RGBとCMYK

光の三原色は「赤、緑、青」のRGBの加色混合ですが、色の三原色は「青、赤、黄」の減色混合によって表現されます。プロセス印刷では色の三原色に「黒」を追加して、CMYK(シアン、マゼンタ、イエロー、ブラック)で表現します。CMYBkと表現することもあります
RGBとCMYは互いに補色の関係にあります。
RGBの赤と、CMYKのシアンは互いに補色の関係です。
同様に、RGBの緑と、CMYKのマゼンタは互いに補色、 RGBの青と、CMYKのイエローは互いに補色の関係です。
デジカメやスキャナーはデータをRGBで読み込みます。その後、印刷やDTPで使用するためにCMYKデータに変換します。RGBの各色はCMYの2色を組み合わせて表現される二次色です。そのためRGBからCMYK形式に変換するために各種の演算を行います。これに加えて、スキャナやパソコンのAdobePhotoshop上で補正作業をおこない、できるだけ理想に近い色の再現を行うようになっています。

シアン、イエロー、マゼンタの印刷用インキを等量に網点で印刷したときにニュートラルグレーになるのが理想ですが、なかなか困難なようです。これはCMYの各色の印刷インキ成分が、ほかの色の要素を持っているのが原因です。例えば、シアンインキはシアン成分のほかに、マゼンタやイエローの成分も含んでしまっているからです。
現実には中間域でシアンの網点パーセントを10ポイントほど大きくするとよいと言われています。

プロセス印刷ではCMYKの各色が100%のベタの場合、インキの総量が400%になってしまいます。ですが、印刷時の画質や裏移り、インキのトラッピングなどを考えると300%〜350%くらいにおさえた方が作業性がよくなります。
ところで、RGBからCMYKに変換する際に、もともと存在しない「ブラック」成分をどのように作るかには多くの問題があります。
シアン、イエロー、マゼンタのインキを重ねてベタで印刷しても、「黒」にはならず、濁った茶色になります。
そのため、シアン、イエロー、マゼンタのベタ部分を、ブラックの成分に置き換えることが行われます。これをUCR(Under Color Removal)といいます。
ベタ部分だけでなく、グレー部分のCMY成分をブラックに置き換えることをGCR(Gray Component Replacement)といいます。GCRをしなければ、ブラックは使われず、すべての色をCMYで表現することになります。
UCRやGCRをどの程度行うかは、印刷物や印刷環境によって異なります。
日本の一般的な印刷物では中間調からシャドー部にかけて、75%程度のUCR、GCRを行う「スケルトンブラック」が使われているようです。
黒を基調とした印刷物では、「フルブラック」と呼ばれる、ハイライト部からブラック成分を入れるGCRを行うようです。
UCRの反対で、UCA(Under Color Add)というのもあります。

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