結ばれ物件
結ばれ物件
カーブミラーの根元あたりに「とびだし注意」のカンバンがくくりつけられているわけですけれども,カーブミラーの方は少し身をくねらせている感じであって,カンバンの方はそのくねらせたところへうまく身をねじ入れているような感じなんでした。
コブラツイストを決めていると見えないこともないですけれども,ここはまぁ,身長差のある生まれの異なるふたりが紆余曲折の末に結ばれて喜び合う様と見ておいてもよいんではないかなと思われるんでした。文字通り紐で縛られ,結ばれてるし。
そして,その背後には「とびだし注意」に片思いしていたと思われるチビの杭が,はしゃぐふたりを尻目に「ふっ。幸せにな」とつぶやきつつさみしく退場していくシーンを演じております。
彼は頭をしばられておりますけれども,自らの勇気のなさと後悔の念にしばられているんでありましょうか。
こちらは消火栓でありますけれども,なんだか旗を掲げてハチマキをしめて,「われわれはァ! この要求をォ! 断固ォ!」とか言ってそうであります。
この旗を結ばれた縛り部分が,ハチマキに見えてしまうんでありますね。そして口の部分が突き出ていてメガホンを連想させるあたりと台の上に乗っているというあたりが,より一層「断固感」を強調していると思われるんでした。
このあたりの消火栓はみんなこの感じ。旗も土台も雪対策だと思われるわけですけれども,最近はあんまり役に立っていないようであります。
これも一番上の物件と同じように「生まれの異なる寄り添うふたり」でありますけれども,こちらは結びつきを強調する物理的な「縛り」はないんでした。身をからませてもいない。
でも,地味ながらもなんとなくこちらの方が,結びつきが強いような感じがするでありますね。演歌の世界というかなんというか。
これからつらいことも待っているかもしれないけれども,ふたりでがんばって生きていって欲しいと,思ったりするわけでした。
「結ばれミラー」は亀田町・西町6あたり。
「断固消火栓」「演歌」は亀田町・鵜ノ子2あたり。