北信越ロケット大会

日本で唯一、オリジナルロケコン

 ロボットコンテストや、鳥人間コンテストはTVなどで放送されるほど有名。 それは日本が2位に大きく水をあけた世界一の工作ロボット産業を維持していることや、戦前から 優秀な航空技術を誇り、いままた世界に追いつこうとしていることなどと、密接なようだ。 それがどうだろう、世界で3番目の宇宙開発先進国であるのに、宇宙機やロケットに関する一般 の感心はきわめて薄い。
 日本にモデルロケットが導入された90年代の初め、モデルロケットの改造は御法度であった。 しかし世界ではモデルロケットといえば独創設計こそが教材としての重要ポイントである。  そこで北信越ロケットクラブでは、5年前から毎年、全国唯一のオリジナルモデルロケットコンテ ストを開催している。はじめは競技会の余興的なデモンストレーションであったが、現在では正式 種目となっており、これなくしてHRCは語れない。

高度競技

 直径25mm・全長30cm以上の機体で、A型エンジンを1つ使ってどれだけ高く打ち上げられる かを競う競技。
軽量化と空気抵抗をいかに少なくするか、いかにまっすぐ安定して打ち上げるかが勝負の分かれ目 になる。市販キットでは、70mから100mであるのに対し、設計に工夫をこらし、正確に製作 されたオリジナル機体では、200m上昇させることができる。他の地方大会や全国大会では条件 の公平を期すために市販キットを無改造で使うことになっているが、北信越大会では独創設計機の 出場も認められる。とはいっても世界選手権用の材料や設計を使って上位入賞をねらうような選手 はまれで、身の回りの材料でいかに市販キットよりも良い性能を出すか・・・が競技精神?とか。

滞空時間競技

 直径25mm・全長30cm以上の機体で、A型エンジンを1つ使ってどれだけ長い時間空中に飛 ばせるかを競う競技。
打ち上げ時には軽量化と空気抵抗をいかに少なくするか、いかにまっすぐ安定して打ち上げるか、 回収時にはいかに大きな空気抵抗をもった減速装置(パラシュートなど)を使うかが勝負の分かれ 目になる。市販キットでは、15秒から45秒であるのに対し、独創設計により、300秒〜500秒と いう記録がでることもある。他の地方大会や全国大会では、100秒以上も計測できるような条件 の会場が無いが、北信越地方では幸い視野が開けた会場が確保できるので、思いっきり長時間の滞 空が楽しめる。自分の手で打ち上げたものが、パラシュートに乗って数分間も大空を漂って見えな くなるまで見守っているのは、本当に感動する。

スポットランディング競技

 一定の大きさの回収装置で、一定以上の高度に打ち上げ、回収地点の正確さを競う。全国大会 などでは機体の規定が細かく決められているが、北信越ローカルルールでは、Aエンジンを使って 15秒以上滞空させれば、機体も回収装置も安全であれば何をつかっても良い。A型エンジンで 打ち上げられるラジコングライダーが出場したこともある。(ただし15秒滞空させることはか なり難しかったようですが・・・)

おもしろロケット

 発想・独創設計・科学性・製作技量を総合的に競う。お・も・し・ろ・とは、ふざけていると いうことではなく、発想のおもしろさ、設計のおもしろさ、科学的な着想のおもしろさ、美術的 なおもしろさなどをいう。初めに意図したことと、それをいかに工夫して実現したかというプロ セスと、実際の実現度を競技参加者審査員の主観(互選)で審査する。各年の大会で、ショウユ ーズ、スープトニクトメン、3尺玉、みに龍勢、空中分解ロケット、ゴダード1号、玉号、魔 王ザハクションなど、名機と歌われる伝説を生み出している??
北信越ロケット大会についてのお問い合わせは、
HRC事務局 渡辺 洋子(yow@on.rim.or.jp) 電話025(267)7885まで。
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