亜人物件



「亜人」というのはまぁ人間に似て非なるもの,というような意味合いでありましょうか。
 サルも人間に似ていますけれどもあれは亜人とは言わないようで,とりあえずは意思の疎通ができるような人型の生物を言うように思われるんでした。つまりは想像上の生物とか,妖怪・怪物ということになるわけでありますけれども。

 ということで日本において亜人というと,天狗が一番近いところでありましょうか。
 ひょっとすると単に赤ら顔で鼻の高いヘンな人にすぎなかったりするのかもしれないですけれども,神通力を持ってたりするから,やはり普通の人間とは違う種類の生き物だと思われるでありますね。

 そんな天狗サマをシンボルにしているのが,かの「天狗ハム」さんであります。
 そのマークについては以前「小ネタ物件75」で「天狗の鼻をハムにしているんではあるまいか」という妄想をしたりしていたわけでした。
 それはもちろん「まさかそんなことはあるまいけれども」と思いながら妄想していたわけですけれども,今回の物件のトラックには衝撃の事実が記されていたんでした。

「天狗之肉」であります。
 ああ。やはりあのハムには天狗サマのお肉が使われていたんでありますね。どうりでおいしいと思った。いや食べたことないですけれども。
「天狗之肉」というからには,鼻だけではなく色んな部位のお肉が使われているわけでありますね。でも,鼻以外の部分というのはほぼ人間と一緒だと思われるわけで,ちょっと気が引けてしまうところであります。

 その処理をする人というのも大変なような気がするでありますね。人語を解する相手をハムにしてしまうというのは,よほど強靭な精神力が必要そうであります。しかも相手は神通力を持っているわけで,それをものともしない身体の強さというのも必要だと思われるんでした。

 ということではもちろんなくて,「天狗之肉」というのはあくまでも「天狗ブランド」の「肉」であろうと思われるんでした。そうでないと「日本ハム」というのは地面を削ってハムにしていることになるし。

 いやあるいは能登半島あたりがちょっとエグれているのは,すでにそのあたりを削ってハムにしているのかもしれませんが。してないか。
 日本ハムはまだしも,「伊藤ハム」なんかは全国の伊藤さんをつかまえて以下自粛。


 こちらは「かかし受託組合」であります。  カカシは人形でありますけれども,ひょっとして何かが宿って動き出すんではあるまいか,などという想像をさせるものでありますね。オズの魔法使いなんかではノーミソ無いのにしゃべったりするし。

 しかしこちらはいったいどんな組合なんでありましょうか。やはり農家から要請があった場合にカカシを供給したりするんでありましょうか。

 この組合にはカカシがたくさん詰めていて,電話があると派遣されるんでありましょうか。カカシによっては指名がついて人気者になっていたりするんでありましょうか。不人気なカカシはふてくされてずっと雑誌を読んでいたりするんでありましょうか。たまに派遣されても相手の気に入らず,チェンジと言われてしまったりするんでありましょうか。何を言っているのか。

 あるいは,ここに委託されるカカシというのは普通のカカシではなく,人間がやったりするんでありましょうか。委託を受けると人間が田んぼで一日中番をするという,生きたカカシ。それは効果がありそうでありますけれども,やる人間はタイヘンでありますね。
 ひょっとすると,何気なく見ている秋の田んぼには生きた人間がカカシとして立っていたりするかもしれないので,よく見てみるといいかもしれないんでした。


 オマケ。路上の物件ではありませんが。
 私は割と雲を見たりするのが好きで,その辺が元になって気象予報士の資格を得たりもしたんでした。そんなわけで,こちらは最近撮った雲の写真。

 なんだか,人がクロールで空を泳いでいるような形であります。しかもフォルムが女性っぽい。
 天女でありましょうか。天女はクロールで泳いだりしないかもしれませんが。

 しかし,天女というのは生物的に何なんでありましょうか。人間とDNAが違ったりするんでありましょうか。ちょっと捕まえてきて空を飛ぶ遺伝子というのを解明できないものでありましょうか。
 あ,あれは羽衣で飛ぶのか? だとするとあれはただ単に住所が空である人,なんでありましょうか。

「天狗之肉」は新潟市東区・牡丹山3あたり。
「かかし受託」は新潟市江南区・船戸山4あたり。
「泳ぐ天女」は新潟市西区・関屋本村町1あたり。というか,空。