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●懸垂下降

ザイルを使って垂直な壁を降りる方法です。高捲いたものの、降りれなくなった場合などに使います。消防のレスキュー隊などがやってますよね。あそこまで華麗にする必要はありませんが、1分足らずでザイルを装着して十数メートルを降りるスピードには感動します。渓流では安全第一、確認に確認を怠らないようにしましょう。
特に初めての人は、事前に十分練習をして下さい。

◆道具とやり方

最低限必要なのは、ザイル(9mm×30メートル)、エイト環、ハーネス、そしてハーネスとエイト環をつなげる為のヌンチャクです。ザイルの摩擦熱で手が熱くなるかもしれません。手袋もあった方が良いです。
最初にハーネスを自分の体に装着します。
次にザイルを立木などから下にたらします。
エイト環にザイルを図のように通します。(右図を参照)
ザイルを通したら、エイト環とハーネスをヌンチャクで繋ぎます。ヌンチャクに使うカラビナは、ロック機構付きの物を使いましょう。用意が出来たら、ちょっとだけ体重をあずけてみて下さい。いきなり懸垂下降をして、墜落してしまってはたまりません。
O.K.だったら、懸垂下降を開始します。ザイルのフリーの方を、下に引くとブレーキがかかります。緩めると、下降します。足の幅を広げた方が安定します。
必ず、一人ずつ行って下さい。また、ザイルの末端をすぎると、当たり前ですが墜落します。注意しましょう。
終わったら、ザイルを引いて回収します。また登るつもりならば、ザイルはそのままにしておかなくてはなりません。
ザイル
ザイルをたらす。


エイト環
エイト環にザイルを通す

◆ザイルの長さは十分?

懸垂下降をする前に、ザイルの長さが十分か目測しましょう。不安でしたら、実際にザイルを垂らして確認します。足場のないところで、ザイルが足りなくなってはたまりません。1回おりることを1ピッチといいます。場所によっては2ピッチ以上くり返すことが必要になるかもしれません。

◆最初は経験者と一緒に

初めての方は、経験者と練習することをお勧めいたします。想像もつかないような罠があります。手袋やウエアの裾が、エイト環に巻き込まれるかもしれません。髪の毛や伸ばしたヒゲを巻き込まれた人もいます。エイト環がハーネスにつながっていると勘違いして、一気に墜落することもあります。
とは言うものの、身近に経験者など、そうそういるものでもありません。その場合は、安全な場所で練習しましょう。世話人は3メートルくらいの土手で練習しました。人目が恥ずかしいですが、命には代えられません。

◆懸垂下降はザイルにとって過酷

一般の山岳登攀での利用と異なり、懸垂下降での利用は常にザイルに体重がかかっています。外国の山岳事故調査委員会のレポートによると、懸垂下降がもっともロープを傷めるそうです。
それ以外にも、コンクリートや岩の角に当ると、あっという間に切断されます。注意して下さい。

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