かくれて物件
街を歩いていたら,床屋さんの三色ポール(と言うのか?)が目に入ったんでした。
しまいこんである感じだったので,
(営業時間を終えるといちいち移動させるのか。けっこう大きいのにタイヘンであるな)などと思ったわけでありますけれども,近づいてみるとハリガミが貼ってあるんでした。
「ゴミ」であります。
どうやらしまってあるんではなくて,このあと捨てられてしまう運命にあるようなんでした。
やはり粗大ゴミということになるんでありましょうか。しかしこういったものはなんとなく「ゴミ」になるという感じがしないんで,ヘンな感じがしてしまうんでした。
床屋さんにしても,これは店のカンバンみたいなものなので特別な感慨があったりはしないんでありましょうか。
むしろ,単なる商売道具ということで,あっさりとしたものなんでありましょうか。
でもホントに粗大ゴミとして出すんであれば,ハリガミには住所も書いた上で申し込まなければならなかったような気がするので,住所がないところを見るとまだホントのゴミにはなっていないのかもしれないんでした。
住所を書いたときが最後のお別れになると思うと,なかなか書けないでいるのかもしれない。書こうとすると,創業以来苦楽をともにしてきたポールとの思い出がぐるぐるとよみがえってきて…。
いやそんな感傷的なものではないのかもしれませんが。
こちらは,自販機の横にひっそりと置かれた,ちょっとゴージャスっぽい感じをかもし出す椅子であります。
ここに座って自販機で買ったものを飲んだりするんでありましょうか。
散歩中にちょっと休憩をしようということでおばあさんがちょこんと座っているところを想像するとカワイイ感じであります。
お茶を飲もうとしたけど間違ってコーラを買ってしまい,でも捨てるわけにもいかないのでムリして飲もうとして,ぶごほぅっとか言って吹き出してるところを想像すると,カワイ…くないか。
自販機のカゲに隠れるような感じが,ちょっとオモシロいところではあります。
ヒラヒラの白いフリルを着たお嬢様が,しつけに厳しいじいやから逃れて屋敷から抜け出し,庶民の生活を少し味わうためにコーラなどというものをここで隠れて飲むのを楽しみにしていたり…しないか。
この辺にそんなお屋敷があったりお嬢様がいたりとか聞いたことないし。
オマケ。これはもうだいぶ前に物件(明子物件)にしたものであります。2000年ころなので,およそ12年前。
いまだに健在であるようなんでした。位置が少し移動しているようでありますけれども,その表示は色あせることなく,というか,むしろキレイになっているようなんでした。明子ねえちゃんが花形と結婚してキレイになったようなものか。そうでもないか。
いつも手入れされていたりするんでありましょうか。手入れしているくらいなら,もっと表に出したほうがいいような気もしますけれども。
手前の黄色い車よけポールも,以前は無かったような。こちらはけっこう傷ついているようであります。
このポールや石の鉢に守られ,キレイに手入れされながら控えめに主張するこのカンバンは,この町内のVIPだったりするんでありましょうか。
「三色」は新潟市中央区・米山1あたり。
「椅子」は新潟市中央区・沼垂東4あたり。
「明子」は新潟市中央区・関屋大川前1あたり。