ドンデン高原の植物《解説》

ドンデン高原の植生の特長は、まず第一に広大な芝草原と、点在するブッシュ(低木林)である。牛の放牧という人間の営みと、自然の育んだ景観は雄大であり、巧妙である。
第二には、ドンデン山を含む大佐渡山脈の山々が、日本海に孤立するために厳しい自然環境にさらされ通常海抜900m程度では見ることのできない高山性の植物群落が存在するこということである。ハクサンシャクナゲ、シラネアオイ、イブキジャコウソウがそれにあたる。
第三には、植生の豊かさである。春、雪解け間もなくに全山をうめつくすカタクリの大群落にはじまり、6月にはレンゲツツジ、ハクサンシャクナゲ。夏〜秋にはヤマトリカブト、エゾリンドウ。そしてナナカマド、ウラジロヨウラクが葉を赤く染め、落葉するまでこの山の花は絶え間無い・・・。
野草の楽園、ドンデン高原へようこそ。じっくり野の花々を楽しんでください。


各エリアのみどころ。

一ノ段芝草原

本来森林となる場所が牛馬により常に喰われる(刈り込まれる)ことで発達するのが芝草原。芝の他にもいろんな野草がある。

ブナの風衝樹形

遊歩道を登りはじめるとまず林に入る。そこから、TV中継所辺りまで、強い北風にねじ曲げられた(風衝樹形)ブナに注目。

シャクナゲ群落

ハクサンシャクナゲの花は6月〜7月上旬。芝の中の低木林は、牛の食べない有毒か、トゲを持つ植物群落で、その高さは雪の深さで決まる。

二ノ段芝草原

ここからは、入川渓谷が一望。夕日を見るのならココ。尻立山中腹には天然杉林。ここの杉は雪折れしないようになっているため、触っても痛くない。尻立山々頂からの眺めは良好。

ガレ場

冬の厳しい季節風で、土と岩がむき出しのこの土地にも懸命に生きる植物たちがいることに注目しよう!!

方牧牛とドンデン池

ここの牛は放し飼い。しかし、夕方近くになると、池に水を飲みに来る。池にはオタマジャクシに混じって、サドサンショウオがいる。

湿原

ミズゴケに混じって、アカバナやモウセンゴケがある。湿地の植物を楽しんでください。

林道沿いの雑木林

ブナを中心としたこの雑木林の中こそが野草の楽園。ユキワリソウにシラネアオイ、それから・・・etc。存分に満喫してください。

青ネバ峠

青い粘土が濾出する峠だから「青ねば峠」。
ここで注目して欲しいのが、コハマナスとヤマトグサ。
前者はハマナスとノイバラの交雑種。花は6月末頃。すぐそばには、山なのにハマナスがある。後者は一科一属一種の植物で、日本人がはじめて科名をつけたのでヤマトグサ。
珍しい植物だがこの近辺には多い。単なる雑種。

佐渡の植物第二集「佐渡植物ガイド」他参照
両津市立理科教育センターにドンデンの植物の紹介があります。


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