そば物件

そば物件


 そば屋さんの名前でパッと頭に浮かぶのは「さらしな」ではないかと思われるんでした。漢字で書けば「更科」。更科そばというのは,どういう粉を使うかという,そばの種類でもあるようですが。

 そういえば,小学校のころ同じ学年に更科さんという子がいて,その字が読めなくて「べんか」さんと頭の中で読んでいたことがあったな。その後同じクラスになって読み方がわかったのだけれども,頭の中ではずっと「べんか」さんだったので,なかなか「さらしな」と読めなかったりしたわけでした。それはともかく。

 写真の物件は,「そばの更新」さんのカンバンなんでした。
 最初からこのお店はそば屋さんなんだと思ってカンバンを見れば,「んー。そばの,さら…しん?」という風に読めるかもしれないんですけれども,そういう先入観念抜きにこのカンバンを見た場合,特に通常の書体で「そばの更新」という字を見た場合には,やはり「そばのこうしん」と読んでしまうんではあるまいかと思ってしまうんでありました。
 いや実際に「こうしん」と読むおそば屋さんなのかもしれませんけれども。

 通常我々が「更新」という言葉を使うのは,「ホームページを更新する」とか「免許を更新する」とかという場合であるわけですけれども,あるいは,この「更新」というのはお店の名前ではなくて,ホントに「そばの更新を行なう」お店なのかもしれないでありますね。

 いや,そばの更新って何するんだかわかりませんけれども。
 そばは何年かおきにキチンと更新しておかないといけなくて,古いそばをそのまま持ってると,そば不携帯で減点されるのかもしれない。優良そば者はゴールドになるとか。そばを更新するときに撮る写真は必ず悪人顔になるとか。まぁ,そばを常時携帯してる人も少ないかもしれませんが。

 あるいは,何年か住んでるとそば賃の更新があるからそれを機会に引っ越したりするのかもしれないし,そばの更新が滞るとアクセスカウンタのまわりも悪くなるのかもしれない。
 そんなわけで,そばの更新を怠っている人は,つかまらないうちにこのお店でそばの更新をしておきましょう。


 こちらはそば屋さんではなくてラーメン屋さんでありますけれども,まぁ中華そばということで。中には,ラーメン注文すると「うちはラーメンなんか置いてねえよ。シナソバならあるけどな」というお店もあるそうですが。それはともかく。

 ラーメン屋さんのカンバンでよく見かけるのが「こだわり」という言葉でありますね。「当店はスープにこだわっています」とか「こだわりの麺をご賞味あれ」とか。
 客としては,どの辺にこだわっているのか知りたいところでありますけれども,いちいちそこまで書いてるところは多くないでありますね。

 以前みかけた電光掲示式のカンバンでは「お客様の好みに合わせて3種類の麺と3種類のスープ,2種類のチャーシューを組み合わせる,こだわりの味」(うろ覚えだけども)というようなことが書かれていて,それはこだわってると言わんのではあるまいか,と思ったりしたわけでした。店主がこだわるんではなくて,客のこだわりの味ということか?

 そんなわけで,写真の物件の場合は「こだわり重視の美味しいらーめんに仕上げた」ということなわけですけれども,「こだわり重視」というのはいったい何にこだわっているのか,まったく見えないんでした。
 麺なら麺,スープならスープ,器なら器と,対象が定まって初めて「こだわり」という言葉はつかえるんではないかと思うのだけれども。

 客のマナーというか食べ方にこだわってたりするのはイヤであるな。麺をすするのは1度に7本まで,とか。箸はスープ面に対して27度の角度を保ち,麺をつかんでから口に入れるまでに要する時間は1秒以内としなければならない,とか。

 いや,私はこのお店でラーメンを食べたわけではないので,中に入って注文すれば「おお!なるほど!」という言葉にできないこだわりが理解できるのかもしれないし,接客もよくて何よりすごくおいしいお店なのかもしれないわけですけれども。

 興味のある方はぜひ行って食べてみましょう。と,とりあえずフォロー。

「そばの更新」は新潟市・関屋大川前2あたり。
「こだわり重視」は村上市・田端町あたり。