トイ物件

トイ物件


 家屋を構成する要素の中で一番哀愁ただようものはと言うと,雨どいのような気がするですね。材質はペナペナだし重労働だし詰まるわ壊れるわで水漏れてくるし。

 そんなわけで,上の写真。おそらく雨どいであろうと思われるわけですけれども,上下の肝心な部分がなくなっていて,間の直線部分だけが宙吊りになっているんでした。
 上の部分は屋根に守られているわけで,雨水が入ってくることもなく,下から出て行くこともない。純粋に筒だけが飾られているんでありますね。

 同じような純粋樋が,この壁面に3本だか4本だか並んでいて,これはこういう新しい装飾なんではないかと思えてしまうほどなんでした。

 ここは普通のお宅ではなく工場か倉庫のようで,何らかの理由で雨どいが不要になったんだろうけれども,全部とっちゃおうとか思わなかったのかどうか。まぁ,お金かけて撤去する必要もないのかもしれないけれども。
 それともいつかまた復帰することもあるんでありましょうか。


 こちらは,上部分だけが残された雨どい。機能していることは機能しているようでありますけれども。
 ただ,水の出口が完全に家に向けられているので,大雨のときなんかはバシャバシャと家を洗ってしまいそうでありますね。

 あ,実はそれが狙いなのか? この水出口が横の雨どいをスライドして,家全体を水洗いしてくれるというハイテク雨どいなのかもしれない。雨の日にしか洗えないというのが難点ではありますが。

 あるいはこれは,雨宿りしようとすると顔面に雨水がびしゃーとあたってしまうという,雨宿り防止装置なのかもしれない。雨宿りできるほどの軒先でもないようですけれども。

「宙吊り樋」は五泉市・横町1あたり。
「ハイテク樋」は五泉市・横町1あたり。