小ネタ物件49

小ネタ物件49


 さて,小ネタコーナーであります。物件としてはちょっとどうかな? と思うんだけれども,なんだか憎めないようなヤツらを集めてお送りします。本物件とどこが違うんだと思われるかもしれませんが,その辺は「なんとなく」なんでした。

 小ネタに登場するのは比較的古い写真が多いのだけれども,そのとき面白いと思っても時間が経つと何が面白かったのかわからなくなってしまったり,逆に見直すと意外な面白さを発見してしまったりするものもあったりして,それがまた面白いものであるなぁ。



 保健所の入り口であります。このカンバンの言わんとするところは,まぁ簡単に言ってしまえば「むやみに車を入れるな」ということなわけですけれども,どのあたりまでが「むやみ」なのか,ちょっとよくわからないんでした。

 つまりは,「検診・予防接種等でご来所の方」はここに停めていいのかどうかということでありますね。
「検診・予防接種等でご来所の方」のための駐車スペースはここにはない,ということなのか,ここは「検診・予防接種等でご来所の方」が駐車するためのスペースであり,それがふさがってしまうので,それ以外の人はここに駐車してはいけない,ということなのか。

 前者のような気はしますけれども,そう断言もできないような。「駐車場が」ではなく「駐車場は」とすればスッキリしそうではありますけれども,日本語というのはムズカシイでありますね。

 新潟市。




 こちらはおそらくもともと「オグロデンキ」さんなのであろうと思われるわけですけれども,「デ」の上部がとれてしまって,「オグロインキ」さんになってしまっているんでした。

「デンキ」という世の中を明るくするものを扱っていたはずが,陰気になってしまったんでありますね。
 いやもちろん,インキを扱っている会社はすべて陰気であるなどとは思っていませんけれども。

 最近は量販店に押されて,街のデンキ屋さんも経営が苦しくなっていると思われるわけですけれども,店をたたんで転職する際にはインキ屋さんになれば,カンバンを作りやすいかもしれないんでした。

 新潟市。




 たぶん居酒屋さんのカンバンでありますね。
 まず下のカンバンが目に入って,「良ろこぶとはなんだか変わったあてかたをするなぁ」と思い,「百人の友だちというのもなんだかよくわからない表現であるな」と思ったあたりでこのお店が「百食倶楽部」という名前だと気づき,「ははぁ。なるほど。『食』というのを『人』と『良』に分けているのか」と思い至るわけでした。だから,ロゴとしては「百食」は縦書きでなければならないと。

 しかし,それならば「百」を分けないのは不公平ではあるまいか,とも思うんでありますね。
 すなわち,「百人の友だちが良ろこぶ」のではなくて「一白人が良ろこぶ」ということで,広い店内で白人男性(ケントデリカット風)が一人で盛り上がっているという情景を思い浮かべてしまうわけなんでした。

 新津市。




 カラオケ屋さんのカンバンであります。ここは萬代橋のたもとであってよく前を通るんでした。

 それでまぁ特にどうということもないんでありますけれども,この前を通るたびに「この人が歌っている曲はなんであろうか。右手を頭の後ろに置いて歌う歌というのは?」というのが気になってしまうんでした。「デュエット」という店名の割には一人だし。

 いやまぁ,この絵を書いた人もそんなことは全く気にせずに描いたことであろうとは思うわけですけれども。
 あるいは,「このポーズから意識下に連想されるのはピンクレディーの『UFO』であって,そのポーズをあえて中性的な人物ひとりにとらせることによって道行く人の『デュエット衝動』を引き出し,店内に誘い込む」という戦略的なデザインなのかもしれないですが。
 いや私は今までこのカンバンを見てそんな衝動起こしたこと一度もないですけれども。

 新潟市。