モデル物件

モデル物件


 折りしも街は節分に近い頃でありまして,スーパーの食品売場には太巻きが置いてあったりする時季なんでありました。その,スーパーの太巻き売場に佇んでいたのが彼,赤鬼くんなんでした。

 これはなんというか,怖い。鬼というとだいたいはずんぐりむっくりのおっさん体型か,ムキムキの筋肉おやじを思い浮かべるわけですけれども,この鬼はスラリとしたモデル体型なんでありますね。モデル体型の鬼というのはこんなに怖いものなのか。
 まぁ,鬼だって色々いるんだろうから,常日頃懸命にダイエットに励んでモデル体型を維持している鬼もいるのかもしれないけれども。

 さらに,顔が赤塚不二夫の鬼の面であるところがまた怖さを増幅しているような気がするですね。これがリアルな鬼の顔であれば,まだそれほど怖くないかもしれない。この,ふざけた面の下に隠されているかもしれない狂気というのが,単純な鬼に対する恐怖とは別ものの怖さを生んでいるのではないかと思われるんでした。


 まぁ,そんな恐怖をものともせずに,おばちゃんは太巻きを物色しているわけですが。
 さすがであります。鬼もタジタジしております。ヘタをすると,「あら,このパンツいいわね」なんて言って持っていかれてしまうかもしれない。

 そんなわけで,今回の物件は路上のものではなくて,某スーパー厭う八日堂店内であります。路上の物件ではないしある程度作られたものだしということで,物件にするかどうか迷ったのだけれども,小ネタにするにはちょっとインパクトありすぎたもので,独立した物件になったんでした。
 でも,ひょっとすると私があんまりスーパー行かないだけで,こういうのは全国どこのスーパーでも節分にはやってるのかもしれないけれども。どうなんだろう。

 しかし,赤い手袋なんかは在庫になかったんでありましょうか。

 新潟市・本町通6あたり。