ドットゲイン

ドットゲイン( dot gain )は、網点が大きくなってしまう現象です。
オフセット印刷で、網点を作っているインキは、PS版からプランケット、そして紙へと転移します。そのときにシリンダーの圧力で網点が延ばされたり、印刷後、紙にインキがにじんだりすることによって発生します。機械的な要因によって網点が太ってしまいます。
これとは別に、印刷後の網点が紙の内部で反射した光によって太って見える、光学的なドットゲインもあります。

ドットゲインの大きさは、網点の面積がどれくらい広くなっているかで表されます。当然、無地(0%)やベタ(100%)の部分ではドットゲインは発生しません。網点の周長が長いときに、ドットゲインは一番大きくなります。理論的には、50%の網点のときに一番ドットゲインが大きくなります。
最終的な印刷機や紙の特性を顧慮に入れた上で、フィルムからPS版を焼くときに時間の調整をしたり、DTPデータ上であらかじめドットゲインを計算に入れたデータを作るなどの感覚的な対応がされています。

CTPでもドットゲインによって網点が太る量を計算して、版に網点を形成できます。
実際は、インキ、紙、印刷機、絵柄などの様々な要因によってドットゲインの量は変化します。
輪転印刷機よりも、断裁済みの用紙を使う枚葉印刷機のほうがドットゲインの量は少ない傾向があります。また、通常のPS版よりも水なし平版の方が、その構造上、ドットゲインの量は小さくなります。
いずれにせよ、ドットゲインの完全な数値管理はまだまだ難しいのではないでしょうか。


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