かける物件
かける物件
道路に面したお宅の玄関前でありますけれども,引き戸になっている玄関の前はセメントで固めた駐車スペースのようになっていて,その脇のほうには写真のように水道の蛇口がつけられているわけなんでした。
で,その蛇口をよく見てみると,蛇口の首(言い方がヘンか?)のところには,ヒモ付きの鍵がさげられているんでした。
比較的大きめの鍵だから,この玄関の鍵なんではあるまいかとも思われるわけですけれども,もしそうであれば,あまりにも無用心であります。外出時に「郵便受の中に置く」とか「植木鉢の下に置く」とかいうのはよく聞きますけれども,これはどうなんでありましょうか。
しかし考えてみると,このいかにも「罠ですよ」と言ってるような鍵の置き方は,逆に泥棒なんかには有効なのかもしれないんでした。新しい防犯方法なのかもしれないでありますね。
でも本当は,家族で出かけるときに子どもがお母さんに「鍵をかけておいてねー」と言われて,鍵をネックレスのように蛇口にかけてしまったということなのかもしれないですけれども。
なんてことを考えながら10メートルくらい歩くと,こんなカンバンが立っているんでした。
「両隣 互いに かけあう声とカギを」ということで,なんとなく「んむ。そうだよな」と思ってしまうわけですけれども,「いや待て」と,数歩通り過ぎたところで立ち止まってしまうんでした。
声をかけあうのはともかく,カギをかけあうというのはいくら両隣でもちょっとマズイんではあるまいか。
出かけるときにはお隣に「じゃあうちのカギかけといてください」と言っていくんでありましょうか。帰ってきても,お隣さんがいないと家に入ることができなかったりするんでありましょうか。
さらに「両隣」と言ってるわけだから,自分の家に入るときにはその二軒の住人がそろわないとカギが開けられないのかもしれない。核発射装置のような防犯セキュリティであります。
そして,このカンバンから数メートル歩いたところには,こんなカンバンが立っているんでした。
「合鍵3分間OK あらゆる鍵の複製」ということで,もしお隣さんが帰ってこなくて家に入れなくても,このお店にたのめばなんとかしてくれそうな気がするんでした。
鍵のオリジナルがないと複製も作れないかもしれないけれども,でもまぁその辺は色んな技術を持っていそうであります。本職は自転車屋さんのようですが。
それはともかく,ちょっとギョッとするのが後ろにいるアヤシげな人でありますね。ヘルメットの下の,よく見えない顔がブキミであります。
3億円事件の犯人なんではあるまいかと思われるほどアヤシイわけですけれども,これはどうもマネキンみたいな人形のようなんでした。多分。近寄ってないので,ホントは人間なのかもしれませんが。
ここの自転車屋のダンナは街で事件が起こるとこのコスチュームでヘンシンして,正義の味方「キーマン」として自転車で駆けつけるのかもしれないでありますね。
駆けつけたときのキメ言葉は,「カギつけた!事件のにおい!」。ドラマ化したときのタイトルは,「かけろ!キーマン」。
こんなアヤシイのが現場にかけつけたら,逆に捕まってしまいそうな気もしますけれども。
3枚とも分水町・地蔵堂あたり。ごく狭い範囲。