シシホコ物件

シシホコ物件


 こま犬であります。神社内であるし一応新潟市内でもあるから,神社踏破計画の方に入るべきかとも思いましたけれども,以前にもこま犬を扱った路上物件(愕然物件)などもあったりするので,今回もこちらで扱うわけでした。神社踏破計画はもう3年もやってないし。それはともかく。

 今回のこま犬は,なんというかもう相当傷ついております。おそらくはお尻を上にあげて身構えている「構え方」のこま犬と思われますけれども,その下半身はなくなり,顔面も削れてしまっているのかどうか,ちょっと獅子の風貌ではなくなっているんでした。

 何かいわれがあってこうなっているのか,あるいは乱暴者のしわざでこうなってしまっているのか。痛々しいと思うのと同時に,それでもなお神社を守って立ち続けるこま犬に感動すら覚えるわけでした。

 とはいえ,純粋に物件として見た場合にはちょっとオモシロい造形であると思ってしまうわけであります。
 その姿はあたかもシャチホコのようであって,逆立ちしたマーライオンのようでもあり。さらにどこかで見たことがある感じがするんだがなと思っていると,ある年代の男の子にはお馴染みの怪獣「ツインテール」にそっくりなんでした。2本のシッポこそありませんけれども。


 こちらはその相方の方であって,相方よりさらに大きく傷ついてこま犬なのかなんなのかよくわからないオブジェと化してしまっているんでした。
 下にはお尻だけ落ちていて,ちょっとせくしーな感じを受けてしまいますけれども。

 それにしても,この壊れっぷりはどうしたんでありましょうか。風化によるものにも見えないし,この辺では大きな地震も40年ほどないし。故意に壊そうと思ってもそれほど簡単ではないだろうし。


 拝殿の方を見ると扉わきにちょっとイタズラ書きがしてあって,もしかするとそういうことをするイタズラ者がこま犬も破壊したんであろうかとも思ったりしたわけでした。

 しかしこのイタズラ書き,見えにくいですけれども「ZEX」と書かれているんでした。まぁ普通だと最初の文字は「S」が書かれるところでありますが,「そんなこと書くとバチが当たるかもしれないなぁ」と思ってごまかしたのかもしれないんでした。
 そんな気の小さいイタズラ者に,ここまでの破壊活動はできなさそうであります。あるいは,純粋に「S」と「Z」の区別ができないレベルだったんでありましょうか。

 このこま犬,台座には「明治三拾四年」の文字が見え,もう100年以上前のものであります。ここまで傷ついたらもう休ませてあげたいと思うところでもありますけれども,このままになっているのも面白いような気もするなぁと思ったりもするわけでした。

「シシホコ」は新潟市・ときめき東1あたり。