愕然物件
愕然物件
漫画の表現で,がく然とした様子をあらわす場合,あるいはあきれて「開いた口がふさがらない」をあらわす場合,あごを思いっきり下まで落とすという方法をとることがありますですね。もちろんシリアスな漫画ではやりませんけれども。
このこま犬は,それを地で行っているような感じがするわけなんでした。胸のあたりまであごが落ちちゃってるような感じ。実際にはそれよりも一歩進んで,あごが無くなっちゃってるんですけれども。
子こま犬が足にすがって「母ちゃん大丈夫か? 気をしっかり」と言ってるみたいでほほえましい。ほほえましくないか。
で,何を見てがく然としているのかというと,対になっているこま犬でありますね。こちらはおそらく父親,夫でありましょう。
玉を持っております。これが大事なものなんではないかと。この母こま犬の家に先祖代々つたわる家宝なんではないかと思うのでした。それを,婿養子である父こま犬がぞんざいに扱っているのを見て,がく然としたと。
こま犬の前足の構造というのがどのようになっているのか私は知りませんけれども,通常四本足の動物がこのようにした場合,手のひらを上に向けることはできないですね。つまり,父こま犬は手の甲に家宝を乗せて曲芸よろしくもてあそんでいるわけなんでした。婿養子の意地を見せるつもりでやってるんでしょうか。母こま犬は唖然。このあとどうなることやら。
いやまあホントかどうか知りませんが。ホントのわけないな。
しかし,通常こま犬は右が口を開いた阿形,左が口を閉じた吽形なんですが,それが逆のところを見ても,父こま犬が婿養子であることはわかります。これもウソですが。誰も信じてないか。
全国の婿養子のみなさん,ごめんなさい。単なるネタですので怒りませんように。
余談でありますが,この父こま犬のポーズ,私は「砲丸タイプ」と呼んでるんですが,今までこま犬巡りをしていてこれが2件めですね。もう1件は新潟市寄合町の「金刀比羅神社」のこま犬。
先に書いたように,四本足の動物にとっては無理のある形だし,このポーズにどういった意味があるのか,興味深いところであります。
上2枚は水原町,外城町の神明宮。
下1枚は新潟市寄合町の金刀比羅神社。