耕助物件

耕助物件


 通常,路上に出るときは商店街のあるような住宅街を選んで歩くわけなんでした。ところが,ときどき地図を読み違えて田んぼや畑に囲まれたところを選んでしまうなんてこともあったりするんでありますね。そうするともう,見るものもなくて困ってしまう。
 で,今回も川沿いの梨だか葡萄だかの畑が広がる一帯を横切らなくてはならなくて,「しまった。こらどうにもならん」と思いながら歩きつつふと足元の畑に目をやると,上の写真のように,無造作に首が転がっていたんでした。

 まぁ,じっくり見なくても1秒くらいで「これは人形だ」というのはわかるんだけれども,その見た瞬間にはやはりビクッとなってしまうわけでありますね。私の場合は某神社で人が木にぶらさがってるのをみつけたこともあったりしたし。

 で,ホントにそれが人形の頭部であるということを確認して,ホッとしつつ視線を上にあげると,こんな風になっているわけなんでした。


 地面にごろごろ頭が落ちていたり,棒に刺して高く掲げられてたり。まるで戦国時代の合戦直後のよう。いや戦国時代の合戦直後を見たことがあるわけじゃないけれども。

 これはまぁ,普通に考えればカカシのなれの果てだと思われるわけですけれども,しかしこれが全部本物であったとしたら,大量猟奇殺人事件でありますね。金田一さん(春彦に非ず)が出てきそう。
 いや,大量殺人事件では出てこないか。むしろ金田一さんが出てくるとしたら,この「カカシの首たち」の中にひとつだけ本物の首が混じっていたような時かもしれない。

 カカシを発端として,複雑な血縁関係の資産家家族を巻き込む第二の殺人(ブリキ板で首を切られて)第三の殺人(ライオンに食われて)が…。そして,殺されるべき人が全部殺されてしまってから始まる謎解き。謎解きの最中に真犯人(先日死んだ当主の外国人妾・ドロシー)が真相を告白しながら服毒自殺…。
 という風なストーリーが展開して…いかないか。

 確認はしなかったけど,ホントにホンモノが混じってたりしなかっただろうなぁ。意外と盲点だったりするかもしれない。完全犯罪を狙う人,要チェックだ。


※私は「オズの魔法使い」に関しては原作を読んでおらず(子供のころ,赤青の立体メガネで見る連続テレビ劇があったような気がするけどそれも憶えていない。中学校の英語の教科書でもでてきたような気がするけどやはり憶えてない),また「金田一耕助シリーズ」も映画でしか観たことがないので,イメージに偏りがありますがご了承くださいませ。

 月潟村・下曲通あたり。