BB物件



 BBとはなんぞや? と思われたかもしれませんけれども,単にブロック塀のことであります。ブロック物件なんてのが以前にもあったかなぁなどと思ったけれども調べるのが面倒だったので安直につけた物件名だったんでした。
 最近前フリが長いような気がするので前フリなしで行くぞ。と思っていたのにまたくだらない前フリをしてしまって反省至極であります。それはともかく。

 上の写真は,ちょっと急めのカーブになっていてカーブミラーが立っている道路という,まったくおかしなところのない,ごく普通の風景であります。

 ただちょっとオモシロく見えたのは,ブロック塀のうしろにある電柱なんでした。
 色あせた黄色と黒の注意ハラマキ(とは言わんか)を半分見せつつ,ブロック塀のうしろに隠れている姿は,安全地帯から小さな声で「あのー…。ここ…,あぶないですよー」と控え目にささやいているかのように見えてしまうんでした。
 ブロックの外で危険をかえりみずスックと立っているカーブミラーとは,対照的であります。

 まぁ,電柱とカーブミラーではその職務が違っていて,カーブミラーは安全のプロであるのに対して電柱の注意ハラマキは副業みたいなものなので,おのずと意気込みが違うのかもしれませんけれども。
 という問題でもないか。


 さるお宅のおそらくは駐車場になっているスペースであって,こちらも特に珍しい風景ではないんでした。
 かつてはブロック塀が道路に面して立っていたと思われるわけですけれども,塀を壊して車の出入りがしやすいようにしたようなんでした。

 もともとは庭だったものを駐車場にしたのか,もともと駐車場だったんだけれども大きな車を買ったんで出入り口を大きくしたのか。
 その辺はわかりませんけれども,ブロック塀を壊す作業はおそらく自力でやったんでありますね。
「まあ,こんなもんでいいか」
というような感じで壊されていて,そのズサンさがちょっと微笑ましいんでした。

 角の部分がちょっと残されているのは,やはり土地の境界というのをハッキリさせるためなんでありましょうか。
 確かにこれが有るか無いかというのは大きな違いでありますね。他人を排除する結界となっているようであります。全部壊してしまう寸前に「あああ。やっぱりここ残しとこ」と思って思いとどまったんでありましょうか。
 まぁ余計な詮索ですが。


 こちらは,以前「カベ物件」でも似たような物件がありましたけれども,ブロック塀に直接窓がついているというものであります。
 素人目には「なぜわざわざそこに窓を?」とか「面倒なんじゃないの?」とか思ってしまいますけれども,プロからすればそれなりの理由があったり意外と簡単だったりするんでありましょうか。

 この物件の場合,物を顔に見立てるというフェイスハンティングもできるでありますね。
 上の窓が目,下の窓を口とすると,おちょぼ口でヒゲそりあとの濃いトッチャンボーヤの顔のように見えてくるよな気がするんでした。
 住んでる方からすればこれも余計なお世話ですけれども。

「安全地帯」は新潟市中央区・長潟あたり。
「ズサン」は新潟市中央区・姥ヶ山1あたり。
「直接窓」は新潟市東区・牡丹山6あたり。