ザビクラ物件
ザビクラ物件
昔は新潟市でも真冬ともなれば地面には根雪が残り,小学生は冬の間つねにプラスチックのミニスキーを長靴につけて遊んでいたような気がしますけれども,最近は雪が積もってもすぐに消え,ミニスキーなんかは今もその辺の「なんかや」に売ってるのかどうかも定かでないんでした。
それほど,今の新潟市では雪が積もりつづけるということが少ないんでした。それでも,やはり全く積もらないわけではなくて,時々は雪だるまやカマクラを作れる程度には降り積もったりはするんでした。
で,写真の物件。まわりの雪はすっかり消えて地面も乾いているわけですけれども,かろうじて形をとどめているカマクラ。人もちゃんと入れるくらいの大きさであるし,ここまで形が残っているということは,かなり堅牢に作られたんではあるまいかと思われるんでした。でもそれも,だいぶやせ細ってきておりますね。
向こう側にあいている穴は,解けたのかそれともあえて窓としてあけたのか。どちらにしろその穴はそのうちに入口と融合しそうで,その時にはもうカマクラではなくなっているハズなんでした。
あたかも,フランシスコ=ザビエルの頭頂部がどんどんその領域を拡大していって,やがては波平さんのようになっていくかのようであります。
いや,ザビエルさんというのは好きであの髪型をしているんであって,逆にあれを保つために毎朝ゾリゾリとやる必要があって大変だったのかもしれませんけれども。
しかし,この頭頂部というのは自分でなかなか見えないだけに,知らんうちにやられてしまっているということも多いようでありますね。
さあ,アナタも自分の頭頂部をさわってみましょう。ほら,冷たい皮膚の感触が…。
うぎゃあぁぁぁぁ。
…いや,今回は消え行く雪を愛で,往年の降雪を思う叙情派ネタをやろうと思ってたんですけれども…。
「ザビエルかまくら」は新潟市・古町通13あたり。