車自物件

車自物件


 どうやら佐々木さんのところでは「車自」(ヘンとツクリとして見ていただければ幸い)を売っているらしいわけですけれども,私は不明にしてこの字の読み方を知らないんでした。MSIMEに手書き認識させてみても知らんというし。

 しかしながら,読めなくても何を売っているのかがなんとなく直感が働いてしまうのが漢字なんでありますね。みなさまはいったい何のお店だと直感したでありましょうか。私は「自転車屋さん?」と思ってお店に近づいてみたら,やはり自転車屋さんだったんでありました。
 うむ,恐るべし。漢字。なんとなくそれと感じてしまうから,カンジと言うのか? 違うよな。

 しかし,これでホントに「じてんしゃ」と読むのかどうか。通常は,自転車屋を短く表現するなら「佐々木輪店」になるのだろうけれども,「車自」(ヘンとツクリとして見ていただけると幸い)は「輪」なのか?。

 あるいは昔は自転車を指す別の言葉があって,それが漢字一文字の「車自」(ヘンとツクリとして見ていただけると幸い)であったのかもしれない。昔といっても,自転車ができてる程度の昔だろうけれども。
 それが,自動車が普及するにつれて「車自」(ヘンとツクリとして見ていただけると幸い)では自動車か自転車かわからないということで廃れていったのかもしれない。

 あるいは,これは佐々木さんの創作漢字なのか。「自(じ)」と「車(しゃ)」がひっくり返って(転じて)「じてんしゃ」であるとか。

こん平:「車ヘンに火と書いて,寄席若竹です。」
円楽:「ほほう。どうして?」
こん平:「火の車です。ちゃっらーん」
円楽:「山田くん。座布団全部持ってっちゃいな」

というような感じで。こんな低レベルな大喜利もないような気もしますが。ちゃらーんの使いどころも違うし。


 オマケ。
 郊外大型店に押され気味な商店街にとっては,自転車を店の前に置かれるとメイワクだけれども,自転車に乗ってくるような近所のお客こそ最後のトリデであって大事にしたいわけで,ジレンマにおちいるわけでありますね。

そこで,このような強気と弱気が入り混じった,「自転車おくな」という「おねがい」をしてしまうんではないかと思われるんでした。それぞれのビミョーな力加減が絶妙であります。

「車自店」は,水原町・中央町1あたり。
「おねがい」は,新潟市・本町通6あたり。