初級教本「生コン輸送のABC」     
「生コン輸送のABC」は、安全、正確、迅速、誠意の基本理念を基に作られました。その上で、 基本的な遵守事項、安全運転の心得、安全作業の心得、車両の点検整備要領、交通事故が発生した時の現場での措置、知っておきたい生コンクリートの知識と注 意事項の6章立てで詳細にわたって、ミキサー車乗務員、配車係の心得、着目点について問題提起しています。
近畿生コン輸送協同組合では、この書を教本第一弾 (初級教科書)と位置づけ、平成11年4月か ら全国生コンクリート工業組合近畿地区本部、自動車販売会社等の参画を得て、組合員所在の地区別、また企業別に乗務員学校を開催。平成14年11月まで に、延べ500数十人の「初級ミキサー車乗務員資格認定書」を交付しました。初回開催の反響は予想外に大きく、経営者団体は「初の業界主導教育」と評価し ました。
さて、各会社の賛意は当然としても、従来この種の 社員教育に反対の立場をとっていた産別労働組合も積極的に賛同、傘下組合員を動員しました。賛同の理由は、企業主催でなく業者団体が社会的道義の視点から 立ち上げた学校であると言うことでした。
と もあれ開校目的は、「労働から仕事の時代へ」と銘打って、組合員企業の競争力強化(コスト削減、低廉高品質の商品提供)、プロ(道具を分身とする職人、商 品品質にこだわる職人)兼「公共心」マナーを身につけたセールスドライバーの育成、時代に即した賃金形態への転換(腕次第の報酬制度)を展望した価値観の 切り替え、協同組合と労働組合の信頼、協力関係の環境づくりと言ったもので、この主旨への労働組合の賛同は、くい止めがたい歴史の流れを感じさせました。
ち なみにこの学校では、「普通救命講習修了証」取得を義務づけ、消防署の協力を得て、救急救命講習を実施しています。次に紹介の「知っておきたい生コンのい ろは」制作も、この学校の経験の中で、講師陣が執筆を促され企画に至ったものです。また画期的出来事は、宮崎県におけるプラント協同組合主催「生コン学 校」開催の契機になったことです。宮崎県生コンクリート協同組合連合会は「生コン輸送のABC」800部を購入して下さり、「知っておきたい生コンのいろ は」800部の予約を頂戴、業界教育に活用して戴く成果をあげました。しかも注目すべきは、これが動機となって、生コン品質向上を目的とした「生コン車運 転技能士」資格(試験)構想の論議が持ち上がっていることです。「生コン輸送のABC」は、このような業界教育運動を呼び覚まし、近畿
生コン輸送協同組合が指向する「マイスター」設立に向けて第一歩を踏みしめたのです。


中級教本「知っておきたい生コンのいろは」

いずれの業界も、今や品質で競う時代に入っ ています。「知っておきたい生コンのいろは」は、第一義的には、時代のニーズに応えられる、生コン関係一般従業員を教育する目的で制作しました。
一般物流においては、消費者主導時代に入っています。供給過多の生コン業界は、殊更需要者主導に転換すべき情勢の下にあります。過日業界紙の特集記事に、 「生コンの課題」と言うコーナーがあって「工場のランク分けも」との見出しが目にはいりました。●工場毎にセメントの種類を変える、●工場指定が認められ ないのは問題、●現状では今後ランク分けも考えなくてはと言うものでした。
供給過多時代の当然の成り行きです。業界集約化の状況下にあって、堂々と生き残る道は、商品はもとより社長以下従業員の質の高低にあり、それを需要者が評 価します。需要者に見捨てられたら落ちこぼれます。
では私どもは如何にすべきでしょうか。
プラントはもとよりでしょうが、生コン輸送、圧送の乗務員、従事者も、ただミキサー車で運ぶ、ポンプで圧送する、それだけが仕事と開き直る時代ではありま せん。「生」と言う限りは、私どもが取り扱う時間帯においては、生コンの品質が落ちるも落ちないも、その管理責任は私どもにあります。
それならと言う訳で、生コンの初歩的知識を学ぶ、分かりよい教科書を作ろうという運びになりました。
執筆者の「知っておきたい生コンのいろは」原稿を一字一句を読んで、あるいは編集作業の過程で、私どもは、これまでの生コンについての無知を深く反省させ られました。同時に生コンってこんなに面白いのかと興味を抱かされました。技術者向けの本ではとても感じ得ない好奇心が湧きました。これなら一般市民の皆 さんでもコンクリートが分かると確信しました。
特に年表、歴史的経緯が面白い。1800年代文政時代にはじまるコンクリートの歴史、昔と昨今の品質の違いとその原因、コンクリート業界の未来像を考える とき、大変示唆に富んだものを学ぶ事ができます。
ちなみに、従来の生コンの技術書は、学者によって、生コンの製造、施工技術者向け、コンクリート技士資格取得の受験参考書として書かれたものが殆どでし た。比べて、この本は、何十年もの間、生コンクリートに携わってきた実務者が、近畿生コン輸送協同組合の教本第二弾(中級級教科書)として書いた本です。 いわば素人向けに出版された初めての本です。わかりやすい、そして目立たない処で、しっかりとコンクリートの品質を支える本なのです。生コン関係一般従業 員を教育する唯一無二の本と言って過言では無いでしょう。