船に乗るのは、はじめてなんだけど・・・、という方に!!

佐渡汽船乗り方講座

「海は荒海、向こうは佐渡よ〜♪」という訳で、佐渡へ来るのも、佐渡から出るのも海を越えなきゃなりません。海といえば船、船といえば佐渡汽船・・・、というわけで佐渡ビギナーに『されど』が贈る佐渡汽船の攻略法です。

『How To 佐渡汽船カーフェリー』[初級編]

さて佐渡に初めてやって来るあなた、ジェットフォイルなんて速いばかりで能のない乗り物なんか使っちゃいけません。「佐渡ヶ島」通はやっぱりカーフェリー。安いうえに2時間以上も船の旅が楽しめるんだから。せっかくお金出すんなら時間は長い方がいいに決まってる!
という訳で、最初の講義は座席の確保の仕方から、船酔いの防止法等などカーフェリーの乗り方です。これさえ読めば、船旅がまったく初めてのあなたでも大丈夫!なおこの講義は、新潟−両津航路のカーフェリーの2等船室利用することを想定しています。

Lesson1.「乗船する前に・・・」
・切符を買う。
・改札口で乗船の際に旅客名簿の提出を求められるので、あらかじめ所定の用紙に書いておく。もっぱら観光統計として用いられるのだが、船が沈んだり、シージャックされたときにその名簿が使われることになるので要注意。適当な名前を書いてウケを狙うと、いざというときに恥ずかしい目にあうことになる。
・乗り物酔いの薬は酔ってからでは効かない。30分前に服用しておくこと。

・酒、ビール、菓子、つまみ等は船内でも調達できるが『佐渡汽船価格』で割高。前もって準備しておくか、せめて乗り場で買っておく。

・切符も買った、旅客名簿も書いた、売店も冷やかした・・・、それでもまだ出港に 時間があるというときには、新潟港佐渡汽船ターミナルビルの入り口脇には「新潟県港湾資料室」というミニコーナーがある(無料)。また同じく8階には展 望レストラン「シエルブルー」があり、眺めはよい。最悪の場合は待合室があり、地元の民放テレビが流しっぱなしになっている(以上は新潟港のみ)。
・出港の30分前より、改札、乗船を始める。
Lesson2.「乗船したら・・・」
・2等船室に乗る人は、1枚100円の毛布は必ず借りる。寝る気はなくても色々に使える(裏ワザ編を参照のこと)。ただし混雑時の貸し出しはしない。
・乗船後ただちに荷物や毛布などで居場所を確保。船内でも中央部の方が比較的 揺れが少なく船酔いしにくい。特別2等以上の船室は、座席指定というか「寝場所指定」。場所取りの苦労も醍醐味もない。
・救命胴着やボートは人数分ある(・・・と思う)ので心配しない。だが救命胴着の 着用の仕方やボートがどこにあるのかを確認しておけば船旅気分が結構盛り上 がる。
・船室内は全面禁煙。喫煙はエントランスホールや甲板の喫煙コーナーで。
・ところで旅と言えば酒宴が付きもの。酒好きの島民性もあいまって、船室内で 車座になっての酒盛りは日常風景。ところが最新鋭「おけさ丸」には、佐渡汽 船の大英断により、とうとう『禁酒室』が設けられました。酒宴の騒がしさが苦手の方はそちらへどうぞ。・・・でも佐渡弁飛び交う酒盛りを隣で聞いてるのも、思わぬ情報を得ることができたり、うまく行けばタダ酒飲めたりとなかなか捨て難いものがあるのですが。
・船内には次の施設がある。
軽食喫茶、売店(雑誌、土産物、弁当、つまみ等)、電話、ゲーム機、自動販売機(タバコ、酒、ジュース、カップめん)、トイレ
※ただし、軽食喫茶、売店は早朝や夜間の便では営業しない。
Lesson3.「出航したら・・・」
佐渡ビギナーにとって、出航したら何より怖いのは「船酔い」。そこでこのレッスンでは船酔いを防ぐためのあれこれを。
・一番良いのは寝てしまうこと。眠ってしまえばどんなに揺れても関係ない。特に信濃川河口付近と、佐渡ヶ島東端に近い姫崎沖合は海流の関係で最も揺れる。どちらも入港、出港の30分前後に通過するので、それまでに寝るべし。
・起きている場合でも、体の重心を低くすること。眠らなくてもやはり横になっているのが一番いい。立ってあちこち歩き回るなどは船酔いの元。酷いときにはトイレに行くだけで酔ってしまうこともある。
・本を読んだり、キーボード叩いたりなどはもってのほか。わざと船酔いしようとしているようなもの。初心者にはおすすめしない。
だが本は持って、体に対して固定するようにして読むと比較的船酔いしにくい。
・なぜか小さな子供達は船酔いしないらしい。多くの大人たちが真っ青な顔をしているような大しけの船の中で、子供達が元気に走り回る光景はよく見かける。
・酔ってしまったら甲板に出て、外の空気を吸うようにすると少しはまし。
Lesson4.「その他」
・両津港ターミナル改札口脇の売店は大きくはないが、他ではあまり売ってない 佐渡の隠れた名産があったりする。おすすめ。
・船内軽食堂のカレーは、たかが編集部スタッフ推奨メニュー。「絶対うまい!」とは言わないが、結構いける(・・・と思う)。
・専門家によれば、日本海でもこの海域は鯨やイルカが多い所らしい。ごくまれにイルカの群れと出会うことがある。
・両津港ターミナルビルの一階は、路線バス・定期観光バスの始発地である。 ・佐渡汽船に関連の電話番号は次のとおり。
    新潟総合案内所   025−245−1234
    直江津総合案内所  0255−44−1234
    佐渡汽船両津支店・・・両津市湊353番地
      旅客係     0259−27−5111
             FAX0259−23−2536
      総合案内所   0259−27−3429
        佐渡汽船小木代理店・・・佐渡郡小木町小木町1950番地
      旅客係     0259−86−3110
         (夜間) 0259−86−2337
             FAX0259−86−3128
    佐渡汽船赤泊代理店・・・佐渡郡赤泊2208番地
              0259−87−3101
・佐渡汽船の運航や欠航の状況、運航時刻などはテープでのテレホンサービスを行っている。
    新潟〜両津航路   0259−27−5785
    直江津〜小木航路  0259−86−3535

裏ワザ編

裏ワザ・その1『運賃』
普通の観光客には用はないが、島で買う往復の2等運賃(島発往復)には割引がある。その他1等やジェットフォイルの割引については、「佐渡汽船トクトク情報」を参照のこと。またバイクは手荷物扱いとすると、多少の手間はかかるが普通に航送運賃を払うより安い。
裏ワザ・その2『貸し毛布』
1枚100円の貸毛布、これを寝るためにしか使えないと思う人はまだまだ甘い。まずは「場所取り」。お花見のゴザと同様、とりあえず広げておけば佐渡ヶ島の住民であればその場所を取るようなことはしないし、してはいけない。これを称して「佐渡汽船毛布不可侵条約」と呼ぶ。
それから女性には「スカートの裾隠し」。これを足にかけておけば、スカートの裾を隠しておくことができる。ミニスカートでも安心。
極め付けは本誌、某スタッフいわく「寝たふりができる」。頭をあえて通路側に置き、毛布を被って薄目をあけて・・・。女性の方、ご用心!
なお船室内への毛布の持ち込みは禁じられていない。カーフェリーを頻繁に利用するトラック運転手などは、よく自前の毛布を船室内に持ち込んでいる。
裏ワザ・その3『特等船室』
特等は少々値が張るものの、ベッドやテレビ、ソファーなどの他、テラスまで付いたちょっとしたシティーホテル並の個室を独占できる。ところでこれだけなら単なる佐渡汽船の宣伝なんだけど、ここで裏ワザをひとつ。
あなたが5〜6人の小グループでの旅行なら、そのうち1人が特等船室に乗ることをお勧めします。・・・当然「たまたま同じ船に乗り合わせている」知り合いが特等船室に面会に行くことは自由。そこで「たまたま」2時間程度話し込むことがあってもよくあること。そして「たまたま」気が付いたら船が向こうの港についていた・・・。だいたい個室なんだから他人に迷惑かける訳でもないんだし。

『船長の教える越佐航路〜カーフェリーはこんな時にこう揺れる〜』[理論編]

正真正銘、本物の『船長』の語る越佐航路のお話しです。船酔いの予防や、蘊蓄にお役立てください。
1.春〜夏の越佐航路 カーフェリーはエンジンの性能に比べ、かなりの時間的余裕を持たせた運行ダイヤとなっているのだが、それでも酷いときには到着が遅れたりすることも稀にある。
けれどもこの季節の時化(しけ)は、時化始めこそ白波が多く立っていて大変そうに見えるのだが、意外に揺れない。とりわけ最近のカーフェリーにはフィンスタビライザーなるものが付いており、この手の波にはかなりの威力を発揮している。
2.秋〜冬の越佐航路 この季節、北から西寄りの風(いわゆる「北西の季節風」という奴です)が多く、佐渡に向かう時が向かい風になり、揺れやすくなる。新潟を出港した船は信濃川を下り、防波堤の外に出た途端に日本海の荒波の洗礼を受けることになるのである。
この季節に多い波は「うねり」と呼ばれる種類。この種類の波には最新鋭のフィンスタビライザーもあまり効き目がない。1万トン以上ある船でさえもエレベーターのように縦に揺れる。
しかし良くしたもので冬の荒波も船が佐渡に近づくにつれて穏やかになっていく。佐渡の山並みが季節風を遮ってくれるからで、特に姫崎灯台を過ぎて両津湾内に入った途端に波は嘘のように静かになる。古来より『山茶花港』の美称で呼ばれる両津港は天然の良港。現在でもカーフェリーも欠航するような大時化の日には何十隻もの船が湾内に錨を下ろし、嵐が去るのを待っている。
3.海の天気予報 「明日は晴れです。曇りです。」と言われても、海の上ではあまり関係がない。肝心なのは風と波。けれどテレビなんかでよくやってる天気予報は肝心な海の状況については詳しくない。それでもNHKでは総合放送で毎日、夕方の18時55分から全国の天気を詳しく知らせている。
佐渡に行こうという人は、出かける前にぜひ見てほしい。
波の高さや風の強さなど、本格的に海上の状況を把握したいという人には海上保安庁のテレフォンサービスの利用をお薦め。内容は1時間毎に更新されている。
同じ気象情報でも佐渡汽船の船長などプロがよく利用するのが、能登半島の沖にある舳倉島灯台の気象情報。そこでの気象状況が数時間後には佐渡近海での気象状況になるからだ。
専門的な情報で、素人には少々わかりずらいかもしれないが、「うねり」が「5」以上の時には船に弱い人は覚悟しよう。
佐渡・岬の気象テレホンサービス  新潟(025)231−1776
舳倉島灯台の気象情報       輪島(0768)22−1776

以上は、新潟−両津航路についての講座です。
詳しくは 佐渡汽船のホームページ へどうぞ...


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