注意物件2

注意物件2



 よくビルの脇に掲げられている,入居テナントを示す縦長のカンバンでありますけれども,その最下部のカンバンには「ケン注意!!」と書かれているんでした。

 これはいったい,どういう注意をするとよろしいんでありましょうか。
「剣注意」。ここを歩いていると剣が上から降ってくるのか。それは危ない。
「拳注意」。この辺にはカミナリ親父が住んでいて,すぐに拳骨をくれるというのか。
「券注意」。その北京オリンピック入場券はニセモノだからだまされるなということか。
「県注意」。東京や大阪や京都や北海道はいいけれどもその他の県には注意しろということか。それは地方差別ではないのか。

 それともこれは,誰かがケンさんに対して注意するよう呼びかけているんでありましょうか。
 不器用なケンさんか。ナオコさんか。暗殺拳を使うケンさんか。チャコちゃんの弟でケーキ屋だったり寿司屋だったりするケンさんか。洗濯屋さんのケンさんか。狼少年のケンさんか。市民のケーンさんか。

 ということではもちろんなくて,実はこのカンバンは以前にも「大人物件」ということで物件になっているんでした。
 その当時はきちんと「キケン注意!!」と書かれていて,「はたしてこの高さのカンバンに頭をぶつけたりする人がいるんであろうか」というようなことを考えていたわけでした。

 しかし今回の物件ではそのカンバンがハッキリと破損しており,やはり背の高いジャンボマックスのような誰がか頭をぶつけてしまったんではないかと思われるわけで,このカンバンはとても有用なものだったのだと思い知ったわけなんでした。


 こちらは,歩道上に描かれた「車に注意!!」の図であります。
 おそらくは「道路に飛び出すとこうなりますよ」ということだと思われるわけで,衝突の瞬間の映像のようであります。すでに左腕が飛んでいるように見えるところも痛々しい限りでありますね。

 でもちょっと見方を変えると,これはなんだか人間と車の漫才のようでもあります。人間が車に対して「よしなさいって」とツッコミを入れている感じ。
「道路に飛び出す」も「車に突っ込む」も似たようなものかもしれませんが。

 しかし,やはり人間が車に突っ込んだらタダではすまないわけであります。そのすぐ近くの歩道上ではこのようなことになっているんでした。


 これはもう悲惨でありますね。人間も原型をとどめていませんけれども,車も大破しております。むしろ車の壊れ方の方が大きいようでありますね。どれだけ頑丈な人なんでありましょうか。まぁ,人間の方は頭無くなってしまってますが。

 なにはともあれ車にツッコむのはやめておきたいと思う次第であります。


 こちらは,歩いていたら突然目の前に出現した「ちゃけだ」であります。
 …「ちゃけだ」というのは,いったい何なんでありましょうか。

 わからないまま「ちゃけだ」「ちゃけだ」と何度かつぶやいているうちに,これは「check it out」なんではないかと思ったりしたわけでした。
 通常カタカナでは「チェゲラ」とか「チェキラ」なんて書かれたりするような気がしますけれども,ここではちょっと粋にひらがなで「ちゃけだ」としているんではあるまいかと思ったんでありますね。

 まぁ,そもそも「check it out」っていうのがどういう意味なのか私はよくわからんのですが。なんとなく感じとしては「刮目せよ」とか「はい,注目〜」というような意味なのかなと思っているわけですけれども。違うか?

 そんなわけで,自らのするどい洞察に感心し「check it outで決まりだな」と納得しつつ電柱の裏を見てみると


 ということなんでした。

…そうですか。「ちゃけだ」は「武田」でしたか。ラップ調で言う場合「武田」は「ちゃけだ」になるんでありましょうか。違うか。
 しかし,かの武田信玄も「ちゃけだ信玄」になると「ラップ風林火山」とか歌いだしそうでありますね。「風はYO!はやくてYO! 林はYO!静かだYO!」とか。そうでもないか。

「ケン注意」は新潟市中央区・明石2あたり。
「車にツッコミ」は新潟市中央区・関新3あたり。
「ちゃけだ」は新潟市中央区・文京町あたり。