大空を飛ぶ飛行機から写真をとる、打ち上げたロケットから写真を撮影する。
これは空あそびをする人なら、だれでも興味を引かれる課題である。
ラジコン飛行機やモデルロケットのようにシャッターを作動させてやるような仕組みがペットボトルロケットではなかなか見あたらない。スライド重り付きノーズコーンを付けたロケットの動作を観察していて、シャッターを切る動力源に使えそうだと考え、実践してみた。

ゴルフ用8連写カメラを改造



上は簡単なシャッター動作機構をとりつけた使い捨てカメラ「写るんですゴルフ」の正面写真、側面写真、平面写真である。使用材料はヒノキ棒(割り箸でも良い)・輪ゴムセロファンテープ・ヒートン・サルカンと手軽に入手出来る材料ばかり。

使い捨てカメラ「写るんですゴルフ」は手でフィルムを巻き上げ、シャッターを押すと約1秒間の間に8つのシャッターがつぎつぎ作動し、35mmフィルムの一こまに8シーンが撮影されるものである。「写るんですゴルフ」を選んだ理由は、1/100秒の瞬間的な風景を1枚だけとらえる普通の使い捨てカメラでは、空ばかりが写ったり、手ぶれしたり、パラシュートが写ったりすることが多く、また30枚ちかくも撮影するために、それだけの回数ロケットを打ち上げていられない。そのうちカメラが壊れてしまうこともしばしば。その点「写るんですゴルフ」は一度に8コマ、全部で15ショットなのでちょうど良い。またもともとゴルフスイング撮影用なのでフィルム感度も高く、高速度撮影用なんじゃあないかと想像した。ただし、撮影距離6〜7mが最適とあるから、遠景にピントが合うかどうかは知らない。

シャッター作動の原理は至って簡単。カメラの上部にテコを取り付けて、これを輪ゴムでシャッターを押さえるようにする。セット時はこのテコの先端にピン(写真で赤く写っているのは作動ピン)を入れておいてフィルムを巻き取り、シャッターをセットする。このピンに糸などを付けて、何らかの力でこれを引っ張り抜くと、輪ゴムの力でテコが降り、シャッターが動作する


上図はカメラを収納するケース(ペットボトル製)である。固定は図の上側は収納ケースの内側にブチルテープ(ゴムベースの両面接着テープ)で付ける。図の下側はペットボトルロケットの圧力タンクの頭に、やはりブチルテープで付ける。フィルムの巻き取りやシャッターのセットは外側から出来るように、ケースに孔が開けてある。(しかしここから細い棒をつっこんでフィルムを巻くのは大変)
収納ケースは前面が撮影窓として切り取ってあるので、縦方向の応力に耐える強度はなく、カメラ自体が構造体の一部になっているとお考えいただきたい。(パラシュートが作動しない場合は、硬着陸アブソバーに)

上の写真は、カメラ、パラシュートをセットした打ち上げ前のペットボトルロケットの部分写真である。
一番上から、ソフトトップ、スライド重り部分、パラシュート格納部、カメラ収納部、圧力タンクという様に構成されている。
カメラ収納部はロケット本体に、シャッターのピンはノーズコーンにヒモで連結されている。噴射終了後スライド重り付きノーズコーンが本体から外れると、シャッターが作動して8コマの写真を撮影する(ハズ)。


打ち上げシーンに続く