計画物件
計画物件
「かめだっ子 あいさついっ
ぱい やさしさいっぱい」
とのことなんでした。「かめだ」というのはこの地域の名前なので特に問題はないわけですけれども,その下はやはりちょっと「なぜそこで切る!」と声に出して言ってしまいそうなんでした。この裏には「カンバンしっぱい」とでも書かれているんではあるまいかと思ってしまうでありますね。思わないか。
確かに,限られたスペースにうまく文章を収めるというのはけっこう難しいのかもしれませんけれども。でもしかし,せっかくの素晴らしい文章(でもないかもしれないけれども)が,「なぜ『いっ』と『ぱい』をわけるのか?」というあまり価値のない疑問に覆い隠されてしまうというのは,たいへんもったいないんではあるまいかと思ったりするわけでした。
ところで最近のサラ金というか消費者金融のCMはやたらと「ご利用は計画的に」を合唱していて,「日常生活における計画性の無さゆえの失敗」というほとんど同じパターンの作りがなされているですね。
計画性のある人間がサラ金でお金借りたりするんであろうかという気もするわけで,タバコの広告みたいに「借金が滞るとコワイお兄さんがやってくる可能性があります」という宣伝をするとか,もうちょっと工夫できないものかと思ってしまうんでした。
それはともかく,そんなCMの中で子どものころ誰にでも経験のありそうなのが「習字編」でありますね。最後の方の字が入らなくなってしまうというやつ。
ちょっとそんなのを思い浮かべてしまう物件なわけでした。しかし,習字なんてもうどのくらいしてないやら。中学で習字の時間ってあったっけか。そういうことももうすっかり忘却の彼方であるなぁ。
こちらもだいたい同じことなわけですけれども,「建物の下に犬の糞をさ」で区切ってあって,そこだけ見ると,なんだかちょっとホスト系のニヒルなお兄さんがつぶやいているような感じがするでありますね。
そのあとに「せないで下さい」が続くわけですけれども,それはかえって必要ないような気すらするんでした。
「建物の下に犬の糞をさ」でおしまい。その方が,想像力がグッと働きそうであります。
派手なスーツ姿で左手を壁について右手で顔を覆い,「建物の下に犬の糞をさ…」と言って,絶句するお兄さん。そんな姿を想像させて,女性の犬散歩者には絶大な効果があるかもしれないんでした。
想像力の無い相手には逆効果かもしれませんが。というか,こんな想像するのは私だけですか。そしてこれは想像力というより妄想力でありましょうか。
確かに,私流儀の路上観察においては,妄想力は重要な要素でありますけれども。
「あいさつ いつ」は亀田町・早通あたり。
「犬の糞をさ」は新潟市・秣川岸通1あたり。
例によって亀田町はすでに新潟市であるけれども以下略。