付け足し物件

付け足し物件


 何を売ってるんだったか忘れましたけれども,さる商店前に貼られたハリガミ。古くからやってるようなたたずまいのお店なんでした。
 古い商店というのはもう狭い地域で商売をしていたわけで,駐車場なんか用意してないわけでありますね。お店が面している道路もそれほど広くなくて,路上駐車していると他に迷惑がかかったりするし,何より無関係の車が駐車してたりすると腹が立つんでした。たぶん。

 そんなわけで「無断駐車禁止」のハリガミが貼られたわけですけれども,今はもう完全に車社会なんでありますね。家から50メートル離れたコンビニまで行くのに車を出すというおかしな時代。

 やはりその時代に抗することはできず,「十分以上」という付け足しがなされたわけなんでした。厳格なリサーチが行なわれ,「うちの店で買い物をする客の所要時間は10分である」という結果が出たようでありますね。

 関係ないけれどもこのハリガミ,「商」の字がちょっと特徴的でありますね。他のハリガミでもこの形だったから,何かしらポリシーがあるのかもしれない。


 こちらは,駅前通の歩道。八百屋さんの前であります。「注意 幼児飛び出しに おねがい!」ということで,ちょっと日本語的に面白いような気がしますけれども,意味は充分わかるからまぁいいかなと思ったりするわけでした。

 たぶん,最初は「注意 幼児飛び出し」だけだったんだろうけれども。それが,そのうちに子どもを思う気持ちが抑えきれなくなってしまったんでありますね。もうとにかくなんでもいいから「おねがい」しますと。それを伝えずにはいられなくなってしまった。
 最初の「注意 幼児飛び出し」は父親が書いたのかもしれないけど,そのあとの「におねがい!」は孫のことが心配で心配でしょうがないおじいちゃんが書いたのかもしれない。

 しかし,「幼児」は手前の赤いバイクで飛び出してくるんでありましょうか。これはむしろ子どもの安全というよりも歩行者の安全のために書かれているのかもしれないでありますね。歩道だし。


 こちらは特に言葉が付け足されてるわけではないんですけれども,なんだか言い回しが余分なんでありますね。
 言いたいことは多分「駐車をするな」ということだと思うのだけれども,ホントにそうなのか。「駐車にはご協力願います」では一体何に協力すればいいのかもうひとつわからないんでした。

 ひょっとすると,この駐車場の持ち主は非常に運転がヘタで,車庫入れをする際には通りがかりの人が協力して誘導してあげないと,周囲に甚大な被害をもたらしたりするのかもしれない。

 まぁ,最近はそういう遠まわしな言い方が増えてますけれども。工事現場で「工事中 ご協力ください」とか。日本語おぼえたての外人さんなんかは工事を手伝いはじめたりしないんでありましょうか。

「十分以上」は五泉市・横町1あたり。
「赤いバイク」は五泉市・駅前1あたり。
「ご協力」は吉田町・東栄町あたり。