標準光源と色温度

同じ印刷物でも、快晴の屋外と、室内の蛍光灯の下とで見ると色が違って見えます。これは光源が違うためです。光源は色温度と演色性によって表しています。

物体を高温に熱すると光を発します。理想的な物体(黒体または完全放射体)熱すると、その温度によってスペクトルの違う光を放射します。低い温度では赤っぽく、温度が高くなるにつれ青白く変化してゆきます。
そこで、光源が放射する光は、黒体がいちばん近いスペクトルの放射をするときの温度を基準に表します。黒体を10000K(ケルビン)に熱したときの色度と同じ色度の色温度は10000K(ケルビン)であるなどといいます。
K(ケルビン)は絶対温度の単位です。摂氏の温度に約273加えるとKになります。たとえば3000℃=3273Kになります。

ロウソクは約2200K、一般の蛍光灯の色温度は約4300K、曇りの日の日光は約7000K、快晴の青空は10000K以上です。

標準的な光源として国際照明委員会(CIE)が定めたA光源、C光源、5500K、6500K、7500KのD光源などがあります。

A光源はガスが封入されたタングステン電球が発する光で、色温度は2856Kです。
A光源に特殊なフィルタをつかって平均的な太陽光に近い6774Kの色温度を再現したものがC光源です。

印刷物の製作環境においては、色温度が5000KのD50を使うことが推奨されています。

理想的な光源はすべてのスペクトルを平坦に含むので色再現性(演色性)も理想的ですが、実際の光源ではそうも行きません。「基準となる光源で見たときの色」と「実際の光源で照らしたときの色」の差をRa(平均演色評価数)で表します。
理想はRa=100なのですが、印刷物を製作する環境ではRa>90が推奨されています。

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