虚空物件

虚空物件


 何屋さんだったか忘れましたけれども,さる個人商店のシャッターに描かれたアートであります。とりあえずたばこは売ってるようですが,この日はお休みだったようなんでした。ん。でも定休日は月曜って書いてあるな。写真を撮ったのは土曜日か日曜日だと思ったけども。まぁいいや。

 それにしても,実に意表をつくシャッター絵であります。意表をつくというか,こちらに何を伝えたいのかわからない。普通,シャッターには「○○商店」と店名が書いてあったり,たとえば八百屋さんであれば野菜や果物など,商売にちなんだものの絵が描かれていたりするわけですけれども,この絵を見たかぎりでは「毎週月曜日が定休日である」ということしかわからないんでした。しかも,この日は月曜じゃないし。

 そして,この絵自体も非常にシュールであります。背景はたぶん地球。そして宇宙空間に浮かぶスペースシャトルから出て宇宙遊泳をする,おそらくは店主に似た乗組員。
 ここまではまぁ普通に夢のある絵であると思われるわけですけれども,そこに登場するのが,生身の猫。これはちょっとショッキングでありますね。おそらくは店主に似た乗組員も,口あんぐりでおどろいております。

 まぁこれも,夢のあるといえば言えないこともないですけれども,ホントに宇宙空間で生身の猫が目の前を横切っていったら,恐怖なんではあるまいかと思われるんでした。

 私は宇宙遊泳っていうのをやったことがないんでよくわからないですけれども,あんまり自由に動くこともできないんだろうし。じゃれてきて,爪が宇宙服にひっかかったら空気が漏れちゃいそうだし,命綱(っていうのか?)が切られちゃったら,永遠に宇宙をさまよわないといけないんだろうし。

 仮に宇宙空間で生身でいられるとしても,やはり周りに何もないっていうのは非常に不安になりそうでありますね。ただ虚空に浮いているだけ,というのは,恐怖であります。
 周りに水でも空気でもあれば,平泳ぎやクロールの形でもしてもがいてれば前に進みそうな気がするけれども,まったく何もなければ,進めそうもない。

 この猫は,おしりからジェット噴射したりして進んでるんでありましょうか。


 ということで,おしりからはマシンガンが出てきて,ジェット噴射は足や手から出して動くのがこの人であります。この人というか,まぁ,彼でありますね。地面を歩くときはやたらキュピキュピ音がするようでありますけれども,彼なら宇宙空間はものともしないんであろうと思われるんでした。

 しかし,この絵のようにジェット噴射したら,あらぬ方向へ飛んでいくというか,体がバラバラになってしまいそうではあります。その辺はやはり「科学の子」であるから,科学の力でうまく制御して「歩くように飛ぶ」ということができているのかもしれませんけれども。

「スペース猫」は豊栄市・柳原1あたり。
「科学の子」は新潟市・南浜通1あたり。