- ほえる
- 1.勃起する[自動詞](→ほやす ほやかす べべ)
2.吠える,叫ぷ・怒鳴る(比倫)[標準語]
- ほお
- [←這う]はう「ところはほうとる、やまいもはむぐっとる(おにどころの根っこは地下茎となって這って生えている、山芋は垂直に下へ潜って生えている)」
- ほおかむりする
- 知らぬ顔で過ごす(→ほうかむりする ふうかむりする)
- ほかす
- 捨てる「ほかしてこい(捨ててこい)」
- ほきだす
- 吐き出す,吐く
- †ぼきんとう
- ぼおっきれ,ただの棒(=††ぼきとう)
- ぼく
- 木の事†幹「この木はいいぼくになった(この木は良い木になった)」
- ほくほくくう
- ご飯をおいしそうに食べる
- ほくろ
- 1.(怪我の)あざ[佐渡弁では、あざ=ほくろ]
2.ほくろ[標準語]
- ほける
- 1.馬鹿になる
2.ばさばさになる ある(馬鹿)大きくなる,大きくなって食べられなくなる「わらびがほけた」[標準語?]
- ††ほこさん
- 蚕(→めえらま たけかざり)
- ほこっとく
- 放っておく,なげておく「ほこっといてはならんぞ」(←ほこる)
- ほごにする
- [←反古]無効にする,無駄になる「約束をほごにする」[標準語]
- ほこほこしとる
- (芋や栗等が)ほくほくしている,ほかほかしている[標準語?]
- ほこりたおす
- 投げ倒す
- ほこりつける
- 投げ倒す,投げつける「相撲で三人ほこりつけた(相撲で三人投げ飛ばした)」
- ほこる
- 1.例す投げ倒す,投げ捨てる「相撲で三人ほこった」
2.置いておく何もしない(→ほこっとく)
- ほころびがきれる
- (衣服が)ほころぶ「ほころぴがきれてだちかん」
- ほし
- 1.点,斑点
2.物貰い,お出来「めにほしができた(目にお出来ができた)」
- ほじくる
- ほじる,つついて掘る[標準語?]「みみくそほじる(耳糞をほじる)」
- ほしな
- [←乾した菜]大根の葉を乾した物[以前は、かて(ご飯に混ぜる具)にした]
- ほしなじる
- [乾し菜汁]大根の乾した葉を具にした味噌汁
- ほしにする
- ほしのもち、を作る(→ほしのもち)
- ほしのもち
- 小型の鏡餅 正月の鏡餅の小さい方の餅(→ほしにする ほしをつくる)
- ほしめる
- 見せびらかせる[←欲しがらせる、からか?]
ほしをつくる→ほしにする
- ほせえ
- 細い(=ほっそい ほっせえ)
- ほぞ
- 穴,溝「しきいのほぞ(敷居の板の穴)」
- ほぞける
- 炉(いろり)の火を出す(=そそける)
- ほそっぴい
- 痩せた人(=やせっぴゅう)(→〜ぴい ぴゅう)
- ほそねぶかのよう
- [細い+ねぶか(葱、ねぎ)+の様]痩せた,細い「ほそらぶかのようなやつ(痩せた人)」
- ほぞをかむ
- 後悔する,梅しがる[古い標準語]
- ほたく
- 1.(ロも体も動かして)騒ぐ[*性交を暗示]「ゆうべ、やぼに、ほていたな(成人向特別用法)/あんまりほたくなや(あんまり騒ぐなよ)」
2.うるさく騒ぐ,うるさくする
- ほたける
- ほたく、と同
- ほたこ
- 豆粒位のぼたずみ(消し炭)に火の着いた物
- ほたつく
- ほたく、と同[以前は、ほてる、の意味]
- ぼたもち
- 1.おはぎ(=はんごろし、→あんもち ばばづけもち)
2.丸く漬れ顔の女,醜婦[悪ロ]
- ぼたゆき
- 牡丹雪[ふわふわ落ちてきて積もる雪質]
- ほたるのこ
- [蛍の子、蛍の小?][昆虫名]体長が大きくても2〜3mmで、頭部が黒く腹や背中が赤い胡麻粒状の昆虫。菊の茎やたらの木の芽に、割りと奇麗な(手に汚れない)あわぶく状の巣を作る。当然、本当の蛍の子ではない。蛍を小さくした様な形と光を連想させる赤い色が、そう呼ぱせたと思われる。本当の蛍の子は、芋虫状で水中に居て、かわにな、という貝を食べ、光る。
- ほたるのす
- 上記、ほたるのこ、のあわ状の巣
- ぼち
- [幼児語]餅
ぼちゃっとした→ぼちゃぼちゃ
- ぼちゃぼちゃ
- ぽっちやり,ぽちゃぽちゃ,女子供の肉付きの良い様子[男には使わずか?](=ぼっちゃり,ぼちゃっとした)
- ほっかいどうせん
- [北海道船]北海道へ主に竹製品を売るための大型船[佐和田の沖合に停泊し、その舟まで運ぶのにてんぎり(たらい舟・呂漕ぎ舟)で運んだ。主な竹製品は(食用・肥料用の)鰯を入れる大樽の『たが』であった。この船は江戸時代の北周り船の伝統を汲み、大阪と敦賀、能登、佐渡、寺泊、新潟、酒田等の日本海側の物産の集散地と北海道の松前間を行き来し莫大な交易をしていた]
- ほっこり
- (味が)ほかほかした,暖かい,ほくほくした(→あまほっこり)「ほっこりしとる(ほかほかしている)」
ほっせえ→ほせえ
ほっそい[標準語?]→ほせえ
ぼっちゃり→ぼちゃぼちゃ
- ほっちらかす
- 投げ散らかす,放っておく,ほったらかす(=ひっちゃらかす)
- ぽっちりと
- ぽつんと,ほんの少し
- ぼっと
- 突然に,不意に,ぽっと[標準語?]
- ぼっとり
- ぼってり,ぼとっと,液体の固まった様な
- ほっぽかす
- 放っておく
- ぼつぼつ・ぽつぽつ
- ぼちぼち,段々と[ぼちぼち、とも言う]「ぼつぼつでかけよう(段々出掛けよう)」
- ほっぽりだす
- 放り出す
- ほと・ほとこり
- [←懐]ふところ[ふところ、とも言う]
- ほとけさん
- [←仏様]
1.†月(=にょうにょうさん)
2.†瞳
3.善人[比喩]「あのもんはほとけさんだ(あの人は仏の様な人だ)
†ぼてばら→べとばら
- ほねみになって
- 親身になって,色々世話して[古い標準語?]
- ほねやすみ
- 疲れを取り、治す休み,疲れ休み[標準語?]
- ぼぼ
- 小さくて丸い材木や草の実・実の部分「たんぽぽのぼぼ(たんぽぽの丸くなっている種の部分)/つばきのぼぼ(椿の実・実の部分)/まつんぼぼ(松笠)」
ぼぼ・ぼーぼ→ぼうぼ
- ぼーぼー
- [牛言葉]止まれ(←ほい、ほいー、ほりい、ほれい)
††ぼぼらぬくい→ぼんぼらぬくい
- ぼや
- 薪が燃えて残った火
ほやかす=ほやす
- ほやす
- 勃起させる(=ほやかす)[他動詞](→ほえる)
- ぼやずみ
- 消し炭,まき等を燃して火消し壷で消した炭,ぼやが出来て残った炭[固炭の反対 固炭は燃すと白灰になる。佐渡では黒炭は余り使わなかった](=おきずみ)(→じゅうになる)
- ぼやぼや
- 1.ぼやぼや,遅い様[標準語]
2.天気がはっきりしない,霞んでいる,晴れ上がっていない(=ぼやんと1 2)
- ぼやんと
- 1.(天気が)霞んでいる,霞がかかっている「天気がぼやんとしとる」
2.(天気が)すっきり晴れ上がっていない
3.ぼさっとぼーっと「ぼやんとしとる(ぼーっとしている)」[ぼさっと、ぼやんと、も使う]
- ほりい
- [牛言葉」早く走れ(←ほい、ほいー、ぼーぼー、ほれい)
- ほりゅうのしつ
- [←蒲柳の人]軟弱者,体の弱い者,良家のぼんぼん[標準語?]
- ほれい
- [牛言葉]進め(=ほい)(←ほいー ぼーぼー ほりい)
- ほろける
- [←解ける]ほどける「おびがほろける(帯がほどける)/くちがほどける(緊張感から解放されて良く話をする)」
- ぼろむく
- 落ちる,ぼろぼろ落ちる「木からぼろむいた(木から落ちた)/あのもんは大学ぼろむいた(あの者は大学入試試験を落ちた)」
ぼろめく=ぼろむく
- ほんこ
- 本番,本式,本当の事
- ほんしじゅう
- [魚名]しじゅう、と同[海から離れた所の人が言う](→ども どもしじゅう)
- ぽんすけ
- ぼんやりしている者,間抜けな,馬鹿者
- ほんぞん
- [鳥名]ほととぎす(=ほんぞんかけたか)(→雨降りほんぞん照りかっこう)
- ほんぞんかけたか(ほんとにかけたか)
- [本尊父けたか、ほんとに欠けたか]ほととぎす ほととぎすの鳴き声[鳴き声から。この烏が鳴くと雨が隆る]
ほんぞんさん・ほんぞんどり→ほんぞんかけたか
- ぽんち
- [←ポンチ面]馬鹿,間抜け[古い標準語:明治初期の外人雑詩『Punch(パンチ)』の面に、当時の政治家や風湖を馬鹿げた戯画で現した事から]
- ぼんちょうちょ(う)
- [昆虫名]くろあげは[お盆の頃に良く現れるからか(併し春にもいた)]
- ほんど
- [本土]本州,本州のほう,新潟のほう
- ぼんばな
- お盆に仏様や墓に供える花[萩等]
- ぼんぼらぬくい
- 生暖かい(=うすらぬくい)
- ぽんぽんずいか・ぽんぽんずいこ
- [植物名]いたどり(→すいか)
- †ほんま
- 本当[関西弁と同、ほんと、とも言う]「それ、ほんまか(それは本当か)」
- ほんもと
- 1.原因,元
2.†本人,当人
- ま、
- まあ、「ま、いっぺえやっとくれ(まあ<酒でも>一杯飲んでくれ)」
- まいかたけ
- 毎食,食事の時はいつも(→かたけ ひとかたけ ふたかたけ みかたけ)「まいかたけたまごをくう(食事はいつでも卵を付けて食べる)」
- まいまい
- でんでん虫,片つむり[サドマイマイ、は佐渡独自の種]
- †まう
- 1.舞う[標準語]
2.訳が判らなくなる(→ぐれる ぐれもう)[1の意味からか?]
3.→もう
- まおとこした
- [間男した]夫の有る女が姦通をする・浮気をする
- 〜まがい
- 見せ掛けの〜,いんちきの〜,〜ごかし「しんせつまがい」[標準語?]
- まがっと・まがりと
- 曲がり角
- まき
- 〜の一家,一族,血筋「あこのまき(あそこの血筋)」(=るい)
- まくしあげる
- 捲りあげる(→たくしあげる)
- まげて
- 1.曲げて[標準語]
2.是非とも[標準語?]「そこをまげてやっとくれ」
- まげてとる
- 曲解して埋解する,こじつける
- まごじいさん
- ひいじいさん
- まごなる
- 丸くなる
- まごぱあさん
- ひいぱあさん
- まさかんとき・まさかっちゅーとき・まさかんちゅーとき
- まさかの時,万一の時
- ましだ
- 言うことを聞かない悪い子だ(=ましんつらだ)(→ぞうよら)
- ましばつく
- 瞬く(まばたく)[国仲]
- ましゃくにあわん
- 適して無い,不適当だ,道理に適って無い
- ましんつら
- 鉄面皮,言うこと聞かない奴(→ましだ)[まし、は猿の古い蔑称]
- まーずい
- まずい,おいしくない,良くない
- ますのもん
- [升の物]穀類,五穀,升で計る物
- 〜まする
- 〜(し)ます[丁寧語]「行きまする」[赤泊・相川]
まだるい→まだるっこい
まだるくしい=まだるっこい
- まだるっこい
- まだらっかしい
- まちがい
- 1.間違い[標準語]
2.凶事,悪い事,良くない事(→まちごうて)
- まちかた
- 町の家々,町(まち)
- まちかたのもん
- 町に住んでる人
- まちごうて
- 間違って,取り違えて,変な事をして
- まちっと
- もうちょっと,もう少し(=もちっと もそっと)
まちば[町場]町の所,商店などが有る家並み[標準語?]
- まちびしい
- 待ち遠しい
- まっこみ
- 巻き込み †渦巻
- まっこむ
- 巻き込む
- まっちゃなし
- 侍った無し[まったなし、とも言う]
- まっちゃをかける
- 待ったを懸ける
- まって
- 凄く,とても,とっても,全く,ひどく[程度が大きい様](→かったに)「まって、おもくてだちかん(とっても重くて太変だ)
- まっと
- もっと「まっと、これ、くれさ(もっとこれをくれよ)」
- まっとう
- まとも,真面目,正直,嘘つかず(→まてな)
- まっとうら
- まともだ「あのもん、まっとぅにらしー(あの人はまっとうだから・まともだから・真面目だから)」
- まつのせんせい
- [松の先生]→まつんつみ 2
- まつぼぼ
- 松笠(=まつのぼぼ まつんぼぼ)(→ぼぼ)
まつむかえ→おまつさん
- まつんつみ
- 1.松の葉を取り木の形を整える事
2.松の箭定人(=まつのせんせい)
- まてな
- 真面目な,正直な,まともな「まてなにんげん(真面目な人)」
- まにおう
- まにあう「やっとまにおうた(やっと間に合った)」[まにあう、とも言う]
- まにおわんかった
- 間に合わなかった
- まねこき
- 人まわばかりしている人「まねこきすんな(まねするな)」
- まねごと
- まねてやってみた事,本当の仕事では無いが有る程度やれる事
- まぶ
- [間歩]坑道「相川鉱山のまぶ」
- まま
- 1.〜のまま
2.良くしぱしぱ「ままあること(良く有る事)」[標準語]
3.ご飯,食事「まま、くたか(ご飯は食べたか?)」
- †ままえる
- 弁償する,償う
- まみや
- 眉[「まみやの旦那さん、めかけを連れて、花見にいったら、ほうぼの人が、くちぐちゆうた、顎の下こちょこちょー。」という童歌(あやし歌)有り]
- まむすび
- 堅結び,玉緒び「まむすびしたもんし、ほどけん(堅持びしたのでほどけない)」
- まめ
- 息災,達者,元気「まめらか,まめだか・まめだけえ?(元気ですか)/あのもんはまめら(あの者は元気だ)」(→あしまめ てまめ)
- まめじゃくし
- 1.(味噌を煮る時等の)煮豆をする時の杓子
2.小さ目のおかずをよそる木の杓子
- まめぬか
- 豆がら,豆の殻(→ぬか こぬか)
- まめをする
- (干して)豆を落とす,豆を脱穀する
- まもち
- 白い餅[草餅、豆餅、黍餅、橡餅、粉餅(こもち)に対して言う]
- †〜まりい
- 〜だろう「そうだまりい(そうだろうよ)」[(特に)真野町豊田]
- ままう
- 丸く「まるうする(丸くする)」
- まるうつしだ
- 生き写しだ,そっくりだ「先代とはまるうつしだ」[国仲]
- まるがら
- 丸い砂利,玉砂利[庭などに敷く](→がら)
- まるまい
- 丸っこい,丸い
まるこい=まるくい
まるっくい・まるっこい=まるくい
- まるね
- 着物を着たまま寝る事
- まるば
- [丸刃]刃物の刃が潰れて切れなくなった物
- まるぼちゃ
- 丸ぼちゃ,丸くて柔らかい[大正時代に持てた女性の顔。明治期は瓜ざね顔がもてた]
- まるめもち
- 丸餅(=ふくれもち)
- まわり
- 1.周り[標準語]
2.周りの人達(=ぐるり)「まわりがやかましい(周りの人がうるさい)」
まわりのもん=まわり2
- まんぐる
- 都合良く回る,都合良く回ってくる「金のまんぐりがいい(金回りが良い)」
- まんま・まんまん・まんじゅう
- 性交,女性器「まんじゅうはかおはかんけえわえ」
- みあかし
- [御明かし]→おみあかし
- みい
- 見ろ,見なさい「それみい(それ見ろ)」
みいい→みよい
- †みいきる
- 自分で人のために支払う,自腹を切る(=みぜにをきる)
- みいくう
- [←身を食う]自分で自分の身を食う(蛸の連想)損をする,自分で自分のお金等を使い減らす
- みいっぱい
- 精一杯,出来るだけ(=せえっぺえ)
- みいみい
- [見い見い]見ながら[動詞未然形を重ねると、〜ながらの意味になる]
- みいみい
- [幼児語]虫
みいや
- 見なさいよ・見なさいね「それ、みいや(それを見なさい)」
- みうちのもん
- 身内の者(=やうちんもん)
- みがいる
- [実が入る](穀物の)実が入る,実る,成熟する[標準語?]
- みかたけ
- 一日三度の食事,毎食(→まいかたけ かたけ ひとかたけ ふたかたけ)
- みがたたん
- [身が立たない]立つ瀬が無い,いたたまれない,手前が悪い
- みがもたん
- 身が持たない,やってられない
- みざ
- [御座]地面,土の上「そこのみざにすわれっさ(そこの地面に座りなよ)」
- みさけえなし・みさげーなし
- 見境無し,分別が無い[標準語?]
- みずあげ
- 実際の手取り,儲け[標準語?]「ことしのみずあげはすくない(今年の田圃の収量が少ない・儲からない)」
みずあび→どんぼあび
- みずがふそう
- 水が合う,行った所の暮らしが合う
- みずがふさわん
- 水が合わない,行った所の暮らしが合わない
- みずのみ
- 水飲み百姓,小作貧乏な農家
- みずもの
- どうなるか判らない物[古い標準語]「試験は水物」
- みぜに
- [身銭]自分のお金「みぜにをきる(身銭を切る・自腹を切る)」
- みそくのうた
- [←見損なった]期待外れだ,がっかりした,がっかりだ「あのりきし、まけた、みそくのうた(あの力士が負けてしまった、がっかりだ)」
みそこのうた=みそくのうた
- みそよごし
- (特に野菜の)味噌合え(=よごし)
- みたて
- [見立て]1.診断「医者のみたて」
2.選定「嫁のみたて(嫁選び)」
- みたり
- 三人(→よったり)[ひとり、ふたり、みたり、よったり、ごにん〜、の順]
- みちなか
- [道中]途中,行く途中,出掛ける道の路上
- †みつご
- [←みどりご]赤ん坊,小さい子[古い標準語
- みつごの魂、百まで]
- みつじ
- [三辻]三叉路(→よつじ)
- みつば
- 1.グローバー,白爪草(=だんごばな)
2.三つ葉(野菜)[標準語]
- みとむねえ
- みっともない(=こみとむめえ・こみとむねえ)[も→む、に変わる事がある]
- みにならん
- 1.身にならない(=みにへえらん)
2.†落ち着かず気が気でない
- みにへえらん
- 身につかない,覚えられない
- みにへえん
- 一生賢明に出来ない,集中して行えない
- みのうち
- [身の内]身内,肉親(=†みのもん)
†みまめら→にまめら
- みみ
- 1.きのこ,茸(→ずべり まったけ さまつ しばたけ あかみみ しょろ)
2.いかのみみ(=いかんみみ)
3.耳[標準語]
4.鍋等の取っ手
- みみがかゆい
- 他人が自分の噂をしている(事)
- みみかす
- 耳糞(みみくそ)
- みみがたこになる
- 耳にたこが出来る,同じ事を言われ続けてうざったい
みみくそほじくって=みみくそほじって
- みみくそほじって
- 1.耳垢を掃除して(→ほじくる)
2.耳糞かっぼじって「みみくそほじってきいてくれ(ちやんと良く聞いてくれ)」
- みみたぶら
- 耳たぶ(→たぶら)
- みめっと
- [三+めおと](祖父・父・子の)三夫婦「みめっと揃うと家が栄える(諺)」(三代揃うと家が栄える)[目出度い事と伝]*橋の渡り初めに出て貰ったりする
- みやすい
- 1.見やすい[標準語]
2.見た感しが好い,器量が好い,不快では無い[←醜いの反対](=みいい みよい)
- みよい
- 見た感しが好い,品が好い(感じがする)(=みいい みやすい2)
- みよし
- 舟・船のへさき
- みよて
- 親類,見方(→しんるち みうち みうちんもん)
- みらせん・みらーせん
- 見やしない,見はしない,見る事はしない,見ないよ
- みろうとも
- みようとも「みろうともせん(見ようともしない)」
- みをいれて
- 一生賢明に,真面目に[標準語?]
- みをきる
- 自腹を切る,自分のお金で払いを済ます
- みん
- [←見ぬ]見ない
- みんか
- 〜(して)みないか「いってみんか(行ってみないか)」
- みんし
- 見ないし
- みんじゃ
- [←水屋](台所の)流し(→でえどこ でえろこ)
- みんみん
- [昆虫名]みんみん蝉[標準語?][他には、にいにい蝉、つくつく法師、油蝉、かなかな蝉がいる]
- むいな
- むじな と同
- むうらんか
- 戻らないか,帰りましょう[両津](→かえらんけ けえらんけ)「もう、むうらんかさ(もうかえりましょうよ)」[む、だけaccentの事有り]
- むかじ
- [←むか(百)+じ=あし(足)?]百手(むかで)
- むかしにんげん
- [←昔の人間]古臭くて頑固な人
- むかつく
- むかつく,むかむかする,腹が立つ[標準語?良く若者が使う佐渡では音から「腹が立つ」の意味が有った、との事]
- むき
- 適合「そのむきにあわん(それには含わない)」[む、にaccent有る事有り]
- むく
- [無垢]純枠,そのまま混ぜないで「ウイスキーはむくで飲む」
- むくがに
- 藻屑蟹(もくずがに)[川の上流にいて、鋏や足に毛が生えている甲羅は7−8cm位、足も入れると15cm位になる 食用可 以前は川の下流にもいて、数も多かった[(→べんとう)
- むくのまま
- [無垢のまま]そのまま混ぜないで「ウイスキーはむくのまま飲む」
- むぐっていく
- 潜って行く(草の根等が)潜って生えて行く
- むくね
- ころっと横になって寝る事†うたた寝
- †むぐる
- 潜る[もぐる、と言う方が普通]
- むくろ
- 1.土鼠(もぐら)
2.亡き空,死体†体格[古い標準語]
- むげに
- [無形に]むやみに,一途に「むげにことわるわけにいかん」[標準語?]
- むごい
- 惨い,かわいそう,気の毒な「それはむごいっちゃ(それはひどいぞ)」
- むさい
- 汚い[標準語?]
- むさむさくう
- 貪って食う「むさむさくう(貪って食う がつがつ食う)」[むしゃむしゃ、とは異]
- むさんこ・むさんこう
- むやみ,向こう見ず,やたら当てずっぽう(=むっさんこ)「むさんこうだ(向こう見ずだ/やたらにやる/当てすっぽうだ)」
- むさんこに・むさんこうに
- むやみに,向こう見ずに,やたらに当てずっぽうに
「むさんこうにF
しる(やたらに走る)」
「むさんこに7
る(やたらにやる やたらにする(=むっさんこにやる)」
「むさんこうに、なんでもやる(やたらに何でもする<丁寧で無い>」
- むしおこす
- かんの虫が起きる,子供がひきつけを起こす
- むしがおさまる
- 腹立ちが収まる,怒りが解ける、解けて落ち着く
- むしくい
- 虫が喰った農作物(果物、木の実、穀類等)
- むしごえ
- 堆肥
- むしじゅう
- 蒸寵(せいろう),蒸し器
- むじな
- たぬきのこと[本来の「むじな」は現在いなく、本土狸である」(→むいな)
- †むしのこ
- 頭の毛に付くしらみの卵[しらみ取りの櫛で掻くとバラバラと取れたとの事今は無い]
- むしやき
- [蒸し焼き]田畑の雑草・枯れ葉を焼く[蒸しながら焼くと生乾きの物も焼ける 焚火、とは異。または、虫焼き、か?]
- むしわらい
- 赤ん坊か何の気無しに笑う事「なにおかしいもんだ、むしわらいしとる(何がおかしいのかな、赤ちやんが何か笑っている)」
- むす
- すかしっ屈をする「だれ、むしたさ(誰がすかしっ屁をしたんだ)」
- むずがいい
- むず痒い[終止形]「〜がむずがいい」
- むずがゆうて
- むず痒くて「むずがゆうてだちかん(むず痒くて困っている、どうにもならない)」(→むずがいい)
- むずこうて
- むずかって「あかが、むずこうてこまる(赤ん坊がむずかって困る)」
- むすび
- お結び,お握り[標準語?]
- むせる
- (天候が)蒸す,蒸し暑い「きょうは、むせますのう(今日は蒸しますね)」
*むしますのう、とは言わない
- むちゅう
- [夢中][病名]卒中,脳卒中,意識不明「じいさんたおれてむちゅうだ(爺さんが卒中で倒れて意識不明だ)」
- むつき
- [襁褓]おしめ[古い標準語](=しめし)[日常会話には余り使わず、文語的語。日常会話では「しめし」と言う]
- むっくらおきて
- 朝むくっと起きたらすぐ
- むつごい
- 1.同じ事を何度もしなけれぱならないね面倒臭いね持て余す「しごとがむつごい(仕事を持て余す)」
2.味がさっぱりしていない,味が濃すぎる,もたれる,ごてごてずる「あじがむつごい」
- むっさんこ
- 無性に,あてずっぽに,やたらに無理矢理(=むさんこ)
- むっつら
- むっつりした,黙っている「むっつらしたひとだ(寡黙の人だ)」
- むね
- [旨・胸]心中,胸中,心「むねにとうてみい(良く考えて見ろ)」[古い標準語]
- †むねのしらせ
- 胸騒ぎ,予感
- むらにっとう
- [村日当]公共的な道普請や堰上げ等の村等でする仕事に付いて取り決めた一日当たりの賃金・日当[作業の当日出られない人は5000円払う(平成7年真野町、合沢地区)]
- むりからぬ
- 無理では無い,当然な[古い標準語]
- むりむしょうに
- 無性に,無理矢理にでも
- むろ
- [標準語?]→こうじむろ いもぐら
- めえ
- [前]まえ「めーのこと(前の事)」
- 〜めえ
- 〜まい「おめには、わかりめえ(お前には判りまい・判る訳がない。)」
- めえ〜
- 目が〜[以下の語で、え、になるか、がにをるかは多頻度の物を採る]
- めえかけ
- [←前掛け]前掛け
- めえだま
- [←繭玉]まゆだま[正月の飾りで、搗いた餅に食紅等で着色し繭玉の形に丸めて、葉の落ちた枝に付ける。宗派とかではなく、その家でする伝統の有無で行った。松飾りをする家は繭玉はしない事が多かった、との事。]
- めえむけた
- [←目が剥げた]びっくりした,驚いた,目が飛び出た
- †めえめ・めえめえ
- [幼児語]お化け,恐ろしい物,魑魅魍魎[冥々?迷々?](=ぼおぼお)「めえめえくるぞ、なくのやめえ(泣き止まないとお化けがくるぞ)」
- めえもうた
- 目が回った[←目+舞った]
めえらま=めえだま
- めえらもち
- 繭玉の餅
- めえり
- お参り(=おめえり)「みやさんにめえりにいく(お宮にお参りに行く)」
- めえんこと
- 前の事,以前の事「それは、めえんことさ(それは前の事だ)」
- めがつぶれる
- 罰が当たる
- めがでる
- 良い事が起きる,良くなる,良い結果が出る[標準語?]
- めがはなせん
- 目が離せない(=めをはなせん)
- めがもう
- 目が回る(→めえもうた)
- めくさり
- [目腐り][差別語][1・2新潟:めくされ]
1.目が病んでいる,目やにが出ている目,が潰れている
2.1の人
3.人を罵倒する言葉[良く物事を見ていない人に言う?]「このめくさりが」
4.†ほんの僅かの,目糞程の(→めくさりぜん)
- †めくさりぜん
- 涙金,ほんの僅かな金
- めくり
- 花札,花ガルタ[本来、標準語の隠語]
- めぐり
- [巡り」物貰い,乞食
- めぐり
- [←目+くり][病名]目の出来物,物貰い,めふんぐり
- めけい
- 竹や木で作った土を運ぶ箕・荒い笊(ざる)
*砂は目が大きくて運べない
- めごめご
- 子供の愛らしい様「めごめごしとる」
- めじ
- [←めじ鮪][魚名]めじまぐろ
- めめがき
- 木に実が付いたまま、黒くなるまで放って置いてから取って食べた柿
- めっ!
- [標準語]めっ![叱る語]
*佐渡での睨めっこ遊びの歌は以下の通り:にらめっこしましょ、わらっちやまけよ、めっ!(あっぷっぷ、の所に、めっ、が入る)
- めっかち
- [差別語]片目が潰れた者(=がんち・めつご1)
- めっこ
- 1.めっかち,がんち と同
2.(炊く時に水不足で芯が生煮えの)芯のあるご飯「このまま、めっこだ」
- めっこう
- めっ[幼児を叱る語]
- めっこめし
- [←めっこ、のご飯]芯のあるご飯(=めっこ2)
- めったくそに
- めちゃくちゃに,むちゃくちゃに,めったやたらに
- †めっと
- [←夫婦]めおと[複合語で使う
- みめっと(三代の夫婦)、ふためっと(二代の夫婦)なお、ひとめっと、とは言わないむ(→みめっとふためっと)[真野、合沢地区に『めっとうざか』なる坂有り、『夫婦坂(めおとざか)』か?]
- めめくそ
- めくそ,目やに
- めめぞ
- 1.(針、下駄の鼻緒、板壁の節の)穴「針のめめぞ/下駄のめめぞ/壁のめめぞ」
2.(畑等にいる)みみず
- めろう
- [女朗]女性を罵る言葉,野郎の対語
- めをきる
- 死ぬ,絶命する
- めをつむる
- 1.見て見ぬふりをする,黙認する[標準語?]
2.目をつぶる[標準語?]
- めをつぶる
- 1.目をつぶる[標準語?]
2.臨終の人が目を閉じる、死ぬ
めをはなせなん=めがはなせん
- めんこい
- かわいらしい(=いとしげ)
- めんめんどうどう
- [子供の遊び](自分一人でする)ぐるぐる回り「めんめんどうどうしたら、めえもうた(ぐるぐる回りをしたら目が回ってしまった)」
- も〜
- もう〜「もすこし もちっと もいっぽん」
- もう
- 1.舞う「まつりでもうてきた(祭りで舞ってきた)」
2(植物が)萎れて枯れる[水枯れ、立ち枯れ、虫枯れ、総てに言う]「トマトのきがもうた(トマトの株が枯れて萎れた)」
3.(目が)回る「めがもうた(目が回った)」(→めんめんどうどう)
4.(人が)ぐれた(=ぐれもう)
- もうける
- 1.儲ける
2.(子供が)生まれる[標準語?]
- もうぞう・もうぞうのこと
- (年を取ってぼけて言う)つじつまの合わない事,訳の解らない事(=もうろくいう)
- もうぞういう
- 年を取って、つじつまの合わない事を言う[若者・成年には言わない](→もうろくいう)
- もうろく
- 1.寝言,朝起きがけで言うぼけた事「もうろくゆーな」
2.たわごと
- もうろくいう
- (もうろくして)訳の解らぬ事を言う(=もうぞういう)
- もうもう
- 1.牛
2.†お化け 子供を脅す言葉(=ぼうぼう)
- †もうらんかさ
- 戻りませんか,戻りましょう(=むうらんかさ)
- 〜もくそも、
- [卑語
- 〜内に対象となる語を入れる]「いくもくそもね(行くとか行かないとかの問題じやない、行っても駄目だ)」[標準語?]
- もげる
- 脱落する,落ちる,抜け落ちる[標準語?](→はもげ)
- †もこ
- 松葉の落ち葉(→こすば)
もこかぎ=もこさりかぎ
- もこさりかぎ
- 細長い竹を並べて、先を曲げて中程を編んで元を束ねて作った熊手[←もこ(松葉の落ち葉)を攫う(さらう)釣(かぎ)](=こすばかぎ)
*かねのもこさりかぎ(金属製のもこさりかぎ)」
- もさっと
- ぼんやりと,ぼーっと「もさっとしとる(ぼーっとしている)」
- もさもさと
- もたもたと(手間がかかって)「もさもさとしとる(もたもたしてる)」
- もそもそする
- ゆっくりする,ぐずぐずする,ぼんやりする,ごそごそする
- もそっと
- (無口で)ぼんやりと、のっそりと(=もさっと)
- もたつく
- 1.もたつく,遅れる[漂準語]
2.食べ物が粘り付く・つかえる(=もたもたする)「餅がもたつく」
- もち
- [餅]1.お餅[標準語]
2.(葉にできる)虫嚢[食用](=はもち)
†もちあそび=もちゃすび
- もちいた
- [餅板]=はんぼ こうじた
- もちぐさ
- [餅草]蓬(よもぎ)[標準語?]
- もちっと
- もうちょっと,もう少し(=まちっと もそっと)
- もちっとばかし
- もうちょっと,もうちょっとだけ,もう少し,もう少しだけ
- もちゃすび
- おもちゃ,弄ぶ物「もちゃすび、こうてやるっちや(おもちやを買ってあげるよ)」
- もちゃすびもの
- おもちゃ(=もちゃすび)
- もつけねえ
- かわいそう「そいは、もつけねえー」*感情を込めて言う(→やるせねえ)
- もっこ
- 1.頑固者(→かたもっこ)「私はもっこですから、一旦言ったら間きません/あいつ、もっこら(あいつはもっこだ)」[*もっこ、とは、特に近親者で頑固なんだがかわいい奴、僧みきれない奴を言い、単なる憎まれ者ではない、との事]
2.タンカ状で、二人で土を運ぶ道具
3.(=もっこふんどし)
- もっこのぼう
- もっこ2、の棒,てんびん棒
- もっこふんどし
- (黒くて細い)ふんどし[サポーターとしても使った。越中ふんどしとは異なり、三角形の布切れの各頂点に紐を縫い付けTバック状にして縛るふんどし。水泳用は黒かった、との事]
- もってかせ・もってかせえや
- 持って行かせる(→〜かせ)
- もってもちがいい
- 物持ちがいい[←物の持ちが良い]
- もっといて
- 持って行って「もっといてくれ(持って行ってくれ)」
- もっとかす
- 持って行かせる「もっとかしてくれえ(持って行ってくれ)/もっとかしてやってくれえ(持って行ってやってくれ)」
- もっとく
- 持って行く
- もっともげな
- もっともらしい[標準語?]
- もどいて
- 戻して「もどいておけ(戻して措け)」
- もどりんくる・もどりんきた
- 元に返る「びょうにんにもどりんきた(病人がまた、悪くなった)/ひもがもどりんきた(紐がほどけてきた・紐の編み目がよれよれになって糸状になってしまった)」
- もとんとこ
- 元の所「もとんとこへもどいとけ(元の所へ戻しておけ)」
- ものいい
- [物言い]1口論,口喧嘩「ものいいがはじまった」
2.言い方,物の言い方・話方「ものいいがわるい(話方が下手だ)」
- ものがある
- 金持ちだ,裕福だ「あのもん、ものがある」
- ものがわからん
- 物の道理が解らない,馬鹿だ,あほうだ,頑固(?)だ
- ものしらず
- 1.世間知らず
2.礼儀知らず
3.(引っくるめた意味で)馬鹿,あほ[物知らず=(世間の事の)物知りの反対。知識を知っていない、では無い]
- ものもち
- [物持ち]金持ち *物を余計に持っている人は金持ちなので、との事「あのもん、ものもちだ(あの人は裕福だ・金持ちだ)」(→ものがある)
- ものもれえ
- 物貰い,乞食(=もらいもん1)
- もみいしゃ
- [揉み医者]
1.按摩
2.骨接ぎ医,接骨医
- ももたぶら
- 股,もも(=たぶら)
- 〜もようだ
- [←模様]〜の様子だ[標準語?](→さんけもようだ はらみもようだ)
- もようづく
- 雨が降りそうになる,産気付く[標準語?]
- もらいきり
- 貰いっぱなし,貰って返礼しない
- もらいばなし
- [貰い話]人づてに聞いた話
- もらいび
- [貰い火]類焼[標準語?]
- もらいもん
- 1
.乞食,物貰い(=ものもれえ)
2.貰った物
- もり
- (病気・死亡時の)付き添い,お守
- もりきり
- お代わりの出来ない一杯のご飯†平らに盛ったご飯
- もりまぜる
- 色々の物を盛る,特に色々な酒の肴を大皿、大鉢やお盆に盛る
もれえもん=もらいもん
- †もろいた
- [もろみの板?]餅板(→こうじた はんぼ)
- もろう
- [←貰う]貰う,買う「もろとりゃせん・もろとりゃせんちゃ(貰ってないよ)」
- もろうて
- [←貰って]貰って,買って「これ、もろうていくっちや(これ貰って行くぞ)」
- もろた
- [←貰った]貰った,買った「だれにこれ、もろた(誰にこれを貰ったんだい)」
- もろとく
- [←貰っておく]貰っておく,貰って行く,買っておく,買って行く「これ、もろとくぞ(これを貰って行くぞ・買うので持っていくぞ)」
- もろらんか
- [←戻らんか]帰りましょう「海付地方」(→むうらんか)
- もん
- [←物・者]
1.者,人「あこのもん(あそこの人)」
2.物「いやんもん、おけ(厭なら置いておけ、食べるな)[子供が朝
飯や食べ物を厭がった様な時等、叱る為に言う]
- もんがあう
- 話が合う,馬が合う
- 〜もんし
- 〜な物だし(=〜もんだし)「いやっちゅうもんし(厭だという物だし)」
- 〜もんだし
- 〜な物だし「あのもん、やるっちゅうもんだし、やらんかった(あの者がやると言うので、やらなかった)」
- †もんち
- 変人(→ヘもじ へもんち)
- 、や。
- 1.〜で厭だ(→いや やあ やら やらなあ)[終助詞的]「またやらせるんか、や。(またやらせるのか、厭だなあ)」
2.〜だ〜だよ[強調](→〜ら[単純])「そうや(そうだ)/なんや(何だ)」
- 〜や
- [終助詞](特に子供に向かって)〜なさいよ
*年少者に(愛情を込めて)言い聞かせる時使う語「これ、しーや(これをしなさいよ)」(→〜さ)
*子供に向かって、「これ、しーさ」と言うと、「これしをさい」の意味に近い。
尚、「やらんかさ(やりませんか)」とは言っても、「やらんかや」とは言わない。
、やあ=や1
- やあくい
- 柔らかい(=やっくい やっこい やあっこい やくい やこい)(→やおうて)「このたけのこ、ようにてあってやあくい(この竹の子は良く煮てあって柔らかい)」
やあっこい→やあくい
- やあっちゃ
- いやだよう,やだ
- やあっちゃあ
- いやだよう<上同>[意味は同じだがaccentは異なる]
- †やあやあいう
- わあわあ言う
- やうち
- [屋内・家内]一族の者,身内「やうちで集まる」(→しんるち)
- やうちげんか
- 家の中の喧嘩
- やうちなかがわるい
- 家庭不和だ
- †やうちぶるまい
- 内祝い,家庭内での振る舞い,身内だけの振る舞い・パーティ
- やえ
- [八重]重複,二重「やえのてま(二重手間)」
- やおうて
- 柔らかくて
- やおら
- 急に,いきなり[古い標準語:会話でも使う]
- やかた
- [館]立派な家構え(の家)*ぼろい粗末な家には言わない
- やがて
- そのうち「やがてはなすっちゃ(そのうちお話しします・相談します)」
- やかましい
- (ある事柄に)うるさい,詳しい,こだわった[標準語?]
- やから
- 奴,下らない人物「そんなやからにかもうな(そんな奴に拘わるな)」
- やきがもどる
- 1.(年を取って)駄目になる,鈍くなる,焼きが回る
2.刃物の焼きが回る,切れなくなる
- やきば
- [焼き場]火葬場(→らんば だんば)
- やきめし
- 焼き御握り,焼いた握り飯 *チャーハンでは無い
やくい→やあくい
- やくと
- やっと「やくとおわった(やっと終わった)」
†やこい(=やっこい)(→やあくい)
- †やさいりょう
- 葬式の時、持参する香典の一種(→ぶくまいりょう いろき)
- やさおとこ
- [←やさしい男]心優しい善い男「ぶくぶく太っても無く、ごつくも無い者を指す。時に女っぽい事も有る]
- やさんこっちゃねえ
- それをすると太変だ,容易では無い,骨が析れる,出来そうも無いぞ「やさんこっちゃねえぞ」[←易しい事では無い]
- 〜やしい
- 〜が大袈裟な事[→くちやしい(おしやべりな)]
- やしき
- 1.良い家柄・血統・血筋「やしきのもんはちがう(好い家の者はちがう)」
2.屋敷[標準語]
- やしきへび
- 大きい青大将(→あおろし)[崇め、殺すと崇が有る、との事]
- やしきまわり
- 屋敷構え,屋敷の外見
- やじこねえ
- ずぶ濡れになる[国仲]
- やしのう
- [←養う]幼児に食物を箸で挟んで食べさせたり、噛んだりして口移しで食べさせる「はようこどもをやしのうてやってくれ/はようこどもをやしのうてくわしてやってくれ(速く子供のご飯を柊わらせるように食べさせてくれ)」
- やしょくりょう
- お通夜の時、接待の席に着かずに帰る人(じぎをきって帰る人)に渡される香典返しの一種。現金の時も有るが商品券の時も有る。(→いろき とぶれえ)
- やすうて
- [←安くて]やすくて[やすくて、とも言うが、やにaccent]〔音便〕
- やすかぜひき
- すぐ風邪を引いてしまう人
- やすむ
- 病気・老衰等で死ぬ前に寝ている「どれくらいやすんどったか、なごうやすんどったか。」「いやあ、そうなごうもやすんどったわけじゃねえんだけも」
- やせかじ
- やせっぽち[←痩せたかじか(?)]
- やせぎす
- やせっぼち←痩せてぎすぎすしている(?):[古い標準語]
- やせく
- [←夜食]お通夜や念仏の集まりには必ず出た、お握りと酒のセット。今はお菓子、または現金を持たせる事が多くなった(→やせくがわり)
- やせくがわり
- 上記の『やせく』の代わりに渡される現金「やせくがわりにお金を出す」
- やせごま
- 本来旧暦の2月15日にお釈迦様に供える米の粉で作った団子の総称松竹梅・亀鶴等のめでたい模様を型押しし食紅で色を着け中にあんこを入れた『しんこ』とも呼ぱれる平べったい餅状の団子や、菊水の模様(白地に菊の花と下に水の流れを表した物)等を金太郎飴状にして長く伸ばして切った団子や、犬・猿・鳥等の動物の姿を型取って煙草のきせるの吸い口で目を付けたりした団子等があったが、近頃はあまり作られない(→しんこ)
- †やせじ
- 痩せている人(→やせっぴゅう)
- やせじの
- 痩せてる,痩せた体質の(→やせっぴゅうの)(やせっぴい ほそっぴい)
- やせっぴい
- 1.痩せている(=やせじの ほそっぴい)
2.痩せている人(†やせし ほそっぴい)
- やせっぴゅう
- 痩せている人,痩せっぽち「やせっびゅうのしょう(痩せてる人)」
- やたらんこと
- やたらな事,むやみな事「やたらんことはいえん(むやみやたらの無責任な事は言えない)」
- †やち
- [谷地](地名・人名)川沿いの田圃・沢[元来アイヌ語:湿地の意味]
やっくい・やっこい→やあくい
- やっこさん
- あいつ,あの者[ほんの少し馬鹿にした言い方]
- †やっつりとっつり
- やったりとったり
- やっていけぬ・やっていけん
- 生活がやって行けない,暮らして行けない[や、か、い、にaccent有り]「こんなかせぎではやっていけん(こんな給料では生活をやって行けない)」
- やってすんだ
- やってしまった[完了形]「そのことはもう、やってすんだ(そのことは、もうしてしまった・やってしまった)」(→おわってすんだ)
- やってみいさ
- 1.食べてみる「これ、やってみいさ(これ、食べてみろよ)」
2.してみろ[標準語]
- やっとかし
- やっと,ようやく,やっとの事で,やっとこさ(→ちっとばし)
- やっとこさ
- どっこいしょ,やっこらしょ,よっこいしょ,よっこらしょ[荷負う時、背負う時の掛け声]
やっとこしょ=やっとこさ
- やっとのことで・やっとこさ・やっと
- (=やっとかし)
- やっとる
- やっている,している,やってる「そのことはいま、やっとるっちゃ(その事は、今しているところだ)」
- やっぱし・やっぱ
- やっぱり・やはり
- やどがえ
- 引っ越し,転宅
- やどつくる
- 下宿・借家を用意する、手配する、借りる
- やどとる
- 宿泊する
- やなさって
- しあさって,明々後日[佐渡弁では、今日、あす、あさって、やなさって、の順で、しあさって、は無い。標準語では、今日、あす、あさって、しあさって、やのあさって、の順。]
- やにがでる
- めやにがでる(→ずや)
- やにっくい
- ねばねばする,べたべたした[松脂のやにからか?]
- やにめ
- [病名]結膜炎[目やにが目に出るから]
- やはたいも
- [八幡芋]さといも[以前佐和田町の八幡(村)で多く生産していた為]
- やぶさめ
- やぶさめ[4月14日、新穂の神社で行う](→いてさん)
- やぶす
- [←破る十する?](包み紙や覆い等を)破る「やぶしておいといてくれ(破っておいてくれ)」[他動詞](→やれる)
やぶち→やうち
- やぶにらみ
- 斜視(=ろんぱー)
- やぼに
- [野暮に]とてもたいそう,非常に[程度が甚だしい事を指す]「やぼになぐった(ひどく殴った)」(→やぼん〜)
- やぼ、ゆー
- 馬鹿な事を言う(=やぼんことゆう)
- やぼん〜
- [連体形・連用形接続]=やぼに「やぼんなぐった/やぼんはなし(とんでもなく良くない、困った話」
- やぼんこと
- 非常識な事,変な事「やぼんことゆうなさ(変な事言わないでくれ)」(→だめんこと ばかんこと わるさ)
- †やまかけいわい
- 男子が5歳から7歳になると父親が連れて金北山神社に参詣し、下山後餅を搗きなぎ(石楠花)の葉を添え、近所へ配った。(→ひぼなおし)
- やまかぶし
- [蛇の名]やまかがし[無毒と言われていたが有毒。首より下に赤い所が有り、武士の赤い鎧の様な事から山の武士と言うとの説有り][や、にaccent有る事有り]
- やまがのもん
- 山奥出身の者,山の方に住んでいる者[例えば、畑野町の小倉地区あたりから上の方に住んでいる者を指す](→はまのもん おきのもん)
- やまさき
- 木材商
- やまとんぼ
- [昆虫名]おにやんま(=やんま)(→かとんぼ くろとんぼ だんぶり)
- やまんた
- 1.山にある田圃
2.(山にある)隠し田[年貢・税金逃れの為に作った]
- †やまんでえく
- 相川鉱山の坑夫や坑道を作る大工 無頼漢が多く恐れられていたとの事(→ばんじょう)
- やむ
- [病む]痛む,痛い[古い標準語]「はらがやむ(腹が痛い)」
- やめえ
- 1.[←病]やまい,病気 *や、にaccent
2.[止めえ]止めろ(よ)「みくだすようなこと、やめえ(人を見下す様な事は止めとけよ)」*め、にaccentあり[尚、新潟弁では、「やめれ・やめれや」]
- やめとけ
- やめておけ(=やらんどけ)(→かちおけ)
- やめる
- [病める]=やむ[古い標準語]「はらがやめる(腹が痛い)」
- やもうて
- [←病んで](植物の成育が)止まって伸び悩んで「さむうて苗がやもうておおきゅうならん、だちかんちゃ(寒くて苗が伸びなくて、どうにもならず困ってる)」
- やもうとる
- [←病んでいる]1.やる気にならない,億勘(おっくう)になっている,ぐずぐずする怠けている,躊躇している気が進まない(=しいあぐねている)「しごとがいやでやもうとるんだ(仕事が厭でやる気にならないでいるんだ)」「やもうとらんで、はよいけ(ぐずぐずしていないで、速く行け)」2.(植物が)伸び悩んでいる(→やもうて)「なえ、やもうとるとこヘ、また、うえる(苗を伸び悩んでいる所にまた植える)」
- やや
- 赤ん坊「あのいえ、ややんうまれた(あの家では赤ちやんが生まれたんだ)」
、やら。→、や。1
- やらかす
- (悪い事を)してしまう「やらかしたか(<ついに>やってしまったか)」
- やらした
- 破いた(=やぶした)(←やらす)「しょうじをやらしてしもた(障子を破ってしまった)」
- やらす
- 破る(=やぶす)[他動詞]「しょうじをやらす(障子を破る)」
- †やらずとらず
- (人と)やりとりが無い
- やらせん
- やらない「そのことやらせんちゃあ(そんな事は私はやりませんよ)」(→やれえん しいえん しいせん)
、やらなあ。・、やらなぁ。→、や。1
- やらんどけ
- やらないでおけ(=やめとけ)(→かちおけ)
- やりおおせん
- (自分の力では)やる事が出来ない,終わらず事が出来ない
- やりかんぼう
- 向こう見ず,無鉄砲な者「あこのむすこ、やりかんぼうらもんし。(あそこの家の息子は無鉄砲な者なので困った物だ)」
- やりさす
- 中途で止めておく「やりさしておいてくれ(中途で止めておいてくれ)」
- やりつけた
- やり慣れた,いつもやっている「やりつけた仕事」
- やりぱなし
- やりっ放し
- やりほうだい
- やりたい放題,し放題,好き勝手にやる事
やりほうでえ=やりほうだい
- †やりむり
- 無埋矢理[語の前後が入れ代わる事がある]
- やる
- する,行う(=〜しい)「はようやれっちゃあ(速くやれよ)[*はようしい、とも言う]/もちっと、はようやれんか(もう少し速くやれないのかい)[*はようしいえんか、とも言う]」(→やってみい)
- やるせねえ
- [←やるせない]どうしようもない(→もつけねえ)
- やれえない
- やれない(する事が)出来ない(=やれえん しいえん)(→やらせん しいせん)*え、は可能の「得る・得」の意味
- やれえん
- やれない,出来ない(=しいえん やれえない やれへん)「そのこと、やれえん(そんな事は出来ない)」
- やれた
- 破れた「やれたしょうじ(破れた障子)」
やれている=やれとる
- やれとる
- 破れている(←やれる)「やれとるしょうじ(破れている障子)」
- やれへん
- やれない[やれえん、の誤?](=やれえん)(→〜へん)
- やれる
- 破れる[自動詞]「しゃみせんのいとがふゆんなるやれる(三味線の糸が冬になると破れる)/障子がやれる」
やろこうべえ→やろこべ[主に、両津。以下、やろこべ迄同]
- やろうおっとれ・やろうおとれ・やろおとれ・やろこうべー
- この野郎(=やろこべ)
- やろこべ
- おのれ,この野郎,馬鹿野郎,貴様[罵倒語](=やろこうべ やろこうべえ やろうおっとれ やろうおとれ おとれ、等)(→おんし おとれ)「やろこべ、おとれ!(喧嘩を始める時の語句)」
†やわたいも→やはたいも
- やわっこい
- 柔らかい(=やあくい やっこい)
- 〜やん
- 〜さん[尊敬の意味]「あねやん[姉]/かかやん[母]/にいやん[兄]/あんにゃん(にいさん)[男全般:音便で、にゃん、になる]/じやん[爺]/ばやん[姥]」(小林君と言う名字の生徒を「こばやん」という愛称で、敬意を含めて呼んでいる。)
- やんだ
- 痛んだ,痛くて「ゆんべからはがやんでだちかん(夕方から歯が痛んで困っている)」[標準語?]
- やんだー
- 厭だー[特に女の子が使う]
やんびゅう=やんべ
- やんべ・やんべえ・やんべと・やんべん・やんべんに
- きっちりと,しっかりと,好い案配に,良い具合に「やんぺとやれや(しっかりとやりなさい)」
- やんちゃ
- 悪い事,いたずら,良くない事「やんちゃんことすな(いたずらをするな)ことしのいちわんはやんちゃでこまる(今年の一年生はいたずらで困る)」
- やんま
- [昆虫名]おにやんま[標準語?](=やまとんぼ)(→だんぶり)
†ゆい→いい
- ゆいつける
- 1.縛り付ける,くくり付ける
2.(子供をゆいつけ帯等で縛って)背負う(=ゆわいつける→ゆわいて)
- ゆいて
- [←湯十てぬぐい]風呂に入る時に使う手拭(てぬぐい)(=ゆうて ゆて)
- ゆう
- 言う「なに(を)ゆう・なに(を)ゆうかさ(何を言うんだ)」 *「ゆう」は主に肯定文で使う。否定は、「いわせん(言わない)」「うそとぼうずのあたまはゆうたことがない[掛け詞:ゆう=言う、結う]」[戯れ言<哩言>]」
- ゆうがなこと
- 贅沢でのんびりした気楽な事「ゆうがなこと、ゆーとる(優雅な事言ってるなあ)[多少からかいの意味を含む]」(→いいこと)
- ゆうこときかん
- 1.言う事を聞かない,言い付けに従わない悪い子だ
2.うまく標械が動かない,うまく道具が使えない,うまく体が動かない
- ゆうじ
- 用事
ゆうつここう・ゆうつかう=ゆをつかう
- ゆうて
- 手拭,てぬぐい(=ゆいて)
- ゆうてかせせえ
- 言って下さい[願望]
- ゆうてかせる
- 言って間かせる,教える「おまえにゆうてかせるから、ようきけや(お前に言って聞かせるからちやんと聞けよ)」
- ゆうてももどらん
- 弁解のしようがない(悪く)言い過ぎた(=いってももどらん)
- ゆうとった・ゆーとった
- 言っていた
- ゆうとる
- 言っている
- ゆうとれんし・ゆーとれんし
- 言っていられないし
- ゆうなりに
- 言いなりに,言われるままに
- ゆうに
- [優に]優に,たっぷりと,楽々,十分[標準語だか臭く使う]
- ゆうのこ
- [←いお(魚)の子・卵]鱈子(たらこ)すけそう鱈の子
ゆうべ→ゆんべ[標準語?]
ゆうまがた→ようまがた
- †ゆがま
- いろりに常に架けておいた鉄瓶(てつびん)(→ゆるんはた)
- ゆかん
- [湯棺]葬式前、死んだ人をお湯で洗ったり拭う事 *今はアルコールで拭く
- ゆかんする
- 上記「ゆかん」をする
- ゆきおろしのかぜ・ゆきおろし
- (雪が降り出ず前の)雷[曇天を轟音で響き廻るが、
落ちない雷で、一段落して鳴り止むと牡丹雪や霰がどさっと降り出す。ちなみに佐渡は新潟県内では比較的雪は少なく、屋根の雪下ろしは殆ど行わないで済む]
- ゆきしな
- 行く途中
- ゆきすごう
- (人に気付かずに)行き過ごす
- ゆきつもどりつする
- 行ったり来たりする[標準語?]
- ゆきやけ
- 霜焼け,凍傷
- ゆきわりそう
- [雪割草]和名、おおみすみそう[春先、紅・紫・青・桃・白と地面に敷き詰めた様に咲いていたが、今は乱獲で殆ど絶滅した野草。園芸店ではまだ売っている。関東の雪割り草(みすみそう)とは異種」
†ゆくめえか→いくめえか,いかんせんか
- ゆさぶる
- 揺する,揺り動かす
- ゆて
- 手拭(=ゆいて ゆうて)
- ゆにゅうもん
- [戯語]佐渡島外から来た(農水)産品・商品
- ゆみのつるになっとる
- 廻り道になっている「そこんみちはゆみのつるになっとるさけ(そこの道は廻り道になっているからね)」(=ゆみんつるになっとる)
- †ゆもじ
- 腰巻き
- ゆらかす
- 揺らす
- ゆりみみず
- 糸みみず
- ゆるはた
- いろりばた(=ゆるんはた)
- ゆるはたべんけい
- 内弁慶(→ゆるはた)[ゆるんはたべんけい、とも]
- †ゆるんは
- たいろりばた
ゆわえる・ゆわえつける→ゆいつける
- ゆをつかう
- 風呂に入る,入浴する(=ゆうつかう ゆうつこう)
- ゆんべ
- 夕方[ゆうかだ同様、ゆんべ・ゆうべを使う]「こないだのゆんべ、」
- ゆんぼー
- シャベルカー[建築用語か?]
- よう
- 1.良く,頻繁に「ようきたなあ(よく来ましたねえ。来てくれて嬉しいよ)」2.(酒・船)に酔う[標準語](→よた)
ようおいでました・ようおいでなしゃました[挨拶]いらっしやいませ
- ようけ
- [余計に思われるほど→]多くたくさん
- ようしたもんだ
- [←良くした物だ][褒め言葉]1.(相手自身の行為に対して)よくやりましたね,さすがですね,すごいですよ,有能ですね「おやはずろやみだけも、こはようはたらく。ようしたもんだ。(親は怠け者だが、子供は良く働くなあ。よく出来た物だね。)」2.(客観的な事実に対して)すばらしいですね,すごいですね
- ようしたようした
- [褒め言葉よくやったねえ,でかしたねえ
- ようする
- (扱い等を)臭くする,面倒を見る「子供がようしてくれる」
- ようできたひと
- 親切で思いやりがある人,性格が良くちゃんとしている人
ようのこ→ゆうのこ
- ようま
- 夜中,夜,夜半,夜間(→ようま よっぴて)
- ようまがた
- 夕方(=ゆうまがた)
- ようま、よっぴて
- 一晩中(=よながよっぴて よながよっぺて よまよっぴて)
- 〜ようもん
- 〜の様な物・者(→そのようもん おめえようもん)
- ようゆかんし
- よく行かないので
- よがなよっぺて
- 一晩中,終夜
- よがわり
- [世・代+代わり・変わり]時代の変遷,世の移り変わり
- よき
- 小型の手斧,小型まさかり,まき割り(の斧)[銘(なた)ではない、古い標準語]
- よぎにくわしいひと
- [余技に詳しい人]生業意外に色々詳しく知っている人
- よくこく
- 欲張る「よくこいてはたらく(欲張って働く)」(→よくとくしい)
- よくしんぼう
- [欲辛抱]けち,欲張り,がりがり亡者,よくとくしい,けちな,欲張りな,欲深い,強欲な
- よくのかわつっぱらかした
- 欲張った,強欲な[標準語?]
- よくよくのこと
- 特別な事態,どうにもならぬ事,[標準語?]
- よけ
- [←余計]1.沢山,余計に「あこんどてんとこによけ、からしなあるっちゃ(あそこの土手の所に辛子菜が沢山あるよ)」
2.余計しなくて良い事(→よけんこと)
- よけしてもらう
- 魔避けの御払いを神官や祈祷士にして貰う
- よけんこと
- 余計な事,しなくても良い事,要らぬお世話 「よけんことすんな」
よごし→みそよごし
- よこづち
- [横槌]杵状の木槌[藁を編む前にたたいて慣らした]
- よこてい
- 横,横の方「よこていになっとる(横になってる)」
- よこていむく
- そっぽを向く,機嫌が悪く取り含わない(→よこむく)
- よこになる
- 1.横になる[漂票準語](=よこていになっとる)
2.休む,休憩する「すこしよこになってください(少し休んで下さい)」[横になって寝ても寝なくてもよく、横にならずに休んでもよい]
- よこばら
- [横腹]脇腹,脇っ腹
- よこむく
- [横向く]そっぽを向く,相手にしない,取り含わない,臍を曲げる「あれ、よこむいてしもうた(あの人、臍を曲げてしまった)」
- よーしたもんだ
- (良い意味で)良くやった物だ,さすがですね
- よじれる
- 1.世に出てすれる(→よずれる)
2.よじれる[標準語]
- よじん
- 自分意外,他の人(=よのひと よのもの)「よじんはさておき、」[標準語?]
- よずれた
- 世に出てずれた,世に出てグレた・性格が悪くなった
- よせずき
- (いい気になる)調子,いい気,相手の言葉尻を捕らえて、輪を掛けて何かかんか言い立てる事,ついでに何だかんだ言う事(→えーさべり)「よせずきなこと(調子に乗ってする事)/†よせずきにのって・よせずきになって(調子に乗って・調子付いて)/よせづきにかかってゆーなや(言葉尻を捕らえてついでに何かかんか言うな)」[本来は、よせづき]
- よせずく
- 調子に乗る,調子に乗って何かする[悪い意味]「よせずいとる(調子に乗っている)」(→よせずき)
よせずくになる<同上>[な、が下がり調子のaccent]
- よそ
- よそ,他の家(佐渡島内の)他の町村[島外市町村は「えちごの」と言う]
- よそう
- [装う・←よそる]食物を食器に盛る、よそる「まま、よそってくれ(ご飯を盛ってくれ)[よ、にaccent無く、く、に有る時有り]
- よそもん
- よそ者(特に)佐渡島外から仕事で来た者(≒たびのもの)(→よそんもん)
- よそんもん
- 自分の家族意外の島内の者(⇔うちんもん)(→よそもん)[上と異]
- よた
- [与太]悪い事,良く無い事,いたずら「よたしんなや(悪い事をするなよ)」
- よた
- [←酔った」酔った「はや、よたか?(もう酔ったか)/よた(よったぞ)」(=ようた)
*促音便の『っ』が無くなる事有り;くだ(喰た)。ようた・くうた等の、『う』の消えた形か。なお、いった(言った、要った、煎った、射った)の『っ』は無くならない
- よたおんな
- 悪い女,だらし無い女[よたおとこ、とは言わない。差別的か]
- よたか
- 1.[鳥名]ふくろう[←夜の鷹]
2.酔ったか[疑問文]
- よたぐち
- 悪口
†よたける=よたする
- よたこんじょう
- 悪い心,腐った根性
- よたする
- 悪い事をする,良く無い事をする(=よたける)
- よたのわけぇし
- 不良の若者
- よたもん
- 性質・性格が悪い人・奴(=よたんもん)
- よたら
- [←与太だ]悪い奴だ(子供に)不良だ「あいつはよたら」
よたり=よったり
- よたんげえ
- 悪い(←よた)
- よつじ
- 四つ辻,十字路(→みつじ)
- †よったくれ
- 酔っ払い[標準語?]
- †よったくれる
- 酔っ払う
- よったり
- 四人(→みたり)
- †よっぱら
- よっぽど,余程
- よっぴて・よっぴと
- 一晩中(=よながよっぴて)
- †よて
- 得手(えて)得意な事
- よとぎ
- [夜伽]寝ずの番,お通夜,死んだ人の通夜に起きる事
- よながよっぴて・よながよっぴと・よながよっぺと
- 一晩中(=よっぴと)
- よのもん
- 1.[余の者]他(ほか)の人「うちのよのもんは、みな、たにでた(家の他の者は皆田圃に出た)」
2.[世の者]他人,余人「よのもんのことはしらん(他人の事は知らない<自分には関係ない,の意味も含まれる事も有り>)」(=†よのひと)
- よばれる
- 呼ばれる,招かれる「ふるめえによばれる(振舞に呼ばれる)」[標準語?]
- †よぼった
- 呼ばれた(呼ばれて)挨拶に行った「しんるちにふこうがあってよぼった(親類に不幸があって呼ばれた)」
- †よぼって
- 呼んで,誘って(=さそうて)「あこのもんをよぼっていかんか(あそこの人を呼んで行きませんか・誘って行きませんか)」
- †よぼる
- 呼ぷ「あたりをよぼる(周りの人を呼ぷ)」
よまよっぴて→ようまよっぴて
- よめなかせ
- [嫁泣かせ][植物名]たねつけばな[春先にこの花が咲く頃、農作業が忙しくなる時期となり、それが嫁を困らせる、という意味から。今と異なり、昔、嫁は冷過された]
- よられ
- よだれ「よられんでる、(よだれが出る)」
- より
- (本来は傷口からばい菌が入って出来たリンパ腺の)腫れ物「よりんできた」(→できもんできた)
- よりおう
- 寄り合う,手伝う,手助けする(よりあう、とも言う)(→よろうて)「よりおうてやらんかさ(寄り合って手伝い合ってやりませんか)」
- よりかかりこんじょう
- よっ掛かり根性
- よりかかる
- よっ掛かる(他人を)頼りにする
- 〜よる
- 〜している,しておる「くいよる(食べている)/なきよる(泣いている)/しよる(している)」
- よるのよなか
- 1.真夜中
2.一晩中
- ††よろうて
- 寄り合って,手伝って,一緒になって「これ、よろうてやってくれ」
- よわる
- 1.疲れる,困る
2.(感投詞的)困った,あぁあ
[*いわるゆわる、とは言わない。よわった、参照]
- よわった
- 疲れた,困った(=いわった ゆわった)[過去形]
- よをしもう
- 世を去る,あの世に行く,死ぬ(→しもう)「あのもん、よをしもうたっちゃ(あの人は死んでしまったよ)」
- よんどころねえ・よんどこねえ
- (←えんどこねえ)1.困ったなあ[独り言]
2.(相手に少し引け目を感じながら)恥ずかしい,恐縮します,申し訳ない
- よんべ・よんべと
- ゆうべ,昨晩,昨夜(=ゆんべ)
†よんべな=よんべ・ゆうべな
- 〜よんのん
- 〜みたいだよ,みたいな物,様な事[の、にaccent有る時有り]「そのんよんのん、できん(その様な事は出来ない/その様なので出来ない)」
- 〜よんもん
- 〜みたいな物(=よんのん)[も、にaccent有る時有り]「そのんよんもん、できん(<上同>)」
らくな→らくなに
- 〜らくなに
- 1.〜だてらに(=らくめいに ざくめいに)「おんならくなに(女だてらに)/こどもらくなに(子供の癖に)」
2.†無駄な(→ぜんらくな じぇんらくな てまらくな)「ぜんらくなに、そんなものこうな(無駄金になるし、そんな物買うな)/てまらくな(やっても無駄だ)」
- らくになってください
- 楽にして下さい(正坐せずに)足を崩して下さい,胡坐になって下さい
〜らくめいに→らくなに「女らくめいに」
- †らくもん
- 無駄な物
- 〜らし
- 〜なので,〜だから(≒らすけ)(→さけ)[らすけ、は比較的少ない]「そうゆうもんらし(そういうものだから)」
- 〜らすけ
- 〜だから(≒らし)「たびのもんらすけようわからん(旅の者だから良く分からない)」[らすけ、の方が理由の意味合いが強い]
- 〜らち
- 〜達「おめらち(おまえ達)」
らちかん=だちやかん[ら、にaccent有る時有り]
- らちもない
- しょうがない,意味のない[古い標準語]「らちもないはなし(馬鹿な話)/らちもないこと(無駄なこと)(=ばかんこと)」[ら、にaccent有る時有り]
らちゃかん=だちゃかん
- らっきょうずら
- 頭が大きくて顎が細い顔[悪ロ]
- らっくりする
- 楽になる,.気楽になる[標準語?](→おーやりしとる)
らっちゃかん=だちゃかん
- らんとう
- 墓場(=だんとう らんぱ)[屋号に有る、との事]
- らんば
- 1.火葬場
2.墓場
- †らんぶり
- [昆虫名]とんぼ,ががんぼ?(→だんぶり・ざんぶり)
- りくうな
- 利口な[良い意味]「りくうなこ(利口な子供)」[国仲](→こりこうな)
- りこぅんもん
- 小利口な者,保身のうまい者,狡くて要領の好い者[悪い意味]
- りゅうる
- いじめる,悪さをしていじめる
- りょうけん
- (工事用の)つるはし
- りょうけん
- 「料簡]考え方,料簡[科簡、は標準語だが多く使う]「りょうけんがおかしい(思い違いをしている・考え方がおかしい、間達っている)」
- りょーこー
- [両高]両津高校(→さこー あいこー のうがっこう)
- †りょうぼう
- [植物名]りょうば,ぎょうぶ[陰干しにして俵に詰めて屋根裏等に保存し飢餓の時に食べた](=どうぼう・ぎょうぼう)
- りょうる
- (魚等を)料理する
- りりしい
- 1.(外見が)凛々しい[標準語]
2.律義な,義理深い,ちゃんとした「りりしいひとだ(律義な人だ)」
3.上手な,T寧な「あのもんはしごとがりりしい」
- るい
- 血統,血筋,血縁,一族,家の者「あこのるいだ、ようにとる(あそこの家の出身の者だ、よく似ている)」[親類は、顔・性格が似るとの事](=まき)
- るすい
- 留守番[古い標準語]
- るのくび
- 後ろ首(=ぶのくび)(→ぶのくびのいいひと)
- れつ
- 1.言い返す事,口答え「れつこくな(口答えするな)」
2.†余計な話し・事(=†へち)
- れつこき
- おしやべりで頑固な者(→しやべっちょ へちこうぜい)
- れつこく
- 言い返す,口答えする
- れんげだらり
- 大きな柿で実のへたに近い部分にれんげ状のでっばりが有る柿、近ごろは見受けられない(→だらり)
- れんじやく
- [建築用語]連尺 麻製の荷紐[物を負う道具]
- ろうにも
- どうにも「それは、ろうにもならん(それはどうにもならないよ)」[どうも(標準語)は ろうも にはならない]
- ろうもする
- ぼける,もうろくする[水溝?]
- ろうらく
- 1.[←道楽](異性や芸者等への)色狂い
2.篭絡,丸め込む事[古い標準語]
- ろぎん
- [路銀]旅費[江戸語]
- ろくごう
- 葬式・仏事のさんぼうの大きいやつ[月見団子等を乗せる 真言宗の語?]
- ろくたま
- ろくろく,ろくに「ろくたまやれもせんのに、(ろくにやれないくせに、)」
- ろんぱー
- 斜視,両目の方向が一致しない人(→しゃし)
- わ
- [終助詞・強調]「しらんわ(知らないよ)」
- わー
- [←我]私,自分,てめえ「わーのことは、わーでしい。(自分の事は自分でしろ。)/わーなー。(お前なあ[呼び掛けの「わーらー」とは異なる])」
わあらあ→わーらー
- わあるい
- 悪い(⇔いい)
- わあるうはねえ
- 悪くは無い,まあ(なかなか)良い
- わあわあゆーな
- 騒ぐな,つべこべ言うな
- 〜わい
- [終助詞]〜だ,だよ「そうだわい(そうだよ)」
- 〜わええ
- [終助詞]〜だ,だよ「そうだわええ(そうだよ)」
- わが.わーが
- 1.私が,自分が「わがゆーのがわからんか(私の言うのが解らないか)」(⇔おめ)(→わー)
2.私の,自分の「わーがこともきちんとせんとだめらっちゃ(自分の事もきちんとしなくては駄目だ<出来ぬ様では、駄目だ>)」(⇔おめの おめん)
- わかざかり
- 若い盛り,青春時代
- わがたへみずをひく
- 我田引水,自分勝手(=てめえがって かってしんでえ)
- わがねる
- 曲げる[たがわる、とは異]
- わからん
- 1.分からない,知らない(=わからんちゃ,わからんちゃぁ,わからんじゃあ)「このもんだいわかるか/わからんちゃあ(この問題解るか/解りません)」
2.(〜だかも)しれない「25にちかもわからん(25日かもしれない)」
*佐渡の人はとても良くこの言葉を使う。態度がはっきりしている。関西風か?
- わかりめえ
- わかるまい「おめには、わかりめえ(お前には判るはずがないよ)」[この語は江戸弁か?]
- わけい・わけえ
- 若い[け、にaccent有る時有り]「わけえひと(若い人)」
- わけいし・わけえし
- 著い衆,若者
- わけえもん・わけもん
- 若い者,若夫婦(⇔とっしょり)
- わけない
- たやすい,簡単だ[標準語?]
- わけへだて
- 別け隔て,差別,区別[標準語:良く使う]「わけへだてすな」
- わけもない
- [わ、accent有る時有り]
1.理不尽な,訳も判らぬ,不合埋な,納得出来ない「わけもないかねはだせん(不合理なお金は出せない)」
2.筒単な[標準語]
- わごねる
- 曲げる,丸める(=わがねる)
- わさわさした
- おうぎょうな,大袈裟な,放将な「わさわさしたひと」
- わしわし
- 1.ぼりぼり(掻く)「背中をわしわし掻く」
2.むしゃむしゃ「わしわし食べる」
*大袈裟に荒っぽくする事、が原義
- わせ
- [早稲]早熟,おませ「あの子はわせだ(あの子はこまっしゃくれている・大人びている」
- わっか
- 1.輪状の物
2.(→わっこう)
- わづくる
- わになる「わづくってくれ(輪になって座ってくれ)」
- わっこう
- 竹げた[子供の氷・雪の固く締まった氷状の上を滑って遊ぶ遊具]・(→ちゃり)(=たかげた)
- わってはなす
- 腹を割って話す
- わっぱ
- 輪になった物[標準語?]
- わやだ
- めちゃくちゃだ,駄目だ「話がわやだ」[標準語?]
- わやわや
- 1.うようよ,わさわさ「毛虫がわやわやいる」
2.混乱している(様)「わやわやしとる」
- わーらー
- 私達「わーらー、そのんことしらなんだ(私達はその事は知らなかった)」
- わらがみ
- 藁半紙
- わらぐつ
- 藁で編んだ靴(特に)雪道で履く長靴状の深靴(=ふかぐつ)
- わらこず
- 藁くず(→こずぶとん)
- わらすべ
- わらしべ,一本の藁
- わらづと
- 藁の入れ物,藁で編んだ入れ物[納豆等の入れ物;わら+†つと(みやげ)]
- わらぶき
- [藁茸き]茅茸き,茅茸きの屋根,茅茸きの家(=わらやね,くずや)
わらやね→わらぶき
- わりかた
- 割りと,わりあいに「わりかたかたづいた(割りと片付いた)」
- わりわり
- 勢い良く,元気に,成勢良く(≒わさわさ ばりばり)「近頃わりわりしとる」
わりわりっと=わりわり「わりわりっとしとる」
- わるう
- 悪く
- わるうおもわんといて
- 悪く思わないでおいて,悪しからず「わるうおもわんといてほしいが、(気を悪くして欲しくは無いのだけど、)」
わるうすりゃ(ー)=わるくすると
- わるうばっかゆう
- 悪口ばかり言う,いつも良く言わない
- わるくすると
- (悪い意味で)事によると,ひょっとして,悪くすると[標準語?]
- わるさ
- 変な事,駄目な事,おかしな事,いい事[親しみを込めた語](→だめんこと ばかんこと)「おめ、なにわるさしてきたかさ(お前、何をまあ、やってきたんだい)」
わるすりゃー=わるくすると
- わんぐり
- 曲がっている「あし、わんぐりしとる(足が少し丸まっている/(特に)足の裏が窪んでいる)」*足がひらべってい、は足が偏平足、の事
†わんごり=わんぐり
- わーんとこ
- 自分の所,おまえの所(=わがとこ)
わーんもの=わーんもん
- わーんもん
- 自分の物・者おまえの物・者(=わがもん)
- 〜ん
- 1.[←ぬ]〜ない(打ち消しの助動詞 古語未然形接続)
・〜せん[〜しない]たべたりせん(食べたりしない)
・〜えん[〜出来ない]たべえん(食べられない)」
2.[←の]、の(格助詞)「まえんほう(前の方)/うしろんほう(後ろの方)」
・そんこと=そのこと(そんなこと)「そんことゆうかさ(そんな事を言うのかい[意外])[方言自体が、ん音便に変わる事がある]
†そ、にaccent無い時有り。また、そ、にaccentがある時は意外の意味が強い。尚、こんこと、あんこと、どんこと、もあり
- んね
- 1.おまえ(=うぬ うな んめ)(⇔ぬし おぬし)2.かかあ,おかか,母(=うね うめ)[特に海府地区]
んめ=んね2[海府地区]
佐渡は新潟より海上60km、日本海の荒波を越えること人里の沖合にあり、と言われ
るが直線距離では新潟の対岸までは30km、晴れた日には新潟からも海岸部では跳める
ことができ、大きなビルの展望室からは特段に目を凝らさないでも、手前に小佐渡の
縁の山並みが、それに重なる茶色がかった大佐渡の山裾が重なっていて、時には山の
樹木の一本一本までも手に触れられるがごとく近くに眺めることができる。
言い換え
れば、ある民謡の一節にあるように「棹さしゃ届く」ように感じることができる。も
し地続きなら一時間足らずで行ける距離であり、佐渡は考えようによっては近い。そ
の点では絶海の孤島では無い。また、某民謡の一節に「佐渡はしじゅくり(49里)波の
上」とあるがこれは実際の距離では無く、佐渡へ行く渡し舟(以前は船でなく、舟で
あった筈だ)が始終苦しいという説がある。(なお「佐渡での暮らしが始終苦しい」と
いう説、「能登半島から49里の距離だ」という説も有り)。
実際、悪天候下での佐渡
行きの船に乗り合わせるのは今でも気持ちの良いものでは無い。運悪く冬場の悪天候
時や、冬でなくとも時化の時に乗り合わせた船に弱い人は、港を出てしばらくして佐
渡航路のフェリーの窓ガラスに波しぶきが何度もぷつかるのが目に入り、ましてや時
の移るにつれて、それがだんだん激しくなっていくのに気付いてしまった時、それに
加えて、時には上下左右に揺れ回る船の中、水面から三階建と同じくらいの高さにあ
る客室に居るにもかかわらず、波立つというよりも泡立っている海水面や水平線が、
何度も目に入りつ消えつつするのを見て、実に肝を冷やす。
そして脂汗は目の周りや
額から滲み出て、冷や汗は体のいたる所から滲み出して流れる。船の上げ下げととも
に、本人の上げ下げをする。嘔吐する。まるで何時間もエレベーターに気分の優れぬ
まま乗りっ放しのような感じがする。まるでこの世の生き地獄の体を彷彿させる。そ
の意味では絶海の孤島である。
今から20年前、昭和40年くらいまでは今言われるところのカーフェリーは無く、あ
ると言ってもクレーンで荷物を吊り上げて後部甲板に積み込む形式の小船だった。
乗
船する客が、あまり水面と高さの差のない平らなコンクートの堤防から、4〜5段の小
さな手で取り外しできる階段を恐る恐る踏み締め乗船した船であった。
その当時、佐
渡行きの船の発着場は今の佐渡汽船の対岸にあり、西新潟の万代橋のたもと、礎町の
先の信濃川に面していた。建物の周りは、すぐ横にバスが1〜2台停められる多少の空
間があって,タクシー等も控えることのできる専用の小さな駐車場もあって、運転手
は車の中で反っくり返って客を待っていた。建物自体は今でも地方でよく見掛けるこ
とのできる建て替え前の古い駅舎のような姿の建物で、多少広めの入り口を通って開
けっ広げの待ち合い室に入ると佐渡言葉の流れる暗がりの中に、上部の明かり取りの
窓から光が差し込み光の筋となって、人とベンチと煙草の煙が浮かび上がっていた。
堅くて長細い合板製の一枚板を二枚使って、座る板と背もたれにしたベンチと、昔
ながらの座る所と背もたれを細い木で少し間を空けて打ち付けて作ってあった長椅子
と、当時としては新しい、プラスチックとペンキを塗った鉄パイプをボルトとナット
で組み合わせたベンチの三種類の物が同じ物同士並んでいて、いずれの背もたれの上
部にも、目にでかでかと佐渡の民宿等の宣伝広告の取り付けであったのを思い出す。
乗船口の脇で売っていた切符は厚いしっかりとした硬券で、ガラス越しに職員が控
えていて、客の行き先の申し出に対して一枚一枚切符を販売していた。そして入り口
の反対にあった改札口の銀色のバーは、動めく人と煙草の煙の影がぼんやりと光る建
物の中で、海へと続く入り口を思わせ静かに光っていた。
その前で、次の船に乗る人
は、まだまだ開きはしないのだが、開いていない改札口の前に一列に、あまり大切で
ない自分の荷物の一部を置いて暗黙のうちに順番取りをしていた。人々は出港時間が
近付くとともに、徐々に、既に並んでいる人の列の自分の物のある所に三々五々加わ
って行く。そしてそのような人で窮屈に並ぶようになってしまった乗船者の列は、改
札が始まるのを職員に告げられると、開かれた銀色のバーを通り抜けて行くのに急ぎ
始め、改札口で改札係に乗船名簿を渡すのと一緒に、硬券に鋏を入れて貰うやいなや
多くの乗船者は自分の両手に提げた端と端を結び合わせた大きめの風呂敷包みをちょ
っと気持ちだけ持ち上げ、たぶんそれがスタートを暗示しているのだろうか、徒競走
(はしりごく)が始まる。小走りで、何故そこで急ぐのかは分からないけれども、すぐ
目の前に停泊している船へと、その10メートルほどの短い距離を、ほとんどどの者が
老いも若きも、今までじっとしていた老人達でさえも急いで走った(!)目の前を老人
達の方が若者よりも宙を飛ぶように駆けて行った、ような気がする。
出港五分前ごろ
には金の鍋の底を平らにしたようなドラが船員によって鳴らされ、ドラを打つごとに
船員のばちを持つ右手とドラを持つ左手は大きく輸をかくようにゆっくりと回されて
震えていた。そして、見送る人と旅する人の紙テープが船側と岸壁側から交互に投げ
られちょっと弛みながらひらひらしていた。そして旅立つ船は、ちょっとジャズ風に
編曲された明るい『蛍の光』の音楽と女性のアナウンスに送られ、今では余り見受けら
れない「はしけ」という大型船発着の際に、岸壁に船を押しつける役割をする小船に
伴われ、人々に見送られ約四時間の船の旅に出港した。(これは、7・8月の観光シーズ
ンだけのことだったかもしれない)。
先に時化のことを述べたが、凪の時は全く逆であり、快いことこの上ない。陸地を
遠ざかるにつれ越佐の遠影が眺められ、佐渡ヶ島に近付くにつれ、遥かに遠くにだん
だんと風光明媚な景勝も眺められ、それがますます大きくなって目を圧倒する。
また
山脈があると言っても小島の山脈だ、と高をくくっていた人達も、またそれのあるこ
とすら知らなかった人達も、時に雪を戴き高く聳える大佐渡・小佐渡の両山脈が近付
くのに驚く。加えて観光で来た者にはまだ見ぬ神社・仏間、聖跡等への期待感が膨ら
む。
このような遠いような近いような佐渡ヶ島(さどがしま)は新潟県内の他の上・中・
下越の三地方の文化・伝統と異なる点が顕著である。少なくとも離れ島にはその中で
一つの文化の流れが育まれていくことは想像できるが、佐渡自体の面積はかなり広く
伊豆半島ほどはあり、またその多種多様な地形の点からも地域差がかなりある。新た
な、島自体の文化と地域自体の文化の独自の展開があり得る。
ましてや佐渡の歴史は
新潟市はもとより新潟県内のほとんどの地区より格段に古く、新潟が影も形もなく湿
地や芦原であった奈良・平安時代にも、行政単位が持ち込まれ日本の一部であった(つ
まりその頃、新潟は日本ではなかったことになる。土地すらないか、あったとしても
アイヌの土地であったかもしれない)。また日本海に浮かぶということから幸いして、
公に認められた帰化人や認められなかったが帰化した外国人(みせはしのひと[粛秦人
?=遼や古代朝鮮から逃げ延びて来た人々])が多数来島し、進んだ文明をもたらしてい
た。または来島したが減んで消えて行った。[相川には古代にそのような人々が居て、
鉱山を開き、毒の水を飲んで全滅したという言い伝えあり]
千年以上のことを言わなくとも、佐渡伝統文化(特に芸能)は廃れそうな感じを持た
せながら、随分残っている。しかしながらその中で加速的に消えかかっている文化が
佐渡方言である。
60歳近くの人達と50代から40代の人達、そして30代の人達、20代以
下の若者達では全く佐渡弁の語彙数、その種類が若い世代になるにつれ減ってきてい
る。そのうちには、佐渡特有の関西風アクセントを除いて、固有の語彙は消えて行く
のだろうか、とも思わせる。
ともあれ、この小集成が佐渡の言葉という伝統文化の理
解の一助になれば、と思っている。
さて、後一つ佐渡の方言について思っていることがある。この本は国中と呼ばれる
地区において良く間かれる語彙をまとめたものであるので、外の地区の方言集がその
専門家・関係者に待たれる。
すなわち羽茂地区・小木地区・相川地区・両津及びその
周辺や水津地区、外海府地区等の最新の細かな調査による集成を希望している。(な
お佐渡海府方言集 昭和52年11月30日 国書刊行会 柳田国男編 倉田一郎著、が有る)
末筆ながら語彙の抽出に助言してくださった本間武二先生、坂口昭一先生、豊原久
夫先生、粕谷敏矩先生、計良実先生、畑野町食堂『えのき』に集まる方々、また佐渡方
言辞典の地図使用をご快諾戴いた廣田武雄先生(著者廣田貞吉先生の御子息・元羽茂
高校校長)、そして本書の印刷をご快諾(?!)いただいた考古堂書店社長の柳本さん、お
よび社員の皆さま、ありがとうございました。
平成八年神無月
大久保証
参考文献(入手困難と思われる物には*を付した)
伊藤 邦男
編 佐渡植物民俗誌、佐渡の植物第3集 昭和62年3月15日 佐渡の植物刊行会発行
佐渡植物風土記、佐渡の植物第5集 平成2年1月25日 同発行
佐渡植物歳時記、佐渡の植物第6集 同日 同発行
著 佐渡山菜風土記 平成3年8月15日 佐渡国小木民俗博物館発行
倉田 一郎 著 柳田国男 編 佐渡海府方言集 昭和52年12月30日 国書刊行会
佐藤 利夫 著 佐渡嶋誌第一巻 昭和佐渡事情(上) 新佐渡風土記 佐渡たべもの誌 平成6年2月7日 羽田村研究会発行
浜田 一夫 著 佐渡の味 昭和54年12月5日 野鳥出版
廣田 貞吉 著 *佐渡方言辞典 昭和49年 3月30日 旭光社 刷
*佐渡と佐渡人 昭和50年10月 1日 同 刷
山本 修之助 編著 郷土研究佐渡 昭和52年7月10日 佐渡郷土文化の会発行
佐渡民俗ことば辞典 昭和62年8月22日 同発行