十円物件

十円物件


 はい。「十円物件」であります。はたしてどのあたりが「十円物件」であるのか。まったくわからんという人も多いかと思いますけれども,ポンとヒザをたたいた人もほんの少しいたんではないかと思ったりするわけでした。

 ヒザをたたいた人というのは,おそらくは70年代はじめ頃の少年チャンピオンを知っている人ではあるまいかと思われるですね。


 こちらが,つのだじろう作「泣くな!十円」。もう30年くらい前の作品であります。主人公の聖徳十円くんと,妹の聖徳太子(たいこ)ちゃん。正直言って私もそのころは読んでないのだけれども,床屋の本棚に「ど根性ガエル」なんかと並んで置いてあったのを見ていたような気がするわけでした。

 そんなわけで,上の写真の物件。家を顔に見立てるという,いわゆるフェイス物件でありますけれども,これはもう,目が「十円」そのものでありますね。歯の出方もちょっとそれっぽい。この薬屋の主人,意識して作ったんではあるまいかと思ってしまうわけでした。


 オマケ。こちらはまぁ,「十円」ではないんですけれどもチャンピオンつながりということで,「くろい美容室」であります。「くろい」と言えば,黒井ミサ。エコエコアザラク。

 ちょっとこの字体がところどころカールしてるあたりも魔女っぽいでありますね。魔女っ子もののタイトルロゴなんかはいつもこんな感じの字だったような気がするし。


 さらにオマケ。こちらも「十円」ではないですが,やはりチャンピオンつながりで,なんとなく魔太郎っぽい…。というのはちょっとムリか。彼は浦野ではなく浦見魔太郎だしな。「ウラノはらさでおくべきか。メラメラメラ」とは言わんし。

 でも,表通りからちょっとはずれたところにあるこのお店の,このウラブレっぷりが店名と相まってなんともいい味を出しております。「ヤングマンの店」というのもきいておりますですね。


 ということで,今回はその当時の少年チャンピオンを知らん人にはよくわからんネタであっただろうことをおわびいたします。

「十円」は五泉市・吉沢2あたり。
「くろい」は五泉市・赤海あたり。
「ウラノ」は白根市…の地名的にどのへんだったか。ちょっと忘れた。ごめん。