光の性質

光は電波や赤外線などと同じ電磁波です。電磁波は波長の違いにより性質が変わり、波長が約400nm(ナノメートル:10億分の1メートル)から700nmの範囲の電磁波を可視光線といい、肉眼で知覚できます。
電磁波は波長の短い方から、放射線 < 紫外線 < 可視光線 < 赤外線 < 電波のようになります。物理的法則により、波長が短いほど高エネルギーになります。

波長が違うと電磁波の性質が変わるように、可視光線も当然波長の違いにより性質が変わります。もっともわかりやすいのは目で知覚できる色の違いでしょう。色によって波長が決まっています。これをスペクトルといいます。日本では虹の七色がわかりやすいですね。
波長短い ←(紫外線) (赤外線)→ 波長長い
赤の外側だから赤外線。紫の外側だから紫外線ですね。よく紫外線をUVといいますが、これはウルトラ・バイオレット(UltraViolet ray)の頭文字です。
他にも波長の違いによる性質の違いがあります。屈折率は波長の長さによって違います。虹やプリズムによる現象は、屈折率の違いが原因です。レンズを通ったときも同じ現象が起こります。安い顕微鏡をのぞくと、対象物が虹色に見えますね。これは「色収差」とよばれています。ニコンなどの高価なレンズは色収差を打ち消すように複数のレンズを組み合わせています。

波長という言葉でもわかるとおり、光には波の性質があります。2つの波が重なり強め合って波の高さが高くなったり、打ち消しあって弱くなったりします。この現象を「干渉」といいます。シャボン玉が虹色になるのは薄膜の厚みで特定のスペクトルだけ増強されたり弱められたりするからです。

また、光には回折(かいせつ)という現象もあります。簡単に説明すると、光が影の部分に回り込もうとする現象で、これも光が波の性質を持っているために起こります。物理の教科書などでは二つの細い隙間(スリット)を通った様子が説明されていますね。

夕焼けが赤いのは、太陽からの白色光(すべてのスペクトルを含む可視光線)のうち、短波長の成分が大気中で散乱するのが原因です。逆に長波長側の赤い光などは直進性に優れています。空が青いのも、太陽光が大気中で散乱するのが原因です。

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