お手入れの基礎知識

シミヌキについての基礎知識    

水で取れる物
シンナー・ベンジン類で取れる物

タンパク質分解酵素で取れる物

デンプン 衿アカ・袖口の汚れ 肉汁・魚の汁
糖類の食べ物 車の排気ガス 血液
インクなどの物 生理のシミ
  口紅
  蝋燭のロウ  

注意
  タンパク質系の物でも、付いてすぐであれば水で取れます。
  ドロハネのシミは泥の種類によって
   水で取れる物とベンジン系の液体で取れる物 とがあります。
   (乾かしてたたくだけで取れる物も有る。)
  この項で一番注意すべきことは、汗のシミはドライクリーニングでは
   取れないということである。

白物を漂白する薬品

木綿・麻の植物性センイ 塩素、カルキ(ハイターなど)
絹・羊毛の動物性センイ 過酸化水素水

注意
 市販のシミヌキ薬品の中には塩素の含まれている物があり、
  一見シミがすぐに取れたように見えますが、
  地色が剥げたり繊維が傷んだりすることがあるため
  使用されないことをお勧めします。

家庭で出来る簡単なシミヌキのコツ

 手際が難しいため専門家に依頼した方が良いのですが、敢えてご家庭でお手入れされる際に注意すべき事

黄変したシミについて

食べ物や汗のシミはほおって置くと黄変してしまいます。
これを直すには理論上で言うと黄変した部分を漂白して抜けた地色を補正すればよいの です。
例えば紫色は青色と赤色から成り立っていて、黄変によって青色が抜けてしまうため黄変を
出来るだけ取って青色を塗ってやれば直ります。
しかしながら実際は、黄変が濃くて漂白しても薄くならなかったり、地色が淡い空色や緑色の
ような抜けやすい色であったり、変色が広範囲であったりして、直せない物も多いのです。
そのためにも変色する前に処理する必要があります。

法衣、装束の丸洗い・シミヌキについて

法衣、装束は本来解いて洗い張りされるときれいになりますが、仕立ての時間やコスト
を考えるとそのままの姿で丸洗いをすることも出来ます。
しかし洋服のクリーニングのようなやり方ではデリケートな法衣・装束の縫い目が破れ
たり、ヒモが取れたり金襴が剥がれたりして大切な物が台無しになることがあります。
それ故に汚れの部分をキハツ系の物で落としてから全体を液体に漬けて、干してから
汗などの水溶性のシミを部分的にシミヌキする方法をとります。

保管上の注意

(衣類にカビがはえないために)

  • 陰干しをしてからタンスにしまう。
  • 新しいタンスは水分があるためすぐに使わない。
  • ビニールの袋に入れてしまわない。
  • 時々タンスを開けて風を通してやる。

    市販の湿気取り剤を衣類と一緒に入れないでください。湿気をためた水がこぼれて
    シミになることが多々あります。

    金襴の物と輪ゴム類を一緒にしまわないでください。ゴムに含まれている硫黄系の
    ガスにより金・銀が黒く化学変化を起こすため絶対に直りません。

 

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