みんなで物件

みんなで物件


 文字が多く小さいため,通常の物件写真よりも少しサイズが大きくなっておりますけれども,さる児童公園入口に掲げられているカンバンであります。いわく,

みんなで守りましょう
「公園をきずつけたり,よごさないこと」
「木を切ったり,植物をとらないこと」
「土地の形質を変更しないこと」
「ゴミその他の廃棄物を捨て,又はみだりに火気を扱わないこと」
「はり紙若しくははり札をし又は広告を表示しないこと」
「立入禁止区域に入らないこと(かこいなどによじ登らないこと)」
「指定された場所以外の場所へ車を乗り入れたり止めておかないこと」
「公園をその用途以外に使用しないこと」

とのことなんでした。

 児童公園の入口に「みんなで守りましょう」と書かれているからには子ども向けの注意事項なのかと思いきや,非常にナマ臭いような事柄が多いんでした。

「公園をきずつけたり,よごさないこと」とか「木を切ったり,植物をとらないこと」とかはまぁ,ちょっと具体性に欠けるけれども,一般的な事柄であるような気はするですね。マサカリかついで木を切ったりするような子どもも,最近はあんまり見ませんけれども。

 問題は次であります。「土地の形質を変更」するというのは,いったいどうやればいいんでありましょうか。イタズラにちょっとやってみたくても,私にはその方法がわからないんでした。

 最近の児童というのは,「ああ,土地の形質変更ね。一般的な方法は○×を□△して,そこから△□される◎□を×××するんだけど,そんなのはもう古いよね。4年生までの方法だよね。高学年になったからには,そこから一歩踏み込んで,×△○を△△△することによって○〇した×○を…」というような会話を日常的にしているものなんでありましょうか。

 その他,いろいろとツッコミどころは満載でありますけれども,とにかく「みんな」というのはホントに「みんな」であって,児童だけを対象にした注意事項ではないということなんでありますね。

 そして,そういった大人の注意事項を書いているというのは,「児童公園」と名前はついているけれども児童以外を排除するものではなく,むかし児童だった人の利用も歓迎するということをあらわしているのかもしれないんでした。

 写真では見えにくいですけれども,この注意書きの漢字には,すべてふりがなが振ってあるんでした。「若しくは」はもちろん,「木」や「車」にも。
 その心遣いは,大人には漢字が苦手だった子どものころへの郷愁を感じさせ,子どもには「ふむ。このこうえんではとちのけいしつをへんこうしてはならないのか」という社会のルールを教えてくれるものであろうと思われるんでした。

 まぁ,カンバンを熟読した上で公園に入るなどというのは,路上観察中の路上観察者くらいしかいないのだろうけれども。

「児童公園」は白根市・白根あたり。
もちろん,合併によりここもすでに新潟市なのだけれども以下略。