トマレ物件

トマレ物件


 路上に書かれている文字で一番多いのは,「とまれ」ではないかと思われるわけでした。そして,そういった路上文字の中で物件になるのが一番多いのも「とまれ」でありますね。「とまと」であったり「とれま」であったり「れまれ」であったり「とれ」であったり「まれ」であったり達筆であったり。

 絶対数が多いとはいえ,わずか3文字であるにもかかわらず様々なバリエーションが生まれるというのは,スゴイことのような気がするわけでした。

 で,上の写真の物件。3文字のみではないし,チェックポイントは「出口」の方なんでありますけれども,その呼び水となっているというか,好アシストを見せて光っているのは「止マレ」の方なんでした。

 つまりは,この路上(実際は駐車場)に本来書かれている文字は「とまれ でぐち」なんだけれども,「止マレ」とカタカナを送り仮名にしていることによって,「出口」というのが「でろ」と読めてしまうんでありました。送りがひらがななら,「でぐち」と読まざるを得ないのに。

 まぁ,「でぐち」であっても「(ここから)でろ」であっても,意味合いはさほど変わりないというか意味は通じるわけで,どっちでもいいといえばいいわけですけれども。

 だから,利用者は気づかないけれどもこの駐車場所有者の隠された意図としては,「お前らいつまでも停めてないでさっさと出て行け」という意味をこめてホントに「出ろ」と書いているのかもしれないんでした。
 いや違うとは思いますけれども。


 こちらは,普通にその機能を果たしている「とまれ」のカンバンであると思われるわけですけれども,「この先とまれ」というのがなんとなく「この指とまれ」を連想させて,ちょっとカワイイかなと思ったりしたわけなんでした。

 ただ「この先」というのがどこなのか,10メートル先なのか1キロ先なのかわからないと,どこで止まっていいものやらわからなくなってしまいそうではあります。
 写真奥のほうに通常の「止まれ」標識が写っているんで,そこで止まるのかとも思われるわけですけれども,それならその標識の存在意義とは何であるのかと,思ってしまうわけでした。

 まぁ,この「この先とまれ」は工事をしている間の臨時カンバンであって,通常はこの辺の見通しが悪くなるから置いているということなのだとは思うのだけれども。

 それとも,これは「この指とまれ」と同じ意味であったりするのか。すなわち,このカンバンの先っぽには政治がらみのポスターが貼ってあるようなのだけれども,その政党を支持しなさいというサブリミナルを狙ったものであったりするのか。
 ということはたぶんないと思いますけれども。


 オマケ。こちらは道路沿いの畑だか花壇だかに立てられたカンバン。
「とまれ」ではなく「進入禁止」でありますけれども,上の「歓迎 日本丸」というのがナゾであります。
 歓迎しておいて進入禁止とはどういうことであるか。笑顔で「ようこそいらっしゃいました。ささ,中へどうぞ」と言いながら通せんぼをしているようであります。
 もっとも,おそらく船であろうと思われる日本丸が,水も何もないこのあたりまで来れるかどうかというのもわからないわけでありますけれども。

「止マレ出ロ」は新潟市・上大川前通6あたり。
「この先とまれ」は安田町・保田あたり。
「歓迎進入禁止」は新潟市・弁天橋通1あたり。