当然物件

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 タバコというのは漢字で書くと煙草であって,これはおそらく当て字であろうと思われるんでした。「煙」一文字で「タバ」と読んだり「草」単体で「コ」と読んだりはしないであろうと。いやホントは読むのかもしれませんが。それはともかく。

 つまりは,それほどタバコというのは煙が出るものなんであると,さらに言うならば煙の出ないのはタバコではないと,少なくとも日本語においては言えるんではないかと思われるんでした。

 ということで,写真の物件であります。私は視界の端にこれをとらえたとき,「煙のでないタバコ」だと思ったんでありますね。「おお,ついにそう言う商品が開発されましたか。いや,でも私は吸わないから知らないだけで,昔からあったんであろうか」などと思いつつよく見ると,「煙のでるタバコ」。

 それは…当たり前なんではあるまいかと。あえて宣伝するようなことかと。「走る自動車」とか「音の出るラジオ」とか「地面のある土地」とか言われて,「おお,それはスゴイ。是が非でも買わねばなるまじ」となるのかと。思ったわけでした。「煙のでない」ならまだしもと。

 そんなことをおよそ1秒ばかり思ったあとに,周囲を見回すとそこはおもちゃ屋さんであって,件の「煙のでるタバコ」は実はガチャガチャの景品(というのか?商品か?)のひとつだったんでした。

 本物のタバコではなくて,おもちゃなんでありますね。おそらく。「吹くだけで本物みたいに煙が出る!」そうで,タバコを吸わないので時折手持ち無沙汰になってしまうことのある私としては,持っていて損の無いアイテムかもしれないんでした。

 絵に書かれているのがビーバップ風というかろくでなし風というか,ちょっと古いツッパリ高校生風であるところもなかなかであります。ああいうツッパリあんちゃん達も,実はこの「煙のでるタバコ」をくわえているのかもしれない。

 ああ。なんだかすごく欲しくなってきたな。買っておけばよかった。

「煙のでるタバコ」は水原町・中央町1あたり。
 今現在ここは阿賀野市であるけれども,ピンとこないのでしばらくここはとりあえず水原町だ。くどいようだけれども。